文化財に指定されている味噌蔵、醤油蔵。
以前に、店で使う醤油のことについて書かせていただいた。
今まで使っていた醤油屋さんが生産をやめてしまったため、
新しい醤油を探していた。
そうして、いくつかの醤油を試したことをお伝えした。
さて、その後どうなったかと、
お客様から聞かれたり、
醤油が変わったことを知っている御常連さんから、
そば汁についての、アドバイスをいただいたりした。
味というものは、
すぐになじめない。
その時はおいしいと感じても、
あとで、飽きるような味かもしれない。
だから、少し時間をかけて、
試させていただいたが、
やっと、自分でも、これで行こうと方向が決められた。
ということで、選ばせていただいたのは、
こちらの醤油。
他の醤油屋さん、ごめんなさい。
サンプルをいただいたり、
貴重なお話をお伺いしたのに、
選ぶことが出来なくて。
どの醤油もいいのだけれど、
たまたま「かんだた」のそばに合う醤油が、
コレだったわけ。
正直を言うと、営業的には、
一番、素っ気ない店。
サンプルもいただけないし、
値引きもしてくれない。
でも、使ってみて、一番気に入った味。
なにしろ、今まで使っていた醤油が、
ずいぶん荒々しかったので、
このおとなしめの醤油には、
戸惑わずにはいられなかった。
でも、醤油を変えたことを知っている御常連さん達から、
前より上品な味になったとご評価をいただいたので、
この醤油を使うことに踏み切った。
ということで、
お付き合いをお願いしたこの「塩屋」さん、
調べてみると、
おおおっ、
すごいところなのだ。
今、須坂は「蔵の街」を売り物にして、
街の再生を図っている。
その開発の続く中心地から少し離れたところに、
「塩屋」さんはある。
そうして、この入り口の建物から、
奥のいくつもの蔵が、
江戸後期から明治の初めまでに建てられたもので、
国の登録有形文化財に指定されているのだ。
ちょっと、中庭を覗かせていただいた。
ただ、古いというだけではなく、
地元産の豆を使った味噌を造ったり、
その味噌を使って、
地元の野菜、
例えば、村山早生ごぼう、小布施茄子、八丁胡瓜などを使った、
味噌漬けなどを作っている。
なるほど、地元、須坂の老舗であることを、
すごく意識されているようだ。
ということで、
醤油は、当分、この「塩屋」さんのもので行く予定。
すごく、ミリンの吸い込みがいいので、
まだまだ、細かい調整が必要な、
「かんだた」のそば汁なのだ。
「塩屋」さんのホームページは→こちら
醤油について3月に書いたブログ
「大きな大きな問題に直面している」は→こちら
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コメント
こんばんは。なんだか、とてつもなくいいものを読ませていただいたという気分です。
〈正直を言うと、営業的には、一番、素っ気ない店。サンプルもいただけないし、値引きもしてくれない。でも、使ってみて、一番気に入った味。〉
かんだたさんの蕎麦も食べに行きたいし、塩屋さんにも行ってみたいと思いました。
投稿: 所沢太郎 | 2010年6月13日 (日) 23時47分
所沢太郎 さん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
この店には、小規模ながら、一つ筋の通った商売をなさっているのだなと、感じています。
そういう姿勢が、味にも出るのですね。
投稿: かんだた | 2010年6月14日 (月) 07時52分