カテゴリー「そばの食べ方」の記事

2016年2月29日 (月)

不味そうに食べる人、おいしそうに食べる人。

そばの食べ方って、いろいろあるんだな、、、
と、思うことがある。
前の店から重ねてみると、
もう二十年以上も、カウンター越しに、
たくさんの方のそばを食べる姿を見てきている。
同じ「せいろそば」を食べるにしても、
人にはずいぶんと癖があるものなのだね。

たとえば、
かんだたでは、
そば徳利からそば猪口に、
お客様が注ぐようにしていただいている。
その徳利から猪口に、
そば汁を注ぐ姿も、百人百様。

無造作に、ぱっと全部注いでしまう人もいれば、
注意深く、少しだけ入れて止める人もいる。
注ぐ時に、首が傾いていくお客様がいる。
首だけでなく、カラダ全体が傾いていくお客様もいらっしゃる。
見ている私も、一緒に傾いたりして、、。

たかが汁を注ぐだけでも、
そんな癖がある。
そして、たかが、
せいろに盛られたそばを食べるだけでも、
ずいぶんと、違った癖を、
大抵の人はお持ちのようだ。

たしかに見ていて、
変わっているなと思ったり、
面白いなと思ったりすることもある。
でも、それをあげつらって、
どうのこうの言うつもりはない。
その人だって、普通に召し上がっているのだ。
その人なりに、おいしくそばを召し上がっていただければいいのだ。

ちょっと、小難しく、
そばはこう食べるべきだ、、、
などという人もいるけどね。

人の癖というのは、なかなか直せないものだという。

そばを食べるとき、
眉間にしわを寄せて召し上がる方が時々いらっしゃる
いや、きっとそばだけでなく、
いつもの食事でもそうなのだろう。
なにか見ていると、
口にあわないのではないかと、心配になってくる。
でも、それもその人の食べ方なのだね。

そうかと思うと、
そばが出ると、ニコッとして、
嬉しそうに箸を動かす方もいらっしゃる。
この人は、そばが好きな人なのだろうなあ、
と、嬉しい気持ちになる。

でもねえ、
しかめっ面で食べる人だって、
本当はそばが好きだったりする。
ニコニコして食べる人だって、
心では物足りなく思っているかもしれない。

そばの食べ方は人それぞれ。
でも、
できれば、おいしそうに食べて頂くほうが、
私としてはうれしいのだが。

京都の伏見稲荷で入ったうどん屋さん。
観光地としては良心的な値段と味。
私も、おいしそうに食べたかなあ、、、
自分の食べる姿って、
あっ、解らないね。
せめて、おいしそうに食べるように心がけよう。

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2015年6月22日 (月)

早食いだけがそばの食べ方ではない、、のかな。

「そば屋さんは、お客の回転が早いからいいねえ。」
などと、他の飲食店の方に言われる。

そうかなあ。

確かに、サラリーマンの多い平日の昼間は、
回転が早い。
大勢で来られても、たいてい同じメニューで、
サッと、食べられては、すっと、席を立たれてしまう。
他の食べ物だったら、そうはいかないだろう。

しっかりと噛んで食べなければならない、
ご飯の定食だったりすれば、
食べるだけで、もっと時間が掛かる。
デザートがセットになっている「イタリアうどん」の店では、
なかなか減らない、お皿の上のものに気を使いながら、
店の人はデザートを用意しなければならない。

それに比べれば、
確かに、そば屋の客の回転はいいのかもしれない。
何しろ、そばは食べるスピードが、速いのだ。
くちゃくちゃと噛む必要もないし、
面倒くさいから、そのまま飲み込んだって、胃が持たれることもない。
せいろなど、目の前に出されれば、三分もしないうちに、
見事に召し上がってしまわれる方もいる。

逆に言えば、
それが、そばの魅力でもあるのだね。

でも、
近頃は、そうとも言えなくなってきたような気もする。

じつに、せいろそばを、30分以上かけて、
召し上がっていく方もいらっしゃるのだ。
そばが伸びる、、というか、
完全に伸びきってしまっているのだが、
それでも、箸を止めることなく、
ほんの二三本づつ、
ゆっくりと口に運び、
少しづつ手繰っていかれる。

そういう食べ方の方も、
少しづつ増えているのも事実。
女性ばかりではない、
男性でも、そういう方がいらっしゃるのだ。

まだまだ少ないけれど、
そういう食べ方で、そば屋を楽しまれている方もいらっしゃるのだ。
決して、早食いではないそばの食べ方。
そば屋としては、そういう食べ方が広まってほしくはないけれど、
それはそれで、受け入れていかなければね。

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2014年10月14日 (火)

タタミ二畳の茶室でそばを食べれば。

ちょっと想像してみると、
タタミ二畳の広さの部屋というのは、
かなり狭いように思える。
ところが、実際に中に入って見ると、
何やら、こじんまりとしていて、居心地がいいのだ。

ある陶器展で、
なんと千利休が作ったとされる、
国宝の茶室、待庵(たいあん)が寸法そっくりに再現されていた。
もともと大工だったその陶芸家が、
壁の質感から、天井の竹の編み方までこだわって、
何年か掛けて組み上げたものだった。

入り口は、にじり口と呼んで、
普通の半分ぐらいの高さしかないから、
体を小さくかがめて入る。
そうして入ると、
やや低めの天井も圧迫感もなく、
すっと、タタミの上に座れるのだ。

隅に湯を点てる炉が切ってあり、
ここで主人は、三人ぐらいの客をもてなす事ができそうだ。
二畳の広さは、相手との距離も、
遠すぎず、近すぎず、心地良い会話ができそうだ。

これはレプリカではあるが、
こういう空間で、利休が、
秀吉や黒田官兵衛をもてなしたかと思うと、
何やら楽しくなる。

お茶を心から楽しむために、
利休はこの二畳の茶室に、
気持ちを凝縮させたのだね。

さて、
食事をするにも、部屋の広さというのが、
結構大切な要素となるようだ。

和食の料理人の神田裕行さんのおっしゃることには、
「箸の長さでお膳の寸法が決まり、
天井の高さが定まる日本料理は、
狭く、静かな環境で、
味を迎えに行くものとされる。」
のだそうだ。

だから、体育館のような広いところで、
吸い物を飲んでも、うまく感じないという。
和食の薄い微妙な味を感じるには、
ある程度、閉ざされた空間が似合うのだね。

ならば、そばだって、同じかもしれない。
何やら、卓球場にテーブルを並べたような店よりも、
こじんまりとした区切られた空間の中で食べたほうが、
同じそばでも、感じ方が違うことがあるかもしれない。

そういえば、東京の老舗蕎麦屋のあの狭いテーブルで、
肩をつぼめながら食べるそばは、
なんとなく味わい深く感じられる。

お茶をやられる方に聞いた話。
あの茶室の狭い入り口、にじり口は、
頭を下げないと、中に入ることができない。
頭を下げることによって、先入観を取りのぞき、
無垢の心となって、お茶と向き合えるのだそうだ。
だから、あえて、あのような小さな入り口にしてあるとか。

それなら、私の店も、
入り口を狭くして、
屈まないと入れないようしようかな、、、、。

いやいや、
大切なのは、そばを味わえる、
適度な緊張感のある店作りに努めることだろう。
そのためには、まず、
店主が、しっかりとした顔をしていなくては。
ってね。


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2013年10月29日 (火)

プロの食べ方。食いしん坊の食べ方。

さて、小さなお子様は、
食べ物を口全体に頬張って召し上がる。
これは、舌ばかりでなく、
口全体に味を感じる神経があり、
無意識に、そういう食べ方をされるのだね。

などと言う話を、
前に書かせていただいた。

大人になると、さすがにそういう食べ方をせず、
舌だけで、味わうようになってしまう。

舌には、味を感じる神経が集中しているから、
それでも充分なのだね。

でも、
大人になっても、
口全体を使って、食べ物を味わう人たちがいる。

若い頃、
スキー教師の研修会でご一緒した、
ある調理師学校の先生方の食べ方がそうだった。
なるほど、プロの料理人は、
こういう味わい方をするのだなと、
感心した覚えがある。
何と言うか、食べ物を、
口の中でぐるぐると回すような食べ方をされるのだ。

テレビで見た、
中華料理の達人もそうだったし、
スペインの有名レストランのシェフも、
味見のときに、
このような食べ方をしていた。

そういえば私も、
ある食べ物屋にいた時に、
親方から柄杓(ひしゃく)の柄で叩かれながら、
口を広く使って汁の味見をすることを教わったっけ。

居酒屋をしていた時、
大手食品会社の営業の人に連れられてきた、
開発担当の方。
営業の人が言うには、
「この人すごいよ、なんでも味が分かっちゃうのだから。」
とのこと。
ご本人は、
「いや、飲む時には忘れることにしています。」
と、おっしゃっていた。

ところが、
ある料理を出したら、
その人の口が、文字通り、
洗濯機みたいにくるりと回った。
そして、その材料から調味料までを、
見事に言い当てたのだ。
普通の人には、
ちょっと、気づかないような材料を使っていたのにね。

こういう方々は、
特別な訓練を積まれているのだろう。
感性や経験だけで、
到達できるものではない。
そういう、
自分の舌で、いや口で、
食べ物を分析出来る人がいるのだね。

三年ぐらい前に、
店にいらしたお客様も、
まさに、そのような食べ方をされる。
気になっていると、
お客様の方から声をかけていただき、
話を聞くことが出来た。

そうしたら、
なんとその人は「匂い」のプロ。
いや、最近定年になった、
「匂い」のプロだった方だと言う。

「この鼻だけで、
メシを食わせてもらいました。」
とおっしゃる。
けっして「香り」と言わないところが、
なんとも実務的。
なんでも、工業製品の匂いを、
ずっと、調べてこられたそうだ。

そうして、当然のごとく、
食べ物の匂いにも敏感になられるそうだ。
食べ物屋に入ったとたん、
その店で使っているものがお分かりになるという。
〜〜怖いなあ。

もちろん味にも敏感なのだろう。
ああいう召し上がり方をされるのだから。

このような方もいらっしゃるのだ。

でも、
皆さんは、
あまりこういう食べ方をまねしない方がいい。

彼女との初デートで、
しゃれたレストランで(もちろんそば屋だっていい)食事をした時に、
このような食べ方をしていたら、、、
、、、おそらく、二回目のデートはないだろうなあ。

まさに、
食いしん坊の食べ方なのだ。
見ていて、あまり、上品な食べ方とは言えない。

でも、事情が許せば、
舌ばかりでなく、
ときには、口全体で食べ物を味わってみれば、
同じ食べ物でも、また、違うおいしさを発見できるかもしれない。

開高健のいう、今まで知らなかった味、
「新しい天体」と、
出会うことができるかもしれない。

まさか私、
無意識にそういう食べ方、
食いしん坊的食べ方を、していないだろうなあ、、、、。
自分じゃ分からん。

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2013年10月14日 (月)

小さなお子さんは、口全体を使って、そばを召し上がる。

気温が30度を超える、
暑い日が続いていたと思ったら、
急に涼しくなって、
朝には10度を切るようになったこの長野。

前日までクーラーを使っていたのに、
慌ててコタツを用意した、ご家庭もあったとか。

この季節、長野周辺では、
そばの刈り取りの季節。
いろいろと話を聞くが、
全体としては、そばの実の付きが良く、
例年より早めの収穫となったようだ。
これからの、長野産の新そばも、
楽しみなところだ。

さて、この連休にも、
多くの方にご来店いただき、
有り難いかぎり。

中にはご家族でお越しになった方々もいらっしゃって、
小さなお子様が、そばを召し上がっていただくのをみると、
とても、うれしい気分になる。

カウンターにいらした、
小学校に入ったばかりぐらいの女の子も、
せいろを一枚、ぺろっと平らげていた。
いやー、その食べ方の、
なんとも、頼もしいこと。

女の子は、
夢中で、そばを、口の中に手繰り込んでいる。
口をいっぱいに使ってね。
まるで、
身体全体で、そばを飲込もうとしているみたいだ。

そばに限らず、なにかものを食べる時に、
小さなお子様は、
このように、口全体を使うような食べ方をするようだ。

こういう食べ方が、
大人になってしまうと、
なかなか出来なくなってしまうんだよね。

口の中には、
味蕾(みらい)という、味を感じる組織があるらしい。
これは、人間の持つ防衛機能の一つ。
変な味のする食べ物、
つまり、身体を害する恐れのあるものを、
食べないようにするために、
備わっているらしい。

そのおかげで、
私たちは、食べ物のおいしさも、
感じることが出来るのだね。

その味を感じる味蕾が集中しているのが舌。
だから、舌を使って、
食べ物を味わうことが出来る。
ところが、
この味蕾というもの、
舌ほど集中してはいないけれど、
口の中に広く分散してあるのだそうだ。

また、口の中には、
細かい神経も発達していて、
食べ物の中の異物、
例えば、小さな魚の骨なんぞを、
ちゃんと、探し出すような機能もあるという。

どうも、
私なんぞも、
舌先だけで食べ物を味わったつもりになって、
先入観や経験、視覚、雰囲気なんぞで、
「うまい」とか「まずい」とか、
決めつけているのかもしれない。

こんな子供たちの食べ方を見ていると、
そばというのは、
舌先のうまさばかりでなく、
「口の中感覚」というようなものが、
あるのかもしれないと思ってしまう。

でも、
大人になっても、
こういう、
口全体を使った食べ方をする人が居るのだよね。
そんな話は、、、、また次回に。


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2013年10月 7日 (月)

そばは、箸を縦にして、上からつまむと格好良く食べられる。

カウンター越しに、
皆さんのそばの食べ方をみていると、
実に様々だ、、、
ということを前回書かせていただいた。

そんな、そばの食べ方は、
人それぞれなので、
うんぬんと言うべきではない。
しかしながら、
少しでも、かっこ良く、
今風に言わせてもらえば、クールに、
昔風にいえば、粋(いき)に、
そばを召し上がっていただくために、
ちょっとした、ヒントを。

いえ、けっして、
こういう食べ方をしなければならない、
という訳ではないので、お気楽に。

そばを食べ慣れている方は、
せいろから、
そばを手繰っては、
リズムよく口にすすり込んでいく。
ところが、
そばを、せいろから手繰り上げるのに、
苦労をされている方も、
けっこういらっしゃる。

すくいあげようとすると、
そばが団子になってしまったり、
思いのほかたくさんのそばを掴んでしまったり。
そうして、何度もすくい直しながら、
そばを召し上がっている方を、
多く見受けられる。

これは、箸の使い方の問題。

上手にそばを手繰る方は、
箸を縦にして、つまり、上からそばを掴む。
ちょっと手間取る人は、
箸を横にして、横からそばをすくいあげる。

この違いなのだ。

これは、
せいろにそばを盛るとき、
私たち職人は、
少しずつ、平らに拡げるようにして、
そばを、重ねるようにするからだ。

つまり、上からつまんでいただくことを想定して、
そばを盛りつけている訳だ。

だから、
せいろに盛りつけられたそばは、
真ん中から、
上から箸で掴んでいただくと、
すっと、きれいに、手繰ることが出来るのだ。

それが、
まるでカレーライスを食べるみたいに、
せいろの端っこに、
横から箸を入れてしまうと、
そばは、絡まってしまうのだ。

だから、
せいろそばを食べる時は、
せいろの真ん中から、
お線香を立てるような気持で、
箸を立てて、
手繰っていただくのが一番。

もちろん、
こんなことは、
そば好きの方々には、
自明のことだろう。
私なんぞ子供の頃、
そば屋で、近所のおじさんに、
「江戸っ子がそんなそばの食い方をするんじゃねえ!」
って、
頭を叩かれながら、
そばの食べ方を覚えたものだ。
昔の人は、乱暴だったなあ。

さて、
そば屋は、
ちゃんと食べる人のことを考えて、
ちょぼちょぼと少しずつつまんで、
せいろにそばを盛る訳だ。
ところが、忙しいそば屋なんぞでは、
そんなことをしないで、
一手盛りで、
つまり、ひと掴みにして平らにならしたり、
山形にして盛る店もある。
こういう盛り方をされると、
いくら、箸を縦にして上からつまんでも、
そばが、すっと手繰れないのだ。

そんなことでも、そば屋の姿勢が、
ちゃんと分かってしまうんだね。

ということで、
私もきちんと、そばを盛らなければ。
皆さんも、ぜひ、
そばは上からつまむことに、
お試しを。


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2013年9月30日 (月)

百人百色〜そばの食べ方。

この夏も大勢の方に、
こんな路地裏のそば屋まで脚を運んでいただき、
ありがたい限り。

「かんだた」の一階は、
オープンキッチンとなっていて、
カウンターからは、
私の仕事ぶりが丸見え。

逆に私の方からは、
お客様が、
そばを召し上がっていただく姿が丸見えなのだ。
その姿を見ていると、
たかが、せいろそばの食べ方一つにしても、
食べる方に依って、ずいぶんと違うものだと思ってしまう。

箸の使い方、そばのつまみ方、
そばのさばき方、汁の付け方、口へのすすり方、
舌の使い方、お食べになる姿勢、、、、
などなど、それぞれに食べる方の特長があるのだ。

みなさん、長い間の習慣とか、
そばへの想いとか、
子供の頃のしつけとか、
何げないクセとかが、
そばをお食べになる姿に現われるのだろう。

中には、
実に、実に珍しい、、
いや、普通のそばの食べ方としては、
少々変わった食べ方をする方もいらっしゃる。

たとえばねえ、、、、
と、つい話したくもなるが、
そんなことを、あげつらったりするのは、
お客様に失礼なこと。
ようは、その方が、
自分がおいしいと思う食べ方をしていただければいいのだ。

本当にそばが好きな人、
食べ物をおいしく食べようとしている人は、
それなりの食べ方をされる。
なんでもいいから、お腹に入ればいいという方は、
それなりの食べ方をされる。
ちょっと、そば通ぶって格好をつけようとする人は、
それなりの食べ方をされる。

まあ、その人がおいしいと思うやり方で、
召し上がっていただけばいいのだ。

ただ、
近頃気になるのは、
そば猪口を置いたまま、
つまり、手で持たないでせいろそばを召し上がる方が、
多く見受けられること。

近頃流行ってきた、
ラーメンのつけ麺の影響かなあ、
などと思ってしまう。
そば猪口を手に持たないと、
どうしても、前屈みになってしまう。
そのようにものを食べる姿勢は、
ちょっと、見た目のいいものではない気がする。

お客様の中には、
どうしてそばが、長く細いものなのかを、
よく理解して見事に召し上がる方もいらっしゃる。
そういう方に召し上がっていただくと、
そばも、ぴちぴちと喜んでいるみたいだ。
この前も、一人で来られた、
若い女性が、小さな口元から、
喉に抜けるようなそばの食べ方をされると、
舞い上がってしまうぐらいうれしかったね。

とにかく、
そばの食べ方は、
人それぞれ。
こんなに違うものなんだと、
調理場から見ていると感心するのだ。

かくいう私の食べ方は、、、、
、、見たことがないので分からないね、ハハハ。

 
 
 

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2013年3月 8日 (金)

そばは八本ずつすくって食べる!

「かんだた」のカウンターに置かれている、
九か条の「そばのおいしい食べ方」。
お客様も、待っている間にフムフムと言いながら、
読んでいられたりする。

一、お腹のすいた時に食べる。
一、出てきたらすぐに食べる。
一、薬味は少しずつ入れて食べる。

だいたいこのあたりまでは、
うなずきながらお読みいただけるのだが、
その次の項目で、
あれっと思われる方が多い。

一、そばは八本ずつすくって食べる。

「あの、何で八本なんですか?」
と、よく聞かれるからだ。

昔から言われている言葉で、
「うどん三本、そば六本」というのがある。
これは、一口で食べる量は、
うどんだったら三本、
そばならば六本がちょうどいいということだ。
「かんだた」のそばは細めだから、
ちょっと増やして八本とした次第。

でもでも、なんで八本なのだ、、、、、!
試しにそばを数えて八本すくってみると、
ほんの少ししかない。
こんなもんで、せいろに盛られたそばを食べられるのだろうか、、
と、疑問を持たれるののも不思議ではない。

前回紹介した、
夏目漱石の「我が輩は猫である」の中の、
迷亭先生のそば談義。
そばは噛まずに食べるもんだと言いながら、
実際にそばを口に運べば、
胸につかえて目に涙を浮かべている。

これは、粋がっていたせいか、
山ほどのそばを、箸でつまんで口に入れたからだろう。
そして、噛まずに飲み込もうとするから、
苦しくなってしまうのだ。

噛まずに食べるというのは正論だが、
それには、少しずつそばを手繰らないと、
喉に入っていかない。
そして、この、そばを喉に落とし込んでいく感覚を覚えると、
そばの世界がぐっと広がる。
そばの香りだ、甘味だ、味だ、、、
などと言うところとは、別の次元のそばの世界がある。

この、喉に落とし込む食べ方をするために、
昔の人は「そばは六本」といったのだね。

でも、この食べ方、
おいそれと出来るものではない。
そういう習慣のない方が、
形だけを真似たところで、
何のおいしさも感じないだろう。
だから、無理をせず、
何回もそばを食べていくうちに、
少しずつ覚えていくのがいいのでは。
そのためには、
そばを少しずつ、
八本ずつ、
召し上がる習慣を付けられるといいのではないかなあ。
でも、数えているとそばがのびてしまうので、
あまり気にしない方がいいかも。

少しずつ箸でつまむので、
食べるのに時間がかかると言われる方もいらっしゃる。
でも、そばを食べるのが上手な方は、
そばを口に運んだと思うと、
もう次のそばをすくいあげている。
だから、たくさんのそばを口の中に放り込んで、
くちゃくちゃと噛んでいる人よりは、
よっぽど早く、食べ終えてしまうのだ。

先日来られた、
生意気そうな(失礼)若い方も、
いざそばを食べ始めたら、
箸をとどまることなく動かし、
見事な食べっぷり。
うれしいなあ、こういう食べ方が出来る方がいるんだね。
ある女性は、
おしゃべりをしながら、
あっという間にせいろを空にしてしまった。
これは、天才的。

昔から知っているあるお客様は、
そばをがばっと掴み、
そのまま口に運んで飲込んでしまう。
まるで、動物園のアシカが餌の魚を丸ごと飲込んでいるみたいだ。
、、、と、ちょっと例えがわるいが。
これは、例外的な食べ方だけれどすばらしい。

ということで、
とりあえず、
そばは少しずつ口に運んで食べてみよう、
というのが私の提案。

もちろん、そんなことにこだわらず、
ご自分のやり方でそばを楽しんでいただくのが一番。


 

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2013年3月 2日 (土)

そばの正式な食べ方は、、、。

太宰治の「斜陽」は、
没落していく貴族の姿を描いた、彼の代表作と言われている。

その小説は、
根っからの貴族である「お母さま」の、
スープの飲み方の描写から始まる。
その飲み方は、
スプーンを口に縦に当てて、
スプーンの先から口の中にスープを流し込むのだ。

スプーンを口に横に当てて飲むのが正式な飲み方。
でも「お母さま」の飲み方は、
正式ではないけれど、こぼしもしないし音も立てない。
自然で、品を感じさせると、
いわゆる正式な飲み方しか出来ない、娘の目には映る。

正式な飲み方ではなくとも、
一緒にいる人に、
少しの違和感を覚えさせずにスープを飲むことが出来る。
それは「お母さま」が、
長い間の貴族としての品格を保ちながら生き続けてきた証拠でもあるのだ。

さて、
そばの食べ方である。

そばの正式な食べ方は、、、

ううん、いろいろなことを言われる方がいらっしゃるが、
どうなのだろう。

夏目漱石の「我が輩は猫である」の中でも、
客人の迷亭先生は大見得をきってそばを食べる。

「この長い奴へツユを三分一つけて、一口に飲んでしまうんだね。噛んじゃいけない。噛んじゃ蕎麦の味がなくなる。つるつると咽喉を滑り込むところがねうちだよ。」

そういって、一気にそばを食べたところで、
胸につかえたのか、わさびが利いたのか、
目に涙を浮かべ、胸を叩く。
そしてハンカチを取り出して一休み。

あとから来た寒月君は、
何も言わずに、さっとせいろを平らげてしまう、、、
というエピソードがある。
必ずしも、ウンチクを並べてところで、
気持よくそばを食べられる訳ではないようだ。

そばにも太かったり細かったり、
汁にも、甘かったり、辛かったりといろいろあるのだから、
一概に、こういう食べ方をしろとは言えない。

汁の付け方、
そばの噛み方、
それを、これが正しいなどと、言える訳がない。

ただ、
唯一、正式な食べ方のルールがある。

それはねえ、、、、

その前に、
「かんだた」には、
きちんとそばを食べる決まりがある。
店に来た方には、皆さん、
それを守っていただく。

それはこちら。

Como1
大きくしてみよう。

Como
必ず最後まで読むこと!

先日この食べ方をめぐって、
地元テレビ局の取材が入った。
かわいい女性アナウンサーとの対話だったので、
なかなか楽しい撮影だった。

放送は3月4日(月)19時より。
長野放送、「NBS月曜スペシャル」の中で。
善光寺表参道周辺の店が紹介されるとのことで、
よろしかったらご覧あれ。(長野県だけですが)

で、
そばの正式な食べ方。
それは、

「口から食べること」。

あとは、手で食べようが、スプーンで食べようが、
ご自由に。
ただ、
「斜陽」の「お母さま」みたいに、
食べ方というのは、
その人の品格が出ることをお忘れなく。

 
 

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2012年4月24日 (火)

そば徳利でお出しする汁。

Sobachoko

かんだたでは、
そば汁は、そば徳利に入れてお出しし、
そば猪口は空になっている。
お客様にそば猪口に汁を注いでいただくのだ。

どうしてかというと、
そば汁のつけ加減を、
お客様に調整していただくこと。
そして、
そばを食べている間に、
どうしても汁が薄まってしまうので、
継ぎ足して、元の濃さを保っていただくため。

そば汁を盛り切りで出す店も多いが、
そばの水切りが悪いと、
汁が薄まってしまって、
そばの味がぼやけてしまうことがある。

そのため、
そば猪口には、
汁を少しずつ継ぎ足して、
最後までおいしくそばを召し上がっていただきたいから、
あえて、そば徳利で汁をお出しさせていただいている。

だから、最初は、
そば猪口の底の方に少しだけ汁を注ぎ、
食べていかれるに従い、
継ぎ足していただくのが一番。

でも見ていると、
けっこう多くの人が、最初からそば徳利を空にしてしまう。
つまり、徳利に入っている汁を、
最初からそば猪口に全部入れてしまうのだ。

当然、そば猪口には汁がたくさんあるから、
そばも、その中にどぶんと浸けて召し上がる。

お客様の食べ方をどうのこうのいうつもりは無いが、
ちょっと、もったいないかなあ、、、
と思うこともある。

もちろん、そういうところを心得ているそば好きな方も多く、
加減してそば汁を注ぎ、
ちゃんとそば湯の分まで残されている達人もおられる。

そんな、
お客様のそば汁の注ぎ方一つで、
つい、そばを食べ慣れている方かなあ、、
などと、思ってしまう。
いえいえ、もちろん、
どっぷりと汁を付けて食べるのが好きな方もいらっしゃるから、
それはそれで、
もちろん構いませんが。

でもねえ、逆にお客様から見ると、
そば汁の出し方一つで、
お店の姿勢が見えてしまうこともあるらしい。
こわ〜〜〜。
という話は、また今度。

Wasabi


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