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2007年10月24日 (水)

「脳の喜ぶエネルギー」とは。

さて、「かんだた」のそば汁には、
砂糖は使っていない。
どうしてかって?

さて、砂糖の消費量が減っていくことに悩んだ業界は、
こんなコマーシャルをやっていた。

「お砂糖は脳が喜ぶエネルギー」

こういわれると、砂糖を食べると、
頭が良くなるような気がする。
でも、どんなに甘いものを食べても、
それ以上頭が良くなることはないので、
ご安心を。

砂糖は体内に入ると、
すぐにブドウ糖になって吸収されるから、
身体のエナルギーとなるのだね。
別に、脳にばかり働くわけではない。
他の食べ物だって、
様々の消化活動を経て、
結局はブドウ糖になるのだ。
砂糖は、それが、早いのだ。

人間は、本能的に、
甘いもの、脂っこいものを好む傾向にある。
これは、身体を保つための、
必然的な欲求なのだ。
身体を動かすエネルギーを得るため、
そして、そのエネルギーを貯えておくために。

だから、子供が、甘いものをほしがるのは、
ごく自然なことなのだね。

でも、私達の食べるものの中には、
砂糖以外にも、甘く感じられるものがある。
例えば、ご飯。
これをよく口の中で噛むと、
次第に甘くなってくるのだ。
そばだって、口に含めば、甘さが感じられる。

他の食べ物の中にも、
そんな微妙な甘さを感じさせるものがあるんだ。
ところがところが、
砂糖のはっきりとした甘さは、
そういう微妙な甘さを、
どこかに追い出してしまうのだね。

太陽の明るさで見えない、
星の明かりのように。

さて、私が、汁の作り方を教わった時、
かえしを作る醤油の中に、
こんなに砂糖を入れるのかと、
びっくりしたものだ。

そのくらいの砂糖を入れないと、
醤油の塩っぱさに、対抗できないのだ。

でも、そのままだと、どうしても、
口に甘味が残ってしまう。
そこで、多くの店では、
みりんも加えている。
これで、甘味に滑らかさが出るのだね。

さて、そうして、汁の作り方を知ってから、
他の店を回ってみると、
この砂糖の甘さが気になり出した。
それまでは、口の中に、
ふわっと広がる甘さは、
出汁のせいだと思っていた。
でも、本当は、砂糖の甘さだったのだね。

自分で汁を作っても、
どうしても、後に残る甘さが気になる。
だんだんと、砂糖を減らし、
みりんを多くしていった。

そしてついに、
砂糖は使わず、みりんだけ使うことにしたのだ。
商売人泣かせの、
原価の高い汁になってしまった、とほほ。

砂糖のとり過ぎは、
精神的に切れやすくなったり、
骨粗鬆症になったり、
痴ほうになりやすいなどと言われている。

まあ、普通の暮らしをしていれば、
そんなに心配することはないとは思うけれど、
それでも、少なく済むのであれば、
それにこしたことはない。
(砂糖業界の方、すみません。)

それよりも、
砂糖のガツンとした甘味だけでなく、
もっと、複雑な、微妙な甘味も、
味わって頂きたいと思うのだ。
「かんだた」の汁の甘味は、
みりんと醤油と出し汁の成分の、
絡み合ったところから生まれたもの。
そばの旨味を邪魔しない味を
目指している。

でも、汁というのは難しいものだ。
これから、どう変っていくのだろう。
なんて話は、また今度。


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コメント

太陽と月のたとえのところで、なにやらこみ上げてくるものがありました。目にジワーッと。
仕事というのは、本当はこういう心構えでやるものなのですね。

投稿: 所沢太郎 | 2007年10月25日 (木) 00時42分

所沢太郎 さん、こんにちは。
いえいえ、ただ、好きなようにやっているだけのことです。
でも、そんな微妙な味を、甘さを、感じさせるものを作りたいですね。

投稿: かんだた | 2007年10月25日 (木) 07時52分

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