« かつおばかりが節ではない。 | トップページ | ひな祭りに「雛そば」 »

2008年2月29日 (金)

料亭では使えないだし。

懐石料理などにいくと、
最初の方に、吸い物がだされる。
季節の、淡白な素材を椀種にして、
だしを味わう料理。
このだしの味で、
その店の腕が分かるという、怖い一品でもある。
だから、料亭のご主人自らが、
かつお節だけは自分で削る店もあったという。

ここに、そば屋のだしで作ったを吸い物をだすと、
味の肥えたお客さまは、
「あっ、帰らせてもらいます。」
と言って、誰も残らないことだろう。

そば屋のだしは、
和食屋さんの作るものと、
かなり違う。
そば屋のだしは、いくら濃厚だといっても、
吸い物には使えないみたいだ。
香りと風味を大切にする、吸い物のだしと、
こくと旨味を求めるそば汁のだしとでは、
そもそも、目的が違うようで。

そば屋のだしは、
厚く削った節を使って、
時間をかけて煮出していく。
でも、ただ長い時間煮ればいいという訳でもなさそうだ。
ある実験によれば、
溶け出していく酸度や総窒素量などの成分は、
90分ぐらいまで増加し、以後はあまり増えなくなる。
だから、それ以上は煮込んでも、
あまり意味はないのだね。
多くの店で、煮だし時間を一時間前後にしているのは、
理にかなっているわけだ。

さて、濃い出し汁をとるためには、
どうしたらいいのだろうか。

甘いコーヒーが飲みたければ、
砂糖をたくさん入れればいい。
だから、節をたくさん使って、
煮れば、濃いだしがとれるはず、、、、。

私もかって、そう思った。
そして、やってみた。
ところが、ところが、、、、

魚臭い、
生臭い、
、、、、そんなだしになってしまった。

甘いコーヒーを、
さらに甘くしようとして砂糖を入れると、
もう、砂糖は、溶けなくなってしまう。
溶けずに、底の方に溜まっているだけ。

つまり、
だしのおいしさの成分は、
ある程度の濃さになると、
それ以上は溶けていかないのだ。
その他の、
臭みのある成分が、
「おっ、これは俺の出番だ。」といって溶け込むから、
生臭いだしになってしまう。

だから、ほどほどの節の量がいいわけだ。

でも、もっと濃いだしを作りたい。
どうしたらいいのか。
昔の人は、ずいぶん工夫をしたのだね。
そうして、だしを煮詰めるという方法を考え出したのだ。
だしをとりながら煮詰めることによって、
旨味の成分が、
ギュッと凝縮されるわけだ。

そうして出来た、濃いだしは、
「塩なれ」のいい汁を作る。
醤油の塩っぱさを、感じさせないような、
旨味が前に、グググッと出てくるような、
そんな、そば汁になるのだね。

だから、私も、
そして、多くのそば屋さんも、
時間をかけてだしをとり、
それを煮詰めているのだ。
たいていは、朝一番の仕事。
昆布とりから始めると、
二時間以上はかかることになる。

でもね。
でもねえ。
最近は、もっと簡単に、
おいしいだしを作る方法があるんだって。

ええっ、こんなことまで、
書いちゃっていいの?
業界の裏技を、、、、
また、次回。


→→→人気blogランキングへ

|

« かつおばかりが節ではない。 | トップページ | ひな祭りに「雛そば」 »

コメント

こんばんは!記事を読みながら、つばを飲み込んでしまいました。だしを想像すると、おなかがすきます。

今まで全然思い至らなかったですが、
確かにお吸い物のだしとおそばのだしは違いますねぇ。
最初から別物だと思っていたぐらい、違いますね。
節もかつおだけじゃないんですね。初めて知りました。かつおが一番のようですが、サバ節なども食べてみたい気がします。
(それとも知らないうちに、お蕎麦屋さんでだしとしていただいているかもしれませんよね)

以前ご協力いただきました「Blog中毒じゃダメかしら?」でございますが、
昨日、最終回を迎えました。4月ごろまで記事掲載は続きます。
本当に、ありがとうございました!!

投稿: 山本舞子 | 2008年3月 1日 (土) 01時45分

山本舞子 さん、こんにちは。
こちらこそ、こんなブログをご紹介いただき、ありがとうございました。(ペコ)

だしの取り方は、地域によっても違いがあるみたいで、一概には言えない難しい問題ですね。
でも、それぞれのお蕎麦屋さんで、さまざまな節を使ったり、いろいろと工夫されていることでしょう。
そんな苦労があることを、知っていただけたらと思います。

投稿: かんだた | 2008年3月 1日 (土) 07時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« かつおばかりが節ではない。 | トップページ | ひな祭りに「雛そば」 »