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2009年4月14日 (火)

濃いそば湯を出せば怒られた。

暖かい、というより暑い日が続き、
そうして、今日は雨。
あっという間に咲いた桜は、
これで散ってしまうのだろうか。

さて、引き続きそば湯の話。

そばを食べた後にお出ししているそば湯。
これは、本来は、そばを茹でた湯を、
釜から湯桶に注いでお出しする。

そばを茹でる湯は、
最初はあっさりしているが、
そばを茹でるにしたがって、
次第ににごり、とろんとしてくる。

さて、そば湯としては、
「あっさり」よりも「とろん」の方がおいしそう。
でもね、
ちょっと、昔の粋な「そば通」は、
「あっさり」の方を好まれたようだ。

そばを茹でるには、
微妙な時間調整が必要。
その日のそばの太さや水加減、
気温や湿度によっても、
変わってくるそうだ。(ひとごと!)

さらに、
釜の湯の状態によっても、
ゆで時間が変わってくる。

「あっさり」の湯は、
早く茹であがるのだが、
「とろん」の湯は、
時間がかかる。
「とろんとろん」になると、
そばの角が溶けるぐらい茹でても、
芯が残っていたりする。

だから、
店の方では、そばの釜の湯を頻繁にかえて、
「あっさり」と「とろん」の間ぐらいの茹で湯を、
いつも釜に用意しなくてはいけないのだ。
忙しいときなど、
湯をかえるタイミングが難しい。

しゃきっとした茹で上がりのそばを、
お客さまに召し上がって頂くためには、
そんな、釜の湯の調整が必要。

私の子供の頃に行ったそば屋でも、
そば湯を飲んで、
こんなことを言っている人がいたなあ。
「何だ、このそば屋は!
 こんな濃い湯で、そばを茹でやがって!
 ブツブツ、、、、。」

濃いそば湯を出すのは、
職人が、湯を入れ変えるのを、
さぼっている証拠。
だから、しゃきっとしないそばが出てくるのだ、、、
と、昔の通人は考えたようだ。

そば湯は、そば屋が、
このそばを、こういう湯で茹でましたよ、
という証明でもあったらしい。

だから、うるさいお客には、
わざと、お湯で薄めたそば湯を出した、
そんな職人がいたとか、いなかったとか。

今では、濃い目のそば湯が好まれるようになった。
だから、別にそばの溶き湯を用意する店も多くなった。
そば湯というのが、
単なるそばの付属品ではなく、
一品として認められてきたのだなあ、
と思う。

でも、
こんな意味合いもあったことも、
知っておいてほしいところ。


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コメント

はじめまして。
そば湯ひとつとっても、奥が深いんですねー。
今までそば湯の濃さを気にかけたことありませんでした。
今は沖縄在住なので、なかなか日本そばを味わう機会がなく
恋しい味になっています。
ランキング、ぽちっ!

投稿: hiro | 2009年4月16日 (木) 11時48分

hiro さん、こんにちは。

コメントありがとうございます。
沖縄には「沖縄そば」がありますが、日本そばとは違いますものね。やはり、味あう機会が少ないのでしょうか。
先日も沖縄ではありませんが、九州から来られた方に、そば湯はどうやって飲むのか、尋ねられました。
あまりそばは、召し上がらないようです。

ランキング、ぽちっ!をありがとうございます。
hiroさんのほうにも、ランキング、ぽちっ!

投稿: かんだた | 2009年4月16日 (木) 22時45分

はじめまして。
昔、社員旅行で長野に伺った際にタクシーにおまかせで行ったそば屋が美味しかったのですが、みんながそば以上に感動してたのがそば湯でした。
地元にはない濃厚さだったのです。
周囲の地元客は頼んでいなかったようなので、「あまり頼む人がいないので煮詰まってるのかな」などという結論に。
今考えると一人分の湯量なんて知れてるし、見当違いでしたね。(笑)

投稿: 孤狼 | 2012年7月13日 (金) 07時23分

狐狼 さん、こんにちは。

そば湯は、昔と認識が変わってしまいましたね。
今は、濃厚なものが好まれるようになりました。

昔は、澄んだそば湯でそば汁の出汁の香りを楽しむのが、そば通と言われたものです。

投稿: かんだた | 2012年7月14日 (土) 06時37分

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