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2010年11月30日 (火)

黒姫山麓で育った新そば。

はい、今年もやってしまいました。

Vinojoven

解禁になったばかりのワインを打ち込んだ、
ボジョレーヌボー切り。

今年は円高の影響もあって、
ボジョレーヌボーもかなり手頃な値段となった。
このワインは、今年とれたぶどうを使った、
新鮮な、フレッシュな味わいを楽しむワイン。
そばに打ち込んでも、
そのふわっとした、甘い香りがたって、
う〜〜っむ、なかなかの味わい。

ワイン切りにはいくつかの方法があるが、
私は、直接粉に混ぜ込んでいる。
その方が、このボジョレーのような、
新鮮な香りを残すことが出来るようだ。
えっ、
そばに打ち込んでしまうのは、
もったいないって?

さて、
やっぱり新鮮な味わいを楽しんでいただきたいのが、
今の季節、
もちろん新そば。

Sobanueva

不作だった去年に比べて、
今年のそばは、
なかなかのもの。
特に、ふわっとした新そばならでの食感がいい。
お客様からも、おいしいとの声をお聞きしている。

今年は、いいそばが穫れたようだ。

先日は
質の高いそばの産地と言われる
長野の北部、信濃町は黒姫山麓で育ったそばを、
試食する会を「かんだた」で開いていただいた。

栽培者の方は、
春から遊休地を重機を使って開拓し、
その土地で、そばを栽培された。
初めてのせいもあり、
思ったほどの収量は上がらなかったそうだが、
来年のための、ノウハウとデーターを身につけられた。

長野ではそばの栽培は、
小規模な畑や、減反された田で行われることが多い。
これでは、品質のばらつきがでてしまう。
そこで、大規模な専用の畑でそばを栽培することで、
管理の行き届いたブランドに育て上げられるのではないか、
そういう思いで、栽培をはじめられたのだそうだ。

打っている時には大人しい感じの香りであったが、
茹でてみると、しっかりと、味の濃いそばとなった。
ううん、派手さはないが、
通好みの深みがある。
「つい、お替わりしてしまいました。」
と、そばを食べ慣れている製粉屋さんの人の話。

安定した栽培をするまでには、
まだまだ、時間がかかるかもしれない。
でも、そばのトレーサビリティ、
つまり、誰が、どこで、どのように作っているのかを、
食べる人が判るようにしたいという思いを持つ栽培者は、
今までなかったのでは。

私も、そんな思いで作られたそばを、
きちんと使えるような体制作りを、
考えていかなければ、、。

 

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2010年11月26日 (金)

そば屋を続けるために一番大切なこと。

すみません。
ついブログを書く間隔があいてしまいました。
先週は体調不良のため、
ブログの更新を休ませていただきました。

二週間前ぐらいから、
鼻がむずむずして、
これは風邪だな、用心しなければ、
と思いつつも、
そういう時に限って店が忙しかったり、
用事が重なったりして養生が出来ず、
気がつくと、、、、

、、、頭が痛い、鼻水が垂れる、
微熱がでる、喉がカラカラする、
胸が重い、歯茎が腫れる、
財布が軽い、、、、、
などの症状に苦しめられるはめになった。

薬を使うと、
薬に依存する体質になってしまうので、
ひたすら養生。
たくさんの柿とリンゴを食べ、
生ネギを齧っては、辛い〜思いをして鼻を通し、
ショウガをすりおろしては、お湯に入れて飲み、
焼酎というアルコールで喉を消毒し、
辛味噌を食べて身体を温め、
パソコンにはなるべく近寄らず、
先に延ばせる仕事は、できるだけ先に延ばす、、、

、、、というおかげで、
ただ今、回復基調。

そば屋という商売を続けるために、
一番大切なこと。

それは、私が元気なことだ。
元気がなければ、
すべてが始まらない。
それも、身体の根本からの元気が必要だ。

だから、病気にかからないような、
環境づくり、体質作りに励まなくては、、、、、、
と、海外旅行から帰ったばかりの、
英会話学習のようなことを言っていたりして。

まだまだ、養生中。
ということで、このへんで。


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2010年11月15日 (月)

珍説 そばを食べていればハ○にはならない。

長野の街中でも、落葉の季節になった。
善光寺の表参道の街路樹も、
はらはらと葉を落とし、
朝早くから、店や事務所の前を掃除する人たちの姿が見受けられる。

秋から、冬に変わっていくこの季節、
なにか感慨げな、
もの思う気持ちにさせられる。

今の季節の俳句の季語に、
「木の葉髪(このはがみ)」というものがある。

何も知らなかった私は、
この言葉を聞いて、
昔の人は、そんな髪型も結ったのかな、、
などと考えていたら、、、
全く違う意味だった。

秋から冬にかけては、
髪の抜け毛が多くなるというのだ。
それを、散りゆく落ち葉になぞられて、
「木の葉髪」と呼ぶのだそうだ。

例えば、
独特の世界を持っていた寺山修司の句。

  

  木の葉髪日あたるところにて逢わむ


 
 

さて話は変わって、
以前そば居酒屋をやっていた頃のこと、
たまに来られるお客さんが、
こんなことをおっしゃる。

「そばを食べていればハ○にはならない。」

えええ!
それって、どういうことだろう。

そのお客様が言われるには、
そばに含まれているルチンという物質が影響するのだそうだ。

「いいかい、そばに含まれるルチンというものは、
 毛細血管を強化する働きがあるのだ。
 だから、脳の血管にも働いて、
 脳卒中の予防になる。
 そうして、毛細血管を強化するということは、
 頭の表面の血管も元気にして、
 毛の生え変わる作用を促進するんだ。
 君、ハ○になりたくなかったら、
 そばを食い給え。」

なのだそうだ。

いつも、出来るだけそばを食べるようにしている、
と言われる、そのお客様の頭は、
正直言って、かなり危機的な状況。

この話、
本当なのだろうか。

かくゆう私、
毎日そばを食べているのに、
だいぶ、
髪の毛が少なくなっているのを感じている。

そのうちに、
私が調理帽をかぶるのは、
髪の毛などの落ちるのを防ぐためでなく、
お客様の目が、反射光で痛まないようにするためと、
目的が変わるかもしれない。

でも、
この話、本当だったら、
かなり面白いのになあ。

 
 

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2010年11月11日 (木)

下準備に手間のかかった「松の実切り」

この火曜日は恒例の「十割そばの夕べ」。
皆さん、ご来店ありがとうございました。

この会では、毎回、
変わりそばを提供させていただいているけれど、
今回は、
秋の木の実の中からの「松の実切り」。

松の実といっても、
ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれないが、
イタリア料理や中国料理によく使われる食材。
漢方薬にも使われ、身体を温める作用があるそうだ。

さて、
変わりそばを作るにあたっては、
ただ単に、
材料をそばに混ぜればいいのだけのこと。
しかしながら、
そばに打ち込むために、
様々な下ごしらえがある。

蕎麦粒よりも大きな松の実は、
そのままではそばに打ち込めない。
そこで、ペースト状にして練り込む次第。

Pinaco1
まず、松の実を、軽く炒る。
このまま、味見をしてもおいしい。
飲めないお酒のつまみに取っておこう、、、こらこら。

 

Pinaco2 
すり鉢ですりつぶす。
松の実は柔らかいので、
スムーズにすりつぶせる。

で、それを裏ごしする、、、、。
「裏ごし」、、、
私の最も苦手とする作業。
金属の網を使って、
ギュウギュウと押し付けて、
ペーストを取り出す。

 

Pinaco3
電動ミルを使って、
ペーストを作れば簡単じゃないか、、、
と思うが、
油がでて、ドロッとしたものになってしまうのが、
他の木の実で経験済み。

 

Pinaco4
さて、これを更級粉に加えて、
そばを打つ。
かなり脂っこく感じるが、
他には何の違和感もなく、
打ちやすいそばだ。

Pinaco5 
で、出来たのがこちら。
やや黄色がかっているが、
いつもの更級とは、
それほど違いはない。

でも、食べてみると、
食感がまるで違うものになる。
しっとりとした味わいも惹かれるところ、
噛めばボロっとするような、危うさをもある。

ということで、
微妙な味を楽しんでいただいた「松の実切り」。
でも、
本当は、
新そばで、
味の濃い十割そば、、
こちらを味わう会なのです。

Pinaco6

  
 
 

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2010年11月 8日 (月)

節は使ってみないと解らない。

人は見かけによらぬものと言うが、
まさに、その通りで、
実際にお付き合いをしてみないと、
その人の本質が見えて来ないことは多くある。

いい人だと思ったのに、、、
あれ、意外としっかりとした人なんだ、、、
などということが、しきりにある。
いまだに、人を見る目のない私。

さて、
そば汁に使う節も同じで、
示されたサンプルやウンチクをいくら聞いたところで、
実際に、煮だしてみないと、
その良さが解らないこともあるし、
期待はずれだったこともある。

値段でつられて、
つい、はやりの「本枯れ節」何ぞを使ったところで、
さっぱり、味がでない。
業者さんに言ったら、
「使う量が少ないからですよ!」とのこと。
だったら、
質のいい枯れ節を使った方が、
はるかに効率的。

ということで、
そば汁に使う節は、
いつも頭を悩まされる。
同じ業者さんの、
いつもの節を使ったところで、
出汁の出方が違うこともあるのだ。

だから、
複数の業者さんから、
様々な節を仕入れ、
合わせて使うようにしている。

Dashicaballa
「サバ節」
こってりとした旨味がでる。
「かんだた」にはないが、
温かいそば用の出汁によく使われる。

 

Dasiatun
「カツオ荒節」
カツオ独特の旨味がでる。

Dashisouda
「宗田節」
ううン、これは、独特のコクがでる。

Dasiaruto
「カツオ節高イノシン酸タイプ」
カツオの、一番旨味の乗ったタイミングを見計らって、
節にしたという。
最初は、半信半疑だったが、
実に旨味の濃い、
澄み切った出汁がとれる。

などという節を使って、
一時間ぐらい煮詰めて出汁をとっている。

Dasi
左側が、
そうして出来た出汁。
琥珀色のとろっとした感じ。
カツオだけだと、
もっと、あっさりとした、澄んだ汁になる。

右側は、
そのだしガラを煮詰めた二番だし。
いわゆる「馬鹿だし」と呼ばれるが、
野菜などの煮物に使うには充分な濃さがある。

この、
節を選ぶということは、
意外と大変なことなのかも。
居酒屋時代を含めて、
数々の失敗を重ねたから、
やっと、こういう形に落ち着いたのかも。
でも、まだまだ、
研究の余地のある世界なのだ。

ちなみに、
私の人を見る目、
とくに、女性を見る目は、
全く、磨かれていないようで、、、。


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2010年11月 2日 (火)

今年の新そばは、パリのギャルソンと尺越えの黒鯛。

先日からやっと「新そば」ののれんを掲げることが出来るようになった。

じつはもう、かなりの部分で、
新そばに切り替わっていたのだけれど、
いよいよ、完全に、
今年に収穫された蕎麦を使って、
製粉されたそば粉が届いたのだ。

新そばは、打っていても気持ちがいい。
水回しをすると、
そばがぷくっと膨れたようになって、
伸していても、ごく自然に、
麺棒が転がっていく。
だから、つい、
いつもより、細めになってしまう。
注意注意!

新そばは、
香りだとか味だとかいうけれど、
私は何よりも、食感だと思う。
夏までのそばとは違う、
粘りのある、もちっとした感触がなにより。

重みが消えて、
晴れた秋空の下を散歩するような、
爽やかな気分を噛みしめる思い。
パリのサンジェルマン・デ・プレあたりのカフェの、
ギャルソン達の動きのような軽快さ。
小さな浮きを見つめて、半日待ち続け、
やっと、一匹の黒鯛がかかった時の爽快さ。
高速道路ですれ違ったスポーツカーの、
助手席に座っていた美女の面影。
うっそうとしたブナの林の中に迷い込み、
梢を見上げた時の驚き。
スペインのコルドバで、ローマ時代に作られた橋を、
夕暮れの風の中で、、、、、、

、、あっ、いかんいかん、
自分の世界に入ってしまった。

というぐらい、
今年の新そばの印象は強い。

というのは、
去年が全国的にそばの不作。
そば粉屋さんも、
玄そばを確保するのに、ずいぶんと苦労されたみたいだ。

当然、そば粉の品質も、
やや落ちることになる。
(値段だけはかなり上がったが、、、)

それでも、そば粉屋さんは苦労をされて、
味とか風味とかに変わりのないそば粉を届けてくれた。
でも、
そばを打つには、やや、つらい、、、
いやいや、
そんなことはまだまだ技術の未熟な私が言ってはいけない。

でも、
ちょっと油断すると切れやすい、
堅く固まりやすい、
打ってからの風味落ちの早い
そばになりやすかった。

だから、
今年の新そばになって、
弾力のある、伸びのいいそばを打つのが、
楽しいのだ。

これからは、
そばがどんどんとおいしくなる季節。

新米も、新酒も、新豆も出回る。
そんな季節ならでの恵みを、
お楽しみあれ。

 

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