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2008年1月18日 (金)

ニワトリ症候群

メキシコに行った時に、
たまたま、知り合ったメキシコ人の家庭で、
昼食を一緒にする機会があった。
メキシコの第二の都市、
グアダラハラの郊外の、
その地域としては、ごく一般的な家庭。

早めに行って、
セニョーラたちと、近くの市場に買い物に行ったのだが、
これが実に楽しかった。
スーパーマーケットでなく、
週の決まった曜日に、
テント仕立ての屋台が、道路にズラッと並ぶのだ。
ここで売られているものが、
なかなかすごいのだが、
これについては、またの機会。

さて、この日の昼食のメニューは、
私の大好きな「チレス・レジェーナス」。
焼いた大きめの中辛ピーマンに、
チーズや、鶏肉を詰め、
タマゴの衣で揚げて、
トマトソースであえたもの。
メキシコの食卓にかかせない、
アボガドを潰したものと、
インゲン豆の塩ゆでを添えてある。

昼時になると、
バス会社に勤める息子さん、
水道会社のご主人が、
一旦帰宅する。
6人家族と聞いていたのに、
近所のおじさんなどが集まって、
総勢12人の大テーブルとなる。

セニョーラと娘さんは大忙し。
ピーマンを揚げたり、
トルティージャと呼ばれる、
トウモロコシの粉で作ったパンを焼いたりと。
料理の出来た順番から、
食べ始めるのがこの国の流儀のようだ。
ご主人のお皿がまだなので、待っていたら、
早く食べろと、うながされてしまった。

賑やかに、いろいろな話が飛び出しながら、
食卓は進んでいく。
私も、日本には、こんな食事の作法があると、
かなり怪しいスペイン語で説明した。
そう、
食べる前には「いただきます。」
食べ終わったら「ごちそうさま。」
というのだと。

誰かが、それは、宗教と関係あるのかと聞く。
今では、ただの習慣で、
宗教とは関係ないはず、、、と私。
それなら、みんなで言ってみようじゃないか。
ということで、
みんなで「ごちそうさま。」

どうも、苦手な発音みたいで、
「ごっそさ〜ま。」
としか、聞こえなかったけれど。

楽しい時を過ごさせてもらった、
メキシコ人の人なつっこさに、
今さらながら、お礼をいいたい。

でも、
この話を思い出しながら、
気にかかることがある。

今の日本の家庭で、
このような、賑やかな食卓を、
日々経験することがあるだろうか。
そして、
「いただきます。」
「ごちそうさま。」
という声が聞こえているのだろうか。

先日の新聞に書かれていた記事によると、
今の日本の食卓には、
ニワトリ症候群というのがあるそうだ。

食事を一人ですませる「孤食」
朝食を抜く「欠食」
大勢いてもそれぞれ別のものを食べる「個食」
好きなものだけを食べる「固食」

それぞれの頭をつなげると「コケコッコ」、
になるらしい。
だからニワトリ症候群だって。
だれだろう、
こんなうまいことを考えた人は?

それぞれに、社会的な制約があって、
食事の風景が変わってきているのだね。

でも、どんな時でも、
食事をする時に「いただきます。」
食べ終わった時に「ごちそうさま。」
と言う人はいるよね。

食べ物に感謝するとか、
作った人に気持ちをあらわすとか、
そういう難しいことは抜きにしても、
これは、
世界に誇るべき日本の習慣なんだと思う。
だって、他の国には、
まず見つからない言葉なのだ。

こうして、
「いただきます。」
「ごちそうさま。」
と言い合える食事をしていきたいなあ。

でも、お店ではちょっと恥ずかしい。
心の中で、
小さく「いただきます」と言ってから、
ズズッと、そばを手繰ろう。

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