« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »

2011年10月24日 (月)

智に働かないと角が立たない。

智に働けば角が立つ。

そう、夏目漱石の小説「草枕」の冒頭部分。
このあと、

情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。

と続く。

なるほど、理知的にばかり物事を押し進めても、
どこかで、人と衝突したりすることになったりするのだね。
だから、角を立てないように、
他の人の気持を推し量ることも肝要。

そういうことで、
角が立っている人間は敬遠される。
しかしながら、
角が立っているそばは、歓迎されるようだ。

そばの魅力は、
味だとか、香りだ、風味だなどといわれるが、
その食感も大切な要素。
細いものを喉でたぐり寄せるという爽快感は、
麺類ならでのもの。

ただ手繰り込むだけならば、
丸い麺の方が食べやすいのだが、
それが、どういうわけか、
そばの場合は、角がしっかり立っている方が、
喜ばれる。

さて、
角が立ったそばを作るには、
ただ、四角く切ればいいというものではない。

Esquina2

麺質が、均一でしっかりとしたものになっていないと、
茹で上がった時に、
曲がったり、ひねくれたりして、
きれいな角は立たない。

つまり、
角の立つそばを作るには、
「切り」の技術ではなく、
「木鉢」での仕事の問題なのだなあ。

しっかりとした麺質を作り上げれば、
自ずと角の立ったそばになるようだ。

しかしながら、
やはり、いくらかの工夫は必要。
これは、私のそばの場合なので、
一般的にいえるのかどうか解らないけれどね。

私の場合は、そばを真四角ではなく、
断面がやや長方形になるように切った方が、
茹で上がったときの角がしっかりとしている気がする。

1.4ミリ厚にそばの生地を伸ばし、
それを1.1ミリぐらいで切る。
つまり「切りべら」という方法。

茹で上がったそばを虫眼鏡で見ると、
そばは、全体がふくれあがっているが、
角を押し出すようにして膨らんでいるが、
だいたい、上のような形のそばなのだ。

これが、「伸しべら」、
つまり、生地の方を薄くすると、
そうはならないようだ。

ということは、
正確にそういう形に切ればいいのだが、、、
、、なにぶんにも、人間の手でやることなので、、。

昔ながらの機械打ちで、
回転式のロールカッターで切ったそばは、
茹でると、角が丸くなってしまった。
わはははっ、角が立ったそばを作れるのは、
手打ちだからだぞ、、、、、
って威張っていたら、
敵もさるもの、
最近の製麺機は、
手打ちの同じような動きのカッターで正確に切っているんだよ。

驚いたことに、
最近は、乾麺でさえ、
茹でても角の崩れないそばが出現しているのだ。

ということで、
手打ちそば屋としては、
さらなる食感の良さを追求すべく、
角を立てるために、無い頭を働かせるのだ。

Wsquina3

 

 

→→→人気blogランキング

 

 

 

 

| | コメント (0)

2011年10月17日 (月)

いよいよ新そば。

さて、お待たせしました。
いよいよ、新そばの季節です。

ということで、
やっと全面的に新そばに切り替わった、
かんだたのそば。

いつもながら、この新そばに切り替わる時には、
そば打ちに気を使う。
水回しの感覚が、かなり変わるからだ。
そうして、くくってこね始めると、
ぷくぷくと、膨らんで、
いかにも生意気な、
新そばらしい面構えになる。

新そばは、香りだ、味だ、風味だ、、
ともいうけれど、
私は、この、プチッとした、
膨らみ感のある食感が好きだ。

夏のそばも、決して味では負けないけれど、
この、ふわっとした食感だけは叶わない。

最初は北海道産が主になるが、
次第に長野県産も入ってくる。
来月には、黒姫の山麓で作られたそばを使って、
期間限定で提供できればと考えている。

新そばを食べる時、
汁に浸してはもったいないと思うこともある。
そばだけを、先ず、つまんで食べていただきたい。
ほんの一口だけ。
そうすれば、新そばの、
新そばならでの味わいを楽しめるかもしれない。

あっ、
一口でいいですよ。

ところがこの時期は、
「新」と名のつくものがけっこうある。

つい、数日前に、知り合いの方にいただいた、
その方が育てた「新米」。
これがおいしい、、、
って、まだ食べていませんが。

そして、去年の米で作ったくせに、
きっちりと熟成させて出荷されるのが、
「新酒」。
こちらの味見は、
酒が苦手な私には、
ちと、つらい。

 

Sinshu

 

→→→人気blogランキング

 

 

 

| | コメント (2)

2011年10月11日 (火)

ソバの花の蜂蜜は濃厚だけれど、独特の匂いがある

僅かばかりの本数ではあるけれど、
畑のソバが実を付けた。

Sobanomi
ついでにもうひとつ。

Sobanomi2 
あの白い花が、
こんな無骨な実を付けるのが、
ソバの面白さ。
かんだたの畑は農薬を使わないので、
たくさんの虫が飛び回っているので、
けっこう花から実になる率は高いようだ。

ソバの花は、
虫によって花粉が運ばれないと、受粉しない。
これは雌しべの長さが、短いものと、
長いものがあり、
同じ長さ同士では受粉できないようになっているからだ。
(ヘテロスタイリーと呼ぶらしい)

お客様で、
マンションのベランダに置いたプランターで、
ソバを栽培した方がいらして、
花は咲いたのだが、実は出来なかったとおっしゃっていた。

マンションの上の方の階では、
虫も飛んでこないので、
やはり、受粉しないのだろう。

ソバ畑でも同じで、虫が飛んでくるような環境がないと、
そばの実入りが悪くなるそうだ。
農薬を使っている田の間などでは、
収穫量が落ちるとの話を聞いたことがある。

信濃町のあるソバ畑では、
ソバの受粉のために、
ミツバチの巣を畑の横に置いたという。
なるほど、
ミツバチは、セッセと、
そしてこまめにソバの花を訪れては、
蜜を集め、花粉をばらまいていくのだ。

そうして、そのミツバチの集めた蜜をいただくという、
特典も授かることになる。

ということで、
店でそのハチミツをお預かりしている。

 

Hatimitu
天然のハチミツなので、
ものすごく濃い味。
それと、ソバ独特の匂いがする。
どんな匂いかというと、
花の咲いたソバ畑の匂いそのもの。

ええと、、、
まあ、、、
そういう匂いがするわけ。

だから、
他の匂いのあるものと合わせるといいみたいだ。
コーヒーに入れたり、
農場の人にいわせると、
カマンベールチーズに合わせるといいとか。

私は平気で、パンに塗って食べますが。

といことで、
ソバのポリフェノール入りの、
天然ハチミツ。
ソバ好きの方であれば、
ぜひお試しを、、、。

ちなみにこのハチミツの採取の様子は、
こちらのブログでどうぞ。

ソバ蜂蜜採取/黒姫山麓蕎麦農場

 

 

 


→→→人気blogランキング

 

| | コメント (0)

2011年10月 6日 (木)

ミカンのような香りの「青柚子(ゆず)切り」。

この火曜日は恒例の「十割そばの夕べ」を催させていただいた。
皆さん、ご来店ありがとうございます。

今回の変わりそばは、
初秋の香りということで、
まだ青い柚子(ゆず)を使わせていただいた。

青柚子は、冬の黄色くなった柚子ほど香りは強くなく、
どちらかというと、ミカンの香りに近い感じがする。

まだ小さくて固い青柚子の実の、
皮のほんの、表面の部分だけをすり下ろして、
白い更科そばに打ち込む。
すり下ろすだけでも、けっこう手間のかかるそばとなった。

ぽつぽつと、緑色のホシが浮かぶ麺線。
こういう粒ものは、どうしても、少し太めに仕上げることになる。

Aoyuzu

かなりの数の柚子を使ったのだが、
やや、上品すぎたような気もする。
これが、冬になると、
もっと強い香りを放つようになる。

ということで、
まだまだ若い、
秋の初めの柚子の香りを楽しんでもらった、
今回の「十割そばの夕べ」だった、、のだ。

ちなみに、
熟成した実を使った「柚子切り」は、
十二月の変わりそばの日に作る予定です。

 

→→→人気blogランキング

 

 

| | コメント (0)

« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »