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2011年5月30日 (月)

長野の町には、キツネ様がたくさんいる。

久しぶりにメールマガジンを配信させていただいたが、
今回のテーマは、
そば好きのキツネ、
いや、キツネに姿を託した稲荷大明神のお話。
その稲荷大明神が、
人間の姿をして、寺で修行をし、
門前のそば屋に通ったというから、
話がややこしい。

稲荷信仰は古くからあり、
農業を始め、商売、産業の守り神といわれている。
だから、歴史のある町には、
必ずどこかに稲荷を祀った社がある。

「かんだた」の近くにだって、
ちょっと路地裏に入ってところに、
こんな社がある。

Inari1

この小さな社の、屋根には、
稲荷らしく、キツネの彫り物がある。

Inari2
反対に歩けば、こんな稲荷神社もある。

 

Inari3
他にも、神社の境内や、ビルの横などに、
小さな稲荷の社を見つけることができる。
歴史に育まれた、善光寺の表参道。
様々な、信仰や想いがしっかりと残されているのだ。

さて、
その中でそば屋という商売をしている私。
ひょっとして、
ひょっとして、
そういうキツネが、
いや稲荷大明神様が、
人間に姿を変えて、そばを食べにきているかもしれない。

時々、それらしき人がいらっしゃるのだけれども、
まさか、聞く訳にも、、、、。

ということで、
どなたも、お稲荷様の仮のお姿だと思って、
畏れ多い気持で、お迎えしなければ、、、。

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2011年5月27日 (金)

そばは、 噛んで食べるべきか、 噛まずに飲込むべきか。

あるお客さんおっしゃることには、
ご近所の行きつけのそば屋で、
こういわれたそうだ。

「そばは、噛んで食うものだ。
噛んでこそそばの味が判るんだ。
噛まずに飲込むなんて、とんでもない!」

だから、お客様は、
その店では、しっかりと噛んで、
そばを召し上がるそうだ。

ところが、ところが、
東京辺りの老舗のそば屋さんは、
このようにおっしゃっている。

「そばは、喉で味わうもの。
口をくちゃくちゃ動かして食べるなんて、
野暮の骨頂。
歯に当たらないように食べるのが、
そばの粋な食べ方ってものよ。
だから、うちは、爪楊枝を置いていないんだ。」

そんな話も聞いているから、
そのお客様は迷っておられる。

そばは、
噛んで食べるべきか、
噛まずに飲込むべきか。

でもねえ、
そばを飲込む食べ方をするには、
ちょっとした慣れとコツが必要。

それを粋がって、
そばは噛まずに飲込むものだ、
といって頬張っても、
「我が輩は猫である」の迷亭先生のように、
むせてしまうだけ。

といって、
せっかく食べ易いように、
長く切ったものを、
玄米を食べるように何度も噛んでいても、
興ざめのような気もする。

先代の小さん師匠は、
テレビの番組の中で、
美味しそうに喉を動かしてそばを食べていたが、
(もちろん噛まない)
こういう粋な食べ方をできる方は、
そういらっしゃるものではない。

そばによっては、
細めのそばもあるし、
太いそばもある。
固くて、とても、飲込めるものではないものもある。

だから、
無理をしないで
噛んで美味しいそばなら噛めばいいし、
飲込んで美味しいのなら、飲込めばいい、
と思っているのだが。

ちなみに、
「かんだた」のそばは、
飲み込み対応のつもりで造らせていただいている。

噛まずに、喉からすっとそばが入っていく感覚。
この感覚を覚えると、
味とか、香りとかというのとは、
また違う、別のそばの世界があるんだなあ。

あっ、もちろん、
そばは、噛んでもおいしい!
特に粗挽きはね。
いろいろ試してみることが、
一番のおすすめ。

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2011年5月23日 (月)

気温が上がると、そば粉の加水量を減らしていく。

この前の土曜日には、長野市の気温は、
30度近くまで上がったらしい。
来るお客様が、みんな、
暑い暑い、と言って汗を拭っておられる。

そうかと思えば、
次の日曜日は雨模様で気温が上がらない。
今度は寒い寒いというお客様もいらして、
温かいそばの注文が多かったりする。

気温差の激しいこの頃だ。

そば打ち場の室温が上がってくると、
難しくなるのが、粉に加える水の量。

寒いあいだは、
じわっと、水が滲みていく感じだが、
暑くなってくると、
そば粉がごくごくと、水を飲んでいるように感じる。

おっと、飲み過ぎて、水っ腹になられてはたまらない。
だから、暑くなれば、加水量は控えめに。

気温が上がるこれからは、ほんの僅かな加水量の違いで、
そばを練り上げる感覚が変わってくる。
だから、温度計と湿度計を睨みながら、
だいたいその日の、そば粉への加水量を予測している。

などというと、
かなり厳密に量っているようだけれど、
何のことはない、
「このくらいかなあ〜〜〜。」
という、勘が一番頼りになるようだ。

そば粉に水を加え、
こね鉢の中で掻き混ぜて、
均一に水を含ませる「水回し」の仕事。
ここが、うまくできるかどうかで、
出来上がるそばの感触は、かなり違う。

ずうっと、何度もそば打ちをやっていると、
この作業の大切さが、
身にしみて判ってくる。
地味な仕事だけれどね。

うまく、水回しができること。
つまり、そば粉に均一に水がまわり、
全体に粘りが出てきて、そばをくくること。
その仕事が、しっかりできているかは、
木鉢をみればよくわかる。

そば粉に、きちんとした加水と水回しができていれば、
鉢にこびり付いているような、
そば粉の迷子は出ない。

こね鉢を、
きれいな状態で、そばをくくれることが、
いいそばを打っているという証拠になるのかも。

Clava1
ということで、
暑くなるこれからの季節、
そば打ちには、
気を使う季節でもあるのだ、、、、。

 

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2011年5月19日 (木)

やっと畑の苗植え

ゴールデンウィークを休みなく営業したので、
昨日、一昨日と連休をいただき、
三週間ぶりとなる畑の手入れ。

久しぶりの畑は、
、、、、見事に育っている。
先ずは、その、
育った雑草を引き抜くことから仕事が始まる。
周りは、苗も植え終えて、
すっかりきれいになっているのに。

鍬で起こして苗床づくり。
苗屋さんへ行って、
今頃苗植えをする、のんきな人向けの、
売れ残りの苗をかき集めてくる。

黒いマルチシートをひき、
穴をあけて苗を置き、
支柱を建てて、苗を固定する。

 

Huerta1
百坪にも満たない小さな畑なので、
植えられる苗の数も限られる。
でも、
タカノツメ、丸なす(長野ではこれが主流)、
長なす、トマト、万願寺、善光寺キュウリ、
ニガウリなどを植える。

トマトは年によってうまく育ったり、
病気で枯れてしまったりで、
なかなか難しい。
そこで、丈夫に育つための、
ちょっとした工夫。

Hueruta2
トマトの根元に
ニラを一緒に植えると、
病気に強くなるそうだ。
そうして、さらに、
強敵のアブラムシの飛来を防ぐために、
銀色のテープを、根元に結んでおく。

農薬や、ホルモン剤を使わずに、
おいしいトマトを育てるには、
それなりのひと手間が必要になっていく。

今年こそ、丈夫に育って欲しい。

今は、少しの風にも倒れてしまうか弱い苗だが、
やがて、根がしっかりと地球を掴み、
青い空に向かって、ぐんぐんと葉を伸ばすようになることだろう。
そうして、たくさんの実を付けることを、、、

いえ、無理をしなくていいよ。

そのかわり、
しっかりと詰まった実を付けてくれれば、、、

なんだ、
同じではないか。

ということで、
これからは、
休みの日には、
朝から晩まで、畑仕事に追われることになるだろう。

年を越したキャベツの周りには、
チョウチョが飛んでいる。
(ほら、卵を産むつもり)
枝豆を撒いた場所を、
カラスが見つめている。
(ネットをかぶせておいた。)
ネギの種を蒔いたところに、
矢車草が咲いている!
(ネギはどこだ!)

なんとも
たいへんな、
そして面白い、
畑仕事の季節の始まり。



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2011年5月16日 (月)

そばを打つ前には、粉をふるう。

そばを打つ前には、
必ず、粉を、すこし粗めのフルイでふるって、
こね鉢に落とす。

これは、
そばを打つ上で、
とても大切な作業の一つ。

ふるうことで、
混入した不純物を取り除く、
(ほとんどないけれど)
直前に合わせたつなぎ粉との、
混ざり具合を均一にする、
といった利点がある。

でも、
もっと、大きな目的は、
そば粉の、固まりを取り除くこと。
細かく挽かれたそば粉は、
固まり(ダマ)になりやすい。
それをふるいとって、
潰しておくのだ。

小麦粉を使ったお菓子を作る時にも、
必ず粉をふるうとレシピには書かれているようだ。

同じように、そば打ちの指導書にも、
たいてい、打つ前に粉をふるって、
細かくすると書かれている、、はず。
あれっ、そんなことが書かれていない本もあるぞ!

近頃は、どこでも石臼引きの粉を作るようになったので、
目の細かい、しっとりとした感じのそば粉が、
手に入るようになった。
でも、細かい粒子のそば粉ほど、
固まり(ダマ)になりやすいので注意が必要。

ダマがあるまま水回ししても、
ダマの表面にだけ水を吸うだけで、
中の粉まで水が回らない。
そのままそばにしてしまえば、
いくら茹でても「粉っぽい」そばに出来上がる。

そば打ちについて、
いろいろと聞かれたり、
いろいろなことを言われる方もいらっしゃるけれど、
こういう基本的なことを、
先ず、こなすことが大切。

いいそばを作るには、
意外と、些細なことの中に、
ヒントが隠されているのだな。
そんなことを、大切にしていくことが大事。
そば打ちをはじめて20年近くになって、
そんなことに気づいていく、
のんきな私。

Clava2

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2011年5月13日 (金)

旬の勢いをいただく「竹の子」

ラジオである方が語っていたけれど、
その方の若い頃は、
竹の子や山菜なんぞ、
ちっとも美味しいと思わなかったそうだ。

ところが、ある程度の歳になってくると、
そういうものの美味しさがわかってきたという。

その方のおっしゃることには、
若い頃には、栄養になるもの、
つまり、身体を作ったり、エネルギーとなるものを、
好んで食べるのだそうだ。
だから、肉とか魚とか、甘いものとか、
濃い味の食べ物を好んで食べる。

ところが、ある程度身体が出来上がってくると、
こんどは、滋養のあるもの、
身体の調子を整える働きのあるものを、
好むようになるのだそうだ。
野菜とか、山菜とか、
微妙な味のものを好むようになるという。

なるほど、
「栄養」のあるものから、
「滋養」のあるものへと、
食べ物の好みが変わっていくのは、
自然なことなのだろうか。

と言うことはともかく、
私は、若い頃から竹の子は大好きだ。

竹の子の出回る期間は短い。
八百屋の店先には、
九州産から始まって、
近畿、東海産と、
順に出回って来るが、
主に南の方で採れる信州産が出回るのは、
本当に短い期間。
その間に、
えいやっ、と買わないと、
季節の味覚を来年まで取り逃すことになる。

で、買った来た竹の子は、
先ずはアク抜き。

Takenoko1
米ぬかを入れた湯で柔らかくなるまで煮て、
一晩おく。
アクは抜きすぎると香りが無くなるし、
抜かないと口の中が渋くなるし、、、
と難しいところ。

Takenoko2
今年は、日本酒とちりめんじゃこで炊き合わせてみた。
最後に醤油とタカノツメを少々。

Takenoko3
ささっと、
山椒をふっていただきます。
う〜ん、この香り、
そして歯ごたえ。
たまりませんねえ。
お客様にお出しする前に、
私の味見だけで終わってしまいそう(コラコラ)。

最近は、水煮された竹の子が、
スーパーで売られているけれど、
こうして、旬のものを茹でたものとは、
全く別のものと思ってよさそう。

アク抜きに手間がかかる、
生の竹の子は、
敬遠されていると言う話を聞くと、
確かになっとく、、、、
ンっ、ではない、
この美味しさを知らないなんて、
人生のすべてを捨てたようなもの、、、
なのだ!!!!。

竹の子は、
カリウムを多く含むから、
血圧の高い人にはお勧め。

あっ、
いうまでもなく、もう一つの
おすすめの食べ物をお忘れなく。

皆さん、
手間をかけても
「滋養」のある食べ物をいただきましょう。


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2011年5月10日 (火)

初夏の野の香り「草切り」

今日は十割そばの夕べ。
皆さんご来店ありがとうございました。

この会では、
毎回、十割そばと、
そのときに応じた変わりそばをご用意させていただいている。

その変わりそばも、
いままで、同じものをやっていなかったが、
そろそろ、内容が一巡したので、
以前にやったことのあるものを、
また、あらたな工夫で打たせていただくことにした。

ということで、
今回ご用意したのは、
伝統的なこの季節の変わりそば。

「草切り」(よもぎそば)。

Yomogi1
よもぎは、畑で雑草状態。
こういう小さいうちに摘むと、
草餅などに使える。
葉の裏の白い繊維は、
お灸に使うもぐさの材料になるそうだ。

そばを打つには、
製菓用のヨモギパウダーを使うと楽なのだが、
こういう生の葉を使うのとは、
全く香りが違ってくる。

なので、手間を惜しまず、生の葉を使おう。

塩を入れたお湯で茹で、
すこし水に晒してから、
ミキサーでペースト状にする。

他の野菜であれば、
ここで裏ごしをするのだが、
繊維の多いよもぎは、
裏ごしの目を通ってくれないので、
そのまま使う。

湯ごねした更科そばに混ぜて、
よく練り込む。
昔はつなぎ代わりに使われたこともあるそうなので、
あとは、気持ちよく伸すことができる。

 

Yomogi3
しかし、しかし、
このそばの大変なところはこれから。
なにしろ繊維が多いので、
包丁が効かないのだ。

このそばの時には、
しっかりと包丁を研いでおく。
包丁が切れすぎると、
切り板に引っかかって切りにくい、、、
などと言うことは、このそばには当てはまらない。

あらかじめ、よく、
包丁を研いでおかないと、
全くそばが切れないのだ。

ということで、
苦労して切った「草切り」
ほら、きれいな色でしょう。

Yomogi2
初夏の青草の香りを楽しむそば。

こういう定番は、
やっぱり安心して楽しめる味だ。

ということで、
以前にやった「うこん切り」のリクエストもあるので、
次回以降に検討中。

 
 

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2011年5月 4日 (水)

行列と名簿

このゴールデンウィークには、
多くの方にご来店いただきありがとうございました。
長い間お待たせをしたり、
そばが無くなってしまったりで、
ご迷惑をおかけしたお客様、
たいへん申し訳ございませんでした。

震災以降、
静かな営業が続いていたので、
連休はどうなることかと思っていたけれど、
例年通りのにぎわいとなって、
ほっとしたところ。

お客様がたくさん来ていただくのはうれしいのだけれど、
かんだたの店は、
一階がカウンター7席、
二階が二人用テーブルが6個で、
20人が入ればいっぱいになってしまう小さな店。

東京の満員電車みたいに、
立ったままぎゅうぎゅうに詰め込めば、
まあ100人ぐらいは入りそうだけれど、
それでは、おそばをお出しすることができない。

だから、
どうしても、
満席の場合には、
店の外でお待ちいただくことになってしまう。

今までは、そのまま、
並んで待っていただいたが、
スタッフの提案で、
お待ちいただいたお客様に、
順番に名前を書いていただくことにした。

でも、
皆さん、
ちゃんと名前を書いていただけるのだろうか。
過去に、他の店で何度か、
この名簿についてのトラブルを見たことのある私としては、
ちょっと、不安もあった。

 

List 
そうしたら、
皆さん、きちんと名前と人数を書いていただいている。
しかも、スタッフが呼び間違えないように、
カタカナで書かれている。
なるほど、
今の方々は、いろいろな店に食べに行っていて、
こういうシステムに慣れていらっしゃるのだ。

でも、そば屋には、
そういうことに不慣れなご年配の方もいらっしゃる。
そういう方は、大丈夫だろうか、、、
と心配していたら、、、、

やっぱり、、、、。

スタッフの話によると、
名簿の順番に、ある方のお名前を呼んだら、
呼ばれた若い方が言ったそうだ。
「こちらの方が先ですよ。」

指されたその年配のお客様のお名前は、
その三つぐらい先。
「名前を書いたのは私たち先ですけれど、
 お待ちしていたのは、
 こちらの方が先です。」
と、若い方がおっしゃったそうだ。

待っている他の方もうなずくので、
スタッフは、その年配のお客様を、
先にご案内したそうだ。
きっと、並んだ時に名前を書くということに気づかず、
あとから書かかれたのだろう。

名簿にこだわらず、
ちゃんと、
並んだ順番を守っていただいたのだねえ。

かんだたは、こういういいお客様に、
支えられているんだ。
うれしいものだ。
私も、それに応えられる仕事をしなければと、
心から思う。

震災の時に海外から賞賛された日本人の律儀さ。
とても、大切にしなければならないことだ。

ということで、かんだたでは
年にほんの数日だけ出現する、
名簿のお話、、、でした。



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