手打ちの限界
「すみません。そばが無くなってしまいました。」
せっかく、お店に来ていただいたのに、
そういって、お断りしなければならない。
お客さまの、がっかりとした顔。
やっと探して、たどり着いたのに、
そばが食べられないという落胆。
本当に申し訳ございません。
手打ちというのは、
実に効率の悪い生産方式なのかもしれない。
せっかく、来られた方々に、
私のそばを食べていただきたい。
そう思って、たくさん打とうと思っても、
数が限られてしまうのだ。
そば打ちも、
料理も手作りの店。
でも、作るのは私一人。
だから、どうしても限界がある。
ほとんど眠らず、
そば打ちをしながら、
こくりこくりとしたりする。
たまに4時間も寝られると、
ああ、よく寝たなあという感じ。
それでも、たくさんの方々を、
お断りしなければならない恥ずかしさ。
毎日10キロ前後のそばを打ちながら、
今さらのように感じる私の未熟さ。
どんなに忙しくても、
たとえ疲れていても、欠伸をしながらでも、
きちんとした麺線だけは保たなくては。
さて、善光寺の御開帳は間もなく終了。
その後の静けさのことを思うと、
背筋がぞくっとする。
だから、今、お越しになるお客様を、
大切にしなければ。
ということで、もう一踏ん張り。
、、、でも、
意外と丈夫な私の体。
毎日そばを食べているせいだろうか。
こんなに働いたことは、
今までなかったなあ〜〜〜。
重ねて、
売り切れでお断りしたお客さま。
本当に申し訳ございません。







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