カテゴリー「そば汁の世界」の記事

2016年3月 7日 (月)

最高級の昆布を使っても、そば自体はおいしくならない。

いい昆布からとった出汁は、
ほのかな甘味があって、
合わせるものを包み込むようなうま味が感じられる。

先日の京都の旅でも、
旅館でいただいた懐石料理にも、
随所に昆布のだしが使われていた。
観光地のうどん屋さんでも、
鯖寿司の店でも、しっかりと昆布が使われている。

さすがに、京都、いや、関西の料理は、
昆布の使い方が上手だねえ。

それに比べると、
関東では、あまり、こってりとした昆布の味は、
好まれていないようにも感じる。
どちらかと言うと、出汁を取るときには、
鰹の味を大切にするのかも知れない。

というような関係は、
よくわからないが、
そば汁と、昆布との関係、
これが、また複雑怪奇で、
やっぱり、よくわからないのだ。

以前やっていた店で、
汁に使う出汁を、いろいろと試したことがあった。
私は、昆布は日高で、
色の付く程度に、、と教わったのだが、
はたしてそれでいいのかなあ、
もっと、おいしい昆布を使えばいいのに、
と思っていたのだ。

昆布にもいろいろあるが、
いい出汁を取れるのは、
利尻とか、羅臼とか言われている。
そこで、利尻昆布を仕入れて、
しっかり、濃いめの出汁を取り、
そこにかつお節と合わせてそば汁を作ってみた。

じつに昆布の味が効いていて、
おいしいそば汁が出来たのだよね。
ちょっと塩っぱいが、そのまま飲んでも、
うまいんだよねえ、これが。

でも、その汁でそばを食べてみたら、
ゴホンゴホン、
汁のうま味が舌に絡みついて、
そばの味がよく分からなくなってしまった。
あれっ。

そうか、
あるそば屋のご隠居さんの言われた、
「うまい汁を作ってはいけない」、
というのは、
こういうことなんだねえ。

東京あたりの老舗のそば屋では、
昆布の出汁は使っていないところが多いそうだ。
関東の醤油自体がうま味の強いものなので、
そば汁として使うのには、
昆布の出汁に頼らなくてもいいのかもしれない。

とはいえ、
新しい店の中には、
けっこう昆布の出汁を使っているところもある。
残ったそばツユを、薄めのそば湯で割ってみれば、
伸びの良い昆布の味が浮き上がってくる。
その味が、そばに合うかどうかは、、、
ははは、召し上がる人の好みだねえ、今の世は。

ということで、
昆布に限らず、かつお節にしても、
いいと言われるものを使ったからと言って、
そばをおいしくするとは限らない。
そばよりも、汁が出しゃばってはいけないんだね。
そば汁には、その店の姿勢が出てくるもの。
材料ばかりでなく、ちょっとした工夫の積み重ねが、
汁づくりにはもっと、大切なこと、、、なんだなあ。

ということで、
専用鍋で、湯気を出して、そば汁を湯煎中。

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2015年3月19日 (木)

「かえし」を作る時に飛ばしてしまう「みりん」のアルコールがもったいなくて、、、。

古い落語を聞いていたら、
夏の暑い日の夕方、
横丁のご隠居さんが、
井戸の水で冷やした「直し」で一杯やっている、
という場面があった。
この「直し」というのはなんだろう。

これは「本直し」とか「柳蔭(やなぎかげ)」とも呼ばれるもので、
みりんに焼酎を加えた飲み物。
もちろんお酒だ。

昔は、こうして結構みりんが飲まれたのだね。
もちろん、しっかりと造られたみりんであれば、
そのまま飲んでも美味しい。
夏などロックで飲むと、
体の疲れが取れるような気がする。

それもそのはず、
みりんには、疲労回復に効果のあるビタミンB群が豊富なのだそうだ。
夏に、みりんや、
やはり米から作られた甘酒を飲むのは、
それなりに理由があったのだね。
甘酒って、寒い時に飲むものかと思ったら、
俳句では夏の季語。つまり夏に飲まれていたのだ。

昔の人は、健康に敏感だったのだね。

それならば、
スーパーの棚に並んでいるみりんを買ってきて、
飲んでみようと思われる方もいらっしゃるかもしれない。
でもちょっとご注意。
みりんのつもりで買われても、
それは「みりん風調味料」だったり、
塩を加えてあって、しょっぱい「発酵調味料」だったりする。

みりんは「お酒」。
きちんとした酒屋さんで買うことをお勧めする。
みりんはお酒なので、
当然、酒税というものが発生する。
今でこそだいぶ下がったが、
ずいぶん高い時期もあったという。

そこで、酒税を払わずに済むように、
水あめなど加えて作ったアルコール抜きのものや、
塩を加えて飲めなくした調味液が「みりん」として、
安価に売られるようになったのだね。
そして、そういう「調味料」が、
「みりん」だと思われるようになってしまった。

だから私が、
「みりんは飲んでも美味しい。」
などというと、
「えっ、あんな甘ったるいものを飲むの?」
などという反応が帰ってきてしまうのだ、トホホ。

料理のレシピは、
このインターネットの時代、
溢れるほどあって、
いろいろな料理が造られている。

でも、同じレシピでも、
調味料の選び方で、出来上がる料理の味は、
ずいぶんと変わってしまう。
例えば、今の季節に美味しい蛤(ハマグリ)の吸い物。
蛤の出汁に、ほんの少しだけ塩と酒入れて香りを出すのだが、
その酒がまずかったら、
それなりのものとなる。
いい酒を使えば、香り高い心にしみる味となる。
塩だって、同じこと。
いい塩を使えば味が広がる。
単純な料理ほど、
調味料の質が問われるのだ。
ほら、それができないから、
やたらと色んな物を入れる料理が流行ったりする、、
、、私はうんざりだけれどね。

そば汁に使うみりんも、
苦労して造られていることを、
先日お見えになった社長さんからお聞きした。
大事にこのみりんを使わせていただきたいと思う。

ただねえ、
いつも勿体無いなあと思うのは、
みりんのアルコールを煮切って飛ばすことだ。
寸胴に入れたみりんを、
アルコール臭さが無くなるまで煮立て、
そして醤油とあわせて「かえし」を作る。
この飛ばしてしまうアルコールを、
なんとかできないかな、、、、、。

煮物の仕上げには、
そのままのみりんを加えて、
艶を出したりしているが。

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2015年3月12日 (木)

味醂(みりん)について知らないことばかり!

「かんだた」のそば汁は、
砂糖を一切使わず、
醤油、みりん、だし汁だけで作っている。

ご存知の無い方が多いと思うが、
普通のそば汁は、
砂糖を使って汁にコクをつけている。
それも、かなりの量を醤油に溶かしこんで、
「かえし」というものを作り、
それからそば汁を作っている。

これは、
そば屋としては、
ほぼ常識的な汁の作り方なのだ。

取材されたライターの方もおっしゃっていたが、
砂糖を使わず、
みりんだけで、そば汁を作っているところは、
なかなか見当たらないという。

そんなことで、
みりんの雑誌広告に使いたいと、
はるばる長野まで、出版社の方々が、
お出でになった。
そして、スポンサーである、
みりんの会社の社長さんもお越しになったのだ。

その社長さんは(おそらく60代なかば)、
みりん造りに、ひたむきな情熱を注いでいらっしゃる。
いや、そんな気概が、
話をお聞きしている間に、
ヒシと伝わってくるのだ。
そして、みりんの製造方法などを、
とても、解りやすく説明していただいた。

それを伺って、
まあ、私は今まで、
みりんについて、
知ったかぶりをしていたのだなあ、
何も知らなかったのだなあ、
、、と思い知らされることしきり。
なにやら、恥ずかしくなってしまった。

みりんは、もち米と焼酎を使って作られることは知っていた。
でも、日本酒の仕込みのように、
最初に米を発酵させて、
それを調整するために、
あとから焼酎を入れるものと思っていた。

そうではないのだ。

蒸したもち米と麹を、
最初から強い焼酎の中に漬けて、
じっくりと、時間をかけて発酵させるのだそうだ。

蒸した米と麹を合わせて、
そのまま一晩置けば、
すぐに発酵して、いわゆる「甘酒」になる。
でも、それは、デンプンが糖分に変わっただけなのだ。
米の中に含まれるタンパクを発酵させるには、
時間と環境が必要だという。

だから、みりんは、
糖分ばかりでなく、豊富なビタミンやアミノ酸を含んでいるのだね。

みりんの仕込みは、
年に二回行われるという。
梅の花から桜の花の咲くころに春の仕込み。
さらに、菊の花が咲く頃に秋の仕込みがあるという。
季節の花が絡むところが、
風流を感じるね。
そして、冬の間に、
漬け込みに使う焼酎を仕込むのだそうだ。

なるほどなあ、
日本酒とは違う、
独特の作り方なのだね。

でもね、
すべての「みりん」が、
必ずしもそのように造られているわけでもない。
伝統的な製法に依らない、
「みりん風調味料」が広く出回っているのも事実。
どこが違うのだろう。
そして、ほんものの「みりん」の魅力は?

という話 は、
また今度。


Mirin

 

 

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2015年2月16日 (月)

そばを食べたあとは、そば湯で汁を分解する。

江戸時代の中頃になって、
そばは広く食べられるようになった。
最初の頃は、
そばを食べたあとに、
豆腐の味噌煮がでたそうだ。
そばで冷えた腹を、
その汁で温めたという。

ところが、信濃の習慣で、
そばを食べたあと、そのゆで汁を飲むことが伝わった。
同じそばの成分なので、
飲んだあとに腹が落ち着くというのだ。
だから「信濃風」と断って、
客にそば湯を出したら、
大変に珍しがられて褒められたと、
18世紀半ばに書かれた「蕎麦全書」に描かれている。

東京の昔のそば屋では、
内々の客、
つまり、店の客ではなく、
親戚、知人筋や、取引の人が見えても、
普通のお茶は出さなかったそうだ。
そば湯に、そば汁を垂らしたものを、
「信濃湯(おしなゆ)」といって出したという。

これは、店にとっても、
汁の自慢になったそうだ。
きちんとした出汁をとっていれば、
そば湯で薄められても、
しっかりと、出汁の香りが残り、
美味しくいただけるのだ。

なるほど、
今度は、用事で来るお客様に、
私も「信濃湯」を出してみようか。

さてさて、
他の店に行って、そばを頂いたあと、
楽しみなのがこのそば湯だ。
このそばを美味しく頂くために、
わざわざ、薬味のネギを、しっかり取っておいたりする。

もりそば用の汁は、だいたい、しっかりと作りこんだ、
うま味の強いものになっている。
しかし、そこに出汁の香りや風味が強く残っていると、
そばの味を損なってしまう。

だから、そば汁は、
そういうものを抑えつつ、
これでもかと凝縮したうまみで、
そばを引き立てているのだ。

そのギュッと詰め込まれた緊張から、
そば汁の開放されるのが、
そばを食べ終わって、
そば湯を注いだ瞬間だ。

今まで封印されていた出汁の香りがたち、
様々な風味が踊りだす。
料亭で最初に出る、
噛んで飲むような上品な吸い物とは違うけれど、
口の中に味の広がりを感じる事ができる。

ああ、いい出汁を使っているなあ、
などと、感心する。
そして、
ああ、あれとこれと、こういうふうに作っているなあ、
などと、勝手に想像してしまう。
昆布のだしは、伸びがいいので、
いつまでも口に残る。
東京あたりの古い店は、昆布なんぞ使わないから、
ピシっと、キレが良い。

若い店には、まだまだ迷いがあり、
(もちろん、それもいいものだ)、
古い店には、
奥行きの深い味わいがある。

皆さんそれぞれに工夫されている。
そば汁は「レシピ」だけでは語れない、
それぞれのコツの組み重ねなのだね。

そんなことが、
そば湯をを注ぐとわかるのだ。
ほら、あんな有名店なのに、
そば湯で割ると、
味が消えてしまう店がある。
いま流行りの〇〇エキスでも、
使っているのかな。

そんなことで、
皆様に分解されてもいいように、
今日も汁を湯煎しているのだ、、、

、、二時間半もかかるから、飲みにゆけない、、、、。


Yusen

 

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2015年1月18日 (日)

カツオばかりがダシではない。

だし屋さんのカタログを見ていると、
実に様々のだしの材料がある。

まあ、広く使われているのはカツオだが、
それでも、荒節から枯本節、
小さなカツオを使った亀節、
最近は高イノシン酸タイプの枯本節も出ている。

他にも、宗田節、さば節、むろ節、まぐろ節、うるめ節、
さんま節、いわし節なんぞがある。

それぞれに、だしの出方が違うので、
その店の、その目的にあった節を、
あるいは、いくつかの組み合わせをして使う。

さらに、節の形によって、 だしの出方が違う。
例えば、カツオなら、
そば屋では、濃厚な汁を取るために、
厚削りをじっくりと煮出す。
料理屋では、豊かな香りの汁を取るために、
薄削り、つまり花かつおを使って、短い時間で仕上げる。

カツオの節の削る厚さによって、
味の出方も、煮出しの時間も変わってくるのだ。

最近では粉砕品もあって、
これは、短時間で濃い出しがとれ、
かつ、香りも残せるというもの。
香りをつけるには、粉末になったものもある。

だから、
汁を作るには、
実に様々な方法と、
組み合わせが考えられるのだ。

で、だしに使われるものはそれだけではない。
煮干し類や干物類もいいだしが取れる。

片口、うるめ、平子、あご、あじ、たい、えそ、かます、
いか、するめ、かき、あさり、しじみ、かいばしら、むきえび、
おきあみ、桜えび、しいたけ、、、、、。

ラーメンの世界では、こういう魚介類のだしが見直され、
ずいぶんと研究され、また挑戦されている。
それだけ、競争が激しいし、
また、成功した時の喜びが大きいのだろう。

でも、そば屋の世界では、
未だに「カツオ」一辺倒のようだ。
最近は、有名店のレシピも出まわっていて、
新しいそば店に行っても、
そば汁がかなり均一化されているような気がする。

「私は枯本節で汁を作っています。」
と、威張っていて、
その場所から動こうとしていない、、、印象もある。

いくらうまい汁を作っても、
そばと合わなければ意味が無い。
また、ラーメンなどの濃厚な汁に慣れたお客様の、
味の感覚も変わってきている。
それに合わせた汁づくりが求められるのではないだろうか。

などという私だが、
店の汁も、少しづつではあるが、
作り方や、材料を変えている。

個人的に言えば、
濃厚なトマトソースと、オリーブオイルで、
そばを食べるのが気に入っているが、
これはまあ、
個人的、、、というところに収めておいたほうが良さそうかな。

Katuo

 

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2010年11月 8日 (月)

節は使ってみないと解らない。

人は見かけによらぬものと言うが、
まさに、その通りで、
実際にお付き合いをしてみないと、
その人の本質が見えて来ないことは多くある。

いい人だと思ったのに、、、
あれ、意外としっかりとした人なんだ、、、
などということが、しきりにある。
いまだに、人を見る目のない私。

さて、
そば汁に使う節も同じで、
示されたサンプルやウンチクをいくら聞いたところで、
実際に、煮だしてみないと、
その良さが解らないこともあるし、
期待はずれだったこともある。

値段でつられて、
つい、はやりの「本枯れ節」何ぞを使ったところで、
さっぱり、味がでない。
業者さんに言ったら、
「使う量が少ないからですよ!」とのこと。
だったら、
質のいい枯れ節を使った方が、
はるかに効率的。

ということで、
そば汁に使う節は、
いつも頭を悩まされる。
同じ業者さんの、
いつもの節を使ったところで、
出汁の出方が違うこともあるのだ。

だから、
複数の業者さんから、
様々な節を仕入れ、
合わせて使うようにしている。

Dashicaballa
「サバ節」
こってりとした旨味がでる。
「かんだた」にはないが、
温かいそば用の出汁によく使われる。

 

Dasiatun
「カツオ荒節」
カツオ独特の旨味がでる。

Dashisouda
「宗田節」
ううン、これは、独特のコクがでる。

Dasiaruto
「カツオ節高イノシン酸タイプ」
カツオの、一番旨味の乗ったタイミングを見計らって、
節にしたという。
最初は、半信半疑だったが、
実に旨味の濃い、
澄み切った出汁がとれる。

などという節を使って、
一時間ぐらい煮詰めて出汁をとっている。

Dasi
左側が、
そうして出来た出汁。
琥珀色のとろっとした感じ。
カツオだけだと、
もっと、あっさりとした、澄んだ汁になる。

右側は、
そのだしガラを煮詰めた二番だし。
いわゆる「馬鹿だし」と呼ばれるが、
野菜などの煮物に使うには充分な濃さがある。

この、
節を選ぶということは、
意外と大変なことなのかも。
居酒屋時代を含めて、
数々の失敗を重ねたから、
やっと、こういう形に落ち着いたのかも。
でも、まだまだ、
研究の余地のある世界なのだ。

ちなみに、
私の人を見る目、
とくに、女性を見る目は、
全く、磨かれていないようで、、、。


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2010年8月23日 (月)

乗るのに1ドル。そば汁のお代わりはン円。

さて、そばを食べる時に必要なそば汁。
これは、原価がかかっていて、
意外に高いものだと、多くのそば屋が威張って言う。

確かにその通り、、、。
だから、そば屋では、そば汁は大切に扱う。

でも、本当だろうか?

実際にあった話かどうか知らないが、
かなり以前に、こんなジョークを聞いたことがある。

あるケチな男が、1人でエジプトを旅したそうだ。

有名なスフィンクスの周りには、
たくさんのラクダがいて、
観光客を乗せてくれる。
その相場は、一回7ドルだという。

ケチな男は、ラクダには乗りたかったが、
その値段が気になっていた。
もっと、安くラクダに乗れないだろうか。

そうしたら、ある、ラクダ使いが声をかけてきた。
「だんな、私なら、1ドルでラクダに乗せてあげますよ。」
えっ、1ドル?
しかも、ちゃんと、スフィンクスの周りを歩いて?

ケチな男は、すぐにその話に乗り、、、
いや、すぐに1ドル払って、ラクダに乗ったのは、いうまでもない。
さて、そのラクダ使いに曵かれて、ラクダの背中で、
砂漠を一巡りした。
「しめしめ、これは、得な体験をしたぞ、
7ドルも払った奴らこそ、ざまを見ろ。」
と、得意になった。
ケチの、ケチたる由縁。

ところが、元の場所に戻ろうとすると、
人気のないところで、ラクダが、歩みを止めてしまった。
どうしたのかなと、男がいぶかると、
前にいたラクダ使いが近寄ってきて、
こう言った。

「だんな、乗るのは1ドルですけれど
 降りるのには10ドルかかるんですが。」

、、、、、、、。

さて、
日本のある観光地のそば屋の話。
1人のケチな男(私のことか?)が、
立ち並ぶそば屋の中の、一軒のそば屋に入った。
その土地は、そばで有名で、
立派な建物の店も多かったが、
ケチな男は、
あえて、看板の値段の一番安い、
おそらく、その辺りでは、
最も、寂びれたような店を選んだのだ。

ここはきっと、
設備にはお金をかけずに、
良心的な商売をしている店に違いない。

出てきたそばは、
なるほど、それなりの期待にこたえたものだった。
でも、
出されたそば汁は、
そば猪口に盛り切りで、
底の方に少しだけこびり付いているような量しかない。
おまけに、そばの水がよく切れていないので、
味が薄まってしまう。

そこで、
そばを出したくれた、
人の良さそうなおばさんに声をかける。
「すみません、そば汁をもう少しいただけますか。」

おばさん、元気に答える。
「は〜い、そば汁のおかわり、150円ね。」

「、、、、、。」

ラクダの話はともかく、
こういうそば屋が、
実際にある。

ン、調べてみたら、やっぱり、、

昔にあった(過去形)、、、、、、、。

まさか、まだ、そんな店、
ないよなあ。
「かんだた」でも、
砂糖を使わない汁の原価はともかく、
食べていただく方に、
満足できる量をお出ししようと思う。

私は、他の店にいけばケチなお客だけれど。
もっと、ケチなお店も、たまにあるんだよねえ。

 

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2010年6月12日 (土)

文化財に指定されている味噌蔵、醤油蔵。

以前に、店で使う醤油のことについて書かせていただいた。

今まで使っていた醤油屋さんが生産をやめてしまったため、
新しい醤油を探していた。
そうして、いくつかの醤油を試したことをお伝えした。

さて、その後どうなったかと、
お客様から聞かれたり、
醤油が変わったことを知っている御常連さんから、
そば汁についての、アドバイスをいただいたりした。

味というものは、
すぐになじめない。
その時はおいしいと感じても、
あとで、飽きるような味かもしれない。
だから、少し時間をかけて、
試させていただいたが、
やっと、自分でも、これで行こうと方向が決められた。

ということで、選ばせていただいたのは、
こちらの醤油。

Shioya
長野市の隣、須坂市の老舗の味噌屋、
「塩屋」で造る醤油。

他の醤油屋さん、ごめんなさい。
サンプルをいただいたり、
貴重なお話をお伺いしたのに、
選ぶことが出来なくて。
どの醤油もいいのだけれど、
たまたま「かんだた」のそばに合う醤油が、
コレだったわけ。

正直を言うと、営業的には、
一番、素っ気ない店。
サンプルもいただけないし、
値引きもしてくれない。
でも、使ってみて、一番気に入った味。

なにしろ、今まで使っていた醤油が、
ずいぶん荒々しかったので、
このおとなしめの醤油には、
戸惑わずにはいられなかった。

でも、醤油を変えたことを知っている御常連さん達から、
前より上品な味になったとご評価をいただいたので、
この醤油を使うことに踏み切った。

ということで、
お付き合いをお願いしたこの「塩屋」さん、
調べてみると、
おおおっ、
すごいところなのだ。

Shioya2

今、須坂は「蔵の街」を売り物にして、
街の再生を図っている。
その開発の続く中心地から少し離れたところに、
「塩屋」さんはある。
そうして、この入り口の建物から、
奥のいくつもの蔵が、
江戸後期から明治の初めまでに建てられたもので、
国の登録有形文化財に指定されているのだ。

ちょっと、中庭を覗かせていただいた。

Shioya3
ただ、古いというだけではなく、
地元産の豆を使った味噌を造ったり、
その味噌を使って、
地元の野菜、
例えば、村山早生ごぼう、小布施茄子、八丁胡瓜などを使った、
味噌漬けなどを作っている。
なるほど、地元、須坂の老舗であることを、
すごく意識されているようだ。

ということで、
醤油は、当分、この「塩屋」さんのもので行く予定。
すごく、ミリンの吸い込みがいいので、
まだまだ、細かい調整が必要な、
「かんだた」のそば汁なのだ。

 

「塩屋」さんのホームページは→こちら

 

醤油について3月に書いたブログ
 「大きな大きな問題に直面している」は→こちら

 
 
 

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2010年4月12日 (月)

以前はひげ面の「野武士」、今のは京の「お公家さん」。

Kaesi
お客様から、醤油はどうなったのと聞かれることがある。
皆さん、ブログをお読みなのですね。
気に留めていただき、大変にありがたきこと。

今、ある蔵の醤油を選んで、調整中。
一升瓶の醤油が八本はいる瓶(かめ)に「かえし」にして入れて、
少しずつ、前の醤油と入れ替わっている。

「かんだた」では、みりんと醤油を合わせて加熱し、
そば汁の元になる「かえし」を作っている。
多くのそば屋さんでは、ここで砂糖を、
それこそ、これでもか、、、、と入れるのだが、
「かんだた」では、砂糖は使っていない。

みりんと醤油だけで作った「かえし」は、
ちょっと、小さめの前瓶に入れ、
少し(一週間ぐらい)おいてから本瓶に移していく。

つまり、継ぎ足していくわけで、
前の醤油の味も、まだ残っていることになる。
でも、やがて、新しい醤油の味に、
すべて、変わっていくことだろう。

敏感なお客様はすでにお気付けになられている。
「前より、洗練された味になったね。」
「ちょっと、コクが無くなったような気がする。」

お客様の舌はこわいもの。
醤油が替わったことを、ちゃんと気づかれる方もいらっしゃる。

以前に比べて、みりんの味が強く感ぜられるので、
「かえし」を作る配合を変えてみる。
また、加熱しても、醤油臭さを残した今までのものには、
雑味の多い、コクのある出汁が似合った。
でも、塩慣れの早い今の醤油には、
もう少し、すっきりとした「出し汁」が合いそうだ。
そらならば、使っている4種類の「節」の配合も工夫してみなければ。

ということで、
未だに、新しい醤油とのつきあい方を調整中。
少しずつ、僅かずつ、替わっていくのでご容赦を。

この醤油屋さん、実は、すごいところですよ。
店から、往復すると、
車で一時間以上の時間がかかってしまうけれど、
歴史の重さの感ぜられる蔵なのだ。
私のような軽薄な店と、
お付き合い頂けるかどうか分からないけれど、
また決まったら、
ぜひ報告したいところ。
皆さん、お楽しみに。






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