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2006年9月22日 (金)

「ちゃんとしていないそば屋」

 先日の休みは保健所の講習会。
 車で30分ほどの講習会場へ出かけていった。

 会場の近くで、ふと、手打ちそばの看板が目に入って来たので、思わず寄ってしまった。
 30席ほどの、こじんまりとした、明るい店だ。

 メニューを見ると、どれどれ、おおっ、生ビールがある。酒は一銘柄で普通酒だけか。おや、焼酎のボトルもあるぞ、、、、。
 おいおい、これから固い話の講習会だろ。だいいち、車で来たのじゃないか。
 いやいや、酒のメニューを見ると、その店が、どんな人を相手にしようとしているのか、よくわかるのだ。と、苦しい言い訳。

 この店では、二八そばだけでなく、田舎と十割も用意してある。すごいな、三種類のそばを用意してあるなんて。
 ということで、その三種類のそばが出てくるメニューを注文。

 大きめのせいろを田の字に区切って、そばを盛ってある。一つのマスは薬味。
 さっそく頂きます、ということで、あっという間に平らげる。
 えっ、そばの味?
 酒飲みが、酒の味を利けないように、そば食いの私も、そば利きはできない。なにしろ、そばならば、何でもおいしく食べてしまうのだから。
 ただ、どういう粉を使って、どのように作り、どんな手間をかけているのかは、すぐに解る。でも、それが高いレベルにあったとしても、いいそば屋とは限らないのだ。

 私は、そば屋のそばを、よく言うように、「うまい」とか「まずい」とかで判断しない。というよりできないのだ。
 その代わり「ちゃんとしたそば屋」と「ちゃんとしていないそば屋」というように分ける。

 やる気があり、きちっとするべきことをこなしているのが「ちゃんとしたそば屋」だ。そういう店ならば、技術が未熟でも、粗末な造りであっても、応援したくなる。そこには「進歩」があるからね。

 私は、そばを食べ終わると、そっとせいろのスダレをめくってみる癖がある。ざるならば、引っくり返して底を見る。
 スダレの裏や、ざるの底が、きれいになっているのは「ちゃんとしたそば屋」だ。
 それが、黒くよごれているような店は、そうでないそば屋だ。けっこう有名店でも、こんな仕事をおろそかにしている店がある。そういう店には「進歩」はないと思ってしまうのだ。

 長年の癖だけれど、店の人が見ている前で、せいろのスダレをめくってみるのは、ちょっと気が引ける。だから、私は最近はやらない。でも、長年の習慣だから、私はやらなくとも、「無意識の私」が勝手にやっているかもしれない。

 その店でも、「無意識の私」がきっとスダレをめくったのだろう。頭の中に、とてつもなく大きな「不合格」のはんこが押された。
 よっぽどひどかったのだろうね。私は見なかったのでわからないが。

 私は、ちょっと寂しい気分で、その店を出たのだ。

 私も気をつけよう。



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コメント

かんだたは、建物が古いのに、さっぱりと片付き磨かれていて、いつ訪れても気持ちがいいです。
お店に一歩はいると、ご主人はじめ従業員全員が、きりりとした声で「いらっしゃいませ」といってくれるので、「はい参りました!」と返事をしたくなるくらいです。
仕事などで煮詰まっているとき、気分を仕切りなおすためにお昼食べに行ったりしてます。

投稿: | 2006年9月23日 (土) 22時54分

 いえいえ、そういわれて恐縮です。
 私なんぞ、他の店を云々という資格などないのですが、つい書いてしまいました。
 お恥ずかしい限りです。

投稿: かんだた | 2006年9月24日 (日) 06時57分

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