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2014年10月14日 (火)

タタミ二畳の茶室でそばを食べれば。

ちょっと想像してみると、
タタミ二畳の広さの部屋というのは、
かなり狭いように思える。
ところが、実際に中に入って見ると、
何やら、こじんまりとしていて、居心地がいいのだ。

ある陶器展で、
なんと千利休が作ったとされる、
国宝の茶室、待庵(たいあん)が寸法そっくりに再現されていた。
もともと大工だったその陶芸家が、
壁の質感から、天井の竹の編み方までこだわって、
何年か掛けて組み上げたものだった。

入り口は、にじり口と呼んで、
普通の半分ぐらいの高さしかないから、
体を小さくかがめて入る。
そうして入ると、
やや低めの天井も圧迫感もなく、
すっと、タタミの上に座れるのだ。

隅に湯を点てる炉が切ってあり、
ここで主人は、三人ぐらいの客をもてなす事ができそうだ。
二畳の広さは、相手との距離も、
遠すぎず、近すぎず、心地良い会話ができそうだ。

これはレプリカではあるが、
こういう空間で、利休が、
秀吉や黒田官兵衛をもてなしたかと思うと、
何やら楽しくなる。

お茶を心から楽しむために、
利休はこの二畳の茶室に、
気持ちを凝縮させたのだね。

さて、
食事をするにも、部屋の広さというのが、
結構大切な要素となるようだ。

和食の料理人の神田裕行さんのおっしゃることには、
「箸の長さでお膳の寸法が決まり、
天井の高さが定まる日本料理は、
狭く、静かな環境で、
味を迎えに行くものとされる。」
のだそうだ。

だから、体育館のような広いところで、
吸い物を飲んでも、うまく感じないという。
和食の薄い微妙な味を感じるには、
ある程度、閉ざされた空間が似合うのだね。

ならば、そばだって、同じかもしれない。
何やら、卓球場にテーブルを並べたような店よりも、
こじんまりとした区切られた空間の中で食べたほうが、
同じそばでも、感じ方が違うことがあるかもしれない。

そういえば、東京の老舗蕎麦屋のあの狭いテーブルで、
肩をつぼめながら食べるそばは、
なんとなく味わい深く感じられる。

お茶をやられる方に聞いた話。
あの茶室の狭い入り口、にじり口は、
頭を下げないと、中に入ることができない。
頭を下げることによって、先入観を取りのぞき、
無垢の心となって、お茶と向き合えるのだそうだ。
だから、あえて、あのような小さな入り口にしてあるとか。

それなら、私の店も、
入り口を狭くして、
屈まないと入れないようしようかな、、、、。

いやいや、
大切なのは、そばを味わえる、
適度な緊張感のある店作りに努めることだろう。
そのためには、まず、
店主が、しっかりとした顔をしていなくては。
ってね。


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