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2008年9月18日 (木)

そばの赤すね

Sinnmeミニプランターのそばの新芽。
発芽したら、
日に当てると、
茎がきれいな赤色になる。

これをつまんで、
料理のあしらいに使わせてもらっている。

畑で育つそばの新芽も赤い。
だから、すぐに、そばの苗であることが分かるのだ。
でも、本葉が育つようになると、
そばの茎は透き通ったような緑に変わる。
しかし、実ができて、寒さに当たるようになると、
再び茎が赤くなってくる。

そういえば、こんな句もあったっけ。

落日の潜(もぐ)りて染まるそばの茎 蕪村

夕日の赤い色が、そばの茎を、
染めてしまったのだと、
この粋人は語っているんだね。

さて、どうしてそばの茎が赤くなるのか。
各地に、様々な伝説が残っているようだ。

ある老婆が、「そば」と「麦」の二人に、
河を渡してくれるように頼んだ。
「麦」は嫌がったが、
「そば」は喜んで、
冷たい水の中に脚をつけながら、
老婆を背負って河を渡った。
でも、「そば」の脚は、凍えて真っ赤になってしまった。
実は、その老婆は、穀物の神様であったそうだ。
そうして、脚の赤い「そば」は、
暖かいうちに育って、実の成るようになり、
何もしなかった「麦」は、寒い冬に、
頭を踏まれながら育つようになったんだと。

まあ、このような話もあるようだ。

でも、
先ほど、そばの茎は、大きくなると、
緑になると書いたが、
実は、栄養分のないやせた土地のそばは、
寒さに遭わなくとも、ずっと赤いのだ。
「そばの赤すね」といって、
肥料分の無いために、茎は細く、
収穫も少ない。

昔は、そういうそばが、
普通だったのではないだろうか。

多分、蕪村の見たそばも、
そういう痩せこけた土地の、
そばだったのではないだろうか。

いまでこそ、そば畑のいえば、
よく耕されて、手入れされ、
緑の太い茎がすくっと伸びているが、
昔のそば畑の光景は、
ちょっと、印象が違ったかもしれない。

そして、昔の人にとって、
そばの茎の赤は、
神秘的な色であり、
貧しさや厳しい生活の象徴でもあったようだ。

だから、
そばが、それを作る人の血によって、
赤く染まったという言い伝えも、
各地にある。
そばの育つ土地では、
多くの人たちが、苦労をして、
生き抜いていたのだね。

そう考えると、
蕪村の句も、
ちょっと、哀しみを帯びてくる。

どちらにしろ、
おいしいそばをいただける、
今の時代に感謝しよう。

えっ、
そういう痩せた土地の、
「赤すね」の、そばの方が、
香りがいいんだって?

またまた、複雑になってしまう、
そばの話なんだなあ。


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