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2010年3月26日 (金)

けっこう多い「悪魔のような女喰い」

フランス映画「悪魔のような女」は、1955年の作品。
サスペンス映画として、当時はかなり話題になったようだ。
といっても、この年には、私はまだ、、、、
はい、一歳になったところです。

横暴な寄宿学校の校長。
その、あまりの暴君さに、
その学校の教師である彼の愛人、
そうして、彼の妻までもが共謀して、
彼を殺そうとする。

ある家に彼をおびき出した二人は、
睡眠薬入りの酒を飲ませる。
そうして酔っぱらわせて、水を張った浴槽に沈めて、窒息させようとするのだ。

苦しくなった男は、
顔を上げて息をしようとするが、
愛人は、その頭を抑え、水の中に沈めてしまう。
そうして、息の絶えた男を、トランクに入れて運び、
学校のプールに投げ入れるのであった、、、、。

最後まで、見てみないと結果が分からない、
古いながら、映像的な工夫があって、
なかなか、面白い映画。
ヒッチコックにも、ずいぶん影響を与えたと言われている。
97年にはアメリカでリメイクされたなあ。

さて、
そばを食べる話である。

そば通という方々に言わせると、
そばは、汁に全部つけずに、
少しだけつけて食べた方が、
そばの味が分かるらしい。
つまり、そばを、汁に浸してしまっては、
そばの香りや風味が分からなくなってしまうそうだ。
そばをつまんだら、シッポの方を少しだけ汁に付け、
そうして手繰ると、
まず、そばの風味や味が口の中に広がり、
汁の味が後から飛込んでくるというわけだ。

だから、汁にポチャっと漬けてしまっては、
そばの味が、死んでしまう、という。

私も、この考えには、大いに同感するところ。

でも、店でお客様の食べ方を見ていると、
半分近くの人は、そば全部を汁の中に浸して食べられている。

まだ、汁の表面を泳がせているうちはいいが、
箸でかき混ぜて沈めて、
さらに、そばを窒息させようとする方々もいらっしゃる。

ああっ、そばが苦しんでいる。
香りと風味が窒息しかけている。
なのに、箸で、さらに、汁の中に沈め込もうとしている。
そうして、ようやくぐたっーとしたところで、口に運ぶのだ。

これを私は、
「悪魔のような女喰い」と、
密かに呼んでいる。

けっして、この食べ方は、
「悪魔のような」女の人が食べているということではない。
「悪魔のような女喰い」をするおじさんもいるし、子供もいる。
ひょっとしたら「悪魔のような女喰い」をしない「悪魔のような女」もいるかもしれないが、それは私の関知しないところ。

とにかく、そばを汁に浸して、
そばの香りを窒息させてから食べる方が多いのは事実だ。
だからといって、
この映画の女性たちのように、
そばに恨みを持っているわけではない。
そういう食べ方が、当たり前だと思っていらっしゃるのだ。

かんだたの汁は、そういう風に食べるのには、
少し辛めだろうなあ、、、とは思うのだが。

でもねえ、
そんな汁に漬け込まれたぐらいで、
簡単には窒息死はするようなそばを、
お出しししているのも、どうだろうか。

多少手荒に扱われようが、
しっかりとしたそばを、
私は作りたいと思っている。
その程度のことで、味が消えてしまうようではいけない。
だから、そばを食べるのには、
そういうのも、一つの味わい方なのかもしれない。

ほら映画の「悪魔のような女」の結末だって、、、

ちなみに、この映画の女優はシモーヌ・シニョレ。
イブ・モンタンの奥さんとなった人。
アメリカ版のリメイクではシャロン・ストーンが演じた。
どっちにしても、女は怖い、、、、(と、いっていいのか)。

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