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2016年4月25日 (月)

そばの味を見るのなら、十割よりも二八。

そばの業界には、私のようなそば屋ばかりではなく、
様々な人、業態の人が関わっている。
そば粉を作る製粉屋さんだったり、
乾麺などを作る製麺屋さんだったり、
玄そばを管理する問屋さんだったり、
製粉の機械を作る会社の人だったり、
とにかく、様々な人の手を経て、そばは出回っている。

そういう、なかなか表にはでないが、
いわゆるそば業界関係者の方々には、
ものすごく熱心な方々がいらして、
幅広く、そばを食べ歩いたり、
試したりされている。

私なんぞ、自分で打つそばのことだけで、
偉そうなことを言っているが、
そういう方々の知識と経験には、
とうてい及ばないと思うことがある。

ただ、旨い不味いではなく、
実に客観的にそばを分析しているのだね。

知っている製粉屋さんにはそば打ち場があって、
こまめにそばを作って試しているし、
乾麺屋さんなのに
社員でそば打ちコンクールをしている会社がある。
そばを挽く石臼を作る会社の人も、
いくら物理的にいいそば粉を作っても、
実際にそばにして、食べて見ないと、わからないと言っている。

そんな業界の人達がよく言うのは、
そばの味を見るのには、
二八で打たれたそばがいい、とのこと。

あれ、
そば粉の味を見るのなら十割じゃないの、
と思ったら、
これがちがうのだよねえ。

どうして、
そばの味に厳しい業界関係の人達が、
十割ではなく二八というのだろう。

そばは十割でなければ、
と言うお客様もいる。
二八よりも、十割のほうが、
何か、「偉い」気がしてしまう。

でも、本当は、そばの味を見るには、
二八のほうがいいのだね。
いや、そば粉の質を見るには、、、
といったほうがいいのかなあ。

なんて話はまた今度。
世の中これからゴールデンウィークに入ってしまうので、
今度、、、がいつになるか、、すみません。

先日行った松代で見たハナモモです。
一本に、赤と白の花が混ざっている珍しい木ということで。


Photo

 

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2016年4月11日 (月)

恋の行方は「そば屋の荷物」。

今から200年ぐらい前の東京、
いや、江戸には、たくさんのそばの屋台があったという。

屋台と言っても、荷車を押しているようなものではなく、
荷物をかついで、そばを売り歩いていたようだ。

錦絵などによると、
縦に細長い四角い箱が二個あって、
その間に棒を渡して担いでいたようだ。
この箱の一方には七輪や鍋が入っていて、
もう一方に、汁やどんぶり、そばが入っていたという。

今の方に「七輪(しちりん)」と言っても通じないかもしれないので、
火の着いた炭の入っているコンロのようなものだと思っていただきたい。

落語の「時そば」のように、
客に呼び止められると、
七輪を出して炭を扇いで火をおこし、
汁を温めて、中にそばを入れて提供したのだろう。

お湯から茹でることは出来ないので、
おそらく、すでに一度、茹でてあるそばを、
持ち歩いていたのだろう。
ちょうど、駅の立ち食いそばのようなもの。
温めて汁に入れるだけで、すぐに食べられる。

なにしろ、生きた火を肩にかついで持ち歩いているのだから、
火事の心配があった。
そこで、こういうそば屋の「煮売り」は、
お上によって、たびたび禁止されたそうだが、
需要があるかぎり、そういう商売は衰えない。
そのうちに、期間と場所を限って、
認められるようになったとか。

江戸の街の若者、熊さんと八さんの会話。
「ようよう、煮豆屋のおみっちゃんは、
俺に気があるんだぜ。」
「そんなことねえよ。
なんで、あのおみっちゃんが、
おめえなんかに、気があるっていうんだい。」

「そうよ、俺が店に行くと、
いつも、いい笑顔で迎えてくれるんだ。」
「そんなこと、誰にもしていることだ。」
「俺のどんぶりに、豆を山盛りにしてくれるんだ。」
「そんなこと、誰にもしていることだ。」
「そのどんぶりを渡すとき、
こうやって手をそえてくれるんだよぉ。
だから、きっと、俺に気があるんだぜ。」

「そんなこと、、。
おめえなんか、どうせそば屋の荷物よ。」
「なんでぇ、そのそば屋の荷物ってぇのは?」
「片方だけが、熱いってことよ。」

そんな会話があったかどうか、
本当のことは知らない。
そばの「煮売り」の定められた期間は、
陰暦の重陽の節句(9月9日)から、
桃の節句(3月3日)までというから、
ちょうど今頃の時期まで、売られていたことになる。

いくら火を持ち歩いているからといって、
寒い季節に、荷物をかついで売り歩くのは、
大変なことだったろうなあ。
売れる日もあり、売れない日もある。
荒れ模様の天気の時は、どうしたのだろうか。

暖かい店の中で、
アクビをしながらお客様を待っている私なんぞ、
まだまだ、努力が、、、
あ〜あ〜、、またアクビがでてしまった。

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2016年4月 4日 (月)

あれ、売り切れちゃった「桜エビ切り」

先日は、つい体調を崩し、
三日ほどお休みをいただいた。
暖かくなって、気が緩んだせいかもしれないなあ。
ご迷惑をおかけして、
まことに申し訳ございません。

先月の変わりそばの日は、
春を感じさせる海の香りということで、
「桜エビ切り」を作らせていただいた。
変わりそばは、白い更科そばに、
季節の食材を加えて、
楽しんでみようという、遊び心のそば。
思ったより「桜エビ」は、
皆さんの好感度が高く、
あれよ、、、、と言ううちに売り切れてしまった。

使った桜エビは、
もちろん国産、、、、と思ったけれど、
昨年は不漁で値が上がってしまって、
やむなく台湾産です。
着色料や添加剤は無添加のもの。

Photo
このエビを、電子レンジを使って、
さらに、カラカラになるまで乾燥させ、
ミルにかけて粉にする。
それを細かい網でふるう。
目やひげや、皮の部分が残るので、
フルイを通すと、かなり量が減ってしまうが、
なめらかなそばを作るために必要な作業。

そこで出来た粉を、
熱湯で回した更科粉に混ぜる。

Photo_2
あとはいつもの更科を打つのと同じ作業だが、
エビの粉自体には、そば粉と仲良くしようなんて気持ちはないから、
ばらばらになりやすい。
そこをなだめながら、注意して生地を伸ばしていく。
なにやら、甘い香りが立ってきて、
大きなエビせんべいを作っているような気がしたりする。

Photo_3
そうして、
なんとか、薄い生地に伸ばしていく。
この時の生地の扱いが難しいから、
難度の高い変わりそばと言われるのだろう。

それでも無事に、
切り分けて、そば生地が完成。

Photo_4
この日はたまたま、女性のお客様が多かったのだが、
いつもだったら、敬遠されがちな変わりそばも、
すんなりとオーダーが通ってくる。
皆さん、エビはお好きなご様子。
ありがとうございました。

Photo_5

ということで、
これに懲りず、今月は(24日)「さくら切り」の予定。
桜の葉を打ち込んだ、香り高いそばです。
これは難しくはないけれど、
作るのに手間がかかるのだよねえ。

でも、
そんな季節の遊び心。
そばには、そんな楽しみもあることを、
知っていただきたいなあ。


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