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2009年8月29日 (土)

江戸時代の「駅路そば」は今でも。

さて、前回からの続き。

お客さまが、
ある観光地の賑わっているそば屋に入ったそうだ。
混んでいる割に、そばはすぐに出てきた。
でも、そのそばが、すごく水っぽく感じられた。
どうして、あんなに水っぽいそばになってしまうの?

という話だった。

それを説明するには、
さて、
話は江戸時代にさかのぼる。
(いつもながら強引だ)

あるところに「駅路そば」というのがあって、
繁盛したそうだ。
ここのそばは、さくさくとしていて、
ずいぶんと、軽い風味だ。
忙しくても、あまり待たせないのも、
魅力だった。

ある時、どうやって、
このようなそばができるのか、尋ねたところ、
親父が答えるには、
朝に一度に茹でておいて、
水にさらしておくのだという。
なんのことはない、
すっかり水でのびきったそばを、
食べさせられていたのだ。

と、江戸時代の「蕎麦全書」に書かれている話。

私が若い頃、
アルバイトで働いたスキー場の食堂では、
お昼前になると、どんどんとそばを茹でてしまう。
そうして、大きな水槽に、たくさんのそばを、
それこそ、泳がせておくのだ。

ザルそばの注文があると、
その水槽からそばをすくって、
水浸しのまま盛り付ける。
注文の殺到するお昼時、
相手は腹ぺこのスキーヤー。
注文を受けてから、
いちいち茹でてなどいられないのだ。

太い田舎そばなので、
少しぐらい水に浸かろうが、
びくともしない。
けっこう、スキーヤーには人気のメニューだった。

そう、
今でも、忙しい店では、
この方式で、そばを茹でておくのだ。

大きな店では、お客さまの注文があってからでは、
いくつもの釜があっても間に合わない、
それで、開店前からあらかじめそばを茹でておくのだ。

そうすれば、注文受けて、盛るだけでいい。
温かいそばであれば、ちょっと手振りをすればいいだけだ。

きっと、お客さまのいかれた店は、
そういう店だったのだろう。
観光地の、規模の大きなそば屋ということだから。

こういう店では、たいてい、
そばの味では勝負できないことが分かっているから、
天ぷらや種物、おつまみなどのサイドメニューを充実させて、
お客さまの満足度を上げている。
それも、一つの商売の方法ではないだろうか。

たくさんのお客さまをお待たせしない、
いろいろなものを食べることができる、
そばの質にはこだわれないけれど、、、、
というそば屋も、観光地では求められているのだ。

商売べたの私なんぞ、
注文がある毎に、釜を湧かしているから、
はなはだ効率が悪い。
お客さまにはお待たせをして、
時に渋い顔をさせてしまう。
これも、少しでも、
おいしくそばを食べていただくためなので、
ご勘弁を。

私にも、そばをため置きしておく、
勇気と度胸があれば、
もっと、もうかるのかなあ〜〜〜。
その前に、お客さまが来なくなるか、
こんな路地裏まで。


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コメント

続きを待っていました。
なるほど、そういうわけなんですね。
いやあ、うまい蕎麦だけでもうかる仕組みができるといいですね。

投稿: 所沢太郎 | 2009年8月30日 (日) 01時33分

所沢太郎 さん、こんにちは。
いえいえ、全ての観光地のそば屋さんが、そうだとはいえません。きちんと、茹でたてを出しているところもあります。
大きい店では、それなりの工夫と努力がされているのですね。

投稿: かんだた | 2009年8月30日 (日) 07時05分

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