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2015年2月16日 (月)

そばを食べたあとは、そば湯で汁を分解する。

江戸時代の中頃になって、
そばは広く食べられるようになった。
最初の頃は、
そばを食べたあとに、
豆腐の味噌煮がでたそうだ。
そばで冷えた腹を、
その汁で温めたという。

ところが、信濃の習慣で、
そばを食べたあと、そのゆで汁を飲むことが伝わった。
同じそばの成分なので、
飲んだあとに腹が落ち着くというのだ。
だから「信濃風」と断って、
客にそば湯を出したら、
大変に珍しがられて褒められたと、
18世紀半ばに書かれた「蕎麦全書」に描かれている。

東京の昔のそば屋では、
内々の客、
つまり、店の客ではなく、
親戚、知人筋や、取引の人が見えても、
普通のお茶は出さなかったそうだ。
そば湯に、そば汁を垂らしたものを、
「信濃湯(おしなゆ)」といって出したという。

これは、店にとっても、
汁の自慢になったそうだ。
きちんとした出汁をとっていれば、
そば湯で薄められても、
しっかりと、出汁の香りが残り、
美味しくいただけるのだ。

なるほど、
今度は、用事で来るお客様に、
私も「信濃湯」を出してみようか。

さてさて、
他の店に行って、そばを頂いたあと、
楽しみなのがこのそば湯だ。
このそばを美味しく頂くために、
わざわざ、薬味のネギを、しっかり取っておいたりする。

もりそば用の汁は、だいたい、しっかりと作りこんだ、
うま味の強いものになっている。
しかし、そこに出汁の香りや風味が強く残っていると、
そばの味を損なってしまう。

だから、そば汁は、
そういうものを抑えつつ、
これでもかと凝縮したうまみで、
そばを引き立てているのだ。

そのギュッと詰め込まれた緊張から、
そば汁の開放されるのが、
そばを食べ終わって、
そば湯を注いだ瞬間だ。

今まで封印されていた出汁の香りがたち、
様々な風味が踊りだす。
料亭で最初に出る、
噛んで飲むような上品な吸い物とは違うけれど、
口の中に味の広がりを感じる事ができる。

ああ、いい出汁を使っているなあ、
などと、感心する。
そして、
ああ、あれとこれと、こういうふうに作っているなあ、
などと、勝手に想像してしまう。
昆布のだしは、伸びがいいので、
いつまでも口に残る。
東京あたりの古い店は、昆布なんぞ使わないから、
ピシっと、キレが良い。

若い店には、まだまだ迷いがあり、
(もちろん、それもいいものだ)、
古い店には、
奥行きの深い味わいがある。

皆さんそれぞれに工夫されている。
そば汁は「レシピ」だけでは語れない、
それぞれのコツの組み重ねなのだね。

そんなことが、
そば湯をを注ぐとわかるのだ。
ほら、あんな有名店なのに、
そば湯で割ると、
味が消えてしまう店がある。
いま流行りの〇〇エキスでも、
使っているのかな。

そんなことで、
皆様に分解されてもいいように、
今日も汁を湯煎しているのだ、、、

、、二時間半もかかるから、飲みにゆけない、、、、。


Yusen

 

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