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2009年3月27日 (金)

引く技術

パリのメトロに乗る時には、
機械式の改札を通る。
降りてからは改札はなく、
内側からしか開かない扉があり、
その扉を押して外に出る。

日本の改札に比べれば、
驚くほどあっけない。
切符すら回収されないのだ。

扉を押して外に出てしまえばいい。

ついその気になって、
安ホテルからで出ようとして扉を押せば、
ぴくりともしない。
扉に「tirer」なんて書いてあっても、
フランス語を知らない私には何のことやら。

押しても駄目なら引いてみろ。
ということで引いてみれば、
難無く開く重い扉。
あちらでは、扉は内側に向かって開くもののようだ。
メトロの出口の扉以外は。

何でもかんでも押せばいいというわけではない。
特に人間関係などもそうなのだろう。

でも、世の中には引くことの上手な人がいる。
さして、主張が強いわけでもない。
強く押されるわけではないのに、
いつの間にか、
自分からその人のペースにはまってしまう。
そんな引きの上手な人がいる。

なるほどなあ、
私なんぞ押すばっかりで、
人を土俵際に押し込んで喜んでいる。
人間関係の中には、
引くということの大切さもあるのだなあ。
そうして、そういうことの上手のできる人を、
今さらながら、うらやましく思う。

そば打ちもそのようだ。

そばを延ばすのに、押してばかりでは、
形が定まらない。
きちっと、そば生地を端までそろえるには、
引く力も必要。

特に、可塑性のない更級や粗挽きを打つ時には、
必要な技術。

そばの生地を均一に延ばすのは、
一見機械的な単純な作業のように見えるけれど、
なかなか、知的な仕事。(ホントかねえ?)
引くことが上手になると、
効率はグンと向上する。

押してばかりで形を整えても、
時間ばかりかかってうまくいかないのだ。
引くことで、スムーズにいくことがある。

でも、押すよりも引く方が、力がいるのだ。

私も、押すばかりではなく、
もっと、引くことも覚えなくては。

たまにしか行かない東京の地下鉄を出るときは、
押すでも引くでもない、「入れる」。
ご常連さんは「かざす」。
ただ「通る」というところもあるとか。

世の中にあわせて、
人間としても、
そば打ちにしても、
様々な技術を身に付けなければならないようだ、、、。


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