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2012年10月29日 (月)

生産意欲を高めてくれるか「戸別所得補償制度」。

前回からのつづき。

そばの生産者は、
国の進める農業者戸別補償制度によって、
昨年から、補助金を受けられるようになった。

その額は、
平均で45キログラムあたり15,200円。
つまり、
そばの出荷量に応じて、
そばの販売収入とは別に、
それだけの補助金が、国からもらえることになる。

この金額はかなり大きい。

例えば、国のデーターによると、
平成17年〜21年の五年平均で、
生産者のそばの販売価格は、
45キログラムあたり13,378円。

ということは、
販売価格がたとえ0円でも、
今まで以上の補助金がもらえることに。

が、しかし、
実は、生産者は、ぜんぜん、儲かっていないのだ。

同じく国の試算によれば、
そばを45キロ作るのにかかる費用は、
28,694円。

つまり、キロあたり600円を超える金額で売らないと、
農家は経営が成り立っていかないのだ。
ところが、輸入されるそばの取引価格は、
100円台の半ばから後半。
これでは、需要が限られるため、
どうしても、価格を安く押さえて販売するしかなかった。

だから、そばは、
生産者にとって、
儲からない作物、
あるいは、片手間に作る作物となってしまったのだ。

その生産コストと、販売金額の差を埋めるために、
導入されたのが、この戸別所得補償制度だという。

そう、
補助金も、
次のような数式で決められたようだ。

45キロあたりの生産コスト   28,694円
45キロあたりの販売価格    13,378円

差し引き              15,316円

つまり、
そばの生産者の経営が成り立っていくために、
そして、生産量を増やして、
国産の自給率が上がるように、
この制度を国が設けたわけだ。

なるほど、
これによって、
国産のそばの生産量が増えるといい。
事実、今年はそばの栽培面積も、
だいぶ増えたとの話を聞いている。

でもね、
この制度、それなりの、
問題も起こっている様子。

今の民主党の政権が始めた制度だし、
今後続くかどうかも、
不安因子として残るところ。

また、いつか、
情報を整理してみたい。

で、ちょっと、真面目な話になったかな。
家の庭に雑草状態の「藤袴(ふじばかま)」を、
入り口に飾ってみた。

 

Fujibakama

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2012年10月25日 (木)

農家がそばを出荷する時に「一等」「二等」などの等級がある。

店に来たそば粉屋さんがこんなことを言う。

「今年は一等が入りましたよ。」

えっ、宝くじの一等が当たったの、、!
すごいなあ〜〜。

いえいえ、
よく聞いてみれば、
宝くじではなく、
玄そばの一等が入ったとのこと。
いわゆる「一等蕎麦」。

なんだ、ということなかれ。
「一等蕎麦」は貴重な存在なのだ。
「一等」と表示された玄そばを見ることなんぞ、
ほとんどなかったそうだ。
少なくとも、今まではね。

実は、畑で作られたそばにも、
米と同じように、
出荷する時に付けられる等級がある。

検査によって、
「一等」「二等」「三等」「等外」と、
分けられるという。

内容はといえば、
例えば一等だと、次のようになる。
容積率(一リットルあたりのそばの重量) 610グラム以上
整粒(形の整ったそばの割合) 95パーセント以上
水分含量 16パーセント以下
被害粒や未熟粒 5パーセント以下

きちんと資格を持った検査員によって、
このような、等級分けがなされるそうだ。

なるほど。
ところが、一般的には収穫されたそばは、
いわゆる市場で取引されることはほとんどない。
生産者、または組合などと業者の間で、
相対(あいたい)で取引されることが多い。

だから、
ほとんどこの等級検査を受けずに、
流通していたようだ。
はっきりとは分からないが、
検査を受けて、等級を
つけてもらったそばは、
せいぜい一割と少しぐらいだったらしい。

今までは、、、。

それが去年から等級検査を受ける率が、
グンとあがったようだ。
それは、政府の行っている、
農家への戸別所得保証制度のため。
そばの等級によって、補助金の額が変わるためだ。

この制度は、そばを生産する農家に、
そして、そばの業界に大きな影響を与えているようだ。
もっとも、私のような、末端の小さなそば屋には、
今のところ何の恩恵も影響がないが。

この戸別所得保証制度についても、
一応知っておかなければいけないね。
ということで、
その話は、また今度。

あっ、
そばに等級があるというと、
誤解する人がいるかもしれないので一言。
けっして「一等」だから、
おいしいとか、いいそばだとかいうことではない。
これは、あくまでまも、
出荷管理のための基準。
食味とか、麺を作る適性とは関係がないので、
お知りおきを。


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2012年10月20日 (土)

そばの実の乾燥状態のチェックが大切。

少し前のことであるが、
店でそばを食べられたお客様が私に聞いた。
どこの製粉所の粉を使っているのかと。

私が、長野市内のM製粉ですと答えると、
そのお客様は、M製粉はだめだ、とおっしゃる。
ええっ、だめってどういうことだろう。

で、お話を聞いてみると、
その方は、長野市近郊で農家をやっていられるとのこと。
そして、そばも栽培しているそうだ。

収穫したそばは、いつもは農協に卸すのだが、
製粉所に直接売った方が高く売れるという話を聞いて、
そばの袋をトラックに積んで、
M製粉に持ち込んだ。

そうしたら、
なにやら、ごそごそと検査をして、
あげくに、このそばは、乾燥しすぎているので、
引き取ることはできない、
といわれたそうだ。

こっちは、何十年もそばを作っているのに、
いままで、そんなことは言われたことはない!
と、頭に来たお客様は、
M製粉をあとにして、
そのまま、他の製粉所へ行った。
そこでは、すんなり、買い取ってくれたとのこと。

だから、M製粉はだめなのだそうだ。

この話を聞いて、
無愛想な印象のM製粉の社長の顔を、
つい、思い浮かべてしまった。
なるほどなあ〜。

じつは、そばの実は、収穫してからの方が手間がかかる。

昔ならば、湿度のある早朝に刈り取り、
束にして茎ごと乾燥させた。
島立てという方法だ。
それを叩いてそばの実を落とし、
風の強い日に、
箕(み)に入れてあおって、
葉や茎などの混じり物を吹き飛ばして、
そばの実だけをとりだした。

今時は、そんな手間をかけず、
コンバインで一気に実だけをかき集めて収穫する。
この時は手刈りとは逆に、
湿度のない日中に刈り入れをした方がいいのだそうだ。

そうして収穫したそばの実は、
湿気を帯びているので、
カビなどを生やさないために、
すぐに乾燥させなければならない。

その乾燥方法も様々で、
まあ、いろいろな機械を使ったりするそうだ。

問題なのは、そばの実を、
どのくらいまで乾燥させるかということ。
これは品質規定で定められていて、
15パーセントとなっている。

つまり、そばを取引するにあたって、
水分量が一定でないと公正性が保てない。
そばの重さが、それこそ水増しされていては、
安心して買い取ることができないからだ。

同時にこの水分量15パーセントというのは、
そばの品質のバロメーターでもある。
これより多いと、カビなどが生えやすく、
保存が利かない。
これよりも少ないと、
皮を剥く時に実が割れやすくなり、
また、そば粉にしてもうまく繋がらなくなるそうだ。

だから、きちんとした、製粉所は、
いつも、このそばの実の水分量を気にしている。

きっと、店に来られたお客様のそばは、
かなり、乾燥した状態になっていたのだろう。
一度そうなると、もう、元には戻らないそうだ。

お客様には申し訳ないが、
その話を聞いて、
逆に、M製粉はしっかりやっているなあ、
と、思ってしまった私なのだ。



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2012年10月15日 (月)

そば畑がイノシシの被害を受けた。

調理場で仕込み中に聞いていたラジオで、
ニュースに、びっくりしてしまった。

最初は、どこかの山の麓の話だと思っていたのに、
目撃されたのは、えっ、長野駅のホーム!!

そう、体長一メートルを超えるクマが長野市の中心部を、
のそりのそりと、
いや、見たわけではないので、
すたすた、だったり、
せかせか、だったりしてたかもしれないが、
とにかく、散歩していたのだ。

確かに、長野の町の近くに山があるけれど、
こんな、街中に、野生のクマが出てきた話を聞いて、
驚く他になかった。

さて、クマに限らず、
野生動物の出没情報が、
長野周辺では多く寄せられている。

私の借りている、犀川の河川敷の畑あたりでも、
イノシシが出没しているそうだ。
何人かの人に、目撃談を聞いた。
実際に、畑を荒らされた人もいるという。

河川敷とはいえ、
堤防の上はひっきりなしに車が通っているし、
堤防を降りれば住宅街だ。
こんなところにも、イノシシがいるのだねえ。

信濃町でそばを栽培されている方も、
イノシシの被害に遭われたそうだ。
かなりの面積のそばが、
イノシシによって倒され、
収穫できなかったという話。

せっかく、いろいろと工夫をされて、
今年は、茎の成長も、花の付きもいいので、
収穫を楽しみにされていたのに。
そばの花から実へと変わる時期に、
畑に入って荒らしていったらしい。

イノシシは、そばの実を食べるわけではない。
畑で転げ回って、身体に着いた虫を落としたりするらしい。
だから、イノシシの入った畑や田の作物は、
独得の臭いが付いてしまい、
食べることができなくなるそうだ。

そもそもイノシシは、昔は信濃町辺りには居なかったそうだ。
積雪の多い地方では、
イノシシのあの、短い足では(!)身動きができなくなるので、
生息できないと聞いていた。
それが、今では、あの豪雪地帯の山にまで、
しっかりと、住み着いている。

長野県の南部の方では、
鹿の食害も増え、
山の畑に植えた、そばの新芽が食べられる被害が出ているそうだ。

今は長野市となった戸隠辺りの畑では、
そば畑は大丈夫なのだが、
サルによって、多くの野菜や果物が損害を被っているという。

そのような動物による農作物の被害は、
ますます広まっているようだ。
山間地の農家の人は、
電気柵の設置や、周辺の草刈りなど、
余分な労力の増加や出費を余儀なくされているのだね。

クマ、イノシシ、シカなどの野生の動物の生息数も、
正確な数こそ分からないが、相当増えている様子だ。
そんな中で、人間と動物達との棲み分けが、
崩れかけてきているのだろうか。

先月行った乗鞍岳の周辺にも、
クマに注意の看板がたくさんあった。
そんな看板が、
長野の街中に立てられることが、
ありませんように、、、、。

Kuma1

Kuma2

 

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2012年10月10日 (水)

脊柱管狭窄症、その後。

この冬に、腰の痛みとともに、
腿やふくらはぎが、しびれたように痛み、
時々、歩けなくなることがあった。
医者に行けば、
背骨が磨り減ったせいで、
神経の通り道が狭くなり、
しびれや痛みを引き起こしているのだという。
いわゆる脊柱管狭窄症というもの。

そのことをブログに書かせていただいたが、
それを読まれたお客様から、
「腰の具合はいかがですか。」
などと、声をかけられる。
知り合いの方ならまだしも、
まったくご存じない方からも、
そんなご心配をいただき、
誠に、恐縮の限り。

それならば、その後の経過を、
お伝えしておかなければならないだろう。

医者は経過を見るというのだが、
100メートルも歩けなくなったら、
手術をします、などと言っている。
だけれども、そういうふうにならないための方法を、
この医者は教えてくれない。

それならば、以前にも書いたように、
この腰の痛みと、足のしびれは、
自分で、なんとかしていかなければいけないのだ。

そこで、以前に何回もかかった腰痛の治療の時に受けた指導や、
スポーツジムのトレーナーの話などをまとめて、
自分なりに工夫をしてみる。

先ず姿勢。
背骨の湾曲を押さえるような姿勢をとること。
おへその辺りをぐっと、背中に押し出すような感じ。
あるいは、腰の骨を、立てるように意識する。

などといっても、
実際には、そんなことは忘れがち。
でも、例えば、両手を前に突き出してみることで、
この姿勢が保たれたりするので、
できるだけ、忘れないようにしている。

病院でもらった腰のベルトは、
確かに楽なのだが、
身体がそのベルトに頼ってしまうクセがつくので、
腰の痛みのない時以外は、使わないようにしている。

そして、筋力トレーニング。
腰を支える筋肉を鍛えることだ。
といって、あまりに急に腹筋などと鍛えると、
身体全体のバランスを崩すことがあるそうだ。
そういう筋肉トレーニングとともに、
全体的な動きの中で筋力を鍛えるといいらしい。

ということで、週に一回ぐらいしか行けないが、
水泳を続けている。

そして、背骨のストレッチ。
主に寝る前に、何種類かの背中を伸ばすストレッチをやっている。
時々、やらない時があるが、
これをやったときと、やらない時の、
朝の寝起きのときの腰の様子が全然違う。
眠気と戦いながらも、
ぐっと背中を伸ばすのだが、
途中で寝てしまうことも、、、。

ということを、
まあ、手抜きをしながらも続けているのだが、
いまのところ、腰の痛みは小康状態。
それに、歩けないような足のしびれは出ていない。

夏に栂池に行ったときも、
先月、乗鞍岳に登ったときも、
かなり長い距離を歩いたが、
何の問題もなかった。

ということで、
なんとか気をつけながら、
元気にやっているところ。
ご心配をおかけしました。

もちろん、
そば打ちには、まったく影響はありません。

このような症状は、
「直す」というより、
「つき合う」という感覚がふさわしいようだ。
そのために、日々のちょっとした習慣を、
積み重ねていかなければ。
あの医者が楽しみにしている、
「手術」という方法は、
、、、ん〜ん、できればやりたくない。

以前にこのことを書いたブログはこちら。

脊柱管狭窄症、まさか!


 

Sobazusi

 

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2012年10月 2日 (火)

「えのき氷」再び。

この2月に変わりそばで「えのき氷切り」をつくった。
このブログでも紹介したのだが、
それを見て、あるテレビ局から電話があった。
その「えのき氷」を打ち込んだそばを、
もう一度作ってもらえないかとのこと。

聞けば、いろいろな食材を紹介している番組で、
今回のテーマが「えのき」なのだそうだ。
「えのき」といえば、長野産が有名。
特に、信州中野では大規模に生産されている。

そんな生産地を取材するので、
その一部に「えのき氷」を打ち込んだそばを、
紹介させてもらえないかとのこと。

で、
引き受けてしまった私は、
再び「えのき氷」を作って、撮影に備えることに。

えのきは、昔からからだにいいといわれてきた。
なんでも、えのきには、キトグルカンという成分が多く、
それを摂ると体内のコレステロールや、
中性脂肪が減少するのだそうだ。
つまり、毎日摂ることによって、
生活習慣病を予防できるのだね。

ところが、えのきは繊維質が多く、
その、なんとかという成分を取り入れるには、
毎日大量のえのきを食べなければならない。
それは、なかなか無理がある。

そこで、簡単に、
そして効率よくえのきの成分を、
摂りやすくしたのが、この「えのき氷」というわけ。

作り方は、至ってシンプルだが、
切断、加熱、冷凍によって、
組織が壊されて、吸収されやすくなるらしい。

ということで、
作り方。

「えのき」を知らない方がいるかもしれないので、
これが「えのきたけ」です。

Enoqui1
元の部分を切り捨てて、
ざくっと切る。

Enoqui2
ミキサーに入れて水を加え、撹拌。
量の目安は、
えのき  300グラム
(200グラムの袋×2。元を切り落とすと、
 このぐらいの量になる。)
水   400ml

Enoqui3
とろとろになるまで。

Enoqui4

それを鍋に移して、
中火で湧かしたあと、
とろ火にして1時間、
掻き混ぜながら煮詰める。

Enoqui6

煮詰めるのは簡単だけれど、
一時間という時間は、簡単ではない。
30分じゃいけないの?と思ったのだが、
一時間煮詰めた方が、効き目がいいそうだ。

ビートルズに飽きて、ブルーススプリングスティーンを聞き、
談志の「芝浜」なんぞを聞き終えた頃に出来上がり。

Enoqui7
製氷皿に入れて凍らせる。
この凍らせることも、
成分を摂りやすくするための、大切な要素だとか。

そばに打ち込むのは、
この「えのき氷」を溶かしたもの。
繊維が多いせいか、
ふっくらとした、打ちやすいしっかりとしたそばになる。

ディレクターの方の話では、
「えのき」には「えのき氷」ばかりでない熱い話が、
たくさんあるらしい。

私の「えのき氷切りそば」はともかくとして、
長野産の「えのき」にご注目を。

放送はこちら。

テレビ朝日「食彩の王国」
10月6日(土) 朝 9:30〜9:55

残念ながら、長野では、
この番組はネットワークされていない。
見られないかな、、、
と思っていたら、
地元の紹介ということで、特別にオンエアー。

長野朝日放送「食彩の王国」
10月20日(土) 夕 17:00〜17:25

長野の方はこちらでどうぞ。

2月の「えのき氷切り」のブログは→こちら

 

なお、10月28日(日)の昼の「変わりそばの日」に、
この「えのき氷切り」を提供させていただく予定。
実際に召し上がりたい方は、その日にお越し下さい。


 

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