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2012年4月16日 (月)

使う器によって、味の感じ方が変わる。

ある会社員の方が、
日本からニューヨークにあるアメリカの会社に出向したそうだ。
様々な国籍の人が働くその会社の社員食堂では、
日替わりで変化に富んだメニューが出されていた。
ある日、スープボウルに入れられたのはミソスープ。
ああ、日本のみそ汁だ、懐かしい、
と、その人は、スープボウルを持ち上げて、
口につけてすすった。
そのとたんに感じた周囲の白い目。
スープボウルに直接口をつけて飲むなんて、
なんて野蛮な教育の無い人なのだと、
そう言わんばかりの視線が、その人に集まった。

アメリカでは、器を持ち上げて、
まして、それに直接口を付けるのは、
大きなマナー違反なのだ。
その人は、仕方なく、
スープボウルをテーブルに置いて、
他の人たちがしているように、
スプーンでみそ汁をすくって飲んだそうだ。
そして、少しもおいしくなかったという。

そんな話が、新聞に載っていた。
なるほどね、
みそ汁をスプーンで食べるというのは、
想像してみても、おいしく無さそうだ。

かんだたでは、
ドンブリに入れた温かいそばをお出しいている。
時々、女性のお客様などに、
レンゲが欲しいといわれることがある。
そういう時にはすぐにレンゲをご用意させていただいている。

少し重めのドンブリでもあるし、
見た目を気にする女性方には、
直接、ドンブリに口を付けることには抵抗があるのかもしれない。
そう言う時には、
遠慮なくおっしゃっていただいてかまわない。
韓国の方などは、
器を持ち上げてはいけないと躾けられているそうなので、
そう判れば、レンゲをお付けしている。

でも、
ちょっと知っておいていただきたいのが、
ドンブリでそのまま飲む汁の味と、
レンゲですくって飲む汁の味とは、
ちょっと違うということ。

いや、汁が違うわけではない。
同じ味付けの汁なのだが、
味の感じ方が、微妙に変わってくるのだ。

ドンブリで飲むときの口の形と、
レンゲで飲むときの口の形を想像していただきたい。
ドンブリで飲むときの方が、口が横に開いている。
レンゲで飲む時には、口がつぼまっている。
だから、口の中に入った汁が、
味を感じる舌に、当たる部分が違うのだ。

最近のラーメン屋さんでは、
スープをすくうためにレンゲを付ける店が多いが、
スープの味をみるために、
ドンブリから直接飲むという、ラーメン通の方もいらっしゃる。
その方が、口全体で味を感じることができるのだそうだ。

和食の世界では、
料理の華といわれる吸い物は、
比較的浅い、口の開いた器で提供されることが多い。
これは、こういう器で汁を飲むと、
口の中全体に流れるため、
微妙な風味や香りを味わえるとのこと。
一方、すり流しやみそ汁などの、
味の濃い汁の場合は、
深めの、淵の立った器を使うことが多い。
この器で吸い込むように飲むと、
舌の真ん中から広がる味が楽しめるという。

そんな、器の違いで、
感じる味も異なってくる。
きっと最初のみそ汁も、
そんな違いがあるのだろう。
料理の世界は奥深い。

そばだって、
食べ方によって、
味の感じ方が違うのだろうなあ。

ということで、
苦手の酒も、
器によって味が変わるか試してみる。

先ずは戸隠の小山智徳さんの織部で。
酒は小布施の豊賀(とよか)純米吟醸生原酒。

Toyoka

 

 

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