« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月28日 (金)

そばは、山の畑で作られている、、のか?

さて、皆さん、
国産のそばは、どんなところで栽培されているのか、
ご存知だろうか?

そばって、山に囲まれたような、
なだらかな傾斜のある畑で作られているんじゃないの?

そう、そのとおり。
そば畑と山は付き物のようで、
けっこう知られた景勝地があったりする。

例えば長野県では、
戸隠山なんぞが有名だ。
ちょうど、観光道路の脇の、
戸隠の切り立った峰々望む場所にそばが植えられ、
花の季節には、格好の撮影場所になったりする。
よく、信州のイメージにつかわれる、
典型的な場所だ。

それでは、戸隠の、他の場所にも、
そばが植えられているかというと、
意外と、その白い花の畑は見当たらない。

私は里山歩きが好きなので、
結構、山里を通ることがあるが、
そばの畑に出会うことは、あまり無いのだ。

むしろ、山裾の平坦地で、見かけることが多い。
そうして、多いのが、
黄金色に実った稲、
つまり田んぼの一角に、
白いそばの花が咲いている光景を見ること。

そばが、田んぼで栽培されているのだ。

平成21年の農水省の統計によると、
全国でそばが作付けされたのは、
約4万5千ヘクタール。

これが、どのくらいの広さかと言うと、
合併で大きく膨らんだ長野市の面積の約6割ぐらい。
う〜ん、長野市の広さといっても分かりづらいなあ。

ええと、
ああ、ちょうどいい広さの島があった。
ロケットの打ち上げ基地のある、
鹿児島県の種子島。
だいたい、この島と、同じぐらいの面積で、
そばが栽培されている。

これって、
すごく少ない、、、、、
いえ、けっして、種子島が小さい島だと言っているわけではないので、、。

さて、統計によると、
そのうちの69パーセントが、
「田」なのだ。
残りが畑。

つまり、
日本のそばのほとんどは、
平らな、
中には、山に囲まれた田もあるだろうが、
作業のし易い田で作られているのだ。

そばというのは、
山際にすむお百姓さんが、
険しい斜面のある畑で、
細々と作っている、、、

そんな作られたようなイメージなんか、
アフガニスタンに埋められた地雷とともに、
吹き飛ばしてしまわなければならない。

そして、
田での、そば作りを押しているのが、
国の制度、
そう、減反の制度なのだ。
日本のそばは、
ロマンではない、
厳しい現実の選択の中で作られている、、、

ということで、
この問題、
まだまだ終わらないぞ!

 

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2010年5月25日 (火)

中国産のそばの相場が上がっている。

そばに詳しいお客様が、
こうおっしゃる。
「最近、中国産の玄そばの取引価格が、
 だいぶ上がっているそうじゃないか。」

え!
そうなんですか。
と何も知らない私。

昨年は国内のそばが不作だった。
おかげで国内産は不足気味で値段が高騰。
かんだたも、その影響を受けて、
仕入れているそば粉の値段が、

ええええっ!こんなに!!!!

というぐらいに上がってしまった。
まだ、目玉が飛び出さずに、
こうして、ブログを書いていられるのが、
唯一の救い。

そばの値段も上げたいけれど、
今年の豊作を見込んで我慢しているところ。

さて、玄そばの相場なのだけれど、
国内産の不足だから、
外国産の相場が上がるかと思っていたら、
意外と動かなかった。
それもそうだ、
国内産のそば粉は、
国内で消費されるそばの2割程度といわれている。

そのくらいは、供給の安定している外国産で、
いくらでも、まかなえるのだ。
しかも、値段が安い。
中国産の玄そばで言えば、
国内産の4分の一から3分の一の値段で取引されている。

それに、
けっして、悪いものでもないのだ。
(むしろ、国産よりおいしいと言われるものもある。)

だから、
国内産を専門に扱っている、
高級そば屋(かんだたもその中に入るのだろうか)以外は、
国産のそばが不作だろうが、
びくともしないのだ。

と思っていたら、
お客様に指摘されたように、
中国産の玄そばの値段が、そろりと上がっている。

新聞に曰く、国産のそば粉不足の影響と、
夏の需要期に合わせて、そばを確保しようとする動きだとか。

私からみれば、
たいした額ではないように見えるが、
大量に仕入れる製粉会社にとっては、
大きな差になることだろう。

多くのそば屋と
乾麺などの加工業者が、
中国産の玄そばの、
国産に比べれば、破格の価格に頼って、
営業を続けているのが現実なのだから。

じゃあ、何が何でも、
国産のそばを使えばいいのかって言うと、
実はそうでもない、、、、ようだ。
国内産のそばが、
もっと出来ればいいと、
私は考えているのだが、
じつは、国内産のそばはそばで、
様々の問題を抱えているようで。

商売をしている身としては、
きれいごとを並べていればいいのだが、
実は、
そばの栽培の現実は、、、、
ううううう〜ん、
これでいいのか!!!!

という、こともあるのだ。

 

 

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2010年5月20日 (木)

二人で一つ

飲食店の店主の集まる、
あるインターネットのサイトで、
少し前に話題になったこと。

例えば、あるラーメン屋さんの話。
「最近多いんだよね。
 若いカップルで入って来て、
 メニューをずっと見てから、
 ラーメンを一つだけ頼む客。
 二人で、ラーメン一つだよ。」

そうしたら、
他の業態の人たちも答える。
「ランチの特盛りカレーを、
 二人で一つと言われた。」
「パスタを一つだけ頼んで、
 長居をするカップルが時々いる。」
「4,800円のシェフのおまかせコースを、
 二人で分けて食べたいと言われた。」
「一人前の焼き肉セットを頼み、
 ご飯だけ追加する二人連れがいる。」

などなど、
皆さんけっこう、
気にしておられる様子。

それについて、
こういわれる方もいらっしゃる。
「飲食店は、ただ、料理だけを売っているわけではない。
 料理とともに、場所と時間を提供しているのだ。
 たとえ、水だけ飲まれたお客様でも、
 それなりのコストがかかってくる。
 こういうお客が増えることは、
 飲食店の存在に関わる問題だ。」

と思えば、
「うちのような寿司屋では、昔から、
 一人前を分けて食べるのは当たり前。
 お客様に喜んでもらえれば、それでいい。」
という意見もある。

私の店でも、
時々、そういう注文がある。
以前は、ちょっと、
渋い顔をしたが、
この、サイトの発言を読んで、考えが変わった。

皆さん、それぞれの都合があるのだ。
「食事はしたくないのに、
 たまたま付き合いで店に入ってしまった。」
「これから、そば店を十軒ぐらい食べ歩きたいので、
 すこしづつ食べたい。」
「お金が無い、、、、。」

店では、一人一品を頼むのが原則。
そういう計算をして、店が成り立っているのだ。
でも、そうと分かっていながら、
「二人で一つ」を頼まれる方もいらっしゃる。
そのご事情を汲むことも、大切なのかもしれない。

でもねえ、
先日いらした若い主婦の方二人。
「ねえねえ、[せいろそばの二枚重ね]があるわ。
 別々に二枚頼むより、この方がお徳よ、
 これにしましょう。」

こういう注文は、
はっきりとお断りしております。
あしからず。

 

 
 

→→→人気blogランキング

| | コメント (2)

2010年5月17日 (月)

「そば」で育った人

「私はねえ、そばで育ったのですよ。」
 70年配のある建設会社の社長さんが、こうおっしゃる。
「そう、子供の頃はそばばかり食べていた。
 なにしろ、それしかなかったものでねえ。」

その社長さんの育ったのは、
長野から少し西の方へ行った山の中。
標高850メートルの場所は、
ほとんど米は作れなかった。
だから、食べ物と言えばそこで穫れるそばが主だったのだ。

石臼で轢いたそば粉に、
煮た野菜を混ぜてソバガキにして、
それをいろりで焼いて食べるのが
いつもの夕食だったそうだ。
だから、家の周りは、
季節には、そこら中が白いそばの花で埋まったという。

ところが、違う季節には、
別のものがその畑を占有する。
それは、春に植えられてぐんぐんと成長する。
子供の背丈を軽く超えて、
大人の背丈の二倍にも育つ。

実は、この植物が、
長野の山間部の人たちの生活を支えていたのだそうだ。

それは、今ではほとんど栽培されなくなってしまった、、、
いや、それどころか、
うかつに栽培すると大変なことになってしまう草、
「麻」だった。

夏に大きくなった麻を刈り取り、
その後に「ソバ」を植えた。

刈り取った麻は、冬まで乾燥させて、
それから、茎から繊維を採り、
縒り合わせて糸にした。
春になると、それを担いで、
トラックの来るところまで運んだそうだ。

当時は、長野の善光寺の西側、
今の桜枝町のあたりには、
そうして出来た「麻」を扱う問屋が並んでいて、
ずいぶんと賑やかだったらしい。

山の中で暮らす人々は、
春には麻を育て、
夏にはソバを育てた。
麻で現金収入を得て、
ソバで食糧をまかなった。
そうして、それなりの暮らしが出来た時代があったのだ。

社長さんの子供の頃の話だから、
たかが、
50年から60年前のこと。
さすがに苦労された社長さんで、
当時の暮らしの厳しさや辛さについては、
何も言わなかった。

子供の頃、
こういう体験をすると、
「ソバなんか食べたくない。」
という方もおられるのだが。

でも、
この社長さんの故郷も、
今や、荒れ放題の畑が目立つようになった。
そこで、地元の人たちで、
荒れた畑を作り直し、
「ソバ」を栽培しようという話があると言う。

国の補助金制度も後押しをして、
話が進んでいるそうだ。
村で機械も用意して取り組んでいくらしい。

様々な人の持っている「ソバ」の話。
こうして、地元のソバ作りが復活していけばうれしい。
そうして、ソバの栽培の背景を、
もっと、知ってみたくなった。

 

 

 

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2010年5月13日 (木)

春が一番おいしい、スタミナ野菜の代表選手。

5月は連休があったので、
二週目になった「十割そばの夕べ」
皆さん、ご参加ありがとうございました。

今回の変わりそばはこちら。

Nira
きれいな緑色となった。
さて、なんでしょう。

お客様が、そばの上をクンクンと嗅いでみて、
「やっぱり、少しは匂うねえ。」
とおっしゃる。
そう、
今回は、春が甘くておいしい、
「ニラ」をそばに打ち込んでみた。

もっと臭くなるのではないかと思ったが、
意外とさっぱり。
むしろ、その甘味が引き立つそばとなった。

ニラは体を温める野菜と言われる。
身体の代謝を高め、
胃腸の働きを整えるとも言う。
だから、昔から、
薬用効果の高い野菜として食べられてきたのだね。

おおっ、最近の研究では、
花粉症にも効果があるとか。

ニラ特有の強い香りは、
「アリシン」という成分。
これは、実は、
ビタミンBの吸収を助ける働きがある。
だから、レバーや豚肉との相性がいいのだ。

ちょっと待てよ、
ビタミンBといえば、
そばにもたっぷりと含まれている。
今まで、匂いが気になって、
やってみなかったが、
意外とそばとの相性はいいのかもしれない。

いつかやろうと思っている
「薬膳そば」コースの一品に入れてみたいものだ。

 

 

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2010年5月10日 (月)

石臼ばかりが粉造りではない。

引き続き、製粉機メーカーの方との話。

私たちは、そばを粉にすると言うと、
すぐに石臼をぐるぐると回すことばかり考えるが、
機械屋さんにいわせると、
石臼の段階までくれば、
もう、粉は挽けたも同然だという。

そばの実から粉にするまでの過程の中で、
石臼は最終段階。
それ以前に、細かな作業が施されて、
石臼で挽いているよりも、
時間も手間も費やされているのだ。

実際に、製粉工場を見てみると、
玄そばが石臼にたどりつくまでに、
様々な機械が配置されている。

質のいいそば粉を得るためには、
この前段階が欠かせない。
大まかに見ていくとこんな順番。

石抜き→玄そばに含まれている石や泥を取り除く。

磨き→玄そばの表面のゴミを取り除く作業。
玄そばの皮にはけっこう不純物が含まれていて、
これをブラシなどでこすり落とさないと、
そば粉の中に入り込む恐れがある。
けっこう時間のかかる作業のようだ。

選別→磨き終わってきれいになった玄そばを、
編目を通すことによって、
大きさごとに分ける。
ここで、細かい段階に分けた方が、
次の段階の効率が良くなる。

脱皮→玄そばの硬い皮を取り除く。
上手に選別されていないと、
この時点で「割れ」が生じて、
製粉効率が落ちる。

こうして、
やっと、石臼に入れられる、
「丸抜き」と呼ばれるそばの抜き身が出来上がるのだ。

製粉所では、
さらにその丸抜きを砕いて、
「大割れ」にしてから、
石臼に入れることが多い。

なるほど、
おいしいそばを作るために、
製粉屋さんも、
機械屋さんも、
目に見えないところで苦労されている。

そういう人たちの苦労に報いるためにも、
そばをおいしく食べていただけるように、
努力しなければ、、、、

と、なんとも優等生的にまとめてしまった今日の話。

→→→人気blogランキング

| | コメント (0)

2010年5月 7日 (金)

手形の残るそば粉

ある製粉機器のメーカーの人の話を聞いた。
中規模の蕎麦の製粉所の、
システムを作っている会社だ。
私は、製粉については詳しくないので、
話を聞いて、ずいぶんと参考になった。

今、手打ちそばを作る人は、
私を含めて、「石臼挽き」の粉を使うことが多い。

そば粉を作るには、他に「ロール挽き」があるが、
こちらは、均等な粒の粉が出来る。
しかし、「石臼挽き」の場合は、
ある程度粒のそろった、切断面のはっきりとした粒に、
様々な形状の細かい粒が混じってくる。
それが実に様々なのだ。

私も、時々は顕微鏡(というより高性能ルーペ)で、
粉を確認しているので分かるが、
製粉会社によって、この細かい粒の割合や形状が、
微妙に違う。

そばを打つと言う観点から見ると、
粒のそろった「ロール挽き」の粉の方が打ち易い。
「石臼挽き」でも、あまり細かい粒の多くない方が、
比較的、つながり易く、しっかりとしたそばになるようだ。
しかしながら、細かい粉があることによって、
そばに、膨らみ感が出て来たり、
滑らかな食感になったりする。

つまり、
「石臼挽き」の場合は、
挽かれた粉の、粒の大きさの分布状態で、
作ったそばの印象が変わってくる可能性があるという。

石臼に使う石の種類や、
刻まれた溝の間隔、形状によって、
その粒の割合が変わってくるのだという。

ふうん、そばの実を、
ただ粉にすればいいということではなく、
その店や製粉所にあった粉を作るために、
機械屋さんも研究しているのだ。

よく、握ってみて、
しっとりとした感じのそば粉がいい、
という職人さんがいる。
また、そば粉に手を突っ込んで、
指の跡がそのまま残るような粉がいい、
ともいわれる。

このために、石臼挽きのほうが、
熱が入らないから、湿気が保たれるなどと言われたりするが、
実は、そばに含まれる水分と、
触ったときのしっとり感は違うのだそうだ。

細かい粒は、ある程度以上の細かさ、
だいたい80ミクロンより小さくなると、
粒同士の結びつく力が強くなるといわれているいう。

いいかえれば、そういう細かい粒の多い粉ほど、
しっとりとした感じになるそうだ。

なるほどねえ。
やっぱり、そういう専門家から聞かないと、
分からない話はたくさんある。

粉については、まだまだ勉強不足。
感覚や思い込みではなく、しっかりとした科学としての、
知識を身につけていきたい。

Tegata

→→→人気blogランキング

 

| | コメント (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »