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2007年8月30日 (木)

そばは「たぐる」もの?

長野県は、ずいぶんと南北に広い県だが、
そのずいぶん南のほうに、飯田市がある。
ここでの、名物の食べ物に、
「おたぐり」と呼ばれるものがあるそうだ。

もちろん、私は、まだ試したことがない。
地元の人に聞いてみると、
賛否両論。
酒の肴にピッタリだという人もいれば、
匂いも嗅ぎたくないという人もいる。
かなり好き嫌いが、
はっきりと別れる食べ物のようだ。

なんで、「おたぐり」というかというと、
20メートル以上あるそれを洗うのに、
縄をたぐるようにするからだという。

そう、長いもの。
「おたぐり」とは、
馬の腸を煮込んだものなのだ。
南信州は、昔から、馬を食べる習慣があったようだ。
でも、臓物を食べるのは、ここ、飯田でしかないという。
味はどうあれ、一度は口にしてみたいと思っている。

さて、そばを食べる時も、
「そばをたぐる」という。
そばを引っ張るわけではないが、
いかにも、そばを食べている様子をあらわすのに、
ぴったりな言い回しなのだろう。

ものの本によると、
これは、江戸時代の、
大工の使っていた隠語から広まったのだという。
大工は、そばのことを「なわ」と呼び、
「なわをたぐる」で、
そばを食べにいくことを伝えたそうだ。

江戸の末期には、この言い方はかなり広まったが、
あまり上品な言い方とはされなかった。
その後、幕末、維新を過ぎて、
一般に使われるようになったということだ。

ふだん何気なく使っている言葉にも、
ちゃんと歴史があるのだね。
でも、やっぱり、
「そばを食べる」
「そばをすする」
より、
「そばをたぐる」
といった方が、なんとなく、
おいしそうな、かっこいいような、
そんな気がする。

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2007年8月28日 (火)

気が付かない方が多いけれど。

Sobahana店に飾ってあるそばの花。

畑では雑草状態で、あちらこちらと咲いているが、
こうして生けてみるとなかなかいいもの。
あの、誤解のないように言っておきますが、
そばの花は白い花。
青いのはリンドウの花。
画面を拡大して御覧下さい。

そばの花は、普通は切り花に出来ないと言われている。
そばの茎は、中が穴になっていて、切ると、
くたーとなってしまうからだ。
そこをめげずに、深めの水に茎をつけておくと、
二時間ぐらいすると復活。
見事に花を上に向けて咲かせる。

そうして、このように花瓶などに飾れるのだ。
でも、持ってもせいぜい二日。
水に入れた茎が痛んでしまうのだ。
もっとも、花は、我が家の庭にも、
畑にも、たくさんあるので、
毎日のように切ってきて替えている。

この白い花から、黒い粒のそばが穫れる。
もっとも、そばは、実を穫ってから、
食べられるようにするのが大変なようだ。

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2007年8月27日 (月)

「たぶん日本で一番、、」

さて、日本最大のそばの産地、
北海道では、早くも収穫が始まったようだ。
今年は、雨が少なく、そばの育ちが悪いような話をきいたが、
どうなのだろうか。

そして、もう、新そばを使ったそば祭りを開いたところもある。

摩周湖を含む、弟子屈(てしかが)で昨日、一昨日と
「たぶん日本で一番早い」新そば祭りが行われた。
そば打ち名人の高橋邦弘さんも来て、
そばを打ったという。

「たぶん」が付くのが、なんとも愉快なそば祭りだ。

弟子屈町では、平成二年からそばの栽培を始め、
特に品質にこだわったそばを作ろうということで、
生産組合の人たちが努力をされているみたいだ。
約100トンのそばをつくっているから、かなりの量だ。

さまざまな栽培条件を実験したり、
「キタノマシュウ」というそばの新品種も作っているらしい。
ここで作られる石臼挽きのそば粉は、
「摩周粉」というブランドで売られているそうな。

なるほどね。
長野でも、そば畑はたくさんあるけれど、
栽培の規模が違うようだ。
いつか、北海道の広大なそば畑の様子を、
見に行ってみたいと思っている。

まず、地球儀で方向を確認して、、、、、。

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2007年8月25日 (土)

今回の練り味噌のスパイスは?

今日は、3か月に一度の、
恒例の練り味噌づくり。
そば汁用の濃いめの出汁で、二種類の味噌を溶き、
時間をかけて練り上げる。

営業時間中の二時に火をかけはじめ、
練り上がったのは八時過ぎ。
特に最後の二時間余りは、
付きっきりで、木ベラで練らなくてはいけないので、
他のことは何も出来ない。

なあに、美味しいものを、
安全なものを作るには、
このぐらいは、、、、。
いろいろなものが入っている、
既成のものは使いたくないからね。

とはいっても、ただ木ベラで練っているのも退屈。
こういう時には、ガンガンと音楽をかけるに限る

そこで今回聞いたのは、
懐かしのジャニス・ジョップリン。
さすがに音は古く感じるが、
彼女の独特のしゃがれ声は、
いまだに、心を揺さぶるものがある。

えっ、ジャニス・ジョップリンって誰だって。

教えませんよ。
簡単には。
私が、16才か17才の頃、
たった三枚のアルバムを残して亡くなった人なんだ。
50代の人には、好きだった方もいるかな。

ということで、
今回の練り味噌は、
アメリカの、ヒッピームーブメントのスパイスが入っている。

去年もこんなことを書いていた。
うまいもの手間がかかる。

今度は「浅川マキ」あたりにしようか、、、。

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2007年8月24日 (金)

子供の気分で地蔵盆。

さて「手打ちそば屋 かんだた」のある場所は、
長野市の、古くからの町。
長野駅から、善光寺へと通ずる、
表参道から、少し、
(といっても、かなり分かりにくい少しだが)
入ったところだ。

なにしろ、千三百年前から信仰されていたという、
善光寺のお膝元。
いくら、建物が近代的になったって、
古くから、受け継がれている、
行事や、風習がある。

Jizoubon 昨夜は、地蔵盆という行事が、
善光寺や、表参道周辺で行われた。
私の参加している、
歴史の町、長野を紡ぐ会の方々と、
この地蔵盆めぐった。

普段は静かなところに、
赤いちょうちんとろうそくが灯され、
たくさんの人たちが訪れている。
へえ、子供たちによる、お数珠回しなども、
行われているところがあるのだね。

善光寺もたくさんの人が、
あちらこちらにある地蔵堂に、
お参りするために、列を作っている。
あれれ、やけに子供の姿が多いぞ。

そう、この地蔵盆は、子供が主役のお祭りなのだ。

なぜかって。
ちゃんと、お地蔵様にお参りすると、
そこで、お供物をいただけるのだ。
お供物、つまり「お菓子」。
子供たちは、このお供物目当てに、
大きな袋をぶら下げて、お地蔵様を巡るのだ。

普段は、お参りなどしたことのない子供たち。
この時ばかりは、お菓子欲しさに、拝んでいるまねをする。

「ほらほら、ちゃんと手を合わせないといけないよ。」
「お参りする時には、帽子をとるんだよ。」
「鉦は、こうやって叩いてね。」

普段はやんちゃな子供たちも、
この時ばかりは、大人しい。

お菓子目当てかもしれないけれど、
小さい時に、こういう場があるというのは、
いいんじゃないかな。
こういう行事は、
もっと知られても、いいと思うけれど。

Okumotsu で、大人がお参りしたら、、、
やっぱりお供物をいただいた。
こんなに貰って、どうするの。

この世の人間を導くといわれる地蔵様。
いつか、余裕が出来たら、
どこかにお地蔵様を寄進して、
そばでも振る舞おうか。

いつのことやら。


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2007年8月21日 (火)

焼きナスは「あっちちちちっ。」

皆さんは「ナス」と聞いて、
どんな形を想像するだろうか。

東京育ちの私は、ナスといえば、
いわゆるなすび形。
千成といわれる、ころっとした長ナスが、
普通のナスだと思っていた。

ところが、ここ長野の人たちにとって、
ナスといえば、丸いナスのこと。
ちょうど野球のボールぐらいの、
まあるいナスなのだ。
これを油で炒めて、味噌で味付けしたものが、
長野人の家庭の味の原点であるらしい。

九州長崎で、ナスといえば、
何と、五十センチぐらいの長さのある大長ナスのこと。
これは、焼いて食べるとおいしい。

大阪には、絞ると水が滴る水ナスがあるし、
新潟には、漬け物においしい十全ナスがある。

同じ「ナス」といっても、
人によって、浮かんでくるイメージが違うのだ。
だから同じように、
一概に「そば」といっても、
地域や人によって、浮かんでくるものが違う、、、。
いやいや、今回はナスの話。

Mizuzeme「かんだた」で好評の、
自家製ナスを使った「水ぜめ」。
暑い時に、この冷たいかけそばが人気。

さて、ここに使っているのは、
千両といわれる、一般的な長ナス。
これを焼いて皮をむいて、汁につけたものを載せている。
それにそばの新芽で彩りをつけた。

で、たまに聞かれること。
焼きナスはどうやってつくるの?って。
皆さん、この皮をむくのに苦労されているみたいだ。

ということで「かんだた流焼きなすの作り方」。

まず、春先に、畑を深く起こし、、、。
(途中省略)
とってきたナスは、穴の空いたビニール袋にいれておいて、
(ナスは冷蔵庫に入れてはいけないのだ。)
数がまとまったら、よく洗う。

へたの付け根に、ぐるっと包丁目をいれ、
よく熱した焼き網の上に乗せる。
25秒ごとに60度ずつ、回転させ、
一周するまで、よく焼く。
最後に、ナスを立てて、お尻の部分を焼く。

すぐに冷水につける。
今まで、ぷちんぷちんに膨らんでいたナスが、
ここで一気に縮んで、皺だらけに。
五秒ほどで取り出し、
バットの上などで、へたの切れ目を入れた部分から、
皮をむく。

ここで、注意するのは、
ナスの熱いうちに皮をむくこと。
そして、「あっちちちちっ。」と、大きな声で言いながら、
皮をむくこと。
だって、その方が楽しい。

熱いからといって、水の中に入れてむくと、
きれいにむけないし、ナスの旨味がなくなる。

必ず「あっちちちちっ。」と。

冷めたら、縦に切って、もう一度横に切り、
ショウガ汁を落としたそば汁に浸けて冷やす。

これで出来上がり。
この冷たいナス、
簡単に出来て美味しい。
ぜひお試しを。

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2007年8月20日 (月)

そばの賞味期限は

さて今度は「白い恋人」が大騒ぎに。
たいへんだね。
賞味期限を書き換えていたのだって。

そもそも、賞味期限は、
製造者が自主的に決めるものらしい。
だから、だいたいは、このぐらいまで、
大丈夫なのかな、、、、なんて感じで決めるのだろうか。

でも、一度決めた賞味期限を張り替えるとなると、
ちょっと、不思議な感じがする。
ババが出て来るまで、
トランプのカードをめくっている感じ。
つまり、消費者が実験台になっているのだ。

そもそも、賞味期限とは、
だいたいその期限までに食べれば、
美味しくいただけますよ、
という目安にすぎない。

だから、それを過ぎても、
味の劣化しないものもあるし、
その前でも、危険ではないが、
味の落ちるものもある。
まあ、食べる人が、
感覚的に判断したほうがいいのかもしれない。

さて、よく誤解されるのは、
店で作るそばの賞味期限。

「かんだた」には、お盆休みなどで、
遠くからいらして頂いた方もいらっしゃる。
時々、美味しいから、
お土産に持っていきたい、、、と頼まれる。
でも、大抵の場合は無理なのだ。

「明日帰って食べるから。」
「これからバスで大阪まで帰るのだけれども。」

そういわれても、その間に、
「そば」は「そば」でなくなってしまうのだ。
特に、この暑い季節は。

そう言う大抵の人は、
店で打ったそばは、
土産物屋で売っている「生そば」と、
同じようなものだと思っている。

「えっ、そばって、一週間ぐらいは持つのじゃないの」
いいえ、いいえ、そんなに持ちません。

これは、そばの質や、作り方等によって違うし、
店の人の、「まあ、このくらいならいいや。」
という、判断も違うし、
なんとも言えないところ。

Komawarisoba 私の店では、
お客様に、胸を張って出せるそばは、
打ってから、せいぜい5時間か6時間ぐらいかな、
と思っている。

そばは、打ちたてとは、昔から言われる言葉。
打ってから、時間が経つにつれて、
風味や食感が失われていく。
もちろん、冷蔵庫などに入れておけば、
次の日でも食べることが出来る。
でも、それは、食べることが出来るだけであって、
私の思うそばのうまさは、
もうなくなっているのだ。

だから、自分が作ったそばの賞味期限を、
どこに設けるのかが、難しいところ。
それが厳しくあれば、
そのそば屋の格を上げるだろうが、
多少は目をつぶって、
利便性と利益を考えるところも多い。

今回の事件も、
その「格」よりも、「利益」の方を
考えちゃったのだね。

ところで、
賞味期限について、恐い会話を聞いてしまった。
中年の主婦同士の話。

「冷蔵庫に入れておいたタマゴが、
賞味期限が切れちゃったので、捨てちゃったわ。
タマゴって、こわいものね〜。」

なっ、なっ、なんて勿体ないことを。
タマゴに書いてある日付けは、
サルモネラ感染のリスクを減らすため、
生で食べられる日の目安。
加熱して食べれば、
何の問題もないのだ。

鶏が、命をかけて産んだ卵を、
捨ててしまうなんて。

そんな、賞味期限の呪縛に、
買う人の方が捕われないようにしなければね。
でも、そばは、打ちたてに限る、、、。

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2007年8月18日 (土)

長芋はつなぎになるとはかぎらない。

先日、久しぶりの古い知人と会った。

その人も、時々自宅でそばを打つという。
「でもね、茹でるとブツ切れのそばになってしまうんだ。」

そうそう、慣れない人はそういうもの。
だから、私のようなものが、そば屋をやっていけるのだ。

「だから、つなぎに、長芋を入れてみたんだ。」

そう、昔から、山芋や長芋は、
よくつなぎに使われていた。
茹でるとふっくらとして、
サクッという食感になるんだよね。

「ところがねえ、前よりもっと、
 ブツ切れになってしまった。あっはっはは。」

それはそれは、ご苦労様でした。

そう、あの、ネバネバがいいだろうと思って、
そばのつなぎに使うと、
料理をよく知らない人は、
かえってブツ切れのそばになってしまうのだ。

どうしてかって。

長芋つなぎは、まあ、ごく、単純な作業だ。
長芋をよくすりつぶして、そば粉に混ぜるだけ。
それだけで、あの、モッチリとした食感が得られる。

なのに、どうして、ブツ切れになってしまうのかって。

もう一度いいますよ。

長芋をよくすりつぶして、そば粉に混ぜるだけ。

えっ、まだ分からない。

長芋は「すりつぶす」のです。
大根おろしのように「すりおろす」のではない。

たいていの人は、おろし金で、
長芋を「すりおろし」てしまう。
これでも、粘りは出るけれど、
芋自体は、粒の粗い、つぶつぶの状態。

この状態でそばを打っても、つぶつぶが残っていて、
茹でれば、そこで、そばは切れてしまう。

長芋は、すり鉢で、
その肌を使ってすりおろし、
すりこぎで気長にすりつぶす。

独特の固い粘りが出てきて、
糸を引いてみると、つぶつぶ感がなくなるまで、
しっかりとする。
まあ時間にして、30分以上はすらないと。

そうして、はじめて、そば粉に混ぜることができる。
そう、長芋つなぎは、けっこう手間がかかるのだ。

えっ、お前は「長芋つなぎ」をするときは、
そうやってすっているのかって。

すみません。
最近は、文明の利器というものがあって、
ミキサーという、、、、、。

あっ、ミキサーを使う時には、
粘りが強すぎるといけないので、
少し水を加えておくといいようで、、、。

でもね、
そばを打って、ぶつぶつと切れるからって、
何かを入れてつなごうとするより、
きちんと、そば粉と技でつないでほしいなあ。

「あれ以来、家族からそば打ちのリクエストがないんだよ。」
とは、知人の話。
それにもめげず、
がんばってそば打ちをやってもらいたいなあ。

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2007年8月16日 (木)

いろいろな名のある植物

厳しい暑さが続いている。
長野でも、夜になっても気温が下がらず、
ちょっと動くと、じわっと汗がにじんでしまう。
じゃあ、じっとしてろって、、、。
それでも、汗が出る、、、。

この暑さの中でも、元気な野菜がモロヘイヤ。
もともと、インドとかエジプト辺りの出身だそうだから、
この程度の暑さではへこたれないのだね。

さて、この野菜、モロヘイヤという名で呼ばれているけれど、
本来は、黄麻とともに、ジュートと呼ばれる繊維を作る植物。
植物としては「シマツナソ」という、
シナノキ科に属しているのだ。

だから、インドやバングラデシュなどでは、
食用ではなく、ジュート麻にするために、
大規模に栽培されている。

そのジュートを使っているのが、いわゆる南京袋。
穀物や、コーヒーなども、
通気性のある、この袋に入れて運ばれる。
そう、もちろん、外国のそばも、この袋に入れられてくる。
なんだ、そばと、関係のある植物なのだね。

もっとも、最近は、
ビニール製や紙製の袋に押されているみたいだが、
炭酸ガスの排出量という地球環境の目で見ると、
このジュートの袋の方が、はるかに少ないそうだ。

さて、このモロヘイヤ、
最近は一息ついた気があるが、
一時は健康食品としても注目を浴びた。
ビタミンやミネラルが豊富なんだね。

Moroheiya摘んできた葉を茹でると、
ネバネバとした感じになる。
このネバネバが糖の吸収を押さえ、
糖尿病の防止になるとか。

ということで、「まかない」で食べている、
「モロヘイヤそば」。
この、ネバネバが汁に絡んで、なかなかいける。

えっ、私にも喰わせろって。
そうか、見せちゃったものね。
では、ブログ読者限定で、お出ししますので、
ご来店の折りには、お問い合わせを。
もっとも、モロヘイヤがある時だけですが。
おおむね、今月いっぱい位でしょうねえ。

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2007年8月13日 (月)

魚の食中毒は、なぜ減ったのか。

いやあ、梅雨が明けたかと思ったら、
暑い日々が続いている。
長野も連日30度を超える猛暑。
えっ、35度までいったの。

さて、この暑い季節は、
食中毒の季節でもある。
各施設では、お盆で忙しいけれど、
食品の取り扱いにも、充分注意していることだろう。

昔はこの季節の食中毒と言えば、
魚介類を原因とした、
「腸炎ビブリオ」という細菌による中毒が多かった。
この菌は、海水中に普通にいる菌で、
塩分のあるところで、温度が高いと、
急速に増殖する。

だから、魚を常温で放置したり、
調理中に他のものに移って、
食中毒を起こすことが多かった。

しかし、今は、この「腸炎ビブリオ」による食中毒は、
あまり、発生しなくなった。
かえって多いのは、「カンピロバクター」や「サルモネラ」などの、
肉に由来する菌による、食中毒だ。

魚を扱う人たちの、
意識の向上や、設備の改善などが、
この食中毒を減らしたのだろうか。

もちろん、それもあるようだ。
でも、他の努力もある。

魚を出荷する港や市場では、
かっては、海水で魚やケースを洗っていた。
これでは、その海水中にある「腸炎ビブリオ」を、
そのまま魚につけて運ぶことになってしまう。

そこで、多くの港では、
魚を洗うのに、滅菌された海水、
あるいは水道水から作る人工海水を使うようになったのだ。
これならば、少なくとも表面の菌は洗い流される。
そうして、滅菌された魚を市場に送り込めば、
調理の段階での、菌による汚染を少なく出来るのだ。

このように、漁業関係者も、
魚による食中毒を減らそうと努力しているのだね。

だから、夏でも、安心して魚が食べられるのだ。

近頃、偽装だ、賞味期限切れだと、
評判の悪い食品業界。
でも、こうして、目の見えないところで努力し、
工夫している人たちもいることを忘れないで頂きたいなあ。

衛生の基本は、手洗いと清掃。
私もしっかりやらなければ。


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2007年8月11日 (土)

角が立つ

以前の千円札の顔、「夏目漱石」は、こんな文を書いている。

智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。

そう、世の中、住みにくい。
物事を理屈で押し進めようとすると、どうも角(かど)が立って、
うまく進まなくなってしまう。
今の世の中、この、角を立てないために、
出来るだけ、丸く納めようとしている。

車も丸くなった。
それを取り締まる警察官のことばも丸くなった。
丸い豆腐が売られ、
その角で頭をぶつけて死ぬ人もいなくなった。
ある大手企業に、ちょっとクレームの手紙を書いたら、
まあるい人が、まあるい笑顔で、
まあるいエビせんを持って謝りに来た。
そんなつもりじゃなかった。
角の立った封筒に入った手紙を貰った方が
うれしかったのに。

世の中、角を立てないように、
角を立てないように、
その角を押し隠して、
ひたすら、表面だけは、丸くなっているようだ。

だから、そばも、丸くなっちまった。
最近は、喉で喰う人が少なくなったのか、
しっかり、角の立つそばが、少なくなったなあ。

そばを、四角く切って、
そのまま茹でれば、ちゃんと角が立った、
四角のそばが出来るじゃないか、、、
と思ったら大間違い。

茹でたそばを、簡易顕微鏡で見てみると、
プチプチとたくさんの丸い膨らみが出来ている。
この、丸い膨らみが多いと、いくら四角に切っても、
そばの角は、丸っぽくなってしまう。

だから、均一なそば粉で、
よく練り合わされた麺質を作り上げないと、
ゆで上がりに、しっかりと角の立ったそばはできない、、のかもしれない。

最近のはやりの粗挽き粉を使うと、
粉が膨らんで、角は立たなくなるが、
ざらざらとした食感があるので、
ここの感覚が微妙なところだ。

世の中、角を立てない、
そうめんのような、
つるっという風潮だけれど(それはそれで美味しいけれど)、
同じような細さで、
口の中にしっかりとした印象を残すために、
あえて、角の立ったそばを作っていきたいと思っている。

だっ、だれだ、
私の身体はしっかり丸くなったね、
なんていうのは。
そんな奴は、
そばの角に頭をぶつけて死んじまえ!

って、どこか、迫力がないけれど、、、。




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2007年8月 9日 (木)

なんでこんな均一な果肉ができるのだろう。

Dolagonみなさん、これはなんだか、ご存じですか。

沖縄の知人が、果物をいくつか送ってくれた。
さっそく、いただいたマンゴ。
甘くて、こってりとして、う〜ん、南国の味。
パイナップルは、べたべたするような甘さはなく、
程よい酸味が、この暑い季節にスッと入っていく。

そしてこれ。
二つに割ったら、中までこの真っ赤な色。
ごまのような黒い粒が、見事に均等にちりばめられている。
芯もなんにもないのだ。

実はゼリー状で、程よい甘味と酸味。
この黒い粒(多分種だと思う)が、シャリシャリとした食感を残す。
そう、食べた感じは、キウイフルーツのそれに似ている。

これは、ドラゴンフルーツというもの。
中米原産の、サボテンの実なのだそうだ。
繁殖力が強く、最近、沖縄や九州での栽培が増えているそうだ。

へえ〜。
知らなかった。

世の中には、まだまだ、知らないものがあるんだなあ。
それにしても、この色は魅力的だ。
前回の「十割そばの夕べ」で、「赤じそ切り」の色がよく出なかったので、
今度は「ドラゴンフルーツ切り」でもやってみようか。
きっと、きれいな赤が、、、、。

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2007年8月 7日 (火)

ちょっと色が薄かった「赤じそ切り」。

今日は恒例の「十割そばの夕べ」。

ということで、今回のメインは、、、、
畑の野菜です。

今朝、とってきたばかりの枝豆。
これが、なかなか、香りがよくて。
売っている枝豆では、絶対に味わえない、この匂い、この甘味。

残念ながら、自家製ではないけれど、
地物のトマトに、キュウリを摺り下ろしたミドリ酢であえたもの。
うん、これはさっぱり。

同じく自家製キュウリの食感を生かした「あなざく」こと、
「あなごきゅうり」。

畑のニガウリを使った、シンプルな味付けのゴーヤチャンプル。
そして、極めつけは、居酒屋時代から好評の、
「畑のポテトサラダ」。

収穫したばかりのジャガイモを潰し、
自家製のタマネギと、
カリカリに炒めた、自然素材のベーコンを混ぜ合わせる。

それに、松代から取り寄せている、
元気なニワトリの卵から作ったマヨネーズ(自家製)を
合わせてつくる、ふっくら、ねっとり、にっこりのポテトサラダなのだ。

突出しは、畑で採れたモロッコインゲンに、
キュウリの甘塩漬け。

まさに、畑の恵みをそのままいただくようなメニューだった。

あれ、肝心の「そば」はどうしたの?

Akasiso 今回の変わりそばは、赤しそ切り。
ほんのり、赤く見えるでしょう。

でも、この赤じそは難しい。
というのは、前に、青じそのつもりで、
刻んでそばに混ぜたら、
あくが出て真っ黒になってしまったのだ。

今回は、畑の赤じその葉を煮出し、
そこにクエン酸を入れて、赤くした液を入れてみた。
ちょっと、色の出方がうすかったみたいだ。

でも、さっぱりとした酸味が感じられて、夏向き。

参加頂いた皆さん、ありがとうございました。

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2007年8月 5日 (日)

猫は時計を持ち歩かない。

理想としては、あまり、時間に追われるような暮らしをしたくない。
だから、私は普段は時計を持ち歩いていない。

そうは言いながら、
時間に追われながら仕事をしているのが現実。

そば屋の仕事は、
まるでトライアスロン競技をしているみたいだ。
さまざまな仕事を、ぱっぱっと切り替えながら、
開業時間までに、すべての準備を終わらせる。

頭の中で、だいたい出来る時間を計算し、
それに合わせて、仕事をするわけだ。
私は、元来のんびり屋なので、自分のペースで、
ゆっくりと仕事をするのが好きなのだけれど。

Reloj そんな、のんびり屋の私を、
しっかりと引き締めてくれるのが、
こちらのストップウォッチ。

別に百分の一秒を争うわけではない。
しかし、こうして、毎回そばを打つ毎に、
加水量と、かかった時間を記録しておくことで、
自分のペースをつかむことが出来る。

そば打ちは、早ければいいという訳ではない。
水回しや、練り込みなど、
しっかりと時間を使わなければならない作業もある。
反対に、伸しや切り等は早く済ませたい。

そんな、自分のペースをつかむための時計。

ええっ!
お前の店は、そばが出るまでに時間がかかるから、
客が注文してから出てくるまでの時間を計れって。
いえ、私は、お客様に、
時間を忘れてのんびりして頂きたいので、
あえて、ゆっくりと、、、、。

世の中の人間を支配しているのは、時計かもしれない。

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2007年8月 2日 (木)

そばが雑草状態

この夏は、雨がよく降って、
畑の作物は、ちょっと日照不足で育ちが良くないようだ。
おかげで雑草がよく育つ。

100坪ばかりの「かんだた農園」の草たちも元気だ。
なにしろ、私は定休日にしか畑にいけない。
一週間ぶりに行くと、な、なんだ、この草の海は、、、
と、驚くやら、あきれるやら。
かくして、休みの一日は、大汗をかきながらの、
草取りで終わってしまうのだ。

今回は、ジャガイモの収穫。
メイクイーンという、煮物に使う品種だ。
おお、トウモロコシもそろそろ採れ時。
枝豆ももう少しだ。
もちろん、ナスとキュウリは、別の係(誰でしょうね)が毎日収穫。
モロッコインゲンも、最盛期。
暑くなって元気が出てきたニガウリも実をつけている。
冬瓜は、毛だらけの小さな実をつけ、
今までおとなしかった紫芋のつるも伸びはじめ、
雑草の中をかき分ければ、初めて植えたヤーコンもしっかり育っている。
辛そうにみえるが辛くない万願寺獅子唐は、じっくり型。
いろいろな料理に使える鷹の爪も、細かい白い花をつけている。

遅く撒いたモロヘイヤも順調に育ち、
か弱かったキャベツの苗は、
ぐっと逞しくなってモンシロチョウを誘惑している。
落花生は、まだまだ小さいが、特徴的な丸い葉を増やしている。
ジュースや梅干しに使う赤じそ、
そして、使い道の多い青じそもぐんぐんと伸びている。
かなり前に、一度だけ撒いたひまわりが、
勝手に育って、咲いている。

そして、畑のかなりの部分を占めるネギも順調、、、
あれ、なんだ、この白い花の草は。

じつは、ネギの畦に、そば殻を撒いておいたのだ。
その中に残っていた種が、育ったのだね。
もちろん、ネギより高く、茎は太く、しっかり育っている。
これじゃ、ネギ畑じゃなくて、そば畑だ。
残念だけど、この際、そばには遠慮してもらわなくては。
あれ、カボチャのところににも、そばが生えている。
あの図々しいカボチャが、そばに負けているではないか。

ということで、我が畑では、そばは、雑草と同じ。
それだけ逞しい植物なのだね。

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