カツオばかりがダシではない。
だし屋さんのカタログを見ていると、
実に様々のだしの材料がある。
まあ、広く使われているのはカツオだが、
それでも、荒節から枯本節、
小さなカツオを使った亀節、
最近は高イノシン酸タイプの枯本節も出ている。
他にも、宗田節、さば節、むろ節、まぐろ節、うるめ節、
さんま節、いわし節なんぞがある。
それぞれに、だしの出方が違うので、
その店の、その目的にあった節を、
あるいは、いくつかの組み合わせをして使う。
さらに、節の形によって、 だしの出方が違う。
例えば、カツオなら、
そば屋では、濃厚な汁を取るために、
厚削りをじっくりと煮出す。
料理屋では、豊かな香りの汁を取るために、
薄削り、つまり花かつおを使って、短い時間で仕上げる。
カツオの節の削る厚さによって、
味の出方も、煮出しの時間も変わってくるのだ。
最近では粉砕品もあって、
これは、短時間で濃い出しがとれ、
かつ、香りも残せるというもの。
香りをつけるには、粉末になったものもある。
だから、
汁を作るには、
実に様々な方法と、
組み合わせが考えられるのだ。
で、だしに使われるものはそれだけではない。
煮干し類や干物類もいいだしが取れる。
片口、うるめ、平子、あご、あじ、たい、えそ、かます、
いか、するめ、かき、あさり、しじみ、かいばしら、むきえび、
おきあみ、桜えび、しいたけ、、、、、。
ラーメンの世界では、こういう魚介類のだしが見直され、
ずいぶんと研究され、また挑戦されている。
それだけ、競争が激しいし、
また、成功した時の喜びが大きいのだろう。
でも、そば屋の世界では、
未だに「カツオ」一辺倒のようだ。
最近は、有名店のレシピも出まわっていて、
新しいそば店に行っても、
そば汁がかなり均一化されているような気がする。
「私は枯本節で汁を作っています。」
と、威張っていて、
その場所から動こうとしていない、、、印象もある。
いくらうまい汁を作っても、
そばと合わなければ意味が無い。
また、ラーメンなどの濃厚な汁に慣れたお客様の、
味の感覚も変わってきている。
それに合わせた汁づくりが求められるのではないだろうか。
などという私だが、
店の汁も、少しづつではあるが、
作り方や、材料を変えている。
個人的に言えば、
濃厚なトマトソースと、オリーブオイルで、
そばを食べるのが気に入っているが、
これはまあ、
個人的、、、というところに収めておいたほうが良さそうかな。
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