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2009年4月27日 (月)

草の香り「よもぎきり」

昨日の日曜日は、
月例の変わりそばの日。
今回は「よもぎ切り」。

Yomogi

畑の畦に、萌え出したよもぎ。
それを、摘んできて、
そばに打ち込み、
春の草の香りを楽しもうという趣向。

ところが、御開帳で訪れた方々で、
店は大混雑。
せっかく来られたご常連の皆様、
店に入れなかったり、
売り切れになってしまったりで、
大変ご迷惑をおかけしました。
申し訳ありません。

この、「よもぎ」という草、
古くから、身近にある薬草として、
親しまれてきた様子。
お灸に使う「もぐさ」は、この草から作られるし、
生の葉は止血に、乾かして煎じて飲めばお腹に効くし、
風呂に入れれば、痔などにもよろしいようで。

もちろん、草餅にして食べるのも、なかなかおいしい。
この草は、ビタミンやミネラルが豊富なので、
昔の人は、ちゃんと工夫して食べていたのだ。

昨年は、そばに混ぜる量が、ちょっとちょっと多すぎたので、
今年は控えめに。
写真ではきれいな色が出なかったが、
実際には、さわやかな色と香りになった。

Yomogigiri

このそばは、よもぎが繊維質が多く、
よくつながるので打ちやすい。
でも、打つ前に、包丁は良く研いでおかなくては。
そうしないと、「切り」で苦労することになる。

普段は、切り板に引っ掛かるからと、
もっともらしい言い訳をして、
包丁をそのままにしておいた私でも、
前の日に、しっかりと、研ぎ直しておいた。
おかげで、今年は、きれいに切れたなあ。

5月は、混雑が予想されるので、
「変わりそばの日」はお休み。
また次回をお楽しみに。
(小声で、、、6月は茶そばの予定。)


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2009年4月22日 (水)

御開帳で認識する善光寺の力

今月から始まった「善光寺御開帳」。

連日、大勢の方が、
善光寺に参拝に訪れていらっしゃるようだ。
特に、週末は、ものすごい人で、
ごった返しているという。

かくゆう、
善光寺本堂前から、徒歩で20分。
空き店舗の目立つ、権堂アーケードのさらに路地裏にある、
怪しいそば屋。
そんな店でも、
土曜日曜には、
開店と同時に席が埋まってしまうくらいなのだから。
きっと、表通りは、
人で溢れかえっていることだろう。

皆様には、
ご迷惑をおかけしています。
特に、ご常連の皆様、お待たせしてすみません。
遠方から、わざわざお越しの皆様。
並んでいただいて、ありがとうございます。

お客さまの話では、
ご本尊とつながっている、本堂前の回向柱に触るだけで、
一時間近く並ばれたそうだ。
ニュースによると、
この前の日曜日には、
一日で20万人の人が、善光寺に参拝されたとか。

遠くから、大勢の人を惹き付ける、
善光寺の魅力。
その地元で、商売をしながら、
改めて、その偉大さに気付く、
のろまなそば屋の店主。

せめて、せっかく長野にいらした方々に、
きちんとしたそばをお出しし、
そして、楽しい時間を過ごしていただくように、
精いっぱい努めなければ。

長野は、善光寺を中心とした門前町として発展したところ。
そんな、町中には、
様々な言い伝えや信仰の跡がある。
そんな、長野の町を案内する、
ボランティアのガイドツアーに参加されるのはいかがだろうか。
長野の町の姿が違って見えるかもしれない。

→ 歴史の町長野を紡ぐ会。

また、古いマックを使っている私は見られないのだが
インターネットで、
善光寺本堂の様子を見れるライブカメラもある。

→ 善光寺御開帳インターネットライブ配信


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2009年4月17日 (金)

そば汁はそば湯で試される。

しつこくそば湯の話。

そばを食べ終わった後の楽しみが、
そば猪口に残った汁に、
そば湯を割って飲むこと。

冷たい汁に、温かい湯を注ぐと、
ふわりとだしの香りが立って、
まるで吸い物をいただくような按配になる。
少し残しておいた薬味のネギなんぞを放り込んで、
好みの濃さで味わってみれば、
ああ、そばを食べたなあという満足感にひたれる。

そば汁というのは難しいもので、
これでもか、というほどの濃いだしを使うのに、
その香りを残してはいけないようだ。
あくまでも主役はそば。
そば汁が出しゃばっては元も子もない。

だから、時間をかけて湯せんしたり、
冷蔵庫で寝かしたりして、
その香りを飛ばしたり、閉じ込めたりする。
そばを食べさせる役目を終えて、
そば汁にそば湯を注ぐ時、
その閉じ込められていた香りが解放され、
魚のだしの味がぐっと引き立つ、、、、、

、、のが、理想のそば汁なのだけれど、、。

ある、そばの評論家の方も書かれている。
そば湯を、汁にさして飲むと、その汁の善し悪しが分かる、、、と。

そば湯をさしても、
味の変わらず「同じ味」で伸びる汁が、
良い汁らしい。
しっかりとだしが利いていないと、
甘くなったり、水っぽくなったりするという。

そば湯は、そば汁の、
素性を暴く、
そば屋にとって怖い湯でもあるのだね。



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2009年4月14日 (火)

濃いそば湯を出せば怒られた。

暖かい、というより暑い日が続き、
そうして、今日は雨。
あっという間に咲いた桜は、
これで散ってしまうのだろうか。

さて、引き続きそば湯の話。

そばを食べた後にお出ししているそば湯。
これは、本来は、そばを茹でた湯を、
釜から湯桶に注いでお出しする。

そばを茹でる湯は、
最初はあっさりしているが、
そばを茹でるにしたがって、
次第ににごり、とろんとしてくる。

さて、そば湯としては、
「あっさり」よりも「とろん」の方がおいしそう。
でもね、
ちょっと、昔の粋な「そば通」は、
「あっさり」の方を好まれたようだ。

そばを茹でるには、
微妙な時間調整が必要。
その日のそばの太さや水加減、
気温や湿度によっても、
変わってくるそうだ。(ひとごと!)

さらに、
釜の湯の状態によっても、
ゆで時間が変わってくる。

「あっさり」の湯は、
早く茹であがるのだが、
「とろん」の湯は、
時間がかかる。
「とろんとろん」になると、
そばの角が溶けるぐらい茹でても、
芯が残っていたりする。

だから、
店の方では、そばの釜の湯を頻繁にかえて、
「あっさり」と「とろん」の間ぐらいの茹で湯を、
いつも釜に用意しなくてはいけないのだ。
忙しいときなど、
湯をかえるタイミングが難しい。

しゃきっとした茹で上がりのそばを、
お客さまに召し上がって頂くためには、
そんな、釜の湯の調整が必要。

私の子供の頃に行ったそば屋でも、
そば湯を飲んで、
こんなことを言っている人がいたなあ。
「何だ、このそば屋は!
 こんな濃い湯で、そばを茹でやがって!
 ブツブツ、、、、。」

濃いそば湯を出すのは、
職人が、湯を入れ変えるのを、
さぼっている証拠。
だから、しゃきっとしないそばが出てくるのだ、、、
と、昔の通人は考えたようだ。

そば湯は、そば屋が、
このそばを、こういう湯で茹でましたよ、
という証明でもあったらしい。

だから、うるさいお客には、
わざと、お湯で薄めたそば湯を出した、
そんな職人がいたとか、いなかったとか。

今では、濃い目のそば湯が好まれるようになった。
だから、別にそばの溶き湯を用意する店も多くなった。
そば湯というのが、
単なるそばの付属品ではなく、
一品として認められてきたのだなあ、
と思う。

でも、
こんな意味合いもあったことも、
知っておいてほしいところ。


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2009年4月10日 (金)

「お信濃湯」と「お雛湯」

今日は長野はかなり暖かかったらしい。
蔵の中にいるので、よく分からなかったが、
暑い暑いと言って入って来られる方もいた。
これで、桜が、一気に咲いてしまうことだろう。

さて、そば湯の話。

東京の老舗のそば屋では、
そば湯のことを「おしなゆ」と呼ぶそうだ。

漢字で書くと「お信濃湯」。

これは、江戸時代に、
信濃の習慣が伝わったからといわれている。

そばを食べた後、
腹に持たれないように、
汁物を飲む習慣が、
そばが広まった江戸時代の初め頃からあったようだ。

「蕎麦全書」なる江戸時代中頃の本にも、
そばの後の汁は、豆腐のみそ汁が良い、、、
等と書かれている。

それが、信州から、
茹でたそばの湯を飲む習慣が伝わった次第。
なるほど、これならば、
そばの成分を生かせるし、
残った塩っぱいそば汁も無駄にならない。
そうして、そばを食べた後の腹ごなしになる。

そのようなことで広まった習慣なのだろうか。

でも、この「おしなゆ」には、
別の説もある。

漢字で書くと「お雛湯」。

えっ、それじゃ「おひなゆ」じゃないかと、
多くの方が思われるのが当たり前。

ところが、江戸っ子という奴は、
「ひ」が発音できなくて「し」になってしまうのだ。
だから「お雛湯」と書いて「おしなゆ」。

「お雛」とは、新入りの職人のこと。
「まごつき」とも呼ばれるように、
調理場の中を行ったり来たりしている。

さて、この「お雛」は、
先輩たちがお茶で一服しているときも、
お茶を飲ませてもらえない。
だから、釜のそば湯をすくって飲んでいたのだ。

そうして、修行の身の辛さを、
この「お雛湯」で、身をもって感じていたのだ。

私なんざあ、偉そうなことを言っているけれど、
そばの世界では、ほんのヒヨッコ。
せいぜい「お雛湯」を飲みながら、
ブログを書くことにしよう。

えっ!
そば湯を注ぐ前に、何か入れただろうって!

そんなあ。
わはははは。


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2009年4月 7日 (火)

お釈迦様の誕生日に「甘茶切り」(前日だけれど)。

苦労してものを作ったのに、
役に立たなかったり、すぐに壊れたりして、
使えないことを「おしゃかになる」という。

これは、もともと、
鍛冶職人の間で使われた言葉だったという。
鍛冶屋がものを作る時には、
微妙な火加減が必要。
出来損ないになってしまったのは、
「火が強かった。」

ところが、江戸っ子は「ひ」を「し」と発音する。
そうすると、
「しがつよかった。」と聞こえる。
つまり「四月八日」に、聞き取れる。

四月八日はお釈迦様の誕生日。
そこで、「おしゃかになる」となったらしい。

ということで、
本日は十割そばの夕べ。
みなさんありがとうございました。

明日四月八日はお釈迦様の誕生日ということで、
それにちなんで、本日の変わりそばは、
「甘茶切り」。

Amacha

甘茶を煮出して、それでそばをこねる。
淡い茶色のついたそば。

食べれば、ほのかな甘みと、
煎じた草の香りが口の中にほんのりと残る。

甘茶とはガクアジサイの仲間で、
その葉を、干してから蒸らすと、
独特の甘みが出てくるらしい。

昔は天然の甘味料として、
珍重されたという。
確かに、飲んでみるとかなり甘く感じる。
砂糖の甘さと違い、舌の奥の方で感じる甘さだ。

甘茶は一般には売られていないが、
漢方薬局で取り扱っていることが多い。
私はお茶屋さんに注文したけれど、
めったに売れないそうだ。

クリスマスばかりが大騒ぎするけれど、
お釈迦様の誕生日だって、
注目されたっていいはずだ。
ちなみに善光寺では、
この地方の常として、
一月遅れの5月8日に灌仏会が行われる。

という、
真面目な変わりそば、、、、。


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2009年4月 5日 (日)

そば湯には、そばの成分が溶け込んでいる?

さて、そばには、良質なタンパク質が含まれている。
でも、そのそばを茹でると、
ゆで汁の中に、そのタンパク質が溶け出していくようだ。

どのくらい溶け込むのかというと、、、、

ビタミン類を含めて、
かなりたくさん溶けるという人もいるし、
いいや、せいぜい打ち粉が溶け込んだ程度で、
そばそのものの成分は、あまり溶けていないという人もいる。

いろいろな説があって、
まあ、よく分からない。
でもほんの二三人分を茹でただけで、
上澄み汁はとろっとしてくるから、
それなりの成分が含まれているのだろうなあ。

そば屋では、その、とろんとした上澄みを、
湯桶に入れてお出しする。

下の方には打ち粉の解けきらないカスが沈むので、
たいていの湯桶は、そのカスを入れないために、
桶の途中から口が出ている。
そこが、お茶をを入れる急須とは違うところ。

ところが、わざわざ、湯桶をかき回して、
沈んだカスまで、一緒に飲まれる方もいらっしゃる。
口の中が、いがらっぽくなるのになあと、
心配するが、好きずきなのだろう。

私は、小さい頃に、
何人かの人にたしなめられたことがあるので、
湯桶をかき回すのには、いまだに抵抗がある。

まあ、そばの食べ方も、
あまりうんぬん言われなくなった今の時代。
そば湯だって好きに飲んでいただいた方がいいのだろう。

なんて話を、前にも書いたなあ。

そば湯を掻き混ぜて飲むのは、、。


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2009年4月 2日 (木)

そば釜に膜が張る。

営業の終わったそば釜の湯を、
そのままにしておくと、
表面に薄い膜が出来る。

これは、牛乳を温めた時と同じで、
冷めるにつれて、タンパク質の膜ができるようだ。
この膜が釜の淵などにこびり付くと、
洗うのがたいへんなので、
釜はできるだけ熱いうちに洗う。

そばには、米や小麦に比べると、
タンパク質を多く含んでいる。
だいたい12〜16パーセントを含むそうだ。

卵のタンパク価を100とすると、
そばは81。
それに比べると米は72、小麦は47なのだそうだ。
そばは、それだけ、
良質なタンパク質を含んでいるようだ。

ただ、タンパクのアミノ酸組成で見ると、
小麦を合わせることによって、
さらにバランスが良くなるという。
つまり、体に必要な必須アミノ酸を万遍なくとるためには、
十割そばよりも、
日常的に二八そばを食べた方が、良いということ。
なるほどなあ。

ということで、
釜にこびり付くそば湯の膜。
せっかくのアミノ酸なのだから、
これを使って、、、、

いや、それよりも、
おいしいそばを食べていただいた方がいいかなあ。
等と考えながら、
今日も釜をごしごし洗うのだ。


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