« 長野産のそばがだぶついている? | トップページ | 手作りの、ほんの、ほんの、小さな一品を。 »

2013年5月27日 (月)

同じ場所で、、、、。

近くの観光地の、
少しはずれた山際に、一軒のそば屋があった。
ちょっと、評判を聞いたので、
寒風の吹きすさむ冬の初めに、
その店を訪ねたことがある。

靴を脱いで上がると、
広々とした板の間になっていて、
大きめの座卓がいくつか置かれた、
広々とした配置になっている。

その一つに座ると、
周りの窓も低めに作られていて、
居ながらに北信濃の山々が見渡せるのだ。
もう昼も過ぎているので、
他にお客もいない。
そばも、端正に打たれたもので、
ゆっくりと楽しませていただいた。

どんな方がそばを打たれているのかなと、
ちょっと興味を持ったが、
ご主人は、壁の向こうの調理場に籠られているご様子。
気配はするのだが、
お顔は見えなかった。

ちょっと、
疲れたような表情の、
まだ若い女将さんに見送られて、
その店を後にした。
でも、観光スポットから離れて、
この場所で、これだけの商売するのは大変だろうな、、、
などと、人ごとながら気になった。

案の定、
それから一年もしないうちに、
その店が閉店したと聞いた。
やっぱりなあ、
という気持ちとともに、
あれだけのお金をかけて、
きれいにあつらえた店が、
そのままになってしまうのは、
もったいない気がしていたのだ。

そして、何年か空いていたその店に、
豆腐料理の店が入ったと聞いた。
あの、人の来にくい場所で、
どうしているのかな、、、
と、気になっていた。

そこで、この冬、
たまたま近くに用事があったので、
ちょっと寄ってみることにした。
その時期にしては、
湿った雪の降る、
陰気な雲の立ちこめている日だった。

どうせ、こんな日は、
お客も少ないことだろう、
と思って行ったら、
なんと、店の前の駐車場は車で一杯なのだ。

店の中は、
昔のままのに、靴を脱いで上がるのだが、
席はすべてテーブル席となっている。
ぞして、ざっと数えて40席ぐらいの椅子の、
七割ぐらいの席が埋まり、
空いたテーブルには、
「予約席」の札が。

雪の降る冬の、
平日の昼なのに。
そのほとんどが、
女性のお客なのだ。
ネクタイ姿のサラリーマンはまったくいない。

出された豆腐料理は、
それほど洗練されているとは言えないが、
手作り感のあるもので、好感が持てた。
特に、メインとなる豆腐のステーキは、
おそらく、その店のご主人であろう、
背の高い男性の方が、調理場から出てきて、
一人ずつ、サービスしてくれるのだ。

店の中は、女性たちのおしゃべりと、
スタッフたちのきめ細やかな動きによって、
外の雪降りにも関わらず、
とても暖かかった。

そして、
たまたま、
私が訪ねた日がそうだったのかもしれないが、
前の、寒々とした印象のそば屋と、
人のぬくもりで暖まっている今の豆腐料理店と、
つい対比してしまうのだ。

同じ場所で、
同じ建物で商売しているのにね。

話は変わって、
ある商店街の中程にある、
少し前まで、全国チェーンのコーヒーショップだった場所。

そこに、
中華料理の店がオープンした。
内装は、昔のコーヒーショップのまま。
だから、とても、
雰囲気は合わないけれど、
それも面白いかな、、、、
などと試しに入ってみると。

ちょっとゴツい顔の店主が、
カウンターの奥で、
しかめっ面をして鍋をふるっている。
店の前には、
なんでもあります、みたいに、
べたべたと、張り紙をしている。
たくさんありすぎて、
それがお勧めなのだか、判らないなあ。

中華料理屋さんなのに、
なんでコーヒーのメニューもあるの?
なので、ちょっと引いていたら、
やっぱり、
店を閉めることになってしまった。

その後に入ったのが、
やっぱり、中華料理屋さん。
やはり、
コーヒーショップの内装のまま営業を始めた。

ところが、
今度は評判がいい。
鍋をふるにも、
お客さんの顔を見ながら、
ちゃんと対応している。
そして、
長年修行してきた腕も確かだ。

それでこの店、
けっこう流行っているのだ。

前の店と、
どこが違うというと、
なんとも言えないが、
同じ場所の、同じ店なのに、
やり方が違うだけで、
お客様が来たり、
来なかったりするのだね。

飲食店をやるには、
場所が一番と言う方も、多くいる。
でもね、
同じ場所でも、
やり方一つで、
流行ったり、そうでなかったりするのだ。

このことを、
「やっぱり、やる人の人柄だね。」
などという安易な言葉でくくらず、
しっかりと分析して、
さらなる、お客様への満足に努めなければ、、。

と、
たまには、
真面目なことを考えている私なのだ。


 

→→→人気blogランキング

 

 


|

« 長野産のそばがだぶついている? | トップページ | 手作りの、ほんの、ほんの、小さな一品を。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 長野産のそばがだぶついている? | トップページ | 手作りの、ほんの、ほんの、小さな一品を。 »