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2013年2月26日 (火)

「特別純米酒」をお燗で飲む。

長野は、昨日今日と朝は猛烈に冷え込んだ。
昨日はマイナス9度、
今朝もマイナス8度まで下がったようだ。

このような寒い時に飲むお酒といえば、
やはり、日本酒を燗で召し上がる方が多い。

「かんだた」でお出ししている燗酒は、
地元長野の小さな酒蔵の銘柄、
「信濃光(しなのひかり)」を使っている。

Sake1
この酒は「特別純米」という種類だ。

「純米酒」とは、
米、米こうじ、そして、水だけで作られた酒のこと。
普通の酒のように「醸造用アルコール」を加えていない酒のことだ。
精米歩合が70パーセント以下で、
香りや色が良好なことが「純米酒」と呼ばれる条件の中に入っている。

その中でも「特別純米」とは、
精米歩合60パーセント以下の米を使い、
製造上特別な工夫がされたものに付けられる名称。

ほら、ラベルの表示はこうなる。

Sake2

うん、なんだか難しいけれど、
とにかく特別な手間をかけて作られたらしい。
普通であれば、このクラスの酒は、
冷やして飲まれることが多い。
逆に温めると、香りのバランスが壊れてしまう酒もあるからだ。

ところがどっこい、
この「信濃光 特別純米」はたくましい。
冷やしたり、冷や(常温のこと)で飲んでも、
まあ、それなりのお酒だけれど、
温めると独特の豊かな香りが広がる。
それもそのはず、
この酒は「花酵母」といわれる、
花から取り出した酵母が使われているらしい。

そんな香りのよさが気に入って、
お燗用にはこの酒を使っている。
ちょうど一合(きちんと180mlのこと)入る徳利で650円。
そばには、やっぱり、日本酒が合うなあ、、
と、酒に弱い?私は思っている。

ところで、
いろいろな銘柄の「純米酒」を、
仕事のために、嫌々ながら味見をしているのだが、
中には、「これで純米?」と首をかしげたくなる酒もある。
そうかといえば、
味見だけでは物足りなくなる酒もある。
「純米酒」は他のものを添加して調整できないので、
酒蔵としては、造りも管理も難しい酒なのだそうだ。

そこで少量の「醸造用アルコール」を加えると、
品質が安定するのだが、
そうすると、「純米酒」とは呼べなくなる。

ところが、先日、
関西のある酒蔵が、
「醸造用アルコール」の入った「純米酒」を販売したとして摘発された。
なんと、
国税局の中に、
ちゃんと酒を調べる部門があって、
成分を分析して明らかになったのだそうだ。

安心して「純米酒」というラベルの酒を飲めるために、
そういう管理も必要なのだ。
というより、
製造、販売する人に、
それなりの倫理観が求められているのだろう。

それにひきかえ、
そば屋の世界は、、、、、
なんて話は、
せっかくの燗酒がまずくなるのでやめておこう。

 

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2013年2月23日 (土)

圧倒されてしまった飲食サービスの展示会。

久しぶりに東京へ出て、
厨房器具の展示会を見てきた。

Img_0134
特に調理場の改装の予定はないが、
新しい厨房器具やサービス機器などを見ておきたかったからだ。

いや、
すごいね。
最近の調理場で使われる器具は良く工夫されている。
そして、
大量に、均一に料理を作る機械が幅をきかせている。

かと思ったら、
昔ながらのフライパン、ガスコンロに、
ちょっとしたアイデアがあったりして。

面白かったのは、
店で使っている業務用冷蔵庫ぐらいの大きさのストッカーで、
レタスが育てられる、野菜工場と呼ばれるもの。
LED電球の光だけで、
野菜が種から育てられ、収穫できる。

なるほど、これなら、店の一角に置いて、
お客様の目に見えるところで、
新鮮な野菜を提供することも出来るのだね。
そういう野菜を食べたいと思うかどうかは、
別の問題としても。

寿司を握るロボットも進化していて、
大きなものから、小さなものまでいろいろな種類があった。
小さいのに、ちゃんと、持ち帰り用の、
包装までしてくれる機種もある。
係の人のいう通り、
その日が初めてのパートさんでも、
寿司が握れる、いや、作れてしまうのだ。

コーヒーサービスのコーナーでは、
懐かしのサイフォン式の機械を発見。
アルコールランプではないけれど、
下からライトで加熱する。
また復活するのだろうか。

カフェなどにしても、
洋食系のサービスにしても、
けっこう、お客様に、
見せるところを意識したような提案が多い。
デモンストレーションをやっているコーナーはなかなかの人だかり。

それに比べて、
そば関係の器具といえば、
相変わらず無骨な実用本意。
そば釜も、どこも同じような形で、
代わり映えがないなあ。

ということで、
広い会場を、人ごみに紛れながら、
あちこちうろうろ。
面白いけれど、疲れたことも確か。

それにしても、
展示場の東京ビックサイトのある、
お台場周辺の光景は、
巨大な建築模型を見ているようで、
馴染めないのは年のせいか。

Img_0130

で、
その後上野で「エル・グレコ展」。
ここで、
心がポッと暖かくなった、
せわしい東京日帰り(高速バスで)。




 


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2013年2月18日 (月)

「霧下そばですか?」と聞かれても、、、。

時々、こんなことをお客様から聞かれることがある。

「このそばは、霧下そばですか?」

さて、
どう答えたらいいものなのだろう。

業界的に言うと、
「霧下そば」はある加工業者さんの商標なので、
それを使っているわけではない。

一般的には、
標高の高い山裾の、
昼夜の気温差の大きい畑で作られたそばのことを指す。
甘みの強い、美味しいそばといわれる。

そういう場所では、
ちょうどそばが実をつける秋の初め頃に、
朝霧がかかることが多い。
だから、霧下そばと呼ばれるのだね。

場所としては、
長野の戸隠、新潟国境の黒姫、妙高あたり、
木曽の開田あたりが有名だ。

ただ、
「霧下そば」という品種がある訳ではない。
そばの出来は、年ごとに、気候の影響で変わる。
だから、たとえ、そういう場所で作られたとしても、
これが「霧下そば」で、
こちらは違う、、、、などと、はっきり分けることは出来ないのだ。

今の時代は、そばの流通も複雑になってきて、
産地だけ、あるいは出荷先だけでは、
そばの品質をうんぬんするのが難しくなってしまった。
その中で、
そばは、高い山の麓で作られるというイメージが、
一人歩きを始めて、
「霧下そば」のブランドが広まったのだろうなあ。

そば屋さんにも、
「霧下そば」の看板を掲げるところも多い。
でも、果たして、その店で、
霧の巻くような山裾の畑で採れたそばを使っているかどうかは、
さらに深い霧に包まれているのだ。

先日来られた北海道の方も言われていたが、
最大のそばの産地である幌加内も、
夏は霧の出るところなのだそうだ。
だとすれば、私のところでも混合している、
いら、おそらく混合されているだろう幌加内産のそばも、
「霧下そば」といえるかもしれない。

ということで、
最初の質問に、どう答えていいのか、
いまだによくわからない私。
商売上手な人は、
きっと「そうですよ。」、、、
と答えることだろうなあ。

そういう名前、産地のことは忘れて、
ご自分の感覚でそばを味わっていただきたいなあ、
と、商売下手な私は思うのだが、、、、。

Toumyou

先日の灯明祭りの一こまです。

 

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2013年2月12日 (火)

そば屋のまかないは、もちろん「そば」。

今日の私とスタッフの昼の食事(まかない)。

Makanai5
さらしなそばに、雷豆腐の鴨汁仕立て、ひじきの煮物。
まあ、在り合せの材料を使った、
質素、なおかつ健康的な食事。

たまに、お客様に、
そば屋は普段何を食べているのかと聞かれることがある。
そんな、大したものを食べている訳ではないのだが。

そば屋をやっている方の中では、
そばだけでは身体が持たないと言って、
そばをあまり召し上がらない人もいる。
でもね、
私の場合は、昼も夜もそばを食べている。

例えばこんな感じ。

Makanai1
せいろそばと、ブリ大根煮、黒豆煮。

Makanai2
せいろそばと、キノコ、ホウレンソウ、鶏肉の炒め煮、大根の漬け物。

Makanai4

釜ゆでそばと、鴨じゃが煮、大根のつぼ漬け。

Makanai6

さらしなそばと、豆と鶏肉の煮物、残ったサラダのじゃこ炒め。

という具合で、
毎日そばをいただいている。
自分で作ったそばを食べることによって、
そばの状態をチェックできるし、
だいいち、私自身そば好きなので、
いっこうに飽きることはない。

そばは、米ほどではないかもしれないが、
充分な栄養素を含んでいる。
特に、白米に少ないビタミンB群は豊富。
そして、タンパク質(アミノ酸)の含有量も高い。

一方、そばに不足がちな、
ミネラルやビタミンCなどは、
副食(おかず)でカバーする必要がある。
そこで、まかない用の料理を、
在り合せの、あるい残り物の、
あるいは、捨てる運命にある野菜の切れ端などを使って、
栄養にも気を使いながら、
楽しみながら作っている。

だから、営業日には、
外で食事をすることもないし、
出来合いの食べ物を食べることもほとんどない。

それでも、
至って健康、すこぶる元気で過ごしている。
毎日昼、夜の二食、そばを食べているおかげかもしれない。
そばの力って、
私が考えていた以上に、
すごいものなのかもしれないな。



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2013年2月 8日 (金)

包丁で小間板を送る〜〜意識はしていないけれど。

先日、そば打ちを見学していかれた方に聞かれた。

「そばを切る時には、どうやって小間板を送っているのですか。」

伸ばした生地をたたみ、
切り板の上でそばを切る時には、
包丁の刃を当てる定規のような板を当てる。
それが小間板だ。

そばの生地を切る時には、
小間板の横木に包丁を当て、
上から垂直に落としていく。
そして切り終わると、
手首を少し左へかえして包丁を傾ける。
そうすると包丁のみねで、小間板の横木が押され、
少しだけ、つまり、そばの太さの分だけ、
小間板が左へ移動する。
そうして包丁を戻して、
また、小間板の横木に当ててそばを切る。

この繰り返しで、
そばは切られていく。

つまり、
ストンと切って、
ツーと寄せる。

ストン、ツー、ストン、ツー、
トン、ツー、トン、ツー、
という感じでそばを切っていくことになる。

そんなことは、
何度もそばを打ったこともある、
見学の方もご存知。
でも、いつも「切り」で苦労されているそうだ。

ところが、私は、
どちらかといえば、
のんびりとは切っていられないので、
ドドドドドドド、、、、、、
という感じで、そばを切ってしまう。

そうすると、
小間板をどのように送っているのか、
よく見えないというのだ。

あれ、
そんなことは自分では考えたことがなかった。

確かに、
ごくゆっくりと切って見ると、
トン、ツー、トン、ツー、、、、
というリズムになる。
ところが
少し早くすると、
トン、トン、トン、、、、
となってしまい、
トン、とそばを切り終えた時には、
あれ、包丁は傾き、もう小間板を送っている。

特に意識して手首をひねっている訳ではない。
包丁は、中指、薬指、小指で、ごく軽く握っている。
なにやら、包丁が勝手に傾いている気がする。

そういえば、そば切り包丁は片刃なのだ。
切った時に、刃のない側が、刃のある側に押されることはないのだろうか。
つまり、そば生地を切ることによって、
片刃の真っすぐなほうが右側に食い込み、
自然とみねは左に傾くのではないだろうか、、、、。

自分で切っているのに、
そのメカニズムが自分でもよくわからない。

とにかく私はそばを切る時には、
ある程度の早さ以上のリズムで切った方が、
安定した、きれいな麺線を切ることができることは確かだ。

見学の方も、
とにかくリズムで切ってみると、
おっしゃっていた。
そば切りの時は、あまり、小間板を送ることばかり、
考えなくともいいのではないのかなあ。

そば打ちに興味のない方には退屈な話。
でも、そんな些細なことも、
気になりだすと、
夜も眠れなくなってしまう、、、
というようなことは、全くない私なのだ。


Kiri


 

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2013年2月 3日 (日)

広めたい「節分そば」の習慣。

今日は節分。
善光寺や権堂秋葉神社では、
毎年、盛大に豆まきが行われている。

そして明日は立春。
いよいよ季節は春へと移り変わる。
その前に、
身を清め、厄を払うおまじないをする訳だ。

それが豆まき。
今頃、追い出された鬼は、
寒空の下、どうしているのだろう、、。

実は、江戸の昔には、
節分にそばを食べる習慣があったらしい。
立春を正月と考えれば、
節分は大晦日。
そこで、年越しそばと称して、
節分にそばを食べていたらしい。

ということで、ほぼ毎年、
かんだたではこの日に、
「節分そば」をご用意させていただいている。

Setubun2

薄い緑色したそばは、
青豆を粉にした「ウグイスきな粉」を打ち込んだもの。
鬼を払う豆を食べて、
厄を払おうという趣向だ。

毎年節分に作るこの「きな粉切り」だが、
そばにするには、ちょっと難しいところがある。
伸びのないデリケートな麺質となるので、
撫でるように麺棒を転がして、
そばに仕立てていく。

Setubun1

コンビニや一部スーパーでは、
そばのコーナーに「節分そば」などと言う表示がある。
でも、この節分にそばを食べるという習慣は、
あまり定着していない。

聞く所によると、
長野では、節分には長イモを食べる家庭が多いという。
なんでも、長イモの形が、鬼の角に似ていて、
それをすりおろしているところを見た鬼が、
怖がって逃げていった、、、という話があるらしい。

なるほど、地域によって、
節分の日の風習がいろいろあるのだね。

それにしても、
恵方巻なんぞが、あっという間に広まったりしているけれど。
だから、節分にそばを食べるという習慣も、ぜひ、
広まって欲しいものだ。

ちなみに本日の節分そばを召し上がった方には、
豆を煎った「福豆」をお付けした。
年の数だけ食べれるようにと、
およそ、お客様のお年に合わせた数を、
皿に盛って、お出しした。
今日に限って若い方が多く、
だいたいみんな18個〜20個ぐらい。
まあ、
最近は、
私の目も、だいぶ悪くなっているようだが、、、。

Setubun3

 

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