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2013年6月28日 (金)

笑顔だけがサービスではない。

先日東京に行った時に、
ちょっと、気持のいいサービスを体験したので書いてみよう。

よく、接客サービスの基本は、
「笑顔」だと言われる。
それはそうだろう、
しかめっ面で挨拶されるよりは、
ごく自然な笑顔で接してもらった方が、
気持がいいに決まっている。

だから、
大きな会社などでは、
「笑顔トレーニング」なんぞを行って、
印象のいい笑顔を作るように努めているのだね。
小さな小売店や飲食店だって、
そんな影響を受けて、笑顔になって、
今では、だいたいどこでも、
気持よくサービスを受けられるようになっている。

でもね、
笑顔だけが、サービスの姿ではない。
ときには、その笑顔が、
人を傷つけることもあるのだ。

ある人の会社では、
ちょうどイベントがあって、
大勢のアルバイトに、夜遅くまで働いてもらった。
その人は、そのアルバイトたちに、
夜食を買おうと思って、
近くのハンバーガーショップに一人で出かけた。

レジでハンバーガーを二十数個注文した。
そうしたら、
レジの女の子が、
満面の笑みで彼を見つめ、
こう言ったのだ。

「こちらでお召し上がりですか?
 それとも、、、、、。」

かねてから、自分のメタボ体型を気にしていたその人は、
もう二度と、そのハンバーガーショップには行かなかったそうだ。

さて、
相変わらず東京の街はすごいなあ。
どこへ行っても、
人が大勢いて、
しかも、急ぎ足で歩いている。
ターミナル駅なんぞは、
さまざまな人の流れがあって、
それにうまく乗らないと、
目的の場所に行き着かないのだ。

慣れない私なんぞ、
Suica専用の改札機に、
切符を押し込もうとして、
後ろの人に舌打ちされたりする。
電車の駅に降りても、
駅員の姿はなく、
整然とした人の流れがあるだけなのだ。

あれ、いつの間にかエスカレーターは、
左側に立つことになったの?
なんて、
まったく「おのぼりさん」状態。

で、最初に行った代田橋から、
中央線の阿佐ヶ谷駅まで、
路線バスに乗ることにした。
たまたま、環七沿いに、
このバスを見かけたからだ。

乗って見ると、前の方はノンステップで、
床が低くなっている。
後ろは少し登って段差の上に席がある。
前の方も空いていたが、
後ろの方の椅子に腰掛ける。
その時に、運転手さんの、
「発車します。」の声。

あれ、ひょっとして、一番最後に乗り込んだ、
私が椅子に座るのを、待っていてくれたのかな。

図らずも、車内を見渡せる位置に座ってしまったのだが、
これが面白かった。

けっこう乗り降りの激しい路線で、
停留所に止まるごとに、何人かが降り、
何人かが乗り込んでくる。
そのほとんどが、高齢者、
いや、私より年配の方々だ。

運転手さん、
その方々が、ちゃんと席についてから、
あるいは、つり革や手すりに摑まったのを見極めてから、
バスを発車しているのだ。
あるご年配の女性の方は、
乗り込んできて、
背負っていたリュックが着ているものに引っかかり、
なにやら座るのに手間取っていると、
「赤信号ですから、ゆっくりでいいですよ。」
と、声をかけている。
(もちろん、信号のある場所ではない。)

効率とスピードと時間の正確さを競う東京の電車と、
この、ゆっくりとして、安心感の漂うバスの車内とのギャップに、
なんとも、不思議なものを感じたのだ。

東京のバスの運転手さんはみなそうなのだろうか。
それとも、たまたま、そのような気遣いのある、
運転手さんのバスに乗ったのだろうか。

終点の阿佐ヶ谷駅では、
歩道ぎりぎりにバスを止めて、
段差を少なくしていた。
そして、前の扉をあけて、
お年寄りを誘導していた、この運転手さん。
まだ、三十代ぐらいの方だった。

店のサービスでも大切なことは、
お客様をよくみること。
そして、何げない気遣いをすることだろうなあ。
もちろん笑顔も大切。
でも、
お客様の立場に立って考えること、
これが大切なのだろう。

といっても、
なかなかこれが難しい、、、、、

、、、、のだ。

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2013年6月21日 (金)

久しぶりの東京のそば屋さん食べ歩き。

さて、店を営業していて一番怖いことは、
自分のことばかりにかまけて、
「井の中の蛙」になってしまうこと。

たまには、他のお店や、
世の中の動きを知りに外にでなくてはね。

ということで、
思い切って日帰りで東京のそば屋さんをめぐってみた。
今までも何回か東京には来たけれど、
老舗の大きな規模の店が多かった。
今回は、
都心を少し離れて、
こじんまりとした、
それでいて、ちょっと光っている店を三軒回ってみた。

いや〜あ、
楽しかったねえ。

とは言っても、
本来の目的は「研修」なのだから、
しっかりと、勉強させていただいた。

特にそば屋の酒。
ええと、「上喜元」「日高見」「玉の光」
あ、「初亀」「黒龍」「菊姫」もある。
日本酒は苦手な私だけれど、
我慢して試してみなければねえ。
ああ、つらいなあ〜。

で、
最初は京王線代田橋駅近くの、
「まるやま」さんへ。
この店はもともと「長寿庵」という店だったのだが、
跡を継いだ息子さんが、
自家製粉、手打ちの店に変えたのだとか。

席数20ほどの、小さな店。
穴子の天ぷらが売りとのことで、
つい頼んでしまって、
忙しい時間に長居をしてしまってすみません。
粗挽きなのに細打ちのそばを楽しませていただいた。

次が、中央線西荻窪駅を降りたところにある、
「鞍馬」さん。
ここはやはり、20席ほどの店。
店の中に、石臼が置かれていて、
自家製粉をアピールしている。
店の壁には、現代風の絵画が飾られていて、
そばを食べる風景も決まっている。

常陸秋そばらしい、甘味の強さを感じるそばで、
こちらも細打ちで上品だ。

そして、最後が、
吉祥寺駅から、井の頭公園口を降りた、
ビルの地下にある「ほさか」さん。
こちらは、木をふんだんに使った、
やや古めかしい感じの40席ぐらいの店。

種物も基本的なもので、
うどんもあって、
誰でもが立ち寄れる気楽な店。

でも、
ここの売りは五色そば。
せいろの細打ち、太打ち、
更科と、変わりそばを二種類用意してあるのだ。

さすがに五色は食べられそうもなかったので、
四色そばを頼んだら、
小さなざるに、
一種類ずつ茹でてもって来てくれて、
そのざるを重ねながら食べるのも楽しい。

 

Hosaka

廻って見ると、
どこのお店も、
しっかりと、自分の姿勢を持ってやっていらっしゃる。
すごいなあ。

特に、そば汁は、
その店ごとに、すごく工夫されている。
そば湯でごく薄く延ばして味を見るのだが、
延びのいい、しっかりとした出汁を作っている。

そんなそば汁に、
お店の姿勢がくっきりと表れているのだ。

すごくいい刺激をいただいた、
今回の食べ歩き。
カメラを持っていかなかったので、
iPodで撮った写真だけれど、
作ったばかりのFacebookページにアップしたので、
よろしかったらどうぞ。

手打ちそば屋かんだたのFacebookページ

余談だけれど、
食べ歩きの途中で寄った井の頭公園。
アジサイや半夏生のの花が咲き、
深い緑に囲まれた、魅力的な公園。

折しも、急な夕立に見舞われたが、
その中を、傘をさしながら池でボートを漕いでいる「間抜け」がいたねえ。
他の人は、早々に引き上げていたのに。

あ〜あ、
ボートを漕いだのは、何十年ぶりかな、、、、、。


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2013年6月16日 (日)

釜の火を止めた後の上澄みの「そば湯」が、おいしい。

そばを食べた後に、
その茹で湯である「そば湯」を飲むようになったのは、
江戸では、18世紀中頃あたりかららしい。

その頃書かれた「蕎麦全書」という本に、
信州に行った時に、
そばを食べた後に、そば湯を出されて、
江戸にはない風習だったので、
感心したという記述があるからだ。

その頃の江戸では、
そばを食べた後では、
豆腐の味噌煮を出すというのが決まりだったらしい。

それが、信濃では、
「そば湯」をそばの後に出す。
試して見ると、なるほど、
お腹の据わりがいい。
ということで、
この習慣が、江戸に広まったそうだ。

もっとも、
このそば湯については、
十七世紀後半に書かれた「本朝食艦」にも、
そばを食べた後でそば湯を飲むと、
食べ過ぎたとしても害がない、、、
などと書かれている。
でも、
筆者自身も試したことはないと書いているので、
知られてはいても、あまり広まってはいなかったようだ。

このそば湯を飲むことは、
信濃から広まったといわれている。
だから、そば湯のことを、
そば屋では「お信濃湯(おしなゆ)」と呼んでいたそうだ。

昭和のはじめごろまで、
そば屋では、よっぽどの客でないと、
この「お信濃湯」をお茶代わりに出していたそうだ。
その後も、
職人たちが一服の時にお茶を飲むようになっても、
新人たちは「お信濃湯」しか飲ませてもらえなかった。
それで見習いのそば職人のことを「おしな」と言っていたのだね。

私なんざあ、まだまだ「おしな」なので、
釜の茹で湯をすくっては飲んでいる。
一番好きなのは、
営業が終わって、釜の火を止めて、
10分ぐらい過ぎた頃の澄み切った上澄み。
これが、とろっとして、
どことなく甘味があって、
そば汁で割らなくとも、それだけで飲めてしまう。

Sobayu

そば湯が白く濁っているうちに口に入れると、
口の中に、いがらっぽさや、粘りが残る。
だから、そば湯は、上澄みがいいなあ。

それは昔の人も知っていて、
お客様に出す時にも、
ちゃんと上澄みだけを飲めるように、
器が工夫されている。
ほらね。

Sobayu2
そば湯の湯桶の口は、
沈んだおりを入れないように、
途中から出ているでしょう。

それなのに、
最近は、
わざわざ掻き回して飲まれる方も多い。
私の子供の頃、
そば湯を掻き回すなんて「意地汚い」と、
何回も注意された覚えがある。

まあ、いまどき
そんな言葉を気にされる方も、少なくなったのだろうけどね。

 

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2013年6月10日 (月)

こういう努力をした人がいた。最近読んだ本「給食で死ぬ!」

長野県の真田町の、
生徒数が1,200人近くという大規模な中学校に、
大塚貢さんは、校長として赴任した。

ところが、その中学校の生徒たちは、
荒れ放題に荒れていたのだそうだ。
校内には、至る所に煙草の吸い殻が捨てられ、
廊下をオートバイで走るものまでいた。
学校を抜け出しては、
万引きや恐喝などの犯罪に走る生徒もいた。

先生たちは、
そのような問題が起こるごとに、
その処理に走り回って疲れ果てていたのだ。

大塚さんは、これはなんとかしなくてはと思い、
まず、生徒の関心を授業に向けさせることにした。
先生方を説き伏せて、
判りやすい、楽しい授業をするように仕向けた。
まだ、昔ながらに、
教科書をただ説明している教え方をしている人が多かったのだね。
これでは、生徒が、
つまらなくなって逃げ出してしまう。
先生方も、大塚さんの要望に応えて、
授業の内容を変えて行ったのだそうだ。

さらに、大塚さんが気になったのは、
生徒たちが食べるものだ。
運動会などの給食のでない行事の時、
生徒たちの食べているものは、
コンビニ弁当、菓子パン、カップラーメンなどが多いのだ。
そして、甘いジュースを飲んでいる。

そこで、生徒たちの食事の調査をしたら、
なんと、5人に2人が朝食を食べて来ない。
食べてきても、菓子パンとジュースが多い。
夜はというと、
焼き肉やレトルトカレーなどが多数。

これでは、子供たちに必要な、
ビタミンや、ミネラルが摂られていないではないか。

そこで大野さんは、
家庭がだめならば、
せめて学校の給食で、
化学薬品漬けでない、
身体や脳のためになる食事を提供しようと試みたのだ。

その頃の給食といえば、
子供たちの好きな揚げパン、菓子パン、
スパゲッティ、ソフト麺などが主で、
まったく生徒の身体のことは考えられていなかったのだ。

そこで、
給食はすべてご飯に変え、
煮魚や野菜料理をオカズに出すことにした。

これにはかなりの抵抗があったそうだ。
「こんなもの、子供が食べるか。」
「あなたが給食費を払っているのではないのだから、
 好きなものを食わせろ。」
と、教師や父兄から吊るし上げられた。

でも、
大野さんは負けなかった。
成長期の子供にとって、
こういう食べ物が必要なのだということを、
説得していったのだね。

そうして、
授業を変え、
給食を変えたことによって、
生徒たちが変わってきたそうだ。

あれほどたくさんあったタバコの吸い殻が見当たらなくなり、
図書室に生徒たちが集まり、
熱心に本を読むようになった。

そして、さらに大野さんは、
学校に花を植え育てることを提案した。
これは、全国の少年犯罪を起こした子供たちが通っていた学校を、
訪ね歩いて、大野さんが感じたこと。
それは、そういう学校が殺伐としていること。

少しでも花を育てることによって、
身の回りを、きちんとする習慣を身につけられるのではないか、
そう考えて、これも実行した。

大野さんは、後に真田町の教育長となり、
町をあげて、給食の改革に取り組んだ。
そして、学力の低い生徒が少なくなり、
非行や少年犯罪が減少したそうだ。

ある人に勧められて読んだ、
「給食で死ぬ!!」という本のあらまし。

居心地のいい現状から、
物事を変えていくということは、
かなりの力と信念が必要だ。
それをこうして、やり遂げた人がいるのだね。

食べ物は、
今、生きるためのエネルギーを得るためだけでなく、
5年後、10年後の自分の身体を作っていく。
そのためには、「うまい!」だけでなく、
身体が喜ぶ食べ物を、日々、摂取していかなかればならないのだ。

巷にあふれる、
化学物質で作られたような食べ物の氾濫に、
ほのかな疑問を持ち続けている私にとって、
身につまされる内容だった、、なあ。

You Tubeに付録のDVDのダイジェストがありますので、
興味のある方はどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=1KYh3z7gYuQ

 

Libro

 

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2013年6月 4日 (火)

手作りの、ほんの、ほんの、小さな一品を。

「かんだた」では、
店にお出でになったお客様に、
最初に、「突き出し」と称して、
ほんの小さな小鉢をお出ししている。

いえ、
そばをお待ちの間に、
お口が寂しいのではと、
ほんの、恥ずかしいほどの小さなものを、
出させていただいている。
大根の煮物、大根の皮のきんぴら、
だし昆布の煮物、切り干し大根の煮物など、
ほんのつまらないものだ。

しかしながら、
誰かがどこかで作ったものを、
お出ししては、
「手打ちそば」の店としては申し訳ない。
在り合せの材料で、
そんなものを作らせてもらっている。

私の店では、大根は薬味におろしをお付けしているので、
たくさん使う野菜だ。
でも、おろしに使うのは、大根の肩の部分だけ。
だから、それ以外の、腹から尻尾までの部分は、
冷蔵庫の奥にゴロゴロととぐろを巻いている、
いや、とぐろは巻かないが、
偉そうに鎮座していることになる。

それを、皮をむいて、拍子木に切る。
つまり、7、8ミリぐらいの長方形にするのだね。
この皮は取っておいて、
あとできんぴらにするのだ。
拍子木は、米のとぎ汁で少し煮て、
あく取りをしてからその湯を切る。

Daikonni1
煮物用の出汁を加えて煮るが、
大根は、出汁の味をよく吸い込む野菜。
かつおなどの上品な汁では物足りない。

そこで、
たっぷりと濃い味のでるイカの干したもの、
スルメを加えて出汁にする。

Daikonni2

そうして、小一時間煮て、
酒、みりん、醤油で味付けする。
あっ、コクを出すために、サラダ油を少したらしたりして。

火を止めて、
ゆっくりと冷ましながら、味を含ませる。

Daikonni3

こうして出させていただく「突き出し」だが、
まったく手を出さない方もいらっしゃるし、
時々は、お代わりの注文があったりする。

よく来られる、あるご家族の、
まだ、小さな娘さんは、この大根が大好きで、
お父さん、お母さんの分まで、召し上がってしまう。

そばにお付けする、
こんな小さな、
料理とも言えないものだけれど、
化学調味料は使わず、
今、流行りの化学的に抽出されたエキスも使わず、
出来るだけ砂糖も使わず、
そんな、
手作りの店らしさを伝えたいな、、、
と思っている。


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