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2015年9月11日 (金)

卵の味は、本来の淡白なものだけれど。

だいぶ前にメキシコに二度ほど旅をしたことがあるが、
その時に、ホテル、あるいはカフェ(?)の朝食に出される、
卵料理が美味しいと感じたことがあった。
特に、田舎の方へ行くとそうで、
野菜を刻み込んだ卵焼きなんぞ、
なにか違うなあ〜という、美味しさがあった。

そうして、漫画家の水木しげるさんの、
メキシコ旅行記を読んだら、
朝のパンケーキが美味しくて、
どこでもソレを注文したと書いてあった。
おそらく、これ、玉子焼きのことだろうなあ、
メキシコでは、当たり前に出てくる食べ物だもの。

きっと、メキシコのニワトリが、
夜は、きちんと眠って産んだ卵だったのだろうなあ。

ということで、
前回に引き続き、卵の話。
日本だって、私の子供の頃は、
卵は比較的高価なものだった。
だから、卵を使った料理なんか、
ずいぶんと贅沢なものだった。

それが、今では、
スーパーの特売の目玉になるほど、
ありふれた、安価な食べ物になってしまった。
卵の料理なんぞ、今では「ごちそう」にならなくなった。
その裏には、夜も眠らずに、
卵を産み続ける、ニワトリたちの努力があったのだね。

いや違う、
夜もこうこうと照明をつけて、
一日に二回も卵を産むように仕向ける、
生産者の方々の、なみなみならぬ、努力の甲斐があったのだ。

さて、ひょんなことから、
真夜中に餌をついばむニワトリを目撃してしまった私は、
そうして、安く売られている卵に、
何かしら、違和感を覚えざるを得なくなった。

決して、成分的に、何かの問題があるわけではないのだが、
そうやって、狭いゲージで、睡眠も満足に取れない、
太陽の光さえ満足に浴びたことのないニワトリが産んだ卵を、
値段が手頃だからといって、食べ続けることに、
気持ちが、ストンと落ちないものを感じていた。

二十数年前にそば居酒屋を始めた時に、
使う卵は、
昔だったら当たり前のニワトリが産んだ卵を使いたかった。
つまり、朝はコケコッコーと鳴いて起き(メンドリだから鳴かないが)、
昼間は、土の上を歩きまわり、
夜は、小屋の中でじっとしているニワトリだ。

最初は、そういう卵を遠くから取り寄せていたが、
何分にも値段も高いし手間がかかる。
そうしたら、ある人が、松代の自宅の近くに、
ニワトリをたくさん飼っている農家があるというのだ。
聞いてもらったら、ある自然食品店に、
その卵を卸しているという。

その後、その自然食品店を通して、
卵を仕入れさせていただき、
今では、直接、持ってきて頂いている。

実を言うと、
私はまだ、その農家に伺ったことはないのだが、
いろいろ伺うと、
ただ、昔ながらのやり方で、ニワトリを飼っているのだそうだ。
餌はと聞けば、菜っ葉と、農協の配合飼料と、
時々、貝のすりつぶしたもの、、、だという。
夏の暑い時には、食欲がなくなり、
卵も小粒になる。
冬の厳寒期もそうだ。
昼間は庭をかってに歩きまわり、
夜は小屋に収める。
少し前までは百羽以上も居たが、
今は、だいぶ、数を減らしたようなことをおっしゃっていた。

よくお客さんに聞かれるが、
そういうニワトリの卵は、
味が濃いのでしょうと。

いいえ、いいえ、
卵らしい味の濃いのは、
スーパーで売られている卵のほう。
なにせ、こちらのニワトリは、
夜も眠らずに、ゲージ以外は歩きまわることもなく、
高栄養の飼料を食べさせられているのだ。
しかも、きれいな黄身のになるように、
餌には色素まで入れられている。

そういう卵に比べれば、
今扱っている卵は、淡白な味わいの卵だ。
しかし、なんと言っていいのかなあ、
扱っていて「強い」卵だな、と思うことがある。
味に伸びがあるというような。

寝不足のストレスを抱えたニワトリの産む卵ではなく、
太陽にの光を浴び、しっかり土の上を歩いているニワトリの産む卵を、
これからも選んでゆきたいなあ。
食べ物を、ただ、自分にとって「うまい、まずい」で切り捨ててしまう人も多いけれど、
どういうふうに育てられ、作られているのかを、
しっかりと見極めるのも、とても、とても、大切なことだと思っている。

おまけに、
私の好きな俳句から。

  

永き日のにわとり柵を越えにけり     芝不器男

柵を越えたニワトリは、どこへ行ったのでしょうか。
私も、柵を越えてどこかに行きたい、、、、、、、、、なぁ。

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コメント

ストレスを与えられたニワトリが産んだ卵と、自然に生きているニワトリが産んだ卵。数値に表れない成分の違いがあるような気がします。あんまり怪しい話はしたくないですけれども。

投稿: 所沢太郎 | 2015年9月12日 (土) 10時23分

前回から拝読させていただきましたが、夜中も灯り光光と餌を食べさせられて卵を生まさせられていたんですか。
眠れないのはそば屋さんばかりではなかったのですね。
玉子とじそばが好きな小生としては色々と考えさせられたものでした。

投稿: 土瓶蒸し | 2015年9月12日 (土) 12時45分

所沢太郎 さん、
こんにちは。

確かに、違いはないと思いますが、
なんとなくそんな気がします。
気分的なものなのかもしれません。
でも、卵は、ニワトリの命の塊ですので、
やっぱり元気なニワトリから、
元気を分けていただきたいですね。

投稿: かんだた | 2015年9月13日 (日) 07時00分

土瓶蒸し さん、
こんにちは。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今の食べるものは、
食べる人の眼に見えないところでは、
何をやっているのか、よくわかりませんね。
できるだけ、それが見えるものを食べていきたいものです。

投稿: かんだた | 2015年9月13日 (日) 07時03分

昨日、美味しく、たぬきを頂いた
静岡県富士宮市の勝亦です
かんだたを出て長野インターへ直行
三時間半で富士宮へ到着でした

いやー美味しかったです
女房は極楽セットを頂きました
私は、せいろと、たぬきせいろを頂きましたが
小町も・・・・・食べたかったです

次回は小町を・・・・・・是非

段々寒くなってきます、お体ご自愛のほど

投稿: 屁の河童 | 2015年10月13日 (火) 06時10分

屁の河童 さん、こんにちは。

ご来店ありがとうございました。
遠くからわざわざお越しいただき恐縮です。
そば打ちもなさるそうですね。
そばを打って、そばを食べて、
元気に過ごしましょう。

投稿: かんだた | 2015年10月14日 (水) 09時43分

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