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2015年7月 2日 (木)

「瑣事(さじ)」を愛するものは、、、、、。

なにやら、スポっと気の抜けたような気分になってしまった。
まさか、そんなことをする人がいるとは、
まったく思ってもいなかった。
育つのを楽しみにしていたのに、、、。

いえ、ご開帳の忙しさから開放されて、
気が抜けたわけではない。
他の人には些細な事かもしれないが、
ちょっとショックな事があったのだ。

店の入口に、ツバメの巣があり、
今年も、巣作りが始まった。
古い巣を補強し、
親鳥が交代で卵を温め始めたのは、
まだご開帳期間中で、
多くの人で賑わっているた時期だった。

その下を通る人の出入りの多さにもかかわらず、
ツバメは根気よく巣に座り続けていた。

Tubame1
そして、ご開帳が終わり、
かんだたにも、長野の街にも静けさが戻った頃、
ヒナが生まれた様子だった。

まだ、鳴き声もなく、
親ツバメは、時々巣に立ち寄って、
餌を与えている様子。
夜は、半分羽根を広げるようにして巣に座り、
寒さからヒナたちを守っていた。

やがて、親の羽音が聞こえると、
ヒナたちが、まだ細い首を持ち上げているのが、
見えるようになった。
「今のところ二羽かな。」
「いや、三羽はいると思う。」
などという会話をスタッフともしていた頃だった。

朝、仕込みをしていると、
妙な音がするので玄関を出てみた。
すると、近所の店に手伝いに来ているおばさんが、
モップの柄を伸ばして、そのツバメの巣を落としていたのだ。

なんてことをするのだ、
と思って駆けつけた時には、
すでに巣はバラバラになり、
まだほんの小さなヒナが、タイルの床の上でうごめいていた。

私の剣幕に、
最初はきょとんとしていた、そのおばさんだった。
いつもは店の入口には来ないのに、
たまたま、水道の栓の確認に来て、
フンを落とされて頭にきて、
なんの迷いもなく、巣を壊してしまったのだ。

さすがに悪いと思ったのか、そのおばさん。
プラスチックのかごを持ってきて、紙で包み、
ヒナを入れて、元の場所に吊るした。
しかし、ヒナは、落ちたショックで、すでに虫の息だった。

それでもと思ったが、
さすがに親鳥は、
なかなかプラスチックのかごには寄りつかなかった。
何回もの逡巡の末、
やっと親鳥は人工の巣に留まった。
でも、その親鳥に反応するヒナは、
たった一羽だけのようだった。

その一羽も、
翌日には力尽きたようだ。

巣の落とされた夜、
親鳥たちは、巣の近くの看板の上に止まり、
巣の方をじっと見つめて過ごしていた。
ツバメの親の、そんな健気さに、
なにやら、胸が締め付けられてしまった。

Tubame2

スタッフみんなで、
今年は何羽育つのかなあと、楽しみにして、
見守っていたのに、一瞬にして、それが壊されてしまった。
そう、世の中には、価値観の違う人も、
たくさんいるのだ。
か弱い生き物を、
平気で殺せる人もいるのだね。
そのおばさんにとっては、アタリマエのことだったのかもしれないが。

ということで、
ツバメの巣のあった空間は、
心の中では、大きな空洞へとなってしまった。
他の人から見れば、
些細な事なのだけれどね。

「瑣事(さじ)を愛するものは、
 瑣事のために苦しまねばならない。」
と言ったのは、芥川龍之介だったっけ。

「瑣事」とは、些細(ささい)なこと。
他の人の愛する「瑣事」というのは、
なかなか気が付かないもの。
そういうものを、大事にする、、、
いや、少なくとも、傷つけないような生き方をしていきたいね。




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コメント

読んで肝が冷えました。
おそろしいです。
価値観が違う、で納得することはできませんね。
生き物の命は瑣事ではないですよ。大切ですよ。

たまに更新されるブログなのに、こんなに悲しい気持ちになるなんて残念です。
もっと頻繁に更新してください。そうすれば、こういうエントリーのショックから立ち直るのも早くなるような気がします。

投稿: 所沢太郎 | 2015年7月 9日 (木) 11時04分

所沢太郎 さん、こんにちは。

すみません。
こんなことを書いてしまって。
いろいろなことが、あるのですね。

できるだけ更新するように努めます。
お許しを。

投稿: かんだた | 2015年7月10日 (金) 06時19分

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