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2014年3月 3日 (月)

そのうちに、信州産の「そば」は見向きもされなくなってしまう!

小布施(おぶせ)は長野から電車で30分ほどのところにある小さな町。
かって葛飾北斎が滞在したこともあって、
落ち着いた町並みの、観光客にも人気の場所でもある。

ここの名物は栗で、
街中には、多くの栗菓子店が軒を連ねている。

この町を流れる川が、
強い酸性を帯びているので、
土壌も酸性となり、
それが栗の栽培には適していたそうだ。

戦前には、一帯が栗畑で、
よい栗が穫れるとの評判だった。
ところが、戦後になって、多くの畑が、
もっと生産性が良く、高値で売れる、
リンゴやブドウの栽培に切り替えてしまったのだそうだ。

残った栗畑はごく僅か。
これでは、「栗の町」の名がすたると、
町では補助金を出すなどして、
栗の栽培面積を増やしてきた。
そして、栗菓子店も、
地元小布施産の栗を使っていることを看板にしようとした。

ところが、
その栗が、
以前の風味のある栗と違う。

これは、
一度栽培が途絶えてしまったため、
農家が、栗の栽培ノウハウを持たないまま、
栗を育てていたからだ。

「栗の味が落ち、将来が心配。」
このままでは、小布施の栗のブランドが育たないと、
危機感を持った老舗栗菓子店。
そのために、
農家に栽培の講習会を開き、
栗の品質を判定するなどのプロジェクトを、
方々に働きかけて開始した。

まだ始めて一年だけれど、
少しづつ、農家や栗菓子関係者の意識は高まっているという。

なるほど、
しっかりとした栗のブランドを築き上げるには、
ただ、昔からのイメージに、ぶら下がっているだけではいけないのだね。
小布施の、この取り組みに、
私も注目したいなあ。

さて、
信州で栽培される「そば」の話である。
実は、
この栗のような状況に信州の「そば」もあるような気がしてならない。

確かに信州で穫れた「そば」は美味しいというイメージは、
広く広まっている。
そば屋でも「信州産そば粉使用」などと言えば、
それだけでも、価値が上がるような気がする。

でも、
信州で穫れた「そば」って、
本当に美味しいの?

中には、優れた風味と甘味を持ったものもある。
まさに、これぞ信州の「そば」という感じだ。

でも、そうでない信州で穫れた「そば」も多いのも事実。

化学肥料で水ぶくれした味のない「そば」。
温風乾燥をして、風味の飛んだ「そば」。
乾燥しすぎて、粉にしてそばに打っても繋がらない「そば」。
そういうのも信州の「そば」として、
堂々と流通しているのも事実なのだ。

そばの栽培環境も、
昔とは大きく変わってきている。
以前は、山の畑にびっしりと植えられたそばだが、
今では、田のような平らな場所でほとんど育てられている。
以前は、実が熟す前に刈り取り、茎につけたまま乾燥させた。
今では、充分に実が熟してから、コンバインで刈り取るところが多い。
補助金が付くようになったので、
それを目当てに、新規に栽培を始めた人もいる。

にもかかわらず、
種子の選別、栽培、乾燥、保存などは、
比較的小規模な各生産者まかせ。
はたして、これで、
信州の「そば」のブランドが保てるのだろうか、
と、心もとなく思っているのだ。

小布施の栗が、
元のように、品質の高いものを生産できるようになるには、
まだまだ、時間がかかることだろう。
でも、すでに先に向かって動き出している。
ところがねえ、信州の「そば」には、
まだ、そんな動きは無さそうだ。

大丈夫かなぁ。
信州の「そば」というイメージに、
ただ、ぶら下がっていないだろうか。

なんてことを書くと、
農家の方から、そば屋こそ、
もっとマシなそばを打て!
と怒られそうだ。
これも、ごもっともなのだけれど。


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