観光客であふれる金沢!
金沢の駅に降りて、びっくりした。
どうして、こんなに人がいるのだ。
駅前には、立派なアーチがあり、
近代的な建物に囲まれている。
何しろ、私の金沢駅の記憶といえば、
三十年近く前で、
駅前といえば、うら寂しい、古い建物が並んでいたのだ。
自転車を借りて、有名な「近江町市場」へ行けば、
カメラを構えた観光客がぞろぞろ。
ちょうど昼時とあって、市場の中の食堂には、
どこも長い列ができていたりする。
観光客の目当ては、一杯三千円近くする海鮮丼。
店頭の写真を見ると、
エビ、カニ、サーモン、マグロ、イクラなんぞが、
どんぶりに溢れんばかりに盛られている。
あれ、地元の魚は?
ということで、
私は、ちょっと奥まったところの食堂で刺身定食1,200円。
天然のブリ(まだワラサ級だけれど)、スズキが、かなり厚めに切ってあって、
これで充分。
今回の旅の目的は、美術館で絵の鑑賞。
「鴨居玲(かもいれい)」という、
前から気になっていた画家の作品を、
じつに、静かな雰囲気の中で堪能することが出来た。
思った以上に、迫力のある作品だったので、
美術館を出て、
直ぐ目の前の、回遊式庭園として有名な「兼六園」で、
静かに頭を冷やそう、、、、、
と思って入場券を買って入った。
ところが、ところが、
中に入って、これまたびっくり。
あれだけの広い庭を、
埋め尽くすぐらいの人で溢れている。
共通のワッペンをつけた、
日本人の団体もいれば、
中国、あるいはほかのアジア系の人達の団体もいる。
欧米人らしきグループもいたり、
アラブ系と見られるツアー客もいた。
その中で、結婚式の延長なのか、
新郎新婦を先頭に、ぞろぞろ歩く集団もいたりして。
確か今日は、平日だったよなあ。
金沢城は、
昔は大学があって、中には入れなかったのに、
今では、いくつかの建物が復元されて、
すっかりと整備されている。
こちらも、多くの人が、
行ったり来たり。
そういえば、浅野川の向こうに、
古い建物が残る、茶屋街があったなあ、
と思いだして、
借りた自伝車でキコキコと行ってみる。
(実際には、よく手入れされた自転車で、
キコキコ音がすることはない。
私の骨の擦れる音かもしれない、、、、。)
と思って行ってみると、
ここもぞろぞろ人が歩いているではないか。
午後の四時過ぎ、
どうして、こんなに人が歩いているの。
長野の善光寺だったら、
土産物屋は店じまいを始める頃なのにね。
人通りの途切れるのを待って、
写真一枚。
う〜ん、
金沢は、北陸新幹線の開通の影響もあって、
観光客の興味を引いているようだ。
でも、
それだけではない。
何気ない街並みを、
観光客の期待に沿うように、
長い時間と、お金をかけて、
作り上げてきたのだね、
古いものだけでなく、
今回は行かなかったが「21世紀美術館」のように、
新しいものを引き入れている。
こういうところは、
長野の街も、見習っていいと思う。
でもねえ、
観光客だけで溢れる街も、
また一つ、深い魅力に欠ける気がする。
住む人と、訪れる人との、
本音でのやり取りができるような交流が、
自然にできればいいのになぁ。
とにかく、
長野から金沢は近くなった。
今までは、JRの会社をまたいでいることもあって、
列車の接続が悪く、四時間近くかかっていた。
それが、北陸新幹線では、一時間と少し。
帰りに、
金沢駅を出た時に、
プシュッと開けた缶ビールが、
お酒が苦手な私が、飲み終わらないうちに、
「まもなく長野に到着します。」
のアナウンス。
あ〜あ。
、、、、二本目ですけれど。
「乗り物は早くなった。
人は孤独になった。」
古いチャップリンの映画の中に、
そんなセリフがあった気がする。
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