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2010年1月31日 (日)

多忙過ぎて休業、、、、「かんだた」ではありません。

何でもヨーロッパの権威あるレストラン雑誌で、
「世界で一番」と言われたレストランが、
スペインにある。

その名を「エル・ブジ El Bulli」。

スペインの北部、フランスの国境近くの、
交通の便の悪い小さな入り江に、
ひっそりとたたずむレストランなのだそうだ。

その辺鄙なところにあるレストランに、
世界中からグルメたちが訪れる。
「世界で最も予約の取りにくいレストラン」
と呼ばれている人気店だ。

地中海に面したこの地域は、
もともと、金持ちのヨーロッパ人のリゾート地。
そのため、レストランの営業は夏の半年あまりだけ。
それでも、この人気なのだ。

その人気を支えているのが、
シェフのフェラン・アドリアの作る独創的な料理。
その土地でとれる、ごく当たり前の素材を使って、
「えっ、これは何?」という、
驚きの一皿が、次から次へと、
テーブルの上に現れる、、、、、のだそうだ。

その、人気店が、2年間の休業を宣言。
シェフのフェラン曰く、
「忙しくて、くたくたになってしまった」からとか。

お客が来なくて閉店をする店は多いが、
忙しすぎて休業というのも、珍しい話だ。

でも、、、、
何となく分かる気がする。

El_bulli
たまたま、以前に手に入れておいた、
エル・ブジのレシピ本。
う〜〜ン、これは、料理というより、
芸術だなあ。
実際に食べに行った人の話では、
味を楽しむというより、その演出に驚かされる楽しみの方が大きいらしい。
常に、お客様に新鮮な感動を与えようとしているのだね。

だから、40席のレストランに40人のスタッフがいても、
シェフのフェランは大忙し。
店が閉店している冬の間は、
スタッフや他のシェフたちに、料理のワークショップを行っている。
だから、新しい料理を考える時間が欲しい、、、
とのことで、2年間の休業ということになるらしい。

料理の世界は、
今や、発想や想像力が問われるという。
昔ながらのことを、
ただ繰り返していたのでは、
大きな時代の変化の中を生きている、
お客様たちを満足させることは出来ないのだ。

そばの世界だって、
同じかも知れないなあ〜〜〜。
他と同じことをしていたのではいけない。
まねをしても、飽きられるだけ。

そんな訳で、新しいそばの世界を、
考えるために、「かんだた」も2年間の休業、、、、
なんて訳にはいかない。
私のような人間をたしなめる、
いいことわざが日本にはある。

「小人、閑居して不善を為す。」ってね。

フェランのような人だからこそ、
その休業も生かせるのだろう。
料理に必要な想像力と創造力を保つためにね。
でも、日本の全国紙に、
休業のニュースが載る「エル・ブジ」は、
、、、、、やっぱりすごい。

 

 

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2010年1月26日 (火)

「おいしいのはおそばです」と、七味唐辛子になぐさめられた。

先日の「唐辛子切り」で使った、
「八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)」の唐辛子。

この店は、善光寺門前にあって、
観光客の人気の高い店。
市内では、どこのお土産屋さんでも、
善光寺の絵の入った赤い缶の、
八幡屋の七味唐辛子が売られている。
でも、本店でしか売っていないバージョンもあり、
いつもお土産を求める人でにぎわっている。

この唐辛子屋さん、
江戸時代から、門前で商いをを始め、
最初は小さな屋台だったそうだ。
その唐辛子を買った客が宿坊に泊まり、
ご飯にかけて食べるので食が進み、
米が余計にかかると、
宿のものからは疎まれたとか。
でも、綿々と店を続け、
今では、門前に、なくてはならない店となった。

何でも、江戸時代から続く「七味唐辛子」は、
全国に三つあって、
京都の清水寺門前の「七味屋本舗」、
東京浅草の「やげん堀」、
そして、長野善光寺の「八幡屋磯五郎」なのだそうだ。

Isogorou1
照明の関係で色がきれいではないが、
善光寺の絵が入った赤い缶。
右側のものは、昨年行われた御開帳のバージョンで、
真ん中に回向柱が建っている。

かんだたも、そばの薬味に、
ぴりっと辛い「やげん堀」を使おうとも思ったが、
長野では、圧倒的な人気のこの唐辛子、
ちょっと俗っぽいけれど、あえて、
缶のまま使わせていただいている。

Isogorou2_3  
県外からお越しの方々の中には、
どのように使ったらいいのか、
分からずに戸惑う方もいらっしゃるが、
上のふたをまわして、
唐辛子の絵のへたの部分にあわせると
注ぎ口がある。

温かいそばなどに、
お好みで使っていただければと、
各席に置かせていただいている。
せいろなどでも、
そば湯をお飲みになる時に、
振りかけていただければ、
また、違った風味を味わえるかなあ、、、と。

ところが、
このごろ、多く見かけるのが、
せいろに盛られたそばに、
直接、振りかけて食べる方。
七味唐辛子をそばにまぶし、
そのまま、そば汁につけてお食べになる。
そばの風味より、
唐辛子の味の方が強くなってしまうのでは、、、
などと、余計な心配をしてしまうのだが。

さて、この「八幡屋礒五郎」さん。
宣伝の仕方も、お上手。
実に大切に、ご自分の商品をブランド化している。

そのテレビコマーシャルの一つ。
ある男性が、そば屋でかけそばを注文する。
そのかけそばに、ちょっと、八幡屋磯五郎の七味をふりかけ、
食べ始める男性のうまそうな顔。
そうして、最後にナレーションの一言。
「おいしいのは、おそばです。」

七味唐辛子は、脇役なんですよ、、、
と言いながら、しっかり自己主張しているのだ。

店で時々いらっしゃる、せいろそばに、
まんべんなく七味唐辛子を振りかけて、
そうして、召し上がるお客様。
それはそれで、面白い食べ方かもしれない。

でも、
やっぱり、
「おいしいのは、おそばです。」
、、、、と言われたい。

ええい、
七味唐辛子に負けない、
しっかりとしたそばを作ろう。

 

 

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2010年1月24日 (日)

八幡屋礒五郎の唐辛子を打ち込んだ「そば」

一年で一番寒い時期と言われるが、
ここのところ、比較的あたたかな日が続いているようだ。

でも、この寒い季節に、
身体の中から暖まっていただこうと、
今日は「唐辛子切り」を楽しんでいただいた。

食べた時はそれほど辛くはないが、
後で、じわっと身体が暖まるそば。
食べた方々には、おおむね好評。
中には、辛さが足らないという方も、
いらっしゃったようで、、。

Tougarasi1

今回使った唐辛子は、
地元長野の「八幡屋礒五郎」の一味。
これ、他の会社の一味に比べて、
かなり辛めな気がする。

Tougarasi2

そのままでは、粒が粗いので、
ミルを使って、さらに細かい粉にする。

Tougarasi3

粉を舞い上がらせないように注意して、
湯まわしの終わった更級粉に、そっと、混ぜ込む。

Tougarasi4

色も、見るからに辛そうな感じになった。
でも、辛いのが苦手な私でも、
平気で食べられる位の辛さ。
そばに練り込まれているので、
お腹に入ってからぽかぽかとした感じがする。

毎月一回位やっている、
こんな変わりそば。
次回は2月21日の「ポパイ切り」。
お楽しみに。

 

 

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2010年1月21日 (木)

諏訪の御柱祭は、この春に行われる。

世の中には、
石頭と言われる、頭の固い人がいるみたいで、
私何ぞは、自分では、
充分に柔らかな頭を持っているつもりでも、
世の中から見れば、固い方なのかもしれない。

「頑固」と言えば聞こえがいいが、
「頑迷」と呼ばれると、
なにか、世の中から取り残されている気がする。

でもねえ、
この人の場合はどうなのだろう。
いくら、
私が頭が固いからって言っても、
これにはかなわない。
なにしろ、
300年も、ここに座っているって言うじゃないか。

 
 

Manji1

仏様に失礼なことだが、
目に入った時に思わず笑ってしまった。

Manji2

ただの大きな石に、
ちょこんと首が載っただけで、
この存在感はすごい。

Manji3

諏訪神社、下社春宮の近くのある、
万治の石仏。

長野から、各駅停車に乗って、約二時間。
七年に一度と言う、
御柱(おんばしら)祭の準備の進んでいる諏訪に
日帰りの冬の旅。

Harumiya

春宮に建つ「御柱」。
これを立て替えるために、
丸太を引いてくるのだ。

Akimiya1

秋宮の注連縄。
これを見ただけで、
この神様も「頑固」そうだな〜などと、
勝手な想像をする不信心者。

Akimiya2

杉の木の「いびき」。
聞いてみたい気もする。

Akimiya3

諏訪は温泉が豊富。
神社の境内にも、
散歩道の脇にも、
お湯が流れている。

駅の構内にも足湯があるし、
かっての製糸工場の跡の、
立ったまま入る千人風呂なんぞが有名。
(もちろん入浴)

ということで、
そばの出て来ないそば屋の休日。
少しは、頭も柔らかくなったかどうかは、
、、、、、、不明!

 
 
 

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2010年1月16日 (土)

出汁を使わない「釜ゆで」

寒い日が続いている。
今日の長野は、昨日に引き続き、
最高気温が氷点下という真冬日。

皆さん背中を丸めて、
「寒い、寒い。」といいながら、
店に入って来られる。

いくら、
寒い季節がそばのおいしい時期とはいっても、
こういう時には、温かいドンブリのそばが出る。
身体の中から暖まりたいものねえ。

そこで、かんだたでお出しいている温かいそば、
「釜ゆで」のご紹介。

Kamayude

この「釜ゆで」は、いわゆる「かけそば」とは違う。
何が違うって?
張ってある汁が、「出汁」ではなく、
「そば湯」なのだ。

温かいそばと言うと、
たっぷりと出汁のうまみを効かせた汁で食べさせる、
「かけそば」が基本。

でも、私はちょっと、考えた。
出汁の味を効かせた「かけそば」は、
どうしても、その汁の味で食べてしまう。
だから、そばの味が出にくくなってしまう。

機械打ちだろうが、手打ちだろうが、
足打ち(!)だろうが、そばの性質にはこだわらずに、
汁のうまさだけで、食べられるのだ。

せっかくの、国産の粉を使った手打ちそば。
もっと、そばの味を生かした食べ方はないのだろうか。

ということで、私は、もう少し考えた。

もっと考えた。

疲れてしまった。
ああ、腹減った。

ということで残ったそばでも食べるか。
茹でたそばをいちいち洗わず、
職人食いで済まそう。
そう、昔、忙しい厨房にいたそば屋の職人たちは、
空腹になると、こんなそばの食べ方をした。
そばを茹でると、洗わず、そのままドンブリにあけ、
そば湯を注いで、醤油をたらして食べるのだ。

これが、意外にいける。

シンプルな醤油の塩辛さが、
そばの味を引き立てるのだ。
そうして、そば湯がこくを与えてくれる。

これを、お客様に出せる一品に出来ないか。

そうして、工夫して作ったのが、
この「釜ゆで」。
こういうそばの出し方をする店は、
ごく少ないと思う。

醤油とみりんで専用の返しを作ることによって、
そば湯で割っても、うまみのある汁ができた。
これならば、そばそのものの味で、
暖かいそばを楽しんでいただける。

出汁を使わないので、みりんと、醤油の素材の良さに、
かなり頼るところのある一品でもある。

そうして、問題なのが、
茹でてから洗わずとも、
溶けてしまわないそばを作ること、、、。

などと、ウンチクを言い出すと長くなりそうなので、
このへんで。
「そばはせいろに限る。」という方も、
ぜひ一度は、温かいそばもお試しを。
だまされた気分で、、、、

あっ、だましちゃった。!

 

 

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2010年1月12日 (火)

春の野の色を楽しむ「すずしろ切り」

せりなずな、ごぎょうはこべらほとけのざ、
すずなすずしろ、これぞななくさ。

お経ではありません、
春の七草を表した歌のこと。

この最後の「すずしろ」がこれ。

Suzusiro

と、この菜っ葉を見ても、なんだか分かるまい。
これは、大根の葉。
春の七草用に栽培された、大根の若菜なのだ。

ということで、今年最初の「十割そばの夕べ」。
変わりそばに選んだのは、
この、大根の若葉を使った「すずしろ切り」。

たくさんの栄養を含むと言う、
大根の若菜をそばに打ち込んで、
皆様が健康な一年を過ごせますようにと言う、
願いを込めての変わりそば。

菜っ葉ゆえに、それほど味のあるものではないが、
見て欲しい、このきれいな色。

Suzusirokiri

今夜は、雪のちらつく寒い夜になったけれど、
こうして、春の野の気分を、
味わっていただきたいものだ。

子供の頃から、
大根の葉っぱは、さんざん食べさせられた、
というお客様が、
懐かしい香りを、ほのかに感じるとおっしゃっていた。

それでも、今回の「すずしろ切り」は、
色を楽しむそばなのかもしれない。

長野の明日は、
大雪との天気予報。
風邪をひいて来られないとのご連絡のお客様も。
まだまだ、これからが冬本番。
元気に過ごしましょう。

 

 

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2010年1月 8日 (金)

寒いと「水まわし」に時間がかかる。

Mizumawasi

この寒い季節、空気の冷えきった打ち場で、
毎朝、毎夕そばを打つことになる。

そば粉も冷えきっているせいか、
最初の水廻しに、少し時間がかかるようだ。
また、冬は空気が乾燥しているせいもあり、
加える水の量も、夏に比べれば多めになる。

毎日そばを打っていて実感するのが、
この水回しの作業の大切さ。

よく、
「打ったそばが、茹でると切れてしまう。」
という相談を受けるが、
そば粉自体の問題の場合もあるが、
この、水回しの不足も大きな原因の一つ。
しっかりと、均一に、水が回るようにしなければ。

私の場合、最も腰に負担がかかるのが、
この水回しの作業。
何しろ、身体に対して、横の力を働かせるのだからね。
だから、しっかり、足を開いて踏ん張り、
身体全体で、そば粉をかき回す。

まるで、ガマガエルが、
マージャン牌をかき混ぜているみたいで、
あまり、かっこいいものではない。
おまけに、このマージャン牌、
だんだんと、重くなって行くんだよねえ。

ここのところをしっかりやらないと、
お客様に「チョンボッ!!!」て、
怒られそうな気がしてしまう、気弱な私。

そうして、全体がしっとりとして、
粘りが出るまで、しっかりとかき回す。
そうすると、そば粉の方で、
もう、くっつきたいと言ってくるから、
そこで一気にまとめてやる。

Kukuri

両手を使っての「くくり」。

二つの玉が出来上がる。
これをまとめて、こね上げることになる。
しっかりと、粘りの出るまでかき混ぜれば、
ほら、こね鉢にそばがこびり付いていないでしょう。

暑い日は、暑い日なりに、
寒い日は、寒い日なりに、
柔軟にそばの打ち方を変えて行けるといい。

ある老舗のご主人が言っていた、
「木鉢が大事」という意味が、
少しは、分かったような分からないような。

いずれにしても、
「手打ち」をするには、
身体が基本。
腰が「あいたたた、、、」
なんて言っていると、
消極的なそばになること間違いなし。
腹筋運動とストレッチ。
これを続けなければ。

 

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2010年1月 3日 (日)

「そば」を味わう変わりそば。

Kadomatu2

あけまして、おめでとうございます。

今年も懲りずに、
門松を作りました。
今回は飾りもつけずにシンプルに。

年末の年越しそばから、
正月の営業へと、
睡眠不足のジェットコースターのような日々。
それも終わり、明日からは通常営業。
今度は別のジェットコースターへの乗り換えだったりして。

年越しそばのご利用、ありがとうございました。
遠方からのご注文もあり、うれしい限り。
また、正月には、
雪降りの中を、多くの方にお越しいただき、
ありがとうございました。

Yuzu

年末の日曜日に行った「ゆず切り」。

この「ゆず切り」と「茶そば」は、
変わりそばの中でも、
私の好きなもの。

表面に傷のないユズを選んで、
細かいおろし金で、
ごく、表面の皮だけをすりおろす。
一個から、ほんの少ししかとれない。
でも、そのほんの少しで充分。
いつもの更級に打ち込むだけ。

それだけで、
そばを口にした時に、
ほわっとした香りが口全体に広がる。
それと同時に、
そばの持つ甘みが、ぐっと引き立つのだ。

この、組み合わせの妙は、
まさに、銭湯に富士山、
梅にウグイス、虎に竹やぶ、小野道風にカエル、
鹿には紅葉、牡丹に蝶(ンっ?)、、
などと言う、俗っぽい安心感すらあるような気も。
さすが、昔から愛されている変わりそばなのだ。

変わりそばというと、
混ぜ込むものの味とか、色とか、
香りとかが強調されることが多いが、
やはり、一番は「そば」なのだと思う。

本来は、ほんの遊び心から出た変わりそば。
そばの味を、
その隠れた味を、
きちんと引き出すような組み合わせが、
やはり、一番なのだろうなあ。

いろいろな、組み合わせを、
まだまだ、試していきたい、、、、
という、今年の抱負。

皆さん、実験台になってください。
ええっ!
何を食べさせられるの?っっっっっ、
、、って、そんなに身構えなくても、、、、。

 

 

変わりそばが食べられる「十割そばの夕べ」は、
1月12日(火)。
定例の変わりそばは、
1月24日(日)昼のみで「唐辛子切り」。

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