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2008年10月12日 (日)

偉大なる蜃気楼。

さて、引き続き、
そば屋とも関係が深い、
化学調味料の話。

いまや、グルタミン酸ナトリウムを使った、
化学調味料は、
ほとんどの食品で使われている。

ちょっと周りを見渡してみると、
粉や瓶詰めで売られている「だし」の素はもちろん、
マヨネーズにも、ケチャップにも、
サラダのドレッシングにも、
ご飯にかけるふりかけにも、たっぷりと使われている。
肉をつけ込む「焼き肉のたれ」なぞは、
この化学調味料の固まりのようなもので、
味のない肉でも、これにつけて食べれば、
「あら、おいしい。」ということになる。

袋に入った漬け物も、
かまぼこや竹輪にも、
あらら、パスタのソースにも入っている。

外に出れば、
コンビニのお弁当の、野菜の煮物にも、
トンカツ屋さんのソースにも、
回転寿司のご飯の中にも、
定食屋さんのみそ汁にも、
とにかく、どこでも、使われている。

特に多く使われているのが、
中華料理。
チャーハンや、炒め物などをしているところを見ていると、
お玉ですくって、かなりの量を入れているのがわかる。
そうやって、うまみを出しているのだね。

ラーメンの汁なんぞも、
ほとんどの店で、化学調味料が使われている。

今では有名になっている、あるラーメン屋さん。
頑固なご主人は、
一生懸命出汁づくりに励み、
化学調味料をいっさい使わなかった。

ところが、お客の評判はイマイチ。
相談を受けた経営コンサルタントは、
そのまま、化学調味料を、
かなり大量に入れるように指示をした。

ところが、頑固なご主人。
そういわれても、意地がある。
最初はちょこっとだけ使った。

そうしたら、何となく、
お客さんの評判がいい。
そうして、コンサルタントのいう量を入れるようになったら、
瞬く間に、おいしいと評判になり、
今では、数件の店を展開する有名店になった。

どことは言わないが、業界の中では、有名な話。

これだけ化学調味料の味になれた人が増えると、
それを積極的に使わない手はない。
特に、営業的には、楽な方法なのだ。
何しろ、あの粉を混ぜればいいだけなのだから。

ということで、そば屋だって使わないわけにはいかない。
長い時間をかけて、
高い節を使って出汁をとる必要もないのだ。
えっ、もう、
ズウ〜〜と昔から使われているって?

私の持っている、
古いそば屋の教本にも、
出汁の作り方を、延々と述べた後に、
「最後に化学調味料で調整する。」なんて、
書いてあったりするのだから。

さすがに、こだわりのそば屋さんでは使っていないと思うけれど、
ちょっと前までの、立ち食いそば屋さんや、
街角のそば屋さんや、
時には老舗の店までも、
この化学調味料を使っていたのだ、、、。
(あえて過去形。)

誰でもが、「うまみ」を感じることのできる、
魔法の調味料。
少し前まで、安全性がうんぬんされていたけれど、
今のところ、たいした問題はなさそうだ。
それなら、いいじゃないか。
化学調味料を使えば、
どんな料理だって、うまく感じるんだ。
ラーメンのスープだって、
そば屋の汁にだって、
どんどん使ったって。

でも、
でも、
でも、
化学調味料で感じる「うまみ」は、
蜃気楼の風景を見ているようなもの。
手を伸ばして触ろうとしても、
何一つ、形を探れないもの。
そんな、幻にうつつを抜かしている間に、
あれ、
あれ、
人間として大切なものが、消えていってしまいそうだ。

んな、話はまた今度。


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