カテゴリー「そば粉の世界」の記事

2013年9月26日 (木)

早々と「新そば」に切り替え。

先々週から、
いよいよお待ちかね、
「新そば」に切り替わった。

今年は、例年に比べて、
切り替わりがかなり早い。
いつもだと、確実に量と品質が揃うまで、
なかなか「新そば」に切り替えないそば粉屋さんなのだが、
今年は、早々と体制が整ったようだ。

この時期は毎年、
一番先にそばが採れる、北海道の生産者と、
製粉加工業者との間で、
価格をめぐってつばぜり合いが繰り広げられるらしい。
それが決まらないと、
そばが実際に出荷されないという。
ところが、
政府の補助金が出るというので、
昨年からそばの作付けがぐっと増えた。
そして、
国内産のそばが、だぶつき気味という話を聞いている。

その影響もあって、
すんなり、そばが動いたのかなあ、、、
などと、勝手に憶測している。

けっして、夏まで保管していたそばが、
まずい訳ではないし、
逆に、ある種の甘味が出て味わいがある。
でも、
「新そば」になると、
あっ、これがそばの魅力なのだな、、、
と、いつも再認識させられる。

甘味や味の濃さはヒネに劣るが、
何より、ふわっとした食感と、
一口目に感じる爽やかな風味がなんともいえない。

打ってみても、
水加減こそうるさいものの、
捏ねれば膨らみ感があり、適度な抵抗感がある。
茹でても、
細かく切れた、いわゆる「ざるっぱたき」がほとんどない。
若々しい艶のある、しっかりとした麺線に仕上がっている。

という「新そば」。
先ずは北海道産から。
長野産が混じるのはもっと先のこと。

でもね、
正直な話をすると、
そば屋がこんなことを言っていいのか分からないが、
もちろん「新そば」もおいしいが、
少し経つと、
もっとおいしくなるのだなあ、これが。

何はともあれ、
今年もそばが豊作でありますように!

(ついでに長野の特産、マツタケも豊作でありますように!ゴクッ。)

Sinsoba

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2012年10月20日 (土)

そばの実の乾燥状態のチェックが大切。

少し前のことであるが、
店でそばを食べられたお客様が私に聞いた。
どこの製粉所の粉を使っているのかと。

私が、長野市内のM製粉ですと答えると、
そのお客様は、M製粉はだめだ、とおっしゃる。
ええっ、だめってどういうことだろう。

で、お話を聞いてみると、
その方は、長野市近郊で農家をやっていられるとのこと。
そして、そばも栽培しているそうだ。

収穫したそばは、いつもは農協に卸すのだが、
製粉所に直接売った方が高く売れるという話を聞いて、
そばの袋をトラックに積んで、
M製粉に持ち込んだ。

そうしたら、
なにやら、ごそごそと検査をして、
あげくに、このそばは、乾燥しすぎているので、
引き取ることはできない、
といわれたそうだ。

こっちは、何十年もそばを作っているのに、
いままで、そんなことは言われたことはない!
と、頭に来たお客様は、
M製粉をあとにして、
そのまま、他の製粉所へ行った。
そこでは、すんなり、買い取ってくれたとのこと。

だから、M製粉はだめなのだそうだ。

この話を聞いて、
無愛想な印象のM製粉の社長の顔を、
つい、思い浮かべてしまった。
なるほどなあ〜。

じつは、そばの実は、収穫してからの方が手間がかかる。

昔ならば、湿度のある早朝に刈り取り、
束にして茎ごと乾燥させた。
島立てという方法だ。
それを叩いてそばの実を落とし、
風の強い日に、
箕(み)に入れてあおって、
葉や茎などの混じり物を吹き飛ばして、
そばの実だけをとりだした。

今時は、そんな手間をかけず、
コンバインで一気に実だけをかき集めて収穫する。
この時は手刈りとは逆に、
湿度のない日中に刈り入れをした方がいいのだそうだ。

そうして収穫したそばの実は、
湿気を帯びているので、
カビなどを生やさないために、
すぐに乾燥させなければならない。

その乾燥方法も様々で、
まあ、いろいろな機械を使ったりするそうだ。

問題なのは、そばの実を、
どのくらいまで乾燥させるかということ。
これは品質規定で定められていて、
15パーセントとなっている。

つまり、そばを取引するにあたって、
水分量が一定でないと公正性が保てない。
そばの重さが、それこそ水増しされていては、
安心して買い取ることができないからだ。

同時にこの水分量15パーセントというのは、
そばの品質のバロメーターでもある。
これより多いと、カビなどが生えやすく、
保存が利かない。
これよりも少ないと、
皮を剥く時に実が割れやすくなり、
また、そば粉にしてもうまく繋がらなくなるそうだ。

だから、きちんとした、製粉所は、
いつも、このそばの実の水分量を気にしている。

きっと、店に来られたお客様のそばは、
かなり、乾燥した状態になっていたのだろう。
一度そうなると、もう、元には戻らないそうだ。

お客様には申し訳ないが、
その話を聞いて、
逆に、M製粉はしっかりやっているなあ、
と、思ってしまった私なのだ。



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2012年9月29日 (土)

北海道産の新そばに切り替え。

8月に、仕事もかねて北海道へ行って来られたお客様が、
こんなことをおっしゃっていた。

「いやあ、北海道は、1人で車を運転していくものじゃないよ。」

なぜかと聞けば、
あまりに広すぎて、運転に飽きるからなのだそうだ。
なぜ飽きるかと言えば、景色に変化がないからとおっしゃる。

とにかく、牧草地の中を走っているかと思えば、
15分も、20分もずっと、牧草地なのだという。
湿原地帯も、うんざりするほど、同じ光景が続くらしい。

旭川の近くの幌加内(ほろかない)を通ったときも、
そうだったという。
最初は珍しいと思った風景も、
20分、しかもかなりのスピードで走ったのに、
同じような光景が広がっていて、
ほとほと、うんざりしたそうだ。

その光景とは、
白いそばの花が、道の両側のなだらかな丘陵地帯に、
一面に咲いているという光景。

「長野だったら、そば畑の横に牧草地があったり、
ちょっとした畑があったりするのに、
幌加内というところは、本当に、そばの花しかないんだよ。」

私は北海道に行ったことはないが、
いかにも実感が伝わるお言葉。

そう、お客様の通られた幌加内は、
国内産そばの半分近くを生産する北海道でも、
指折りの産地。
内陸性の、温度差の大きさが、
いいそばを育てるのだね。
きっちりとした生産管理が行われ、
質の高いそばを出荷しているところだ。

そのお客様が見られたそばの花が、
今は、実となって、
いや、粉となって、
私の店に届いた。

新そばに切り替わるには、
ちょっと早いのではないか、、とは思いつつ、
「信州産夏そば」を混入しながらも、
膨らみ感のだいぶ失われた夏を越したそばに、
やや苦労を感じてきたところなので、
今年は早めに新そばに乗り換え。

打っていても違う、プリプリとした弾力に、
新そばの勢いを感じる。
水加減もだいぶ変わるしね。

ということで、
今年も「新そば」になりました。
何と言っても、喉越しは、
夏のそばとはまったく違う。

だけど、皆さん、
急がなくていいですよ。
まだまだ、早出しの、若い感じのするそば。
味の落ち着く、来月の半ばぐらいからが、
、、
、、、本当のおすすめ。

Sobanuebo




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2012年6月29日 (金)

そば粉には、目に見えない苦労の結晶がある。

そば粉を作る製粉所の工場を覗いてみると、
実に様々な機械が並んでいる。

そば粉を作るというと、
すぐ、石臼のぐるぐると回る姿を想像するが、
それは、そばの製粉の、ほんの一部の行程のすぎない。

そばの実を選り分けたり、
皮を剥いたり、
不純物を取り除いたり、
実を割って、打ち粉の素の部分を取り出したり、
さらに、石臼で挽いたあとの粉を、
細かく仕分けしたり、
それを再び混合するという、
それぞれの用途にあった機械がずらりと並び、
うなり声を上げているのだ。

その、そばの製粉所の機械を作っている会社が、
長野にある。
私も、何度も前を通っていたのだが、
そのこじんまりとした事業所が、
私の打っているそばと関わっていたなんて、
全く気がつかなかった。

取引している粉屋さんから紹介を受けて、
そこで、そばを挽かせてもらったことがある。

その時、その会社の方から聞いた話は、
すごく参考になっている。
いいそばを作るために、
目の見えないところで、努力されている方々もいらっしゃるのだ。

その会社は、
もともと小麦の製粉機を作る会社だったそうだ。

長野では「そば」、というイメージがあるが、
ここ善光寺平では、少し前までは、実は、小麦の生産が盛んだった。

冬に麦を育て、夏に米を栽培する。
つまり、二毛作が当たり前の地域だったそうだ。
その穫れた小麦を、
農家の人は、郷土料理のおやきなどにして食べていた。
だから、昔は、そのための小麦の製粉屋さんがたくさんあって、
その機械を作っていたのだそうだ。
今でも、長野市は、全国の県庁所在地の中で、
小麦粉の消費量が日本一だとか。

ところが、
高度成長期に、外国産の安い小麦が入って来るようになると、
小麦の生産は割に合わなくなり、
作られなくなってしまった。
当然、小麦を挽いていた製粉所も無くなってしまった。

そこで、その会社は、
今までの技術を活かせる、
そばの製粉の機械を作ることに、
重点を置くことにしたそうだ。

一時は外国製のロール製粉機に押されていたが、
「手打ち」の復活とともに、
石臼引きのそば粉が見直されるようになり、
今では、小規模ながら、業界の中では確固たる地位を築いている。

こういう機械は、
性能への信頼感が一番なのだろう。
だから、常に勉強を怠らないのだそうだ。
石臼の材質によって、
粉の印象が違うと言う話は聞いたこともあるが、
シフター(ふるい)の材質や、動かし方で、
仕分けされる粉の質が変わると言う話は初めて聞いた。

そうして、
目立たないところで、
いいそば粉を作るために、励んでいる方々がいらっしゃるのだ。
私も、
大切に、
大事に、
このそば粉を、「おいしいそば」になるように、
しっかりと前を向いて作っていこう、、、

という青春ドラマ的結末、、、。

Dokudami

 

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2010年10月15日 (金)

挽き方で違うそばの味。

前回に書いたように、なかなか、
「新そば」に切り替わらないかんだたのそばだが、
製粉屋さんでは、すでに、新そばの粉作りが始まっている。
そこで、
いくつものタイプの粉のうちの、三種類のサンプルをいただいた。
そこで、早速、試し打ち。


 

Sinsobaprueba
200グラムの粉を、
それぞれ10分でそばにする「サンプル打ち」なので、
麺線の乱れはご勘弁を。

左はそばの皮を取り除いた「丸抜き」をそのまま挽いたもの。
しゃきっとした、固めの食感と深い風味のあるそば。

真ん中は、やや粗挽きにしたもので、
皮を少し挽き込んでいるので、色が少し黒め。
そばの味が強く、少しぼそっとした田舎そばの食感。

右は、蕎麦粒を大きく砕いてから挽いたもの。
しっとりとした食感で、
上品な甘さを感じられるそば。

どれも、
新そばらしい爽やかさを含んでいて、
う〜〜〜ん、おいしい。

同じ玄そばを使っていても、
石臼での挽き方によって、
これだけの違いが出る。

さらに、石臼の形状や素材によっても、
微妙な違いがでてくるそうだ。

そばの実を、ただ粉にすれば、
いいそばが出来るわけではない。
きっちりと、こういう粉の性質をわきまえた上で、
使い分けることが大切なのだね。

って、「かんだた」の粉は、
更に別の配合で作られているから、
面倒くさいから後回し、、、、
なんてことはないよね、
製粉屋さん、、、。

  
 
 

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2010年8月16日 (月)

自家製粉の魅力と、気になるところ。

この頃人気のそば屋の中には、
自家製粉を売りにしている店が、けっこう多い。
つまり、自分の店で、
そばの粉を挽いて、その粉でそばを打つお店だ。

もちろん、たいていの場合、
そばを挽くのは石臼。
手で廻すと言う奇特な方もいらっしゃるが、
多くは電動で、
ぐるぐると回っている。

そばを食べる時に、
そんな石臼の姿が見えたりすると、
ああ、この店は、
一生懸命やっているんだなと、
思わず、納得したりすることもある。

ある業界の雑誌などでは、
これからは、そば屋が店で臼を廻す、
自家製粉が当たり前の流れになるだろうと、
言い切ったりしている。
(もちろん蕎麦の業界のものではないけれど。)

でもね、
そばの実から、そばを打つための粉を造るという作業は、
そんなに単純なものではないのだ。
いや、ただ粉を造るだけだったら簡単だ。
でも、そばに打ってみて、
口の肥えたお客様の満足を得られるそば粉を造るのは、
ものすごく、微妙な調整と技術が必要な気がする。

先日、製粉機械屋さんで、粉を挽いてみて、
そうして、その粉でそばを打ってみて、
改めて、製粉の難しさを感じた。

確かに、挽きたての粉で打ったそばは、
独特の爽やかさがある。
最初の一口で、
特にそれを感じる。
これはいいぞ、、、、
と食べ続けると、

あとが寂しい。

その爽やかさが口の中を通り過ぎたあとに、
続いてくるはずの、甘味や風味が無いのだ。

私の挽き方が、あるいは、その石臼が悪かったのだろうか。

いいや、
これは、私が、いつも、
自家製粉を売りにしているそば屋さんで食べた時に、
感じていること。
そばの味が薄いのだ。

自家製粉の店は、たいがい、
そばの殻を取り除いた「丸抜き」と呼ばれるそばの実を、
石臼に投入して粉にする。

つまり、
そばの実を丸ごと使って粉にするわけだ。
ところが、
そばの実の中には、
味の薄い部分もあれば、濃い部分もある。

小さい石臼でそばを挽けば、
全部それが混ざってしまうわけだ。

ところが、
私の仕入れている製粉屋さんは、
ある方法で、味の薄い部分を取り除いて粉にしている。
更に、何台もの石臼を同時に使い、
味の濃い部分をふるい分けて調合している。
「かんだた」は「かんだた」専用の調合によって、
そば粉が届けられている。
こういうことは、
専門家の技術でしか出来ないことなのだ。

とても、
とても、
一つの小さな石臼で出来ることではない。

ただ、
製粉屋さんは、
様々な産地、様々な生産者の玄そばを混合して粉にする。
これは、いつでも、均一な味のものを出荷するための、
必要な方法。

だから、誰々さんの作ったそば、
○○の畑で作られたそば、
というのは、よっぽどの量がまとまらないと作ってくれない。

私のようなごく少量しか使わない店では、
せっかく、おいしいそばを育てようとしている生産者の方と知り合っても、
そのそばとの、直接的なつながりが造れないのが、
はがゆいところ。

もし、
いい形で、自分で粉が挽けたならば、
食べる人と、そばを育てた人の顔をつなぐことが出来るのではないか。
まあ、
時間がかかるかもしれないが、
製粉の方法を工夫しながら、
そばの世界の流れが、
誰でも見えるような仕組みを作っていきたいもの、
と、考えている。

 

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2010年7月16日 (金)

石臼で粉を挽いてみた。

先日の休みの日、
製粉屋さんから仕入れたそばの「丸抜き」を持って、
ある事業所にお邪魔した。

「丸抜き」とは、玄そばを磨いてから、
その皮を取り除いて、実を裸にしたもの。
そばの実もそのままでは恥ずかしいらしく、
「甘皮」という、少し緑がかった、
薄い衣を羽織っている。

その事業所は、
そばの製粉業界では、歴史もあって、
けっこう有名な会社。
この会社の名前をとった○○式という製粉機械が、
全国で活躍している。

行ってみれば、意外とこじんまりとした会社。
「だって、そばの製粉屋さんなんて、
数が知れているじゃないですか。
それにねえ、製粉の機械は、
長持ちをするんですよ。」
とは、対応していただいた社員の方の話。

それでも、
十名あまりの社員で、日本全国を飛び歩き、
そばの業界の、縁の下の力持ちとなっているのだ。

その会社で、
試し挽きや、小規模店舗用の、
業界向けてしては、比較的小型の石臼を扱っているという話を聞いた。

そこで、
問い合わせをしたら、
「挽いてみないと判らないでしょう。
 いつでも挽きにいらっしゃい。」
とのご返事。

という言葉に甘えて、
店の休みの日に、お邪魔した次第。
そこで、作業場の片隅に置かれた石臼を使って、
粉を挽かせてもらった。

石臼自体は、
単純な構造だ。
というより、
いかにも、アナログ的。

上のじょうごの大きいものに、
踏み台を使って、「丸抜き」をあける。
その下に、羽があって、その蕎麦粒を、
石臼に落とし込んでいく。
この投入量によって、そばの粗さが変わるので、
窓を動かして、
その量を調整する。

それが、
上臼に開けられた二カ所の穴を通って臼で挽かれ、
溝を通って、臼の周りに溢れ出てくる。

そうしてねえ。
石臼ともに、ぐるぐると回っているホウキが、
粉を集めて、穴に落とすのだ。
このホウキが、いかにもチープそうなのだが、
取り残しの無いところを見ると、
意外な優れものなのかも。

その下にはふるいがあって、
粉と、恥ずかしがって脱ぎ損ねた甘皮の部分に分かれて出てくる。
なるほどなあ。

仕組みは単純だが、
細かいところには、
ずいぶんと工夫がなされていることを感じたねえ。

帰ってから、
顕微鏡で見たら、
かなり細かい粉が均一に挽けていた。
打ってみるとつながりもよく、
かなり締まった麺質となった。

投入量や、目立てのやり方を変えれば、
また違う粉が出来るらしい。

フウン、こういうのは、
確かに面白い。

でも、そばの製粉の、
大きな流れを、
先ず忘れないように気をつけながら、
また機会があったら試してみたいものだ。

 

 

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2010年5月10日 (月)

石臼ばかりが粉造りではない。

引き続き、製粉機メーカーの方との話。

私たちは、そばを粉にすると言うと、
すぐに石臼をぐるぐると回すことばかり考えるが、
機械屋さんにいわせると、
石臼の段階までくれば、
もう、粉は挽けたも同然だという。

そばの実から粉にするまでの過程の中で、
石臼は最終段階。
それ以前に、細かな作業が施されて、
石臼で挽いているよりも、
時間も手間も費やされているのだ。

実際に、製粉工場を見てみると、
玄そばが石臼にたどりつくまでに、
様々な機械が配置されている。

質のいいそば粉を得るためには、
この前段階が欠かせない。
大まかに見ていくとこんな順番。

石抜き→玄そばに含まれている石や泥を取り除く。

磨き→玄そばの表面のゴミを取り除く作業。
玄そばの皮にはけっこう不純物が含まれていて、
これをブラシなどでこすり落とさないと、
そば粉の中に入り込む恐れがある。
けっこう時間のかかる作業のようだ。

選別→磨き終わってきれいになった玄そばを、
編目を通すことによって、
大きさごとに分ける。
ここで、細かい段階に分けた方が、
次の段階の効率が良くなる。

脱皮→玄そばの硬い皮を取り除く。
上手に選別されていないと、
この時点で「割れ」が生じて、
製粉効率が落ちる。

こうして、
やっと、石臼に入れられる、
「丸抜き」と呼ばれるそばの抜き身が出来上がるのだ。

製粉所では、
さらにその丸抜きを砕いて、
「大割れ」にしてから、
石臼に入れることが多い。

なるほど、
おいしいそばを作るために、
製粉屋さんも、
機械屋さんも、
目に見えないところで苦労されている。

そういう人たちの苦労に報いるためにも、
そばをおいしく食べていただけるように、
努力しなければ、、、、

と、なんとも優等生的にまとめてしまった今日の話。

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2010年5月 7日 (金)

手形の残るそば粉

ある製粉機器のメーカーの人の話を聞いた。
中規模の蕎麦の製粉所の、
システムを作っている会社だ。
私は、製粉については詳しくないので、
話を聞いて、ずいぶんと参考になった。

今、手打ちそばを作る人は、
私を含めて、「石臼挽き」の粉を使うことが多い。

そば粉を作るには、他に「ロール挽き」があるが、
こちらは、均等な粒の粉が出来る。
しかし、「石臼挽き」の場合は、
ある程度粒のそろった、切断面のはっきりとした粒に、
様々な形状の細かい粒が混じってくる。
それが実に様々なのだ。

私も、時々は顕微鏡(というより高性能ルーペ)で、
粉を確認しているので分かるが、
製粉会社によって、この細かい粒の割合や形状が、
微妙に違う。

そばを打つと言う観点から見ると、
粒のそろった「ロール挽き」の粉の方が打ち易い。
「石臼挽き」でも、あまり細かい粒の多くない方が、
比較的、つながり易く、しっかりとしたそばになるようだ。
しかしながら、細かい粉があることによって、
そばに、膨らみ感が出て来たり、
滑らかな食感になったりする。

つまり、
「石臼挽き」の場合は、
挽かれた粉の、粒の大きさの分布状態で、
作ったそばの印象が変わってくる可能性があるという。

石臼に使う石の種類や、
刻まれた溝の間隔、形状によって、
その粒の割合が変わってくるのだという。

ふうん、そばの実を、
ただ粉にすればいいということではなく、
その店や製粉所にあった粉を作るために、
機械屋さんも研究しているのだ。

よく、握ってみて、
しっとりとした感じのそば粉がいい、
という職人さんがいる。
また、そば粉に手を突っ込んで、
指の跡がそのまま残るような粉がいい、
ともいわれる。

このために、石臼挽きのほうが、
熱が入らないから、湿気が保たれるなどと言われたりするが、
実は、そばに含まれる水分と、
触ったときのしっとり感は違うのだそうだ。

細かい粒は、ある程度以上の細かさ、
だいたい80ミクロンより小さくなると、
粒同士の結びつく力が強くなるといわれているいう。

いいかえれば、そういう細かい粒の多い粉ほど、
しっとりとした感じになるそうだ。

なるほどねえ。
やっぱり、そういう専門家から聞かないと、
分からない話はたくさんある。

粉については、まだまだ勉強不足。
感覚や思い込みではなく、しっかりとした科学としての、
知識を身につけていきたい。

Tegata

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