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2007年11月12日 (月)

そば湯を掻き混ぜて飲むのは、、。

近頃は「みっともない」という言葉は、
あまり使われないのだろうか。
私は子供の頃、
周囲の大人たちに、
よくこの言葉で諭さされた。

「みっともない」とは、
他人から見て、恥ずかしく映る、
自分の姿のことなのだろう。
昔の人は、
他人の目を、けっこう気にしていたのだね。

そんな、言葉で注意された、
子供の時の私。
そば屋で出てきた、
そば湯の入った湯桶を振って遊んでいたら、
そんなみっともないことをするな、
と叱られた。
別の親戚筋の人が、
そば湯を揺すって飲むのは、
乞食のすることだ、
と幼い私を戒めた。

なるほど、そば湯の底に沈んでいるカスまで飲もうというのは、
はしたないことなのだ。
そう、私は理解した。

大きくなってからも、
ある年配の人と、そばを食べた時に言われた。
「君ぃ、どうして、湯桶の口は、途中から出ているか知っているかい。」

ええっ、急にそんなこと言われても、
分かりません。

「お茶の急須は、底の方から口が出ているだろう。」
はい、なるほど。
「でも、そば湯の湯桶は、桶の真ん中辺りから口が出ている。」
はい、その通りです。
「なぜだか分かるかね。」
はい、わかりません。

「いいかい、そば湯というのは、
本来、上澄みを飲むものなのだ。
 でも、忙しい時にそば湯を汲めば、
どうしてもオリが一緒に入ってしまう。
 だから、湯桶に入れて、沈んだオリが入らないように、
真ん中から口が出ているのだ。」
ははあ。
「そば湯は、こうして、静かに、
済んだ上澄みを飲むものなのだ。」
はい、なるほど。

太陽と地球が回って、
あれから、遥かな時間が経って、
地上には、あの時代とまったく違う生物が君臨している。

そば湯を揺すって飲むのは当たり前、
あれ、中には、箸で掻き回している人がいる。
今度、そば湯用のマドラーを開発しなければ。

「みっともない」と言いながら、
シャッキッと生きた人たちの時代から、
「貰えるものは何でも貰ってしまえ」という、
ガッチリ、シッカリとした人たちの時代になったんだね。

ええ、お前は、
世の中、乞食みたいな人が増えたって、
言いたいんだろうって?

そ、そんな。
そんなことは、ありませんよ。
そんなことは、たとえ頭の中で思ったとしても、
書いたり言ったりしませんよ。

えっ、言ってるって。


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コメント

う~ん、白状しますが、私は湯桶をゆすって回してから飲んでいました。しかも、濃いのが出てくると喜んだりして。
いいことを教わったので、これからはカッコよく蕎麦を食べますよ。
ありがたや、ありがたや。

投稿: 所沢太郎 | 2007年11月15日 (木) 01時26分

所沢太郎 さん、こんにちは。
いえいえ、そんなことは気になさらず、ご自由にそば湯を召し上がって下さい。
私の勝手な思い込みですから。

投稿: かんだた | 2007年11月15日 (木) 07時29分

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