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2013年3月31日 (日)

金曜日の昼は「粗挽き十割そば」の日

Arabiki7

毎週、金曜日の昼は、
「粗挽き十割そば」をご用意させていただいている。
これを楽しみに来られるお客様もいらっしゃる。

これが粗挽きの粉。

Arabiki2

石臼を浮かせて、粒を大きく挽いた粉で、
触っても、さらっとしている。
これをいつものそば粉に混ぜて打つ。
十割だから、他に加えるのは水だけ。

粒が大きいせいか、
水回しにやや時間がかかり、
加水も少し多め。
しっかりと粘りを出してまとめ、
ギュウギュウとこね上げる。

Arabiki3

ほら、ギュウ〜〜という顔をしているでしょう。
この段階で、水を吸った粗い粒は、
ぷくっと膨れている。

Arabiki4
拡大して見ると、粒が表面に浮いているのが判る。
黒い斑点は、そばの外の殻も挽き込んでいるため。
食感が悪くならない程度に、殻も混ぜている。

延ばして見ると、
ほとんど可塑性のない生地なので、
ゆっくりと、少しずつ力を入れて麺棒を転がす。
畳んで切って見れば、
意外とスッスッと包丁が入っていく。

Arabiki5

今の季節ならば、
だいたい爪楊枝の太さぐらいに切っていく。
けっこう細めだ。
ただ、そばが繋がりにくい夏になると、
もう少し太めになってしまうが。

ということで、
こちらが「粗挽き十割そば」。

Arabiki1
独特のざらざら感のあるそばになる。
喉で飲込む食べ方の出来る方なら、
舌の上を滑る感覚がなんとも言えないだろう。
そのために、細めに仕上げるようにしている。
もちろん、噛んでいただいてもOK。
穏やかな風味が、口の中に広がるはずだ。

数に限りがあるので、
せっかく金曜日に来られたのに、
売り切れの時はご勘弁を。


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2013年3月25日 (月)

海の香りを楽しむ「磯切り」。

昨日は月に一度の変わりそばの日で、
「磯切り」の日だった。
天候にも恵まれ、多くの方のご来店ありがとうございました。

「磯切り」といっても、
今回そばに入れたのは「あおさ」。
よく青海苔として売らているもの。

Aosa3
これを、今一度電子レンジを使って乾燥させ、
ミルを使って、軽く砕く。

それを熱湯で水回ししたさらしな粉に混ぜる。

Aosa4

あおさが水を良く吸うので、
ちょっと、捏ねるのが大変。
そして捏ねあげて、こんな感じ。

Aosa5
すこし、あおさの粒が粗かったのかもしれない。
生地は伸びがないので、
無理をせず、
厚めに畳んで切りべらで麺を作る。
いつもに比べれば、かなり太めの麺に仕上がる。

Aosa6

そして茹でてみると、、

Aosa2
すみません。
ぶつ切れになってしまった。

あおさから出る成分なのだろうか、
かなりプヨンプヨンとした感じの麺になる。

Aosa7

このそばは、ほのかに香る磯の香りと共に、
更級の甘さが引き立つそば。
これはなかなかいい。
ただ、
ぶつ切れにならない工夫が必要だな。

時々は、こういう変わりそばを打つことによって、
自分のそば打ちの腕が試されているような気がする。

次回は
4月21日(日)の「桜切り」です。
皆さん、お楽しみに。

 

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2013年3月22日 (金)

「SOBA」を世界に広めよう。

前のブログに書いたが、
スペイン語でそばのことを「 alforfón(アルフォルフォン)」という。

だけど、スペイン人に「アルフォルフォン」といったところで、
ああそんな植物があるな、、ぐらいで、
まったく食べ物には結びつかないだろう。

同じスペイン語を話すメキシコでは、
「アルフォルフォン」といっても、
まったく反応がなかった。
その実を粉にして、細いスパゲッティにして食べるのだ、
といっても、想像すらできないようだ。

フランスではそばは、
クレープに混ぜられたり、
地方の料理で、そば粉を使ったガレットがある。
フランス語でそばはsarrasin(サラサン?)。

ロシアや東欧諸国では、
そばの実を使ったカーシャと呼ばれるスープが有名。
ちなみにロシア語でそばはгречиха。
そばの消費が盛んなスロベニアではajda 。
読み方が判らないが。

その他
イタリア語 grano saraceno
中国語  荞
韓国語  메밀
アラビア語    الحنطة السوداء
英語  buckwheat
ドイツ語 Buchweizen

など、
あっ、すみません、パソコンによっては文字が表示できないかもしれない。

この「そば」もいろいろな国で、
いろいろな呼び名で呼ばれているのだね。

でも、これは、
そばという植物や、その実を表す言葉。
料理としての「そば」を表すことばではない。

そばは、世界中の多くの国で栽培され、
料理され、食べられている。
しかし、これだけの手間をかけて、
細い麺に仕上げている「そば」は日本だけ。

だったら、料理としての「そば」という言葉を、
世界に広めることは出来ないだろうか。

前に名古屋空港の食堂で、
大きな体格の西洋人が三人、
せいろそばを手繰っているのを見た。
おそらく、これで日本を離れる飛行機に乗るのだろう。
その最後の日本の食事として、
そばを選んでくれたのだね。
その巨大な身体の前には、
せいろもそば猪口も、
オモチャのように小さく感じた。
でも、短い箸を使いながら、
神妙な面持ちでそばを食べる彼らに、
すごく微笑ましいものを感じた。

日本の独特の食べ物として、
「そば」はもっと、世界に知られていいと思うし、
広まっていいと思う。

それには、
まず、
日本に来る外国の人に、
食べてもらわなければね、、、、。

と思いつつも、
いまだに、「SOBA」の看板すら作っていない。
それでも、私の店に、たまに来られる、
勇気ある外国の方々。
とりあえず、
言葉がわからなくとも説明できる、
写真のメニューだけは用意したけれど。
こちらも、一ミリずつ進めていかなければ。

皆さん、外国の人に、
「そば」を勧めましょう。

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2013年3月15日 (金)

スペイン語でそばは「アルフォルフォン」。

アーカーベー クアレンタ イ オチョ

いきなり何の呪文かって?
ある言葉を、スペイン語で読んでみたのだ。
言葉によって、こんなにも違いうものなのだね。

二十代の頃に、
ひょんなことからスペインという国に興味を持ち、
少しずつスペイン語というものを学び始めた。
そして、三十代も半ばになって、
思い切ってスペインに半年滞在して、
語学学校に通った。

現地で学べば、上達が早いだろうと思ったのだが、
なかなか、思うようにはいかない。
同じクラスのヨーロッパの若者たちは、
言葉の成り立ちが似ているし、
スペイン語の素養もあるので、
みるみる上達する。
しかしながら、
文化も、言葉の文法も違う国から来た私は、
いや、私に限らず、他の日本人の人たちも、
だいぶ苦労をしていた。

なにしろ、ヨーロッパの人なら誰しも知っている、
「地中海」という言葉でさえ、
辞書を引かなければ判らなかったのだから。

先生は、
飲み込みの悪い私に、
特別の宿題を出したりする。
「あなたは、今日の夜は、家にこもって、
このドリルをやりなさい。」
ってね。

そう、
先生だって気にしているのだ、
しっかりと、勉強しよう、、、
と盤石の覚悟で臨むのだ。
ところが、
夕方になると、
ホームステイ先に電話が入る。
「オラ!今日はどこで待ち合わせる?」

何と優しいクラスメートたち。
ヨーロッパの若者たちは、
遊び上手だ。
酒を飲むとなれば、
みんな一緒、国境はない。
かくて、スペイン語の勉強に来たのに、
フランス語と、ドイツ語と、イタリア語と、
時にはポーランド語と英語の入り交じった、
なんとも奇妙な飲み会に、いつも誘われるのだ。

言葉が苦手な私なのに、
どういうわけか、
毎夜の集合場所と時間を決める担当になってしまった。
そんな飲み歩きをしていれば、
ましてや、スペイン、簡単に1時、2時頃になってしまう。
そして、朝、クラスに着くなり、
宿題のドリルを埋めてくれる優しき仲間たち。
おかげで、
スペイン語はあまり身に付かなかったが、
スペイン流の酒の飲み方のほうは、しっかり身に付いた。

その後、
長野でもスペイン語のクラスがあり、
ずっと通っていたのだが、
今の店を始めてからは、
行く時間が無くなってしまった。
スペイン語を話す機会もなく、
しっかりと、錆び付き、
忘れ去られている私のスペイン語。

スペイン語で店のホームページをつくり、
スペイン人に、そばを食べさせよう、
という計画があるのだが、
それがさっぱり進んでいない。
これではいけない、、、、
と思って、たまには、
昔使った教科書を開くのだが、
数行で、、、
、、、眠くなってしまう。

日本の「そば」は世界に羽ばたくものにならなければ。
自分の出来る範囲で、
進めていきたい、、、、
、、いつになるか、でも、
一ミリずつでもね。

ちなみに最初のことば。

「アーカーベー クアレンタ イ オチョ」

文字にすると、、、

 「AKB48」

でした。

Libro

 

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2013年3月 8日 (金)

そばは八本ずつすくって食べる!

「かんだた」のカウンターに置かれている、
九か条の「そばのおいしい食べ方」。
お客様も、待っている間にフムフムと言いながら、
読んでいられたりする。

一、お腹のすいた時に食べる。
一、出てきたらすぐに食べる。
一、薬味は少しずつ入れて食べる。

だいたいこのあたりまでは、
うなずきながらお読みいただけるのだが、
その次の項目で、
あれっと思われる方が多い。

一、そばは八本ずつすくって食べる。

「あの、何で八本なんですか?」
と、よく聞かれるからだ。

昔から言われている言葉で、
「うどん三本、そば六本」というのがある。
これは、一口で食べる量は、
うどんだったら三本、
そばならば六本がちょうどいいということだ。
「かんだた」のそばは細めだから、
ちょっと増やして八本とした次第。

でもでも、なんで八本なのだ、、、、、!
試しにそばを数えて八本すくってみると、
ほんの少ししかない。
こんなもんで、せいろに盛られたそばを食べられるのだろうか、、
と、疑問を持たれるののも不思議ではない。

前回紹介した、
夏目漱石の「我が輩は猫である」の中の、
迷亭先生のそば談義。
そばは噛まずに食べるもんだと言いながら、
実際にそばを口に運べば、
胸につかえて目に涙を浮かべている。

これは、粋がっていたせいか、
山ほどのそばを、箸でつまんで口に入れたからだろう。
そして、噛まずに飲み込もうとするから、
苦しくなってしまうのだ。

噛まずに食べるというのは正論だが、
それには、少しずつそばを手繰らないと、
喉に入っていかない。
そして、この、そばを喉に落とし込んでいく感覚を覚えると、
そばの世界がぐっと広がる。
そばの香りだ、甘味だ、味だ、、、
などと言うところとは、別の次元のそばの世界がある。

この、喉に落とし込む食べ方をするために、
昔の人は「そばは六本」といったのだね。

でも、この食べ方、
おいそれと出来るものではない。
そういう習慣のない方が、
形だけを真似たところで、
何のおいしさも感じないだろう。
だから、無理をせず、
何回もそばを食べていくうちに、
少しずつ覚えていくのがいいのでは。
そのためには、
そばを少しずつ、
八本ずつ、
召し上がる習慣を付けられるといいのではないかなあ。
でも、数えているとそばがのびてしまうので、
あまり気にしない方がいいかも。

少しずつ箸でつまむので、
食べるのに時間がかかると言われる方もいらっしゃる。
でも、そばを食べるのが上手な方は、
そばを口に運んだと思うと、
もう次のそばをすくいあげている。
だから、たくさんのそばを口の中に放り込んで、
くちゃくちゃと噛んでいる人よりは、
よっぽど早く、食べ終えてしまうのだ。

先日来られた、
生意気そうな(失礼)若い方も、
いざそばを食べ始めたら、
箸をとどまることなく動かし、
見事な食べっぷり。
うれしいなあ、こういう食べ方が出来る方がいるんだね。
ある女性は、
おしゃべりをしながら、
あっという間にせいろを空にしてしまった。
これは、天才的。

昔から知っているあるお客様は、
そばをがばっと掴み、
そのまま口に運んで飲込んでしまう。
まるで、動物園のアシカが餌の魚を丸ごと飲込んでいるみたいだ。
、、、と、ちょっと例えがわるいが。
これは、例外的な食べ方だけれどすばらしい。

ということで、
とりあえず、
そばは少しずつ口に運んで食べてみよう、
というのが私の提案。

もちろん、そんなことにこだわらず、
ご自分のやり方でそばを楽しんでいただくのが一番。


 

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2013年3月 2日 (土)

そばの正式な食べ方は、、、。

太宰治の「斜陽」は、
没落していく貴族の姿を描いた、彼の代表作と言われている。

その小説は、
根っからの貴族である「お母さま」の、
スープの飲み方の描写から始まる。
その飲み方は、
スプーンを口に縦に当てて、
スプーンの先から口の中にスープを流し込むのだ。

スプーンを口に横に当てて飲むのが正式な飲み方。
でも「お母さま」の飲み方は、
正式ではないけれど、こぼしもしないし音も立てない。
自然で、品を感じさせると、
いわゆる正式な飲み方しか出来ない、娘の目には映る。

正式な飲み方ではなくとも、
一緒にいる人に、
少しの違和感を覚えさせずにスープを飲むことが出来る。
それは「お母さま」が、
長い間の貴族としての品格を保ちながら生き続けてきた証拠でもあるのだ。

さて、
そばの食べ方である。

そばの正式な食べ方は、、、

ううん、いろいろなことを言われる方がいらっしゃるが、
どうなのだろう。

夏目漱石の「我が輩は猫である」の中でも、
客人の迷亭先生は大見得をきってそばを食べる。

「この長い奴へツユを三分一つけて、一口に飲んでしまうんだね。噛んじゃいけない。噛んじゃ蕎麦の味がなくなる。つるつると咽喉を滑り込むところがねうちだよ。」

そういって、一気にそばを食べたところで、
胸につかえたのか、わさびが利いたのか、
目に涙を浮かべ、胸を叩く。
そしてハンカチを取り出して一休み。

あとから来た寒月君は、
何も言わずに、さっとせいろを平らげてしまう、、、
というエピソードがある。
必ずしも、ウンチクを並べてところで、
気持よくそばを食べられる訳ではないようだ。

そばにも太かったり細かったり、
汁にも、甘かったり、辛かったりといろいろあるのだから、
一概に、こういう食べ方をしろとは言えない。

汁の付け方、
そばの噛み方、
それを、これが正しいなどと、言える訳がない。

ただ、
唯一、正式な食べ方のルールがある。

それはねえ、、、、

その前に、
「かんだた」には、
きちんとそばを食べる決まりがある。
店に来た方には、皆さん、
それを守っていただく。

それはこちら。

Como1
大きくしてみよう。

Como
必ず最後まで読むこと!

先日この食べ方をめぐって、
地元テレビ局の取材が入った。
かわいい女性アナウンサーとの対話だったので、
なかなか楽しい撮影だった。

放送は3月4日(月)19時より。
長野放送、「NBS月曜スペシャル」の中で。
善光寺表参道周辺の店が紹介されるとのことで、
よろしかったらご覧あれ。(長野県だけですが)

で、
そばの正式な食べ方。
それは、

「口から食べること」。

あとは、手で食べようが、スプーンで食べようが、
ご自由に。
ただ、
「斜陽」の「お母さま」みたいに、
食べ方というのは、
その人の品格が出ることをお忘れなく。

 
 

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