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2010年8月16日 (月)

自家製粉の魅力と、気になるところ。

この頃人気のそば屋の中には、
自家製粉を売りにしている店が、けっこう多い。
つまり、自分の店で、
そばの粉を挽いて、その粉でそばを打つお店だ。

もちろん、たいていの場合、
そばを挽くのは石臼。
手で廻すと言う奇特な方もいらっしゃるが、
多くは電動で、
ぐるぐると回っている。

そばを食べる時に、
そんな石臼の姿が見えたりすると、
ああ、この店は、
一生懸命やっているんだなと、
思わず、納得したりすることもある。

ある業界の雑誌などでは、
これからは、そば屋が店で臼を廻す、
自家製粉が当たり前の流れになるだろうと、
言い切ったりしている。
(もちろん蕎麦の業界のものではないけれど。)

でもね、
そばの実から、そばを打つための粉を造るという作業は、
そんなに単純なものではないのだ。
いや、ただ粉を造るだけだったら簡単だ。
でも、そばに打ってみて、
口の肥えたお客様の満足を得られるそば粉を造るのは、
ものすごく、微妙な調整と技術が必要な気がする。

先日、製粉機械屋さんで、粉を挽いてみて、
そうして、その粉でそばを打ってみて、
改めて、製粉の難しさを感じた。

確かに、挽きたての粉で打ったそばは、
独特の爽やかさがある。
最初の一口で、
特にそれを感じる。
これはいいぞ、、、、
と食べ続けると、

あとが寂しい。

その爽やかさが口の中を通り過ぎたあとに、
続いてくるはずの、甘味や風味が無いのだ。

私の挽き方が、あるいは、その石臼が悪かったのだろうか。

いいや、
これは、私が、いつも、
自家製粉を売りにしているそば屋さんで食べた時に、
感じていること。
そばの味が薄いのだ。

自家製粉の店は、たいがい、
そばの殻を取り除いた「丸抜き」と呼ばれるそばの実を、
石臼に投入して粉にする。

つまり、
そばの実を丸ごと使って粉にするわけだ。
ところが、
そばの実の中には、
味の薄い部分もあれば、濃い部分もある。

小さい石臼でそばを挽けば、
全部それが混ざってしまうわけだ。

ところが、
私の仕入れている製粉屋さんは、
ある方法で、味の薄い部分を取り除いて粉にしている。
更に、何台もの石臼を同時に使い、
味の濃い部分をふるい分けて調合している。
「かんだた」は「かんだた」専用の調合によって、
そば粉が届けられている。
こういうことは、
専門家の技術でしか出来ないことなのだ。

とても、
とても、
一つの小さな石臼で出来ることではない。

ただ、
製粉屋さんは、
様々な産地、様々な生産者の玄そばを混合して粉にする。
これは、いつでも、均一な味のものを出荷するための、
必要な方法。

だから、誰々さんの作ったそば、
○○の畑で作られたそば、
というのは、よっぽどの量がまとまらないと作ってくれない。

私のようなごく少量しか使わない店では、
せっかく、おいしいそばを育てようとしている生産者の方と知り合っても、
そのそばとの、直接的なつながりが造れないのが、
はがゆいところ。

もし、
いい形で、自分で粉が挽けたならば、
食べる人と、そばを育てた人の顔をつなぐことが出来るのではないか。
まあ、
時間がかかるかもしれないが、
製粉の方法を工夫しながら、
そばの世界の流れが、
誰でも見えるような仕組みを作っていきたいもの、
と、考えている。

 

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コメント

ひとくくりで自家製粉と言われると難しいので、僕がやっていることを書きます。
抜きではなく玄蕎麦を仕入れる
必要以上に剥かない挽かない
一晩寝かせる

コストは別として、粉で状態のいいモノを仕入れられれば、それにこしたことないと思います
ただ、僕は設備を買ったので、使わないと(^_^;)

投稿: 自家製粉十割手打そば 佐野蕎麦 | 2010年8月17日 (火) 17時01分

佐野蕎麦 さん、こんにちは。

玄そばからの製粉をされているのですね。
設備も大変だけれど、
けっこう手間もかかるのではないでしょうか。

たしかに、自家製粉と言ってもいろいろな形がありますよね。
どちらにしろ、中途半端な設備や方法ではいい粉はとれないようです。

投稿: かんだた | 2010年8月18日 (水) 00時02分

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