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2014年7月14日 (月)

そばの生地は「雷おこし」のような構造をしている。

「雷おこし」は、東京浅草の門前で売られている、
有名なお菓子。
「人形焼き」と並んで、
私の子供時分には、
待ち遠しいお土産だった。

その「おこし」というのは、炒ったもち米を、
水飴などで固めたもの。
米の粒が、一つ一つはっきりとしていて、
食べると独特の感触がある。

さて、
ある老舗のそば屋さんのご主人の話によると、
そばを打つ時に、木鉢で練り上げたそばの生地は、
この「おこし」に構造が似ているという。

水回しをして水分を含んだそばの粒は、
水飴のようなもので繋がることによって、
まとまった形になるのだね。

その水飴のような役割を果たすのが、
そばに含まれる水溶性のタンパクとデンプンだという。
つまり、そばの生地をこねる、ということは、
そばの粒の中の、水に融けるタンパクを絞り出し、
そばの粒と粒を繋げることなのだね。

私もこねた生地を顕微鏡で見てみるが、
そこにあるのは、おいしそうな「おかき」ではない。
どちらかと言えば、
家の外壁や玄関周りの床に張られた、
鉄平石のような感じだ。
様々な形の石を、
白い目地がつないでいる。
その目地に、
水に融けた、水溶性のタンパクが、
びっしりと入り込むことによって、
そばが繋がるのだね。

だから、しっかりとしたそばを作るためには、
しっかりと練り込むことも大切。

誰かに、そばは「こねすぎると腰が抜ける」という話を聞いて、
ずいぶんとこねて試したが、
私の使っている粉では、
こねすぎて、弾力のないそばになることはないようだ。

いいそばを作るためには、
木鉢でしっかり練り込むことが大切。
でも、いくら練っても、
ツヤも弾力も出ないそば生地もある。

そばをこねる作業は、実は、その前の作業、
そば粉に水分を含ませる、
「水回し」と関連しているのだ。

そんな話は、
またの機会に、、、。

「雷おこし」ではないけれど。

Okosi

 

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2014年7月 7日 (月)

息を切らせ、大汗かいて、そばをこねる、こねる。

いいそばを打つのに大切なのは、
木鉢での仕事。
これが意外と注目されないんだよね。

テレビカメラが入って、
そば打ちの様子を撮っていったりするけれど、
映されるのは「伸し」とか「切り」。
カニのように木鉢に這いつくばって、
ぐるぐると腕を回す「水回し」や、
息を切らしながらする「くくり」、
つまり、生地をこねる場面なんぞ、
滅多に映してもらえないのだ。

でも、
そばの性質を決めるのは、
「水回し」「くくり」という、
木鉢の中の仕事なのだ。

特に「くくり」、
そばをこねる作業は単調で、
手を抜きやすい。
何年もそば屋をやっているベテランが、
意外とだらしないそばを作っていたりするのも、
そのせいだろう。
私も、他の店でそばを食べると、
しっかりこねられているか、
そうでないのか、
何となく感じられるようになってきた。
必ずしも正確ではないけれどね。

でも、やっぱり、
よくこね上げたそばは、
喉越しも良いし、安心感がある。
だから、
私も、しっかりと、そばをこねないとね。

趣味でそば打ちをなさっている方に、
どのくらいこねれば良いのか聞かれることがあるが、
その人の打つ量とか、粉の性質もあるので、
なんともいえない。

私の場合では、
たとえば2キロを打つ時には、
こねるのは三分間と決めている。
押す回数にすれば、
120から150回ぐらいだろう。

上から押さえつけてこねるのではなく、
手前から向こうに、すりつぶすような感じで、
生地を押していく。

30回位はこんな感じ。

Kukuri1
まだまだ、表面が毛羽立っている。
さらに60回くらいになると、
表面にツヤが出てくる。

Kukuri2
100回位になると、
押した時に滑らかな感じがしてくる。

Kukuri3
そうして、さらにこねると、
プクッとしたような弾力が出てくるのだ。

そうして、へそ出しをして、
丸い玉にまとめる。

Kukuri4
指で生地を押してみると、
ふわっと、戻ってくるような感触がある。
こういう弾力感のある生地になるまでこねると、
釜に入れた時に、ぱっと膨らみ、
食感の良いそばになるようだ。

あっ、これは、あくまでも、
外二(そば粉10:小麦粉2)のそばの場合。
十割で打つ時には、少し違う感覚となる。

地味な仕事だけれど、
そばはしっかりこねた方がいい。
それをしないで、
「うまく行かないのは、粉が悪いんだ。」
などと、
「こねる」のではなく、
「こ」に濁点を付けておられる方はいらっしゃいませんか。

でも、
どうして、こんなにこねなければいけないのだろう。
そんな話は、
またの機会に。

 
 

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