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2011年2月21日 (月)

ちょっとしたこと。

まだお酒を飲んではいけない年齢の頃、
私はスキー場のホテルで働いていた。
ずいぶん前の話だ、、、。

最初にやらされた仕事が、
食堂でみそ汁を注ぐこと。
他の料理はテーブルにセットされているが、
みそ汁だけは、お客様の顔を見てから注ぐのだ。

なにしろ、多い時には800人ぐらいが泊まる大きなホテル。
いつも、400〜500人のお客さまがいて、
そのお客様に、食事をしていただく大食堂は、
せいぜい300席ぐらいしかなかったから、
入れ替えだ、お客様の案内だと、大騒ぎ。
その分のみそ汁を注ぐだけでも大仕事だ。

もちろん、ベテランのパートさん達と一緒にするのだが、
たかが、みそ汁をお椀に注ぐといっても、
これがけっこう難しい。

先ず、お椀の縁を汚さないように注ぐこと。
これは、お玉をお椀の上に持っていくのではなく、
汁をすくったお玉の下に、お椀を持っていくようにして、
さっと、注ぐ。
みそ汁の椀は手で持つものだから、
汚してはいけないね。
でも、いちいち、汚れを拭き取っていたら、
スキーで腹ぺこのお客様は、みそ汁が届く前に食事が終わってしまう。
だから、手早く、そして、きれいにみそ汁を注ぐのだ。

それに、鍋から注ぐ時に、
鍋の底の方から掬ってばかりしていると、
最後の方のみそ汁の具がなくなってしまう。
そんな、具の案配を見ながら注がなくては。
さらに、みそ汁が切れないようにと、
調理場の恐ろしく大きい鉄の円盤のような鍋から、
こまめに汁を運んで来なければいけない。
なるほど、
みそ汁一つ提供するにも、
コツと技術が必要なのだなあ、、、。

そば屋だって、
ドンブリの周りをを汚さずにお客様に提供するには、
ちょっとした注意が必要だ。
せいろのフチに、白い指の跡なんぞを残したまま、
そばをお出しするのも失礼だ。
そば湯を入れる湯桶は特に汚れやすいので、
注意して注ぐ。

そんなちょっとしたことの、
積み重ねが、商売としてそば屋を続けていくうえで、
大切なことなのだろう。
みそ汁一つ注ぐにも技術、、
そういう気持ちで仕事をしなくては。

で、
そんなことを、
業界のある方に話したら、、、、

「何言ってるんだい。
 今は、『汁注ぎロボット』があるんだ。
 その日に来たアルバイトだって、
 ちゃんと使えるよ。」

とのこと。

はははっ、、、、、
どうやら、私の頭の方が古かったようで、、、、、。

 

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