« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月24日 (火)

そば徳利でお出しする汁。

Sobachoko

かんだたでは、
そば汁は、そば徳利に入れてお出しし、
そば猪口は空になっている。
お客様にそば猪口に汁を注いでいただくのだ。

どうしてかというと、
そば汁のつけ加減を、
お客様に調整していただくこと。
そして、
そばを食べている間に、
どうしても汁が薄まってしまうので、
継ぎ足して、元の濃さを保っていただくため。

そば汁を盛り切りで出す店も多いが、
そばの水切りが悪いと、
汁が薄まってしまって、
そばの味がぼやけてしまうことがある。

そのため、
そば猪口には、
汁を少しずつ継ぎ足して、
最後までおいしくそばを召し上がっていただきたいから、
あえて、そば徳利で汁をお出しさせていただいている。

だから、最初は、
そば猪口の底の方に少しだけ汁を注ぎ、
食べていかれるに従い、
継ぎ足していただくのが一番。

でも見ていると、
けっこう多くの人が、最初からそば徳利を空にしてしまう。
つまり、徳利に入っている汁を、
最初からそば猪口に全部入れてしまうのだ。

当然、そば猪口には汁がたくさんあるから、
そばも、その中にどぶんと浸けて召し上がる。

お客様の食べ方をどうのこうのいうつもりは無いが、
ちょっと、もったいないかなあ、、、
と思うこともある。

もちろん、そういうところを心得ているそば好きな方も多く、
加減してそば汁を注ぎ、
ちゃんとそば湯の分まで残されている達人もおられる。

そんな、
お客様のそば汁の注ぎ方一つで、
つい、そばを食べ慣れている方かなあ、、
などと、思ってしまう。
いえいえ、もちろん、
どっぷりと汁を付けて食べるのが好きな方もいらっしゃるから、
それはそれで、
もちろん構いませんが。

でもねえ、逆にお客様から見ると、
そば汁の出し方一つで、
お店の姿勢が見えてしまうこともあるらしい。
こわ〜〜〜。
という話は、また今度。

Wasabi


→→→人気blogランキング

 

 

 

 

| | コメント (10)

2012年4月19日 (木)

畑仕事の助っ人「こまめ」君。

やっと、長野でも桜の開花宣言。
いつまでも雪が降ったりして、
しぶとい寒さにうんざりとしていたのが、
ここ一週間ほどで、一気に春になった感じ。

さて、かんだたでは、
長野市内を流れる犀川の河川敷に、
畑を借りて、
農薬を一切使わない野菜を育てている。

ほんの一部ではあるけれど、
店で使わせてもらっている。
薬味のネギや大根、
夏のナスやキュウリ、サラダ菜などなど。
春になれば、その畑仕事が一気にスタートする。

今年は、冬が寒かったのと、
週に一度しか畑にいくことができない水曜日に、
天候の悪い日が多く、
全く、畑の下準備が終わっていない。
いつもなら、冬の間に、少しずつ耕していたのだ。
ましてや、腰痛と脚のしびれに悩ませされるようになってしまった。
下草の萌え始めた土を、どのように起こせばいいか、思い悩むことになった。

五年ほど前までは、
古い耕耘機を使って畑を起こしていた。
でも、なにしろ古い上に、
機嫌が悪い。
動いたり動かなかったり、
その上、百坪ばかりの畑では、
大きすぎて持て余し気味。

そのエンジンが、ついに動かなくなってしまったので、
以後、ひたすらスコップと鍬を使って、
自分のお腹の中の燃料で畑を耕してきた。
耕耘機は欲しいが、
農機具屋に置いてあるものは、
私の畑にには大きすぎる。

で、
調べてみたら、
最近は家庭菜園用の、
小型の耕耘機が売り出されているではないか。

地元の農機具屋に問い合わせても、
そんなオモチャは取り扱わないよ、、、みたいな感じでらちがあかない。
で、ネットで注文すれば、
次の日には、ちゃんと、オイルを入れて、
試運転済みの耕耘機が送られてくる。
便利な世の中だ。

そこで、
畑デビューとなったのが、
ホンダの耕耘機、
その名も「こまめ」。

Komame
重さは27キロで、
私の軽自動車にも積むことができる。
エンジンも軽やかに始動。

まあ、以前のものに比べれば、
明らかなパワー不足ではあるけれど、
それでもそれでも、力強く土を掻き回してくれる。
草の生えているところや、でこぼこは苦手なので、
とっとと、進んで行ったりもする。

ちょっと、動かす感覚に慣れが必要だが、
僅か十五分ほどで、そこそこの面積を耕してくれた。

Komame2
こういう機械には頼りたくない、
とは言いながら、限られた時間、
限られた体力で、
皆さんに喜んでいただく野菜の育つ手伝いをするわけだから、
上手に使わなければ。

そうして、また、
今年も、あれを育てよう、
こういうことをしてみよう、
と思いをめぐらす、
畑仕事でいちばん楽しい季節でもあるのだ。

Komame3

 

→→→人気blogランキング

 

 

 

 

| | コメント (0)

2012年4月16日 (月)

使う器によって、味の感じ方が変わる。

ある会社員の方が、
日本からニューヨークにあるアメリカの会社に出向したそうだ。
様々な国籍の人が働くその会社の社員食堂では、
日替わりで変化に富んだメニューが出されていた。
ある日、スープボウルに入れられたのはミソスープ。
ああ、日本のみそ汁だ、懐かしい、
と、その人は、スープボウルを持ち上げて、
口につけてすすった。
そのとたんに感じた周囲の白い目。
スープボウルに直接口をつけて飲むなんて、
なんて野蛮な教育の無い人なのだと、
そう言わんばかりの視線が、その人に集まった。

アメリカでは、器を持ち上げて、
まして、それに直接口を付けるのは、
大きなマナー違反なのだ。
その人は、仕方なく、
スープボウルをテーブルに置いて、
他の人たちがしているように、
スプーンでみそ汁をすくって飲んだそうだ。
そして、少しもおいしくなかったという。

そんな話が、新聞に載っていた。
なるほどね、
みそ汁をスプーンで食べるというのは、
想像してみても、おいしく無さそうだ。

かんだたでは、
ドンブリに入れた温かいそばをお出しいている。
時々、女性のお客様などに、
レンゲが欲しいといわれることがある。
そういう時にはすぐにレンゲをご用意させていただいている。

少し重めのドンブリでもあるし、
見た目を気にする女性方には、
直接、ドンブリに口を付けることには抵抗があるのかもしれない。
そう言う時には、
遠慮なくおっしゃっていただいてかまわない。
韓国の方などは、
器を持ち上げてはいけないと躾けられているそうなので、
そう判れば、レンゲをお付けしている。

でも、
ちょっと知っておいていただきたいのが、
ドンブリでそのまま飲む汁の味と、
レンゲですくって飲む汁の味とは、
ちょっと違うということ。

いや、汁が違うわけではない。
同じ味付けの汁なのだが、
味の感じ方が、微妙に変わってくるのだ。

ドンブリで飲むときの口の形と、
レンゲで飲むときの口の形を想像していただきたい。
ドンブリで飲むときの方が、口が横に開いている。
レンゲで飲む時には、口がつぼまっている。
だから、口の中に入った汁が、
味を感じる舌に、当たる部分が違うのだ。

最近のラーメン屋さんでは、
スープをすくうためにレンゲを付ける店が多いが、
スープの味をみるために、
ドンブリから直接飲むという、ラーメン通の方もいらっしゃる。
その方が、口全体で味を感じることができるのだそうだ。

和食の世界では、
料理の華といわれる吸い物は、
比較的浅い、口の開いた器で提供されることが多い。
これは、こういう器で汁を飲むと、
口の中全体に流れるため、
微妙な風味や香りを味わえるとのこと。
一方、すり流しやみそ汁などの、
味の濃い汁の場合は、
深めの、淵の立った器を使うことが多い。
この器で吸い込むように飲むと、
舌の真ん中から広がる味が楽しめるという。

そんな、器の違いで、
感じる味も異なってくる。
きっと最初のみそ汁も、
そんな違いがあるのだろう。
料理の世界は奥深い。

そばだって、
食べ方によって、
味の感じ方が違うのだろうなあ。

ということで、
苦手の酒も、
器によって味が変わるか試してみる。

先ずは戸隠の小山智徳さんの織部で。
酒は小布施の豊賀(とよか)純米吟醸生原酒。

Toyoka

 

 

→→→人気blogランキング

 

| | コメント (0)

2012年4月12日 (木)

江戸っ子のそばは、もっと白いそばだった。

あるそばの研究家の話によると、
江戸時代に、江戸の町で食べられていたそばは、
今のそばに比べ、ずっと、色の白いものではなかったか、
とのこと。

これは、そばの実の製粉歩合から推測したもの。
江戸時代も終わりごろになると、
充分に高度な製粉技術が育ったが、
それで、今の製粉歩合から比べると、
やや、少なめなのだそうだ。

つまり、そばの実の外側の部分はあまり使われずに、
実の内側の部分だけを使っていた可能性があるそうだ。

ご存知のように、
そばの実の外側部分まで挽き込んで粉にすると、
色が黒っぽくなり、そばらしい風味が強くなる。
内側の粉を使うと、
色は白くなり、淡白な味になる。

そばの香りも、
外側を挽き込んだそばは、
枯れ草のようなはっきりとしたものになるが、
内側の粉では、
春の芽吹きの草のような、
甘く柔らかいものになる。

よく、そばの香りというと、
判りやすい、枯れ草のようなもののことと、
勘違いしておられる方がいらっしゃるが、
そばには様々な香りがある。
夏草のような青臭い香りもあれば、
微妙な甘い香りもある。

何事にも洗練されたものを好んだ江戸っ子は、
淡白な味と、ごく微妙な甘い香りのそばを、
好んで食べていたのかもしれない。

そういえば、中期に江戸っ子の間で人気になった、
「道光庵」も白いそばを出していたと記録されている。

さて、
その淡白なそばを味わうために生まれたのが、
江戸汁といわれる、塩っぱい、辛い汁。
強い塩分が、そばのかすかな甘味と香りを、
ぐっと引き立てる、、のだね。
そこで、江戸っ子の見栄っ張りなところも手伝って、
汁をそばにちょっとだけ付けて食べる、
などという食べ方が広まったのかもしれない。

あくまでも、私の勝手な想像だけれど。

でも、食べるときの汁の使い方で、
そばの印象は、ぐっと変ったものになる。
しっぽだけ浸けて手繰るか、
汁にどっぷりと浸すか、
はたまた、そばだけ先に食べて、
後から汁を流し込むか。

そばによって、
店によって、
いちばん気に入った食べ方で、、
どうぞ。

 Rosa

→→→人気blogランキング

 

| | コメント (0)

2012年4月 9日 (月)

そばの風味を引き立てる強い塩味。でも、、、。

そば屋にとって、
そば汁とそばとの関係は、
永遠の課題と言える。

老舗だといえども、
昔ながらの同じ製法で同じ汁ができる訳ではない。
なにしろ、素材になる、醤油、みりん、節の質が、
どんどんと変わってきているのだ。
それに合わせた工夫と調整をしていかないと、
時代にそぐわないものになる。

何よりも、そばを召し上がる、
お客様の好みも、
時代とともに大きく変化しているのだ。

だからといって、
決して、「うまい」汁を作ればいいというものではない。
そば汁は、本来そばの味を引き立てるもの。
その、そばとの相性が良くなければ、
どんなにうまい汁であっても、
場違いなものになってしまう。

いくら、昆布は利尻、
節は本枯の血抜きを使いましたといっても、
そばと、夫婦喧嘩をしているような相性の悪さでは、
召し上がっていただいているお客様が落ち着かない。
意外と、荒削りな、角のある汁が、
そばに合ったりすることもあるので、
何とも不思議な関係なのだ。

あるそば屋さんでは、
そばの香りが楽しめるから、
最初は塩で食べてみろ、、、
などと言われる。
そば猪口の底に盛った塩に、
そばのシッポをほんの少しだけ付けてそばをすすると、
あら不思議、
塩の付いたそばのシッポをすすり込んだとたん、
そばの風味が口の中に広がるのだ。

ところが、それで、二口目、
そして、三口目、、、、となると、
一口目の感激が薄れ、
口が飽きてしまうのだ。

この食べ方が流行らないのは、
ここのところなのかもしれない。
でも、一口だったら、試す価値のある食べ方。

以前作ったことのある「味噌垂れ」のときもそうだが、
この塩っぱい汁は、そばの風味をぐっと引き立てる。
でも、
何となく、後が続かないのだよね。

ということで、
強い塩分は、そばの風味を引き立てることは判るのだが、
それだけでは「おいしさ」には繋がらないようだ。

ならば、どんなそば汁を作ればいいのか、、
ということで、
まだまだ、頭の中で試行錯誤は続くのだ。

 

Baimo

 

→→→人気blogランキング

 

 

 

 

| | コメント (0)

2012年4月 5日 (木)

意味が違う「死ぬ前に、そばに、つゆをたっぷりとつけて食べたかった。」

さて、そば汁というと、
広く知られている小話がある。

あるところに、蕎麦の食べ方の講釈をする江戸っ子がいた。
「そばは、さらさらとたぐり、そばの先に、ほんの一寸か二寸、つゆをつけてたぐり込む。そうしなければ、そばの香りが判らねえ。」
そう言って、いつも、そばをたぐっていたそうだ。

ところがこの男、病気になって、明日とも知れぬ身となった。
見舞いにいった友人が、
「なにか、言い残すことはねえか。」
と問えば、
「たった一度でいいから、そばに、つゆをたっぷりつけて食べたい。」
と答えたそうだ。

この話、明治時代の作家、南新二の作といわれる。
いろいろと尾ひれがついて、落語のまくらに使われたりしているようだ。

やっぱり、江戸っ子が、そばをかっこ良くたぐるには、
そば汁に、そばを泳がせてはいけないという、決まりみたいなものがあったのだね。

でもこの話、おそらく、今とは、
少し違う意味があるような気がしてならない。
おそらく、当時のそば汁は、かなり塩辛いものではなかったのか。
今のような、コクと甘味のある汁は少なかったのではないだろうか。

汁が塩辛いが故に、
そばをすべて浸しては、
とても、そばを食べられたものではなかったのでは?。
だから、そばを浸して食べられるようなそば汁で、
一度そばを食べてみたかった、、、、
そう江戸っ子が言った、、、、
というのが、ひねくれ者の私の勝手な解釈。

あの、くれぐれも、このことを、
他に人に語りませぬように。
白い目で見られるかもしれないのでね。

今から250年ぐらい前、江戸時代の中頃、
そばの愛好家だった日新舎友蕎子という人が書いた「蕎麦全書」。
その中に、自家製のそば汁の作り方が書かれている。

このレシピよると、次の通り。

醤油一升、上等の酒4合、水4合、以上を合わせて、
とろ火で1時間煮込む。

たったそれだけ。
本人も書いてある通り、大変に塩辛い。
これに好みに応じて、大根の絞り汁を大量に入れて、そばをたぐったという。

うううう、、
想像したでけでも、塩っぱそう。

前に書いた花魁(おいらん)の几帳(きちょう)にしても、
なんで、江戸の人たちは、
こんなに辛い汁を好んだのだろう?

実は、そこに、
そばを味わうヒントがある、、、、
と、はたまた、勝手に解釈している私なのだ。
で、
続きは、また今度。


 

→→→人気blogランキング

 

 

 

| | コメント (0)

2012年4月 1日 (日)

辛いそば汁を好んだ花魁がいた江戸の時代

そば汁の辛さは、人によって好みがあるみたいで、
私も、
「汁が辛すぎる。」とか、
「もっと汁が辛い方がいい。」とか、
お客様に言われたりする。

これは、そばの食べ方にもよるみたいで、
そばをそば汁の中に落とし、
さらに、苦しがっているそばを箸で沈めて食べる方と、
いわゆる江戸そばの食べ方で、
そばのシッポに少しだけ汁をつけて、
ズズッとすすり上げて食べる方とでは、
汁の辛さの感じ方が違うのだ。

東京の老舗などでは、
色の濃い、かなり辛い汁を出しているところもある。

そばの歴史をひもといてみると、
江戸でそばが流行るようになっていったのと、
関東で濃口の醤油が造られるようになったことと、
繋がっているようだ。

江戸では、醤油がでてくる前は、
そばは「垂れ味噌」で食べていたそうだ。
つまり、味噌を水で溶いて煮詰め、
袋に入れて垂らした汁のこと。
これに、酒やかつお節を入れてそば汁とした。

やがて、関西から「下り醤油」が入ってくると、
それが使われるようになったらしい。
関西の醤油は、いわゆる薄口で、
やや高価なものだったらしい。

やがて、関東でも醤油が造られるようになった。
ところが、これは関西からの「下りもの」に比べると、
最初は下級のものと思われていたらしい。
しかし、そのうちに、江戸の庶民の口にもなじみ、
その頃から出回りだしたみりんや砂糖と合わせることによって、
独特の江戸のそば汁の形が出来上がっていったそうだ。

そのころ、吉原の花魁で、
大変なそば好きがいて、
その花魁が、辛い汁を大いに好んだのだそうだ。
だから、ごく辛い江戸下町ごのみの汁を、
この花魁の名を取って「几帳汁(きちょうじる)」と呼んだのだとか。

この花魁の几帳の話を、
メールマガジンで書かせていただいた。
よかったら、そちらもどうぞ。

でも「江戸汁」とも呼ばれたこの辛い汁なのだが、
実は、そばを味わう上では、すごいヒントが隠されている。
ただ辛いだけではないのだね。
という話は、また今度。

かんだたメールマガジンの記事は→こちら

→→→人気blogランキング

 

 

 

| | コメント (0)

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »