以前はひげ面の「野武士」、今のは京の「お公家さん」。
お客様から、醤油はどうなったのと聞かれることがある。
皆さん、ブログをお読みなのですね。
気に留めていただき、大変にありがたきこと。
今、ある蔵の醤油を選んで、調整中。
一升瓶の醤油が八本はいる瓶(かめ)に「かえし」にして入れて、
少しずつ、前の醤油と入れ替わっている。
「かんだた」では、みりんと醤油を合わせて加熱し、
そば汁の元になる「かえし」を作っている。
多くのそば屋さんでは、ここで砂糖を、
それこそ、これでもか、、、、と入れるのだが、
「かんだた」では、砂糖は使っていない。
みりんと醤油だけで作った「かえし」は、
ちょっと、小さめの前瓶に入れ、
少し(一週間ぐらい)おいてから本瓶に移していく。
つまり、継ぎ足していくわけで、
前の醤油の味も、まだ残っていることになる。
でも、やがて、新しい醤油の味に、
すべて、変わっていくことだろう。
敏感なお客様はすでにお気付けになられている。
「前より、洗練された味になったね。」
「ちょっと、コクが無くなったような気がする。」
お客様の舌はこわいもの。
醤油が替わったことを、ちゃんと気づかれる方もいらっしゃる。
以前に比べて、みりんの味が強く感ぜられるので、
「かえし」を作る配合を変えてみる。
また、加熱しても、醤油臭さを残した今までのものには、
雑味の多い、コクのある出汁が似合った。
でも、塩慣れの早い今の醤油には、
もう少し、すっきりとした「出し汁」が合いそうだ。
そらならば、使っている4種類の「節」の配合も工夫してみなければ。
ということで、
未だに、新しい醤油とのつきあい方を調整中。
少しずつ、僅かずつ、替わっていくのでご容赦を。
この醤油屋さん、実は、すごいところですよ。
店から、往復すると、
車で一時間以上の時間がかかってしまうけれど、
歴史の重さの感ぜられる蔵なのだ。
私のような軽薄な店と、
お付き合い頂けるかどうか分からないけれど、
また決まったら、
ぜひ報告したいところ。
皆さん、お楽しみに。
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