« 備えあれば憂いなし | トップページ | 粉にならない「さなご」 »

2007年5月31日 (木)

食のグローバル化ということは

ナイルパーチという魚をご存じだろうか。

かっては「白スズキ」等と呼ばれて、
白身魚として、比較的安く売られていた。
知らないと言う人も、きっと、ファミレスのメニューや、
コンビニの弁当に入れられている、
この魚のフライを食べたことがあるに違いない。
あっ、学校給食なんかにも使われているね。

安くて、くせがなくて、食べやすい食べ物として、
外食産業では重宝されている魚なのだ。

でも、この魚、どこから運ばれてきているのだろうか。

実は、遠くアフリカ大陸から運ばれてきている。
ああ、アフリカも海に囲まれているから、
魚がたくさん穫れるのだな、、、、、
と思ったら大間違い。
この、ナイルパーチと呼ばれる、肉食の大型魚は、
アフリカ大陸中央にある、ビクトリア湖で穫られる。
この湖は、九州の二倍ほどの広さを持つ、
巨大な淡水湖なのだ。

かって、この湖は、「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほど、
生物の種類の豊富な場所だった。
ところが、イギリス植民地時代、この湖に、
外来魚であるナイルパーチが放流されたのだ。

外敵のいない湖で、ナイルパーチは在来の魚を食べまくり、
急速に繁殖した。
二メートル近くまで育つこの魚のため、
湖の生態系は崩れ、多くの種が絶滅してしまったのだ。

この、「ビクトリア湖の悲劇」は、
外来の生物を入れることの危険性を、
まさに実証したような出来事なのだ。

しかし、この湖を擁するタンザニアにとっては、
重要な輸出品を手に入れたことになる。
この魚を加工して、ヨーロッパや日本に売ることが出来るのだ。
かくして、湖畔の町に、
大型の航空機が頻繁に飛んできては、
この魚を積んで飛び立っていく。

湖の生態系は崩れてしまったけれど、
この魚を、外国に売ることによって、
現地の人たちも、豊かになった、、、、、
はずだった。

しかし、、、。

映画「ダーウィンの悪夢」の中には、
まさに正視できないような事実が映されている。

現地の人にとって、
ナイルパーチはあまりに高い魚なのだ。
工場で儲かっているのは、ごく一部の人間だけ。
町には、暴力と売春と犯罪がはびこり、
人々の心は荒れている。
住むところさえない子供たちが、
わずかな食べ物を奪い合っている。

在来の魚にたよっていた伝統的な生活様式が、
急激な環境変化のために、廃れていってしまったのだ。
その、荒れた町の上を、飛行機は飛び立っていく。
明るく、清潔な店の中で、食事が出来る人たちの世界へと。

改めて、私達と世界とのつながりを考えさせられる映画だった。

映画「ダーウィンの悪夢」についてはこちらを

そう、ソバの世界でも、
このようなことが起こっていないとも言えないのだ。

|

« 備えあれば憂いなし | トップページ | 粉にならない「さなご」 »

コメント

こりゃスゴそうな映画だ、と思ったら、上映終了のところがほとんどのようですね。仕方ないので、DVDになるのを待ちます。世界には、知らないけど知っていた方がよいことが、いろいろとあるんですね。

投稿: 所沢太郎 | 2007年6月 1日 (金) 00時35分

所沢太郎 さん、こんにちは。
はい、東京での封切りはだいぶ前だったのですが、回りに回ってやっと長野でも上映になりました。
固い内容のドキュメンタリーということで、ちょっと行く脚が重かったのですが、見て良かったと思います。
アカデミー賞のドキュメンタリー部門にもノミネートされたのですね、この映画。
DVDになったら、ぜひ御覧下さい。

投稿: かんだた | 2007年6月 1日 (金) 07時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 備えあれば憂いなし | トップページ | 粉にならない「さなご」 »