カテゴリー「食べ物の世界」の記事

2017年3月11日 (土)

なんでこんなに元気な高齢者の方がいらっしゃるのだろう。

今日来られたお客様は、
なんと85歳なのだそうだ。
お一人でいらして、
40分ぐらいの間に、
生ビール三杯と、
そばを二枚平らげて帰って行かれた。

ふう、お元気だなあ。

ということで、
元気なお年寄り、
いや、高齢者の方が増えているのだね。

ここ長野では、
住人の、なんと、三人に一人は、
60歳以上と言われている。

そう言っている私も、
その仲間。
でも、まだまだ、
そのほんの入口に差し掛かっただけなのだが。

月に一度の俳句の会でも、
80歳代の方々と顔を合わせるが、
皆さん、お元気だ。
作られる俳句も、
前向きなものが多い。

友人のお父さんなんか、
その米寿のお祝いに、
高速道路を自分で運転して、
駆けつけてきたそうだ。
米寿って、88歳のことだよね。

そういう方々と接して感じるのは、
気持ちが若々しいことだ。
年をとると、
どうしても、若い頃の事ばかり語ったり、
人の悪口ばかり言う人もいる。
身体の衰えを感じたりすると、
どうしても、そんなことを言いたくなる、
そんな気分になってしまうものだ。

そんなことも気にせず、
元気さを感じさせてくれる方々もいるのだ。

その元気の源は、
おそらく、毎日の食事だろうなあ。
けっして、薬やサプリメントだけではないはずだ。
いろいろなものを食べて、
規則正しい生活を送ることが、
そんな暮らしの繰り返しが、
大切なことかもしれない。

そして、そばを食べることもね。
どこかの観光地のキャッチフレーズではないけれど、
そばを食べて「死ぬまで長生き」しなければね。

、、いや、「死ぬまで元気に長生き」かな。

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2016年9月27日 (火)

新鮮と安全とは違うもの〜カンピロバクター食中毒

あれ、また発生したの?
とニュースを聞いて、やや驚いた。
カンピロバクターによる食中毒だ。

長野市では、八月に三件の食中毒が発生し、
みな、カンピロバクターが原因とされた。
ひと月に三件もの事故が、
同じ市内で起こるのは異常なことらしい。

そこで、長野県は、全県に、
「カンピロバクター食中毒注意報」を発令したそうだ。
にも関わらず、
九月になって、また長野市で、
食中毒が起こってしまったのだ。

食べ物屋のブログに、
食中毒の話などするなよ。
などといわれそうだ。
まるで、飛行機に乗ったときの、
ライフジャケットと、
酸素マスクの使い方を、
聞かされているような気分になってしまうことだろう。

だけど、聞いていただきたい。
カンピロバクターは、今までの常識とは違うのだ。

昔からの食中毒であれば、
食材を、不注意に放置することによって、
食中毒菌が繁殖してしまうのが原因だった。
例えば、今では少なくなったが、
魚介類の「腸炎ビブリオ」などがそうだった。
だから、食中毒といえば、古いもの、
放置したものを食べて起こると思ってしまう。
そうさ、新鮮なものなら問題ないはず。
と、思い込んでいる方は多いのではないだろうか。

ところが、カンピロバクター菌は、
違うようだ。
この菌は、鶏、豚、牛などの内蔵にいて、
解体の時に、肉に移ることがあるのだそうだ。
そして、解体したばかりの肉にも、
充分に、食中毒をおこすだけの菌が、
付着している可能性があるという。

それを、生や、半生の状態で食べるのは、
極めて危険なことらしい。
いや、ある関係者の言葉では、
鶏肉などでは、肉が新鮮なほど菌が元気なので、
かえってアブナイという。

だから、鶏のレバーやささみの刺身や、
鶏肉のたたきなどは、食中毒になる可能性が大きいと言えそうだ。
焼き鳥屋で、「レバーを半生で!」などと注文しているお兄ちゃんも、
危ない橋を渡っているなあ。

カンピロバクター食中毒の潜伏期間は1〜7日と長く、
また、下痢や腹痛が収まっても、
あとになって手足などが麻痺する、
ギランバレー症候群を発症する可能性もある。
だから、あえて、生の肉や生焼けの肉は、
食べないに越したことはないようだ。

私も、揚げソバのあんかけに、
鶏肉を使っているから、
取り扱いに注意することにしよう。

ここのところ、
昔の常識が、通じなくなることばかり。
頭を柔らかくして対応していかなければ。
とにかく、
生の肉に対しては、
「新鮮だから安全」ということは、
まったくない事を、覚えておこう。

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2016年8月 1日 (月)

牛乳を飲む人より、それを運ぶ人のほうが健康だ。

テレビはめったに見ないのだが、
たまに見ると、健康関係のコマーシャルが多いのに驚かされる。
ラジオなども、休日の早朝などは、
怪しい健康番組ばっかり。
新聞だって、大きな紙面を割いて、
サプリメントや、健康器具の広告が目に入る。

いわく、
これを飲んで理想の体型を!
目の疲れには、成分を20倍も凝縮した〇〇!
朝、スルッと出る!
失われやすい骨の成分を補う!
朝の目覚めが違う。!

などなど、なんだか、
聞いていると、元気になるような気がするが、
その根拠は、あやふやだ。

私なんぞも、腰痛に悩まされているので、
「腰の痛みに〇〇」なんぞと言われると、
つい、試してみたくなってしまう。
高齢者の増えた世の中、
誰しもが抱えている、
健康への不安。
決してすべてがそうではないだろうが、
これらのコマーシャルは、
そんな心の隙間を狙っているような気がして、
私は、いつも、あまりいい感じがしない。

やはり、自分の健康を守るのは、
日々の生活習慣だろう。
特定の食べ物や、薬に頼っているのは、
なにか、健康的ではないように、私には思えるのだ。

特に、食べ物だけでなく、身体を動かすことも大切だ。
西洋のことわざに、
「牛乳を飲む人より、それを運ぶ人のほうが健康だ。」
という言葉があるとか。
なるほど、日々牛乳を飲むことは、体に良いが、
それとともに、身体を使っている人のほうが、
元気でいられるということだね。

さらに、こんな言葉も。
「二本の脚は、二人の医者」
つまり、自分の足で動き回れるということは、
内臓も、心臓も、脳も元気だということなんだね。

ということで、日頃の運動不足を感じている私。
健康への不安は、なにやら怪しい薬や食品に頼るのではなく、
自分の脚で作っていかなければ。
少しでも歩く機会を見つけていきたい。
そうしてねえ、
こういうことわざを、世の中に広めたいねえ。

「そばを食べる人より、そばを打つ人のほうが健康だ。」

もちろん、そばを食べていただくのは、
大いにけっこう。
死ぬまで長生きできること、請け合います。

ということで、先日歩きにでかけた遠見尾根でみた、
シモツケソウ。
全部咲くとうるさいが、咲き始めはカワユイ。



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2015年12月 1日 (火)

日々の積み重ねで差がでるかも〜かつお節の効用。

「毎日、しっかりと出汁をとって料理をしているお年寄りのほうが、病気が少なく、元気に暮らしている気がする。」

ラジオで、ある薬剤師の方が話していた。
これは、その方もおっしゃっていたけれど、
あくまでも、その方の個人的な印象。
正確なデーターに基づくものではない。
でも、毎日、たくさんの、
いろいろなご病気の方と接している方の実感なので、
まんざらでもなさそうだ。

とにかく、お年寄りと話をしていると、
ご自分で料理を楽しまれている方のほうが、
そのご家族を含めて、
薬の世話になる機会が少ないと、
その薬剤師の方は、おっしゃっていた。

かつお節や煮干しで出汁をとれば、
ただ、うま味が出るだけでなく、
様々なアミノ酸、ビタミン、ミネラルなども含まれる。
ごく少ない量ではあるが、
毎日、そういうものを身体が取り入れると、
化学的に合成された調味料だけを召し上がっている方に比べて、
長い間には、身体の中に、なんらかの差が出てくるのではないか。
それが、健康の長さにもつながっているのではないかと、
その方は感じられているようだ。

食品添加物のトップセールスマンで、
「食品の裏側」という本を出した安部司さんによると、
粉状の添加物を何種類か混ぜるだけで、
ほとんどの人が美味しいと感じるラーメンのスープができるのだそうだ。

そして、現実に、そういう風に作られている「うまいもの」が、
世の中に溢れている。
わざわざ、手間をかけて、出汁をとる必要もないのだ。
でも、口で感じる「うまさ」と、身体が欲している「おいしさ」とは、
少し違うのかもしれない。

最近はかつお節の効用についての研究も進んでいるようだ。
かつお節の成分には、
人の気持ちを和らげる働きもあって、
脳への血の巡りを良くする効果があるという。
肩こりや疲労感も和らげてくれるという。
いい出汁をとれば、
少ない塩分で料理を楽しめるので、
高血圧の予防にもなる。
おやっ、
かつお節の汁は、胃の満腹感を高めるという実験結果もある。
これは、ダイエットにもなるではないか。

しかしながら、
ラットによる実験では、
脂肪や糖分の多い高カロリー食を与えると、
カツオ出汁のうま味を感じなくなってしまうという報告もある。

日々の食生活によっては、
本当のかつお節の出汁のおいしさが、
分からなくなってしまうかもしれないのだね。

とにかく、
毎日の食生活の積み重ねが、
数年後、十年後、二十年後の我々の身体を作っていくのだ。
「うまい」ものを食べるのではなく、
身体に「おいしい」ものを食べていきたい。
本物の出汁の効用を、
せっかくだから有効に利用していこう。


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2015年11月24日 (火)

11月24日は「鰹節の日」。

さて、日本人の口に馴染んでいるはずのかつお節だが、
なかなか、ご自分で削って召し上がる方は少ないようだ。
それでも、本物を味わってみたいということで、
かつお節削りに挑戦される方もおられるみたいだ。

でも、
なかなかうまく削れない、
粉になってしまったという話をよく聞く。
慣れればそれほど難しいことではないのだが、
今までご経験のない方が、
鰹節を扱うのは、最初は大変なのかもしれない。

ネットで検索すれば、
大手の鰹節屋さんが、
鰹節の削り方を、親切丁寧に、説明してくれる。
それを参考にして削っていけば、問題はなさそうだ。

それでも、うまくいかない時があるようだ。
そんなことで、鰹節屋さんが顔をしかめるような、
鰹節の削り方を書いてみるかな。

一、削り箱はいいものを。

 例えば、長野で唯一のデパートである「ながの東急」では、
「日本橋木屋」のかつお削りが売られている。
お値段は一万五千円ほど。
まあ、これほどでもなくても、一万円前後のものを買われるといいのでは。
ホームセンターなどでは五千円前後で売られているが、
こちらはおすすめできない。
すぐに削れなくなって、くたびれるだけになる。
高いと思われるかもしれないが、
一生どころか、お子さんや、お孫さんの代まで使えるので、
ぜひ、いいものを。

二、木槌でこまめに刃の調節を。

かつおの削り器を買ったら、木槌も用意しよう。
こちらは、ホームセンターでも100円ショップでもオーケー。
カンナの刃を、こまめに調整して、削りやすいようにする。
もちろん、金槌でもいいのだが、木槌のほうが、
細かい調整がやりやすい。

 

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三、鰹節もしっかりしたものを。

鰹節もじつに様々だ。
実際に、出汁を取ってみないと、その良し悪しが解らなかったりする。
一生懸命削ったのに、魚臭いばかりの汁が出来てしまってはがっかりだ。
先ほどの「ながの東急」の地下では、「にんべん」の鰹節が売られているし、
善光寺に向かう中央通り、東後町の「能登重」でも、しっかりとした物がある。
東京のアメ横へ行くと、店頭に裸のまま積み上げてあったりするが、
目が利かないうちは、避けたほうば無難。
また、スーパーでも袋に入って売られているが、
こちらは小型のものが多い。
鰹節屋さんは、大きさは味と関係がないというが、
やはりある程度の大きさのもののほうが、
いい出汁が出るような気がする。
250グラム程度の「背節」がおすすめ。

三、鰹節を削る方向に注意。

鰹節には、削る方向がある。
頭の方の内側から削るのだが、
これを間違えると、粉にしかならない。
特に「削り面」がつくまでの、最初の削り始めが大切。
これは鰹節屋さんのホームページにも詳しく書かれているので、
そちらをご参考に。

四、それでも削りにくい時は、、、、。

しばらく置いておいた鰹節の削り面が乾いて、
どうにもうまく削れないことがある。
子供の頃に、鰹節を削らされた時にも、
とうしても、刃に引っかかるばかりで、
うまく削れない事があった。
そんな時には、鰹節を濡れ布巾に包んでおいて、
少し経ってから削るとうまくいったっけ。
鰹節屋さんは、鰹節には湿気は禁物だという。
風味が落ちるのだそうだ。
でもね、かつお節は削れなければ話にならない。
できれば、そんなことはしなくて済めばいいが、
どうしてもうまく削れない時には、
キッチンペーパーを濡らして、かつお節の削り面を包んでしまう。
そして、15分ぐらい立ってから削ってみればいいと思う。

などと、
鰹節削りについて、ちょっと生意気を書いたかな。
鰹節を削るのは、特別の料理の時ばかりではなく、
普段からの習慣にしてしまえば、なんの苦もなくなる。
吸い物ばかりでなく、野菜のおひたしや、
炒めものなんぞに入れても風味が出る。
炊きたての御飯にたっぷりとかけて、
醤油を少し垂らしていただくのもいい。
毎日これを食べていると、
「にゃお〜ん」と鳴くようになるかもしれないね。

ちなみに今日11月24日は「鰹節の日」なのだそうだ。
い、い、ふ、し、という語呂合わせ。
それでは、ぜひ、鰹節削りにご挑戦を。

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2015年11月10日 (火)

本物のかつお節の出汁の味を知っていますか?

店でも自宅でも、
出汁(だし)を引くときには、
昔ながらの削り箱を使って、
塊の鰹節をシャカシャカと削っている。

自宅でこの音を立て始めると、
いつの間にか、我が家の猫が、
足元に擦り寄ってくる。
普段は、名を呼んでもツ〜ンとして、
何も答えないのに、
この時ばかりは、精一杯の猫なで声を出す。
エサに振り掛けてやると、フガフガと言って食べ、
あとは、また、知らんぷりが始まるのだ。

先日も店で鰹節を削っていたら、
パートさんが、
猫が寄ってくる気持ちがわかる、
と言っていた。
そう、削りたてのかつお節は、
なんとも言えない甘みと風味があって、人間にも魅力的なのだ。

今では、飲食店では、
袋入りのかつお節、
いわゆる「花かつお」と言われるものを使っているところがほとんど。
いや、むしろ、塊の鰹節を持ったたこともない人のほうが、
多いのではないだろうか。

ご家庭でも、「花かつお」すら出汁に使うことは少ないのかもしれない。
もっと、便利なものが、あるものね。

だけれども、袋入りのかつお節と、
塊を削ったかつお節とでは、
かなりの違いがある。

削りたての鰹節で作った吸い物は、
噛んで飲むような深い味わいがある。
口に含めば、じわっとした汁の膨らみを感じる。
味噌汁を飲むように、ただ舌の上をすべらせるのではなく、
少し口をつぼめて、口全体に汁が行き渡るようにすれば、
豊かな風味が溢れてくる。

和食では、吸い物や椀物を、
料理の華というように、
この出汁と、季節の食材を合わせる事によって、
口の中に小宇宙を作ることができるのだね。

でも、
今の時代に、けっこうかつお節の味がもてはやされているけれど、
本当のかつお節の出汁の味を知っている人は少ないのではないかな。
中には、ご自宅で、きちんと出汁を引いておられる方もいるかもしれない。
ちゃんとした料理屋で、しょっちゅう食事をなさる方もおられよう。

しかしながら、多数の方はそういうことはないのではないだろうか。
なのに、どうして、かつお節の味が、もてはやされるのだろう。

よく、売られている食品などで、かつお風味をうたう物がある。
そういうものを、飲んだり食べたりすると、
ふわっと、かつお節の袋を開けた時のような匂いがする。
それが、かつおの風味だと、勘違いしておられはしないだろうか。

本物のかつおのだし汁は、そのような、魚臭い匂いはしない。
だからこそ、様々な食材と合わせられるのだ。
そういう、かつおらしい匂いのするのは、
化学的に抽出されたエキスを使っているからに他ならないんだね。

だから、そういうエキスの入ったものしか食べていない方が、
本物の出汁に出会っても、「香りがない」などと言い出したりする。
本当は知らないのに、
いつの間にか知っているつもりになっているところが、
この身近な食材のイメージになってしまっているかもね。

食べること、味覚を磨くことは、
経験の積み重ね。
ぜひ、本当のかつお節の味を、試していただきたいものだ。
ほらほら、うちの猫だって知っているのだから、、、。

Katuo

 

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2015年9月11日 (金)

卵の味は、本来の淡白なものだけれど。

だいぶ前にメキシコに二度ほど旅をしたことがあるが、
その時に、ホテル、あるいはカフェ(?)の朝食に出される、
卵料理が美味しいと感じたことがあった。
特に、田舎の方へ行くとそうで、
野菜を刻み込んだ卵焼きなんぞ、
なにか違うなあ〜という、美味しさがあった。

そうして、漫画家の水木しげるさんの、
メキシコ旅行記を読んだら、
朝のパンケーキが美味しくて、
どこでもソレを注文したと書いてあった。
おそらく、これ、玉子焼きのことだろうなあ、
メキシコでは、当たり前に出てくる食べ物だもの。

きっと、メキシコのニワトリが、
夜は、きちんと眠って産んだ卵だったのだろうなあ。

ということで、
前回に引き続き、卵の話。
日本だって、私の子供の頃は、
卵は比較的高価なものだった。
だから、卵を使った料理なんか、
ずいぶんと贅沢なものだった。

それが、今では、
スーパーの特売の目玉になるほど、
ありふれた、安価な食べ物になってしまった。
卵の料理なんぞ、今では「ごちそう」にならなくなった。
その裏には、夜も眠らずに、
卵を産み続ける、ニワトリたちの努力があったのだね。

いや違う、
夜もこうこうと照明をつけて、
一日に二回も卵を産むように仕向ける、
生産者の方々の、なみなみならぬ、努力の甲斐があったのだ。

さて、ひょんなことから、
真夜中に餌をついばむニワトリを目撃してしまった私は、
そうして、安く売られている卵に、
何かしら、違和感を覚えざるを得なくなった。

決して、成分的に、何かの問題があるわけではないのだが、
そうやって、狭いゲージで、睡眠も満足に取れない、
太陽の光さえ満足に浴びたことのないニワトリが産んだ卵を、
値段が手頃だからといって、食べ続けることに、
気持ちが、ストンと落ちないものを感じていた。

二十数年前にそば居酒屋を始めた時に、
使う卵は、
昔だったら当たり前のニワトリが産んだ卵を使いたかった。
つまり、朝はコケコッコーと鳴いて起き(メンドリだから鳴かないが)、
昼間は、土の上を歩きまわり、
夜は、小屋の中でじっとしているニワトリだ。

最初は、そういう卵を遠くから取り寄せていたが、
何分にも値段も高いし手間がかかる。
そうしたら、ある人が、松代の自宅の近くに、
ニワトリをたくさん飼っている農家があるというのだ。
聞いてもらったら、ある自然食品店に、
その卵を卸しているという。

その後、その自然食品店を通して、
卵を仕入れさせていただき、
今では、直接、持ってきて頂いている。

実を言うと、
私はまだ、その農家に伺ったことはないのだが、
いろいろ伺うと、
ただ、昔ながらのやり方で、ニワトリを飼っているのだそうだ。
餌はと聞けば、菜っ葉と、農協の配合飼料と、
時々、貝のすりつぶしたもの、、、だという。
夏の暑い時には、食欲がなくなり、
卵も小粒になる。
冬の厳寒期もそうだ。
昼間は庭をかってに歩きまわり、
夜は小屋に収める。
少し前までは百羽以上も居たが、
今は、だいぶ、数を減らしたようなことをおっしゃっていた。

よくお客さんに聞かれるが、
そういうニワトリの卵は、
味が濃いのでしょうと。

いいえ、いいえ、
卵らしい味の濃いのは、
スーパーで売られている卵のほう。
なにせ、こちらのニワトリは、
夜も眠らずに、ゲージ以外は歩きまわることもなく、
高栄養の飼料を食べさせられているのだ。
しかも、きれいな黄身のになるように、
餌には色素まで入れられている。

そういう卵に比べれば、
今扱っている卵は、淡白な味わいの卵だ。
しかし、なんと言っていいのかなあ、
扱っていて「強い」卵だな、と思うことがある。
味に伸びがあるというような。

寝不足のストレスを抱えたニワトリの産む卵ではなく、
太陽にの光を浴び、しっかり土の上を歩いているニワトリの産む卵を、
これからも選んでゆきたいなあ。
食べ物を、ただ、自分にとって「うまい、まずい」で切り捨ててしまう人も多いけれど、
どういうふうに育てられ、作られているのかを、
しっかりと見極めるのも、とても、とても、大切なことだと思っている。

おまけに、
私の好きな俳句から。

  

永き日のにわとり柵を越えにけり     芝不器男

柵を越えたニワトリは、どこへ行ったのでしょうか。
私も、柵を越えてどこかに行きたい、、、、、、、、、なぁ。

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2015年9月 4日 (金)

狭いゲージでの中で、夜も眠らされないニワトリの卵なんて、私は食べたくない。

だいぶ前の話だ。(三十年以上)
まだ二十代の頃、夜中に関東地方の山沿いの道を、
一人で車で走っていた。
もう夜も更けて、他に車の通りも少なく、
光の少ない寂しい集落を抜けていった。

すると、山際に、こうこうと電気を灯している大きな建物が、
何棟か見えてきた。
こんな夜中にも、あんなに電気をつけて、
働いている人がいるのだな、、、と、工場か何かと思っていた。
ところが、そのような電気を付けた建物が、
他の場所にもいくつか見える。

なんだろうなと思っているうちに、
その内の一つの建物の横を通った。
そこで明々とした光のなかで、動いていたのは、、、。

何段も積み重ねられたゲージの中で、
真夜中に灯された人工の照明の下で、
無数のニワトリたちが、餌をついばんでいたのだ。

そうか、鶏小屋というには立派すぎる、
鶏マンションだったのだね。
でも、どうして夜中に、こんな明るい電気をつけているのだろう。

その時の光景は、頭に焼き付いていた。
鶏を早く育てるために、あるいは、たくさん卵を産ませるために、
夜も電気をつけて、餌を食べさせる、という話を聞いたのは、
だいぶ後になってからだ。

狭いゲージに閉じ込められて、
夜も明かりを点けられてて眠らず、
ひたすら卵を産んでいるのだ。

スーパーなどで安く売られている卵を見ると、
今でも、あの光景を思い出す。
「卵は物価の優等生」などと言われて、
昔に比べれば、安価に気軽に手に入るようになった。
でも、その値段は、
ニワトリを、生産機械と同じように扱っている、
飼育システムがあるからなんだね。

たしかに、そういう工夫は素晴らしいものだ。
でも、身動きの出来ない空間で、
一日に二回も卵を生む様に育てられたニワトリに、
ストレスはないのだろうか。

おそらく、卵には、
そんな成分が入っていることはないだろう。
でも、そんなストレスを抱えたニワトリの卵を食べるのは、
なにやら、なにやら、
いや、決してそんなことはないのだけれど、
それでも、そのストレスが伝染するような気がしてならない。

もちろん、そんなことは私の思い過ごしだ。
でも、できれば、
そんなストレスのないニワトリの産んだ卵を食べていたい。
朝は太陽の光とともに動き出し、
地面の上を歩きまわり、
夜は闇の中でじっとしている。
そんな普通のリズムで生きているニワトリの卵を食べてみたい。

最近の養鶏は、鳥インフルエンザ対策の影響から、
完全に密封された建物の中で行う所が多くなったという。
中では、時間に合わせて照明が自動的に明るくなったり暗くなったりする。
その間隔は十数時間だという。
その中のニワトリの一日は24時間ではないのだね。

一度も太陽の光を見たこともなく、
土を踏んだことのないニワトリが産んだ卵。
食べるには、決して、なんの問題があるわけではない。

でも、私は、そんな鶏の卵をあまり食べたくないのだ。
ましてや、お客様にお出しするのに、
自分で納得出来ないものは、おすすめできない。

ということで、、、
という話は、次回に続くのだ、、、。



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2015年8月16日 (日)

生でかじると美味しい、白い粉の付いたきゅうり。

お盆休みが終わり、
そば屋としては、夏の、
もっとも忙しい時期を乗り切ってホッとしているところ。
日々、寝不足の頭で仕込みに追われて、
このブログを書くヒマ、いや、
意欲すら起こらず、
またまた、あいだが空いてしまった。
すみません。

どんなにこちらが忙しくとも、
畑の野菜は、着々と実を結んでいる。
毎日畑に寄っては、
適当な大きさで収穫していかないと、
育ちすぎてしまう。
特にきゅうりなんぞは、
ちょっと見逃したり、一日おいたりすると、
見事に「オバケ」になってしまうのだ。

さて、その畑のきゅうり。

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右側のスマートなきゅうりは、普通のきゅうり。
左側のずんぐりとしたのは、善光寺きゅうり。(八丁きゅうりともいう。)
奥にあるのはきゅうりではなくニガウリ(ゴーヤ)。念の為に。

普通のきゅうりは青々としているが、
善光寺きゅうりは、白っぽく見える。
これは、きゅうりの表面に、ブルームと呼ばれる、
白い粉が付いているからだ。

昔は、白い粉の付いたきゅうりが当たり前だったけれど、
今では、粉のないきゅうりが、ほとんどになってしまった。
どうしてかって?
だって、
青々としたきゅうりのほうが、美味しそうだもの!
という、消費者の要求に応えたのだね。
スーパーの棚には、緑色がよく映えるからだ。

このブルームというのは、
きゅうりの表面を覆って、乾燥を防ぐ働きがあるそうだ。
だから、ブルームの付いたきゅうりは、
皮が柔らかく、実がしっかりとしている。
ブルームの無いきゅうりは、
どうしても皮が厚くなり、身が柔らかい。

どちらが美味しいのかは、
食べ方次第なのでなんとも言えないが、
生で噛るのならば、ブルーム付きの善光寺きゅうりのほうが、
断然に美味しい。
皮をむく必要もないしね。

スーパーで売られているのは、
真っ青なきゅうりばっかりだけれど、
最近は、ブルーム付きのきゅうりも見直されているらしい。
だから、どこかで見かけたら、
「やだぁ、農薬が付いているぅ〜。」などと言わずに、
試して見てはいかがだろうか。

身近な野菜も、
時代に応じて、
どんどん変わってきているのだね。
そばだって、、、、
変わっていくかもしれない。
いや、すでに変わってしまったかも、、、、。

 

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2015年7月23日 (木)

今度はスペインで、削ぎたてを食べてみたい!!!生ハム「ハブーゴ」。

「あれっ!なんでこんなものが、ここにあるのだ!」
というのが、最初の感想。

二ヶ月ほど前、
休みの日に、自宅の近くのスーパーを覗いたら、
ハムのコーナーに、少し変わったものがあった。
よく見るとスペイン産の生ハム。
それも、最高品質と言われる、
ハブーゴ産のベジョータなのだ。
えっ、なんのことかって。
殆どの人には、意味がわからないよね。

かって、スペインに半年ばかり飲み暮らしていたが、
こんな高級品は、ついぞ口にしなかった。
だいたい、スペインのバル(飲み屋)でつまむ、
当たり前の生ハムといえばハモン・セラーノ。
これは白豚種から作られたもので、値段も手頃。

時々は、倍以上の値段のするハモン・イベリコなんぞも食べることもあった。
こちらは、スペイン特有の黒豚種。
最近はイベリコ豚といって、
日本でもお馴染みになりつつある豚の生ハム。

さてさて、スペイン人のグルメの欲求はすざましい。
なんと、この豚を、どんぐりを喰わせて太らせて、
ハムにすると、ことさら美味しいというのだ。
そうして、厳しい基準を作り、
秋にどんぐりだけで育てられた豚を、
「どんぐり豚」、スペイン語でベジョータと呼ぶようにしたのだ。

私も、豚の産地を旅した時、バスの車窓からも眺めたが、
この「どんぐり豚」の育て方は面白い。
ただ、餌にどんぐりをやればいいのではない。
一頭一頭が、じつに伸びやかに育てられているのだ。
だいたい50坪ぐらいの広さだろうか、
石を積み上げて囲いを作り、
その中に一頭だけ、イベリコ豚が放たれている。
そして、各区画には、必ず、ドングリの木が植えられているのだ。
なるほど、自然に木に実がなって、豚の餌になるのだね。

という風に、手間のかかった育て方をするので、
「どんぐり豚」の生ハムは、とても高いものになる。
私なんざ、いつも、メニューを横目で睨んだだけで、
ついぞ、お目にかかったことのないシロモノなのだ。
ましてや、その「どんぐり豚」の中でも、
一番質がいいとされる「ハブーゴ」なんてね。

それが、
なんと、近所のスーパーの棚にあるのだ。
薄くスライスされてパックされてね。
これは買っていかなければ、
と手を出しかけたが、、、、
ちょっと待った。
値段は30グラムで二千円。
日本の生ハムの20倍以上のお値段。
まして30グラムなんて、
あっという間。

むむむ、、、、
待てよ。
このスーパーのお客で、
この生ハムの価値を知っている人がいるのだろうか。
この値段の生ハムを買う人がいるのだろうか。
きっと、
売れ残って、消費期限間近になれば、
値段が下がるに違いない。
どうせならそこまで待つか。

ということで、
毎週、まったく売れていないことを確かめながら、
待つこと二ヶ月あまり、
ついに、消費期限の一週間前に、
パカっと赤いシールが張られていた。
なんと1300円引き、
つまり三分の一の値段ということ。
さっそく数パックを買い物カゴへ、
何か、我ながら、恥ずかしい買い方だなと、
後ろめたさもあるが。

ということで、
前置きが長くなってしまったが、
じつに、じつに、
美味しいものをいただいた。
いわゆる獣臭さの無い、
どちらかと言えば、
果物系の香りを感じさせられる肉だった。
もちろん、
スペインのテンプラニーリョ種のワインと一緒にね。

この味を作るために、
多くの人の努力が積み重ねられてきたのだな、、
と思う。
私も、そんなそばを作りたいね。

ちなみに、
そのスーパーでは、
これに懲りずに、
新たに同じハブーゴを仕入れた。
私としては、またまた、密かに、
三ヶ月後を楽しみにしている、、、、のだ。





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