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2011年3月28日 (月)

海苔を打ち込んだ「磯切り」。

毎年三月は「磯切り」をしているのだが、
ここのところ「あおさ」を使っていた。
それはそれで、磯の風味は立つのだけれど、
今回は、
黒い焼き海苔を使ってそばを作ってみた。

まず、
有明産の海苔を軽くあぶる。
(電子レンジに入れてチン!という方法もある。)
そうして、パリパリにしておいて、
細かくちぎってから、
ミキサーのミル機能を使って粉砕。
それを、細かいふるいを通して、
やや加水量を多めにした更級粉に混ぜて打ち込む。

 

Nori1  
正直言って、
打つのはやや難しいそば。
わざわざ乾燥させて作られた海苔なのだから、
そばに練り込むと、
どんどん水分を吸い込んでしまう。
そこの水分を加減しながら、
とにかく均一に練り込む。

なにしろ、乾いた時には細かな粉だった海苔が、
水分を吸えば不定形に広がる。
麺線を保てない可能性があるので、
少し太めに切る。
、、、て、
こういう繊維のあるものを打ち込んだ時には、
切るのもたいへん。
包丁を前後に大きく動かして、
一気に切り込んでいく。

ということで、
海苔を打ち込んだ「磯切り」。

Nori2
はははっ、真っ黒ではなく、
グレーという感じの色合い。

「なにか、あまり食慾のわかない色ねえ。」
とスタッフに言われてしまった。

でも、
食べてみると、なかなかの味わい。
というか、食べ慣れた海苔の香りで、
なにか、ほっとするような気持ちにさせる味。

あるお客様の言うことには、
「おおタイムリーだねえ。
 海苔のヨウ素で、放射性ヨウ素を防ごうってわけだ。」

いえいえ、
先月に企画した時には、
決してそんなことを予想した訳はありません、、。
皆さん、敏感になられていらっしゃるようですね。

とにかく、今の事態が、
早く落ち着くことを願うばかり。
ちなみに、海苔等の海藻に含まれているヨウ素を採りすぎると、
逆に甲状腺腫をまねき、
身体の発達を促す甲状腺ホルモンの低下を招くそうだ。
ほどほどにしましょうね。

ということで、
来月は、
その頃長野ではサクラが満開、、、、、
ということを予想して、
4月17日(日)に「サクラ切り」。
乞うご期待!


 

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2011年3月25日 (金)

たまには厨房の大掃除。

おうおう、ここも汚れているぞ。
ゴシゴシ。
ここも片付けておこう。
ポイポイ。
床も磨かなくては。
シャキシャキ。

って、いつもより入念な、、、
いや、
いつもはしないようなマメな厨房の片付けと清掃をした。
少し、きれいにし始めると、
あちらこちらと、
手の届かなかった場所が気にかかる。
このさいだから、
思い切りきれいにしよう。

ということで、
厨房の大掃除。
ついでに、バックヤードも、
そば打ち場も、大掃除。

こうして、片付けて見ると、
我ながら気持ちのいいものだ。

いつもはズボラを決め込んでいる私が、
どうして急に、こんなきれい好きになったのかというと、
それには、大きな訳がある、、、、。

というのは、、、。

私も、他の食べ物屋さんにいくと、
つい厨房の様子を覗いてしまう。

最近はオープンキッチンの店も増え、
どこも、きれいな店が増えた。
一昔前の、油ですすけた厨房というのも、
少なくなったなあ。

でも、
あるB級グルメ家によると、
厨房の汚れている店の方が、
良心的な値段で、
美味しいものをつくっている可能性があるという。

へえ〜!
どうして?

厨房が汚れるのは、
いろいろな手間をかけている証拠。
きちんと材料から仕込みをしているから、
汚れも出るのだという。
まして、それで人気の店では、
仕込みに忙しくて、
厨房をきれいにしている時間がないのだそうだ。
だから、
そういう店が
美味しい一品を探す狙い目なのだそうだ。

チェーン店みたいに、
冷凍庫と、電子レンジとオーブンレンジ、フライヤーしか使わない店では、
厨房の汚れようがない。
ピカピカなのは当たり前なんだと。

ごもっとも。

では、
手作りで、
いろいろな料理をしている私の厨房も、
もっと、汚れていてしかるべきなのだ、、、、、
、、、というわけにもいかない。

そんなことで、
保健所の巡回指導も無事に終了。
営業許可書の書き換えとなる。

保健所の人たちも、
このような店まで廻ってくるのだから、
大変なこと。
最近は、現場に即したアドバイスも多く、
しっかりやっているなあ、、、
という印象を持っている。

厨房はあまりお客様にお見せしたくはないけれど、、。

Cocina

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2011年3月22日 (火)

そばを捏ね上げる時には耳たぶの固さに、、でも、、?

そば打ちをなさっている方から、
よく聞かれる質問の一つ。

「そばをくくった時の固さはどのくらいですか?」

そばを打つ時に、
加える水が多ければ、
柔らかい玉ができ、
少なければ固い玉が出来る。

あっ、当たり前のことだよねえ。
でも、どのくらいの固さがいいのだろう。

よく、そば打ちの指導書には、
「耳たぶぐらいの固さに練り上げる」
と書かれている。

でもねえ、
これって、かなりあやふやな表現。
もし、
出来るなら、
周りにいる人の耳たぶを触らせてもらおう。

人によって、
耳たぶの固さがずいぶんと違うのだ。
私は柔らかい方だが、
人によっては、かなり固い感触だったりする。

我が家の猫なんか、、、。
猫の耳たぶは、大きな耳の付け根についているほんの小さなもの。
どれどれ、、、
フギャー!ウウウ〜〜!バリッ!

猫の耳たぶは「痛い」のだ。

ということで、
耳たぶの柔らかい人は
柔らかめのそばを練り上げ、
耳たぶの固い人は、
固めのそばを練り上げることになる。

まあ、それで、そばの個性が出るのかもしれない。

でもねえ、
いくら固い耳たぶを持っているからと言って、
固すぎて、水が十分廻らなければ、
膨らみ感もない、粉っぽいそばになってしまう。
柔らかい耳たぶを持っているからと言って、
捏ねていても反発のないほど柔らかくなれば、
麺線は乱れて水っぽい感じになる。

ほどほどに、、、
というのがいいのだが、
そば打ちを始めた方々には、
何がほどほどなのか、よくわかるまい。

マシュマロ、柔らかすぎる。
一日経った大福餅、餅によって違いがありすぎる。
生きているナマコ、素手で触れる人は少ない。

ということで、
この固さを伝えるのは、
、、難しいのだ。

ただ、
固かろうが、柔らかろうが、
水回しと捏ねさえしっかりと出来れば、
茹で上がったときにはあまり差のないそばができるので、
ご安心を。

 

Sobadama




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2011年3月18日 (金)

見えなさそうで見えるそば屋の仕事

Sudare

毎日、店を閉めてからやらなければならないこと。

そば釜の湯を取り出して洗う、そば釜周りの清掃、煮物類の仕込み、食器の片付け、レジの精算、ビールサーバーの清掃、箸を洗って干す、せいろの拭き取り、あくびを三回、ため息二回、明日の朝の仕込みの確認、パートさんの勤務時間の記録、メールのチェック、宴会メニューの段取りの組み立て、新聞の俳句欄を読む、買い物リストまたは注文リストの作成、いやいやながら酒の味見、、、、、、。

そして、せいろに使うスダレを洗って、吊るして乾かしておくこと。

店によっては、平気で濡れたスダレを使って、
せいろを出すところもあるが、
私はそれが苦手。

せいろには、
乾いたスダレに、さっと水切りをしたそばを載せたい。

だから、こうしてスダレ干しを使って、
その日使ったスダレは洗って干して、乾かしておく。

えっ、「スダレ干し」って、
洗濯物の小物干しのことだろうって。
いいえ、
たとえ、そういうそういうものであっても、
店で使えば「スダレ干し」と呼ばれるのだ。
うん。

今のせいろは、ほとんど、
「オキス」といわれる、このスダレを使っている。
外して干せるので衛生的なので、
昔から、このスタイルで使われていたのかと思ったら、
そうでもないそうだ。

簡単に外れる「オキス」が使われるようになったのは、
戦後になってかららしい。
それまでは、竹のはめ込み式のせいろだったらしい。
そういえば、どこかのそば屋で、
しっかりとした竹のはめ込まれたせいろを、
飾ってあるのを見たことがある。

どのように洗っていたのかな、、と思ったら、
ちゃんと、シュロで作った、
せいろ洗いという道具もあったようだ。

いまは、スダレの目が細かくなったので、
タワシで洗うが、
けっこう、そばがこびり付いていたり、
あいだに挟まったりで、力のいる作業だ。
ちなみに、タワシは「亀の○」ブランドのものでなくてはいけない、
と、担当者のお話。

私は、
他のそば屋に食べにいくと、
つい無意識でせいろやざるをひっくり返して見るが、
そんなところにも、そば屋の「仕事」が見えるのだねえ。
なにか、
小舅(こじゅうと)みたいだが、、。

Seiro

 

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2011年3月15日 (火)

野菜達に春の足音。

さて、今年の冬は寒さが厳しかったが、
季節は確実に春へと向かっている。
だから、
夜のコースメニューにも、
こんなものが登場したりする。

 

Furesa2
今出回っているイチゴは、
覚えきれないほどの品種が多い。
生産地によって、
様々な名前がつけられているからだ。
ええと、「とちおとめ」「あきひめ」
「あまおう」「べにほっぺ」、、、、、。
あとは思いつかない、、。

えっ、覚えられない頭のほうが問題だって、、。

品種によって違いがあるが、
どれも、しっかりとした肉質と甘味を持っている。

こういう甘味は、
以外とアクの強いものと合う。
これから出回る山ウドとの組み合わせもいい。
今回は、ほろ苦さのある菜の花と、
塩を効かせたシンプルなドレッシングで。

もう一品。

Tamadofu

「ゴマ卵豆腐」
これは、牛乳を使ってこってりとした食感に蒸し上げる。
塩こしょうを使って、少し意外な味付け。
それにそば汁と、カツオだしで炊いたそばの実を添えている。

ん、どこが春の季節なのだって?
ははははは、気づくまい。

じつは、
ここに添えた「三つ葉」。
今は、季節に関係なく、
和風ハーブとして出回っている。

でも、多くの三つ葉は、根がスポンジに入った、
水耕栽培。
ところが、土の付いた根っこを持つ、
露地栽培の三つ葉が出回るのが、これからの春の季節。
これが香りが強くて、おいしいのだなあ、、。

「ワサビの花」もいいし、「山のフキノトウ」も出回ってきた。
寒さを越えた、春のホウレンソウもおいしい。
そうして、春の野菜は、どれも、
ほろっとした、苦さがあるんだ。

いろいろなことがある日本列島。
こういう気分です。

Inori
もちろん、
「祈り」のあとには
「行動」を。


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2011年3月 7日 (月)

コタツ打ちそば?

久しぶりに行った居酒屋の親父さんが、
私に言う。

「私もねえ、時々、そばを打っているんですよ。
 といっても、店ではなく、家のコタツの上でね。」

へえ、それはすごいなあ。
でも、コタツの上で打つと、
部屋中が粉っぽくならないのかなあ?

「いや、ほんの500グラムぐらいの粉だから、
たいしたことないですよ。」

なるほど、プロの調理人だから、
その辺のことは心得ているのだろう。

だいたい、そば打ちを始めた人が、
家の中でそばを打つと言えば、
ダイニングテーブルの上で打ったり、
座敷にのし台を置いて生地を拡げたりする。

そばを打つには打ち粉を使うが、
この粉が思いもかけず、舞い上がったりして、
部屋の中に飛び散ったりしてしまうのだ。
だから、一緒に居るご家族の理解も必要。

以前に店に見えたご夫婦も、
旦那さんが時々、そば打ちをなさるそうだ。
でも、その奥さんはこうおっしゃる。

「食堂のテーブルをキイキイ鳴らして、
椅子も床もそば粉だらけ。
あとの掃除が大変なのよ。
おまけに打ったそばは、
太くて、短くて、ボソボソ。
そば打ちのどこが楽しいのかしら。」

その横で旦那さん、
ニコニコとしながらも
「せっかく打ったのに、
そんなことを言われたんじゃあ、
立場がないなあ〜。」
と、ぼそっとつぶやいていらっしゃる。

まあ、ご泰平に。

さて、居酒屋のご主人のそばはどうだったのだろう。
ぶつぶつと切れたりしなかったのだろうか。

「最初はだめだったけれど、
水回しの時にそば粉の粘りを出すようにしたら、
うまくいくようになりましたよ。」

さすが修行を積んだ料理人。
そば打ちの、
一番大切なコツをすぐに体得した模様。

そのうちに、
この店には、
「コタツ打ちそば 、一日五名様限定」
などというメニューが出るかもしれない。
それも楽しいことだ。
そうして、
そばに親しむ方々が増えていただければ、
うれしいのだ。

滅多に顔を出さないのに、
ブログのネタにしてしまって、
親父さん、すみません。

 

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2011年3月 4日 (金)

ものを作る志の高さ。

ああやってるな。
いつか、閑な時に行ってみよう、、、
、、と思っていたら、
あっ、
もう今週で終わってしまうではないか。

ということで、
昼の営業が終わったとたん、
意を決して、自転車で登り坂を漕ぐこと10分余り。
善光寺の東隣にある信濃美術館へ。
折しも寒さの戻った日で、
鼻水は出るは、息は切れるは、
マスクをすれば眼鏡が曇るは、、、
という有り様でたどり着く。

でも、こんな日に美術館を訪れる人も少なく、
静かに、作品を鑑賞することが出来た。

 

Rokuzan

ということで、久しぶりに見た碌山(ろくざん)。

パリでロダンの影響を受け、
油絵から彫刻へと転向し、
明治の日本の美術界に大きな影響を与えた碌山こと荻原守衛(もりえ)。
もう没後百年になるそうだ。

碌山と言えば、
中村屋の創始者相馬愛蔵の妻の黒光との、
叶わぬ愛の物語がよく語られる。
でも、そういう先入観を抜きにしても、
力強い、人間を感じさせる作品だ。

同時に碌山に影響を受けた作家の作品もあったが、
その中に、私の好きな中原悌二郎の「若きカフカス人」もあった。
今回は、上からライトが当てられているので、
すごく、彫りの深い印象を持った。

碌山は、僅か30歳で亡くなっている。
だから、その残した作品の数は少ない。
でも、こうして、亡くなってから百年も経っても、
しっかりとした存在を示している。
やはり、その志が高かったからこそ、
多くの人に影響を与え、
今なお作品が評価されるのだろうなあ。

私も、
志の高いそばを作らなければ、、、、。

碌山の作品をご覧になりたい方は、
文化遺産オンラインでどうぞ。
→こちら


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2011年3月 1日 (火)

爽やかな春の色と香りを楽しむそば。

本日は「十割そばの夕べ」。

Serikiri2
今日お出しした変わりそばは、
春らしい爽やかな色。
打っていても、
茹でていても、
楽しくなるような色合いのそばだった。

春の七草の中の一つだが、
その中で、一番食べられている野菜(草?)だろう。

まだまだ、野に生えているのを採るには早いが、
栽培されたものが、盛んに出回っているこの時期。
そこで、それをそばに打ち込んでみた。

元の野菜(草?)はこちら。

Serikiri
鮮やかな若草色をした、
優しそうな葉と茎を持っている。
そう、
ご存知、独特の香りを持っている「芹(せり)」を、
いつものようにペースト状にして、
白い更科そばに打ち込んでみた次第。

この「せり切り」だけれども、
食べても、
ん、
あまり芹の香りはしない。
でも、食べたあとに、少しアクっぽい匂いが残るかなあ。
いや、決して悪い感じではないが。
そして、
なにより、いつもの更科そばが、
甘く感ぜられる。
芹の風味が、そばの味を引き立てているようだ。

これも、
変わりそばの定番に入れてもいいなあ。

ということで、
食べる人よりも、
作る人の方が楽しんでしまった変わりそば。

えっ、
お客様の感想?
、、、聞き漏らしてしまいました、、、。

次回の「十割そばの夕べ」は
4月5日(火)ですので、
よろしくお願いいたします。

 

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