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2007年5月12日 (土)

出汁は引くもの

 日本料理の出汁は、本当に微妙なもの。
 特に吸い物に使われる出汁などは、すごく気を使っている。

 水に昆布を入れて、中火で加熱する。
 鍋肌全体に泡がついてきたら、昆布を取り出し、
 さらに加熱する。
 沸騰したら火を止め、削りたての、
 うん、ここが重要、
 削ったばかりのかつお節を入れる。

 箸などでかき混ぜてはいけない。
 かつお節の重さで、湯の中に沈んでいくのを、
 そっと、待っている。
 そうして、頃合いを見計らって、
 きめの細かい濃し布で濃し落とす。
 もったいないからといって、残った節を
 絞ったりしちゃいけないよ。

 こうしてできた出し汁は、
 ほんの少しの塩を落とすだけで、
 おいしくいただける。
 う〜ん、かつお節のいい香り。
 口の中に広がる、ほのかな甘味ととろみ。
 吸い物って、こんなに美味しいものなのだ。

 日本料理では、出汁を取ることを、
 「出汁を引く」という。
 まさに、昆布と、カツオから、
 旨味だけをを引き出しているのだね。

 ところが、そば屋の出汁の取り方ときたら、
 めっぽう手荒いものだ。
 「出汁を引く」どころか、
 「出汁を絞り取る」という感じだ。

 節は厚く削り、湯の中で、長い時間をかけて、
 これでもか、これでもかと、煮出すのだからね。
 そば屋の場合は、欲しいのは「香り」ではなく、「旨味」。
 そのために、長い時間煮詰めたりするのだね。

 とは言っても、旨い出汁をとるには、それなりの工夫がある。
 各店によって、それぞれに違いがあることだろう。
 火の入れ方、時間、水の性質などによって、違いが出てくるのだ。
 きっと、同じ材料、同じ量で出汁をとってみても、
 とる人によって、ずいぶんと変わった味になるのでは。

 出汁をとるって、そんな微妙な仕事なんだね。

 でもね、化学調味料の味になれた人には、
 きっと、そんな微妙な違いは、、、。
 いえ、化学調味料が悪いと言っているわけではないのだけれども、、、、。

 皆さん、美味しい吸い物を飲みましょう。

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