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2010年6月 8日 (火)

懸念される国産ソバの質の低下

去年の暮れ、ある、製粉会社の方が嘆いていた。

「ソバを売りにくる生産者の人が多いのだけれど、
 みんな、最初に値段のことを言う。
 ソバの品質にこだわる生産者が少ないんだ。」

ご存知の通り、国内産のソバは、
昨年は不作だった。
そこで、取引価格が上がったため、
今までソバを出荷していなかった生産者が、
ソバを売ろうとしていたのだ。

国内では、ソバの作付け面積の、
約三分の二が、
本来は米を栽培するはずの「田」だ。

ソバを植えることによって、
転作補助金がもらえるので、
真剣に、ソバを栽培しようとしない農家も多い。

統計を見てみても、
作付け面積は広いのに、
10アールあたりのソバの収穫量が、
著しく低い県がけっこうあったりする。
つまり、
田にソバを植えたまま、
補助金をもらい、
収穫も出荷もしない農家が多かったのだ。

製粉会社によると、
田で作られたソバは、
あまり評価されないようだ。

ソバ自体が、あまり、
充実していないことと、
収穫後の、乾燥、磨きなどの管理が、
徹底されていないからだそうだ。

農家から見れば、
今まで米を作って、お金になっていたのに、
減反の割り当てで急にソバを作ることになった。
販売ルートも無いし、売れたとしても安く叩かれる。
だから、それほどの情熱を持って、
ソバを栽培することも無いのだ。

こういう状況を知ってしまうと、
蕎麦を扱う身としては、
う〜〜〜〜〜〜ん、
と考えてしまうのだ。

だいぶ前のことだが、
ある雑誌で老舗の製粉屋さんが嘆いていた。
国産のソバの質の低下は目に余ると。

昔は、山に囲まれた、気温差の大きい畑でソバが育てられ、
甘味や、風味の強いソバが育った。
それを、完全に熟す前に刈り取り、
茎についたまま乾燥させる。
そうすると茎や葉から、ソバの実に栄養分が移り、
黒いいい色の粒になる。
それを叩き、唐箕にかけて、出荷したそうだ。

それが、今では、
栄養豊富な、水分の多い田で作られる。
完全な熟成を待って、コンバインで刈り取られ、
送風機を使って乾燥させる。
そういう生産方法だと、
ソバ自体のうまさが出て来ないのだと言う。

なるほど、国産のソバだからといって、
おいしいとは限らないのだ。
むしろ、日本の商社が生産指導している、
中国のある地域のソバのほうが、
しっかりとした味があると、業界では言われているとか。

うまいそばを食べたい、
いや、うまいそばを食べていただきたい。
しかし、そんなことで、国産のソバの生産に、
大きな不安を持っている私なのだ〜〜〜。

えっ、
希望的な動きもあるって?
そんな話は、また次回。

 

 

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