« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

2011年1月31日 (月)

そばを打つには陽気なバチャータを聞きながら。

村上春樹のある小説の中に、
いつもパーシーフェイスを聞きながら仕事をしている、
クリーニング屋さんが出てくる。

そういうイージーリスニングを好んで聞いている人というと、
善良そうで、まじめで、
いかにも小市民的な感じがする。

これが、ビートルズでは印象が変わってくるし、
ヨハンシュトラウスでも、美空ひばりでもいけない。
パーシーフェイスだからこそ、
このクリーニング屋さんの性格が伝わってくるようだ。

さて、
今朝も長野は冷え込んだ。
えっ、氷点下10度、、、、さぶ、、。

この寒さの中で、
気持ちを奮い立たせて、
暖房の効かないそば打ち場でそばを打つ。
こういう時は、
元気になるような音楽でもかけてみようか。

そばを打つ時に、
何かを聞きながらなんて、
とんでもない!!
という方もいらっしゃるだろうが、
時には気持ちのいいこともある。

ラジオは聞いていて面白いが、
どうしても緊張感が欠ける。
好きなのは、ポッドキャストでダウンロードした、
若手の落語なんぞを聞きながら、
そばを打つこと。
ニヤニヤとしながら楽しいそばが打てるはず。
でも、
つい聞き入ってしまうので、
忙しい時には不向きだ。

私の好きなジャズでもかければいいが、
とってもそば打ちに合いそうもない。
ビルエバンスのピアノの音なんぞを聞いたら、
そば打ちなんかやめて、
苦手な酒でも一杯飲みたくなってしまう。
マイルスデェイビスのトランペットなんぞを聞けば、
懐かしさで自分の世界に入り込んでしまう。
いつまでたっても、
そばが、、、、打ち上がらないってことに。

他の音楽をといっても、
おじさんの常として、最近の音楽には「疎い」ので、
「AKB48」と言われたって、
「エグザイル」と言われたって、
新しい車の名前かと思い込んでいたりして、、。
ということで、
どうしても、昔聞きなじんだ曲の中から選ぶことに。

で、最近気に入っているのが、
こちらの曲。

フアン・ルイス・ゲラ (Juan Luis Guerra)
「コーヒーの雨が降りますように(Ojalá Que Llueva Café)」

えっ、知らない?
日本ではあまり知られていないが、
20年ほど前、スペイン語圏の国々で大ヒットした名曲。
今でも時々、スペインのネットラジオでかかることがあるから、
根強い人気があるのだろう。

フアン・ルイス・ゲラはカリブ海のドミニカ共和国の出身。
今でも活動していて、2年前には来日公演。
アメリカのグラミー賞のノミネートの常連でもある。
ラテン音楽と言うと、サルサやメレンゲが知られているが、
彼はバチャータというリズムを基本にしているそうだ。

で、この曲は、
コーヒーの雨が降って、
ドミニカの豊かな山や畑を潤し、
小麦や米、トウモロコシ、いも、イチゴなどが実りますように、
そして、この歌を歌って、
人々の苦しみが和らぎますように、
というような熱い願いがこもっている。

ということで、
凍える冬に、
熱いラテン音楽を聴きながらそば打ち。

ほら、
村上春樹の小説の登場人物みたいに、
善良そうで、まじめで、
いかにも小市民的な性格が想像できるでしょう、、、、?

「コーヒーの雨が降りますように(Ojalá Que Llueva Café)」
原文をそのまま読むと「オハラ ケ ジュエバ カフェ」
を聞いてみたい人はYouTubeへのリンクをどうぞ。

こちら→

 

 

→→→人気blogランキング

 

 

| | コメント (0)

2011年1月24日 (月)

鍋を使った「そばがき」の作り方。

Choucin
あらあら、店の入り口の看板提灯が、
穴だらけの惨めな姿になってしまった、、、。

一週間前に降った屋根の雪が、
解けて落ちて提灯を直撃。
上の部分が、見事に破れてしまった。

使えそうもないので、仕舞ったが、
やはり、入り口に何も置いていないと寂しい。
急遽、針金で補修してぶら下げている次第。
新しい提灯が来るまで、
十日ほどお待ちください。

で、
よく聞かれる、そばがきの作り方。
これは、鍋がきという方法。
ご家庭で気楽に作っていただくために、
ごく少量の作り方を紹介させていただく。

Sobagaki1
用意するもの。
そば粉40グラム(少しづつ作ります)。
水100ミリリットル。
小さめの片手鍋。
(テフロン加工された鍋は、あとで洗うのには楽だけれど、掻き混ぜるのには固まりになってしまって使いにくい。)
丈夫な木の箸。
(木の箸といっても割り箸は折れてしまう。
 私は太めのうどん箸を使っているが、
 なければ太めの菜箸の先を切って使う。
 しゃもじやスリコギ、ターナーを使う人も居るが、
 このくらいの量であれば、
 箸を使った方が、滑らかにできる。)

Sobagaki2
そば粉に水を10ミリリットル入れて、
よく掻き混ぜる。
いいですか、
ここが大切。
鍋に入れたそば粉に、水を少しずつ入れて、
そば粉がダマにならないように良く掻き混ぜる。

Sobagaki3
さらに10ミリリットル入れて掻き混ぜたところ。
滑らかな固まりになってきた。

Sobagaki4
そうして、少しずつ水を加えながら、
ダマのないそば粉の溶き汁をつくる。
これがうまくできれば、
そばがきは出来たも同然。

Sobagaki5
強火にかけて加熱します。
底の方からどんどん固まってくるので、
片方で鍋の手をしっかりと握り、
もう片方では、力強く箸を廻し続ける。
このように、固まってくるけれど、
ここで火を止めてはいけない。

Sobagaki6
さらに力を込めて箸を掻き回していると、
そば粉がふんわりポッタリとした固まりになる。
ここまで加熱すると、滑らかな感触のそばがきとなるようだ。

Sobagaki7 
濡らした小皿を使って、
固まりをすくい取り、器に盛る。

Sobagaki8
ということで、
ワサビと、醤油で、シンプルにいただきます。

そばがきも作り方はいろいろあるけれど、
まあ、一つのご参考に。
そばがきは、冷めると固くなるので、
少しずつ作って、
暖かいうちに召し上がれ。

慣れてくれば、
もう少し加水を多くして滑らかに、
また量を増やしていけば
いろいろと楽しめるはず。

お椀で作る場合も、
鍋で作る時も、
太い箸でひたすら掻き混ぜる、、、、
冬に作れば、
食べる前から暖まること、、、、たぶんね。

 

→→→人気blogランキング

 

 

| | コメント (0)

2011年1月20日 (木)

「そば掻き」は冬の季語

蕎麦掻くと男の箸を探し出す   上野さち子

 

俳句の世界では、
「そば掻き」は冬の季語になっている。
寒い夜に、そば粉に熱湯を注いで、
掻き混ぜる「そば掻き」は、
作るのに力が居るから、
作って暖まり、食べて暖まる、
そんな食べ物だったのだね。

昔の家だったら、冬には火鉢に火がおこっていて、
そこにかけられた鉄瓶には、
いつもチンチンと湯が沸いていた。
寿司屋で使う湯のみのような、大きめの茶碗に、
そば粉を少し入れ、
熱湯を注ぎ入れて掻き混ぜれば、
それでOK。
まるで、今のインスタントラーメンのような気軽さで、
「そば掻き」を楽しんでいたのだろうなあ。

掻き混ぜるには、力がいるので、
細い箸では勤まらない。
そこで、太い箸を探して使おうというのが、
この俳句の意味なのだろう。

さて、そんな素朴な食べ物の「そば掻き」なのだが、
最近、どうやって作るのか判らない、、、、
ということをお客様から聞かれることが多くなった。

ある方は、ドンブリで作ろうとして、
キッチン中を粉だらけにしてしまったとか、、
お湯を注ぐ時に、危うくヤケドしそうになったとか、、、。
、、うう〜ん、、、
簡単な、素朴な食べ物なのに。

どうも、皆さんは「そば掻き」というと、
お店で出されるような、器に盛られた形を想像されるようだ。
でも、本来食べられていたのは、
湯のみやドンブリに、
そのまま掻きっぱなしになったそば粉。

熱湯で練って、
プッチリとろとろになったそば粉を、
その器のまま、
醤油やそば汁、
薬味にネギや海苔、大根おろし、ワサビ、ごま、
何ぞを使って食べるのが、
そば粉本来の味を楽しめる食べ方のような気がする。

ということで、
簡単な「そば掻き」を作るポイント。
1、寿司屋の湯のみのような、深い器を使う。
2、太い丈夫な箸を用意する。
3、そば粉は、ごく少量使う。
4、沸きたての湯を使う。(魔法瓶のお湯は不可)
5、ひたすら掻き混ぜる。

、、、えっ、店で出しているそばがきの作り方?
う〜ん、
それは、また次回に。

 

→→→人気blogランキング

 

| | コメント (2)

2011年1月17日 (月)

本葛粉を使った「そば豆腐」

葛(くず)というのは、山野に自生するつる状の植物だが、
この根には良質のでんぷんが含まれており、
日本では古くから、飢饉の時の非常食とされたり、
身体を温める薬として使われてきた。

風邪のひき始めに飲むといいと言われる、
「葛根湯(かっこんとう)」も、
この葛を主原料としたものだそうだ。

落語に出てくるヤブ医者は、
何の病気にもこの、
「葛根湯」を処方していたりして、、、

寒い時に、葛の粉をお湯で溶いた、
「葛湯」を飲むのも、
身体を中から暖める働きがあるからだ。

ところが、
ところが、
巷(ちまた)に売られている「葛湯の元」には、
要注意。
作るのに手間のかかる「本葛粉」は値段が高いので、
サツマイモやジャガイモのでんぷんを使っていることが多いのだ。

葛のでんぷんは身体を温めるが、
ジャガイモのでんぷんは身体を冷やすらしい。
ふ〜ん、同じようなでんぷんでも、
性質が違うのだね。

、、で、前置きが長くなってしまった。
「本葛粉」を使った「そば豆腐」の作り方。

Sobadoufu1 
本葛粉です。
何度も水に晒したあとに乾燥させるので、
不定形の粒になっている。
そば粉に半分の量の本葛粉を混ぜて、
少しずつ水を加えて、
よく解きほぐす。
この時に「ダマ」を作らないように注意。

 

Sobadoufu2_2
中火にかけてよくかき混ぜながら加熱。
トロッとしてきたら弱火にして、よく練り込む。

 

Sobadoufu3 
流し缶に入れて、
振動を与えて空気抜きをしてから、
冷やし固める。

それを切って、器に盛る。
かんだたでは、
シンプルにワサビと天然醸造醤油で頂くのが基本。

 

Sobadoufu4  
季節によっては、
蕗味噌や柚子味噌で頂いたり、
らっきょう醤油などを使ったりして楽しめる。
また、これを揚げて、
揚げ出しにしても、寒い時期には喜ばれる。

いずれにしろ、そばの味を邪魔しない、
それでいて、しっかりとした形を作ってくれる、
「本葛粉」の働きがあってこそ。

長いばかりがそばではない。
そば粉の味わい方、
食べ方も、
いろいろとあるので、
試していただきたいなあ。


→→→人気blogランキング

 

 


 

| | コメント (4)

2011年1月13日 (木)

長野ならではの「野沢菜漬け切り」

今年の長野は、雪は少ないが、
とにかく寒い。
その凍った道で、滑って怪我をする人が多いとか。
特に中年過ぎの女性が危ないそうだ。
「かんだた」にも一人、
手にギブスをはめた人がいますが、、、。
皆さん、気をつけましょう。

で、長野でこの季節においしくなるのが漬け物。
その中でも野沢菜は、
この長野県北部を代表するものだろうなあ。

最近は、漬ける家も減っているとのことだが、
各家庭によって味が違ったりして、
それぞれに、自慢の味が楽しめたりする。

Nozawana2
さて、
そば屋としては、
この野沢菜漬けを、そばに打ち込んだらどうなるか、
と前々から気になっていたのだけれど、
この火曜日の「十割そばの夕べ」の変わりそばで、
挑戦させていただいた。

店では野沢菜を漬けていないので、
地元の漬け物屋さんのものを使用。

先ず塩分が強いので、
一晩水につけて塩抜き。

その後、粗めのペーストにして、
湯ごねした更級粉に混ぜる。

Nozawana3

漬け物独特の酸っぱい匂いを嗅ぎながら、
こねて、延ばして、たたむ。
そこまでは問題はないが、
こういう繊維質の多い混ぜ物の場合は、
切るのが、意外と厄介だ。
包丁を大きく滑らせて、
一本一本切断面をはっきりと見せるように、
意識して切っていく。

そうして出来たのがこちら。

Nozawana4

写真では判りにくいが、
淡い緑色のきれいな色のそばになった。

Nozawana1
粗めのペーストなので、
所々に、緑のホシも残っている。

でも、
肝心の味の方は、、、、
、、、なんとなく、口の中に漬け物の匂いが残る、、、
ぐらいの感じ。
もともと、味の強い漬け物ではないので、
そのくらいでいいのかもしれない。

ということで、
今回の「十割そばの夕べ」も、
皆さん、ご参加ありがとうございました。
まだまだ、変わりそばのネタは尽きませんねえ。

 

→→→人気blogランキング

 

| | コメント (2)

2011年1月 7日 (金)

寒い日にこそ欠かせない準備運動。

今朝の長野は、
うっすらと雪化粧。
気温もマイナス4度ぐらい。
昼間は日が射したが気温が上がらず、
最高気温が0度までいかない真冬日となったようだ。

さて、そばを打とうとして、
店の外側に面していてる、そば打ち場の室温は、
どれどれ、、、

Temperatura
プラス5度。

窓の外に比べれば、
はるかに暖かい、、、、!

急激な温度の変化を嫌うそば粉が相手なので、
暖房を入れるわけにはいかない。
防寒ジャケットで、厚着をして、
そばを打つにはうるさすぎる。

ということで、
夏も、冬も、全く変わらない、
季節感のかけらもない白衣を着て
この冷え切った場所で、
そばを打ち始めることになる。

そこで、
欠かせないのがウォームアップ。

先ずは全身を暖めるために、
膝を曲げ伸ばしするスクワット。
肩廻し、腰回し、背中のストレッチ。
そうして、大切なのが、
麺棒を使った、手首や指の運動。
両手で握った麺棒を、
くるくると、廻したりねじったり。
麺棒を背中に廻して、
肩のストレッチ。

そば打ちは、
力仕事、筋肉仕事。
ちょっとした故障が、
足を引っ張ることがある。
こんな、ちょっとしたことの、
繰り返しが、大切なことだと思っている。

それにしても、
この温度の中のそば打ちも、
二鉢目、三鉢目となると、
身体がぽかぽかしてくる。
なのに、
少しも体重が減らないのは、、、
、、なぜだろう。

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2011年1月 3日 (月)

年神様を迎えて、世界中が幸せになりますように。

皆さん、あけましておめでとうございます。

今年も懲りずに作ってしまった門松。

Kadomatu
年越しそばの準備で忙しいのに、
ほぼ徹夜で制作。

Kadomatu2
これも、年神様を、迎えるための、
いえ、お客様をお正月らしく迎えるために、
欠かせないもの。
手作りの料理とそばの店なのだから、
こういうところも「手作り」にしなくては。

今年は、出来るだけ、シンプルに仕上げてみた。
いえ、けっして、手を抜いたわけではないのだけれど、、。

年越しそばには、多くの方からご注文をいただき、
ありがとうございました。
準備できる数に限りがあるので、
お受けできなかった皆様、申し訳ございません。
これからも、「数」ではなく、
「質」をあげる努力をしていきたい思っています。

また、正月早々のご来店、ありがとうございました。
お待たせしてご迷惑をおかけいたしました。

ということで、
そば屋としては、やっと年末年始の大きな山を越えたところ。
年末は大雪になるぞ〜などと天気予報に脅かされながら、
結局雪は降らず、
でも、空気だけは冷たい長野の街。

さて、
せっかく作った門松を飾れるのはは9日まで。
10日に「どんど焼き」で燃やしてしまう。
ああ、、正月がもう終わってしまう、、。


→→→人気blogランキング


| | コメント (4)

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »