« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月31日 (木)

おめえ、へそねえじゃないか。

 このテレビコマーシャルを覚えている方は、もう、五十を超えておられることだろう。
 思えばあの東京オリンピックの年、街角の薬屋さんの店先に、緑色のカエルの置き物が出現したのだ。いまだに、このフレーズを覚えているなんて、コマーシャルの力はすごい。
 それより若い人には、解らないだろうなぁ。

Heso あのカエルにはへそがなかったけれど、そばにはへそがある。
 でも、それはほんの少しのあいだだけ、そばを打つ途中で現れる。
 いわゆる「へそだし」の工程。

 こね鉢の中で、つや良く練り上げたそば生地を、傷のない玉に仕上げるための方法だ。
 つなぎ目を一箇所に集め、細くとがらせる。そうすればほら、この写真のとおり。「へそ」とはよく言ったものだ。

| | コメント (0)

2006年8月29日 (火)

風を知る草。

Fuutisou2 「手打ちそば屋 かんだた」の入り口に置いてある小さな鉢植え。緑が初秋の日差しの中で引き立って来た。
 この草の名は「風知草」。そう、風を知る草なのだ。

 この草は日本原産。長野では、ちょっとその辺の山に行けば、簡単に見つけられそうな草だ。学問的に言っても一属一種。貴重な植物だ。

 葉が風にそよぐ姿が、古くから通人に好まれたらしい。最近のガーデニングブームで、ヨーロッパでこの草の人気が高まり、逆輸入された鉢植えが高価で売られている。
 もともと日本のものなのにね。

Fuutisou3 この草の特徴は、葉が裏返っていること。
 つやつやと光ってみえる葉は、実は裏側で、本当の表は反対側の白い方なのだって。だから「葉裏草」ともよばれるらしい。

 イネ科の植物なので、これから秋には、目立たないような小さな穂をつける。そして秋には枯れてしまうのだ。

 もう何年も、この鉢を育てて来た。
 店の前の、狭い路地の、わずかな風にもそよぐ「風知草」。その繊細さにひかれている。

 「風知草」
 風を知る草。
 その名前だけで、なぜかロマンチックなものを感じてしまうのは、なぜなのだろう。

| | コメント (0)

2006年8月28日 (月)

心頭滅却すれば火自ずから涼し

 一時ほどではないが、蒸し暑い日が続いている。

 今日は遠くから来られたお客さまが多かった。
 あれれ、という間にそばが足りなくなり、追い打ちをした。

 暑い時間帯の、閉め切った狭い部屋でのそば打ち。う〜ん、汗が出てくる。

 信玄亡き後、武田軍を滅ぼそうとする織田信長の軍。
 甲州は惠林寺の三門で、織田軍の放った火に囲まれながらも、座禅を続けた快川国師。その時に言った言葉がこれ。
 「心頭滅却すれば火自ずから涼し。」

 そうか、「心頭滅却」してそばを打てば、暑さなど気にならないはずだ。そう、「心頭滅却」すれば。
 そう思ってそばを打てば、なるほど、効果てきめん、、、、いや、やっぱり暑い。
 ところで「心頭滅却」ってどういう意味なの?

Senpuuki 「心頭滅却」できない凡人には、これ。
 やっと今頃になって、特売で買って来た手のひらサイズの扇風機。そばに風を当てないように上向きにし、顔に風を送る。
 わずかな風だけど、やっぱり違う。すーと汗が乾いていく。小さな職場の環境改善。
 この扇風機、そば粉にまみれて、来年まで動くだろうか。

 でも、でも、そう言って火に包まれていった快川国師。
 たかがそば打ちで大汗をかいてる私は、まだまだ未熟者。



 

| | コメント (0)

2006年8月26日 (土)

つなぎ粉はおいしいものを使う。

 そば屋には「どこどこ産玄そば使用」とか、「自家製石臼引き」とか、使っているそば粉を「ウリ」にしているところが多い。でも、十割の場合は別としても、つなぎに使っている小麦粉の産地や質を「ウリ」にしているところはない。

 そりゃそうだろう。
 そば屋の店先に、「香川産小麦粉をつなぎに使用。」なんてのぼりがあっても、ちょっとピンとこない。

 人のやらないことをしようとする、性悪な私。
 ならば、つなぎ粉にも凝ってやろうと考えて、いくつかの取り寄せてみたことがある。
 国産では有名な「はるゆたか」、長野産の「地粉」、外国産の「オレゴン」などなど。

 さあ、これでそばをつないだらどうなるのか。
 打ってみた。茹でてみた。食べてみた。
 そして、納得した。

 正直言って、そばはグンと旨くなる。
 でもね、それはそばのうまみではなく、うどんの旨味なのだ。
 わずか二割弱ぐらいの配合なのに、「そば」の味は「うどん」の味に負けている。

 粉屋さんが、なぜ、「そば用のつなぎ粉」とことわるのか、納得した。つなぎ粉がうますぎては、そばにならない。
 粉屋さんに、どんな粉を使っているのと聞いても「えへへ」といって教えてくれない。そばの味を引き立てていくつなぎ粉。やっぱり長い間の積み重ねから生まれたものなのだ。

| | コメント (0)

2006年8月25日 (金)

手打ち蕎麦の定義は。

 今日のニュース。
 やっぱり冥王星は、惑星から外れてしまったのだ。
 子供の時に見たプラネタリウムの太陽系の模型。木星、土星、そして天王星、海王星と巨大な惑星の並んだその奥に、ぽつんと小さな冥王星。こんな、小さな星をよく見つけたものだと思っていた。
 惑星と認めるには、小さすぎるのだって。

 惑星と認められなくとも、宇宙から消えてなくなる訳ではない。そこにあることは確かなのだ。
 それにしても国際天文学会。外野としてはどうでもいいことだけど、やっぱり、学者としては、厳密な定義が必要なんだね。「惑星」とはなんぞや、という。

 それにしても、やたらと立っている「手打ち蕎麦」ののぼり、看板。
 機械で打っても、自家製だから「手打ち蕎麦」。うちは工場から「手打ち風」を仕入れているから「手打ち蕎麦」。大汗かいて一生懸命作っても「手打ち蕎麦」。
 誰か「手打ち蕎麦」の定義を決めてくれ。

 国際「手打ち蕎麦」学会ってないのかな?

| | コメント (0)

2006年8月24日 (木)

外二の割合。

 「手打ちそば屋 かんだた」では、通常のそばは、「外二」という割合でうっている。つまり、そば粉十につなぎ粉二と言う割合。

 なんで二八じゃないのとよく言われるけれど、それには深い訳が、、、。だって、粉の計算が楽じゃないか。

 はい、ここに1350グラムのそば粉があります。ニハそばにするには、つなぎ粉をどのくらい入れればいいのですか。合計で何キロですか。
 計算始め、ちっ、ちっ、ちっ。
 か〜ん。
 はい出来ましたか。
 えっ、できた。
 つなぎ粉は337.5グラムで、合計1687.5グラム。
 ちょっと、電卓を使ったでしょう。
 ずるい。

 そば打ちをする時には、電卓なんて使っていられない。
 「外二」にするのであれば、そば粉の重さを倍にして、十分の一にすればいい。 1350グラムのそば粉であれば、つなぎ粉は270グラム、合計は1620グラム。 ね、簡単でしょう。
 これなら暗算でできる。

 だから私は「外二」で打つのだ。

 なんて書くと、また本気にされてしまうのでやめておこう。

 わずかなつなぎ粉の量の違いであるけれど、そばにしてみると、結構感触が違う。これが「九一」だと、ややざらついた感じになる。「二八」だと、ちょっと重たくなる。
 まあ、その間ということで「外二」でそばを作るのだ。

 決して計算しやすいからではないので、あしからず。


  

| | コメント (0)

2006年8月22日 (火)

根の発達しない蕎麦。

 長野地方では、もう蕎麦の種の植え付けが済んでいることだろう。関東地方の平野部では、これからのところもあることと思う。
 だいたい初霜の降りる三か月前がいいとされているが、品種や地勢などによっても違い、各地域で標準的な蒔き時が決められているのではないかと思う。

 「手打ちそば屋 かんだた」の入り口には、七月の半ば頃蒔いた蕎麦の鉢が置いてあるが、ひょろひょろと伸びて頼りがいがない。
 強い雨でも降れば、すぐにパタリと倒れてしまう。
 やはり季節外れに植えたからいけないのか。

 でも、毎年畑で少しだけ蒔く蕎麦だって同じだ。ククッと勢い良く伸びたかと思うと、ばたんと地面に倒れてしまう。その先から、新芽が伸びていくたくましさはあるけれど、もう少し根がしっかりとならないのか。

 う〜ん、根が発達しないのは、この植物の特徴かもしれない。
 五六十センチになった蕎麦の茎を引っ張ってみれば、簡単に根っこが抜けてしまう。隣の雑草を引き抜こうとしたら、その五倍ぐらいの力が必要なのにね。

 つまり、蕎麦という植物は、日の当たる葉っぱや茎や花の方ばかり育てていて、根っこの方は置き去りなのだ。土台の無い高層ビルのようなもの。いつ倒れても不思議ではない。
 だから、風や強い雨に弱いのだ。そして、年によって出来不出来の差が大きくなってしまう。

 こんな根の張らないような材料を使って、商売しているから、「そば屋」もなかなか根が張らないんだな。
 う〜ん、なっとく、なっとく。

 

| | コメント (0)

2006年8月21日 (月)

噛めよ、噛め噛め。

 最近は、固いものを噛むことが少なくなっている。

 固くて塩っぱい沢庵を、ポリポリと食べることもないし、目刺を頭からかじって、骨を噛み砕くこともない。かちかちに干したスルメを焙って食べることもないし、木の実の殻を、歯でこじ開けることもない。

 食べ物が、柔らかいものが多くなっているのだ。
 コンビニで売られている食べ物のように、ふわっとマシュマロ的なものを、口にすることが多くなっているのだ。

 現代人のあごは退化しているという。
 このままでは、数十年後のの日本人の顔は、みな、逆三角形になるという。
 子供の時に見た、宇宙人を描いた挿絵みたいだ。

 あまり噛まないことは、体には負担になっているという。とくに消化器系への負担が大きいらしい。

 だから、我々は、日頃から意識して多く噛むようにした方がいいらしい。

 よく噛めば、口の中の衛生になるし、胃に優しくなる。噛むことで脳に刺激を与え、働きが活発になるという人もいる。
 先日のテレビ番組でも紹介されていたが、ご飯であれば三〇回ぐらいは噛んだ方がいいという。
 また、よく噛んで食事をする人の方が、肥満になりにくいという説もあるらしい。

 そう、食事の時によく噛むことが、健康を保つ秘けつなのです。
 そうして、意識して良く噛む習慣を身につけた方々もいらっしゃるようだ。

 でもね、、、。

 確かに噛んだ方が、いいのかもしれないけれど、、、。

 う〜ん。

 あの〜、、、、。

 そば屋では、あまり噛まなくとも、、、

 いいんじゃないかな。

 え〜、、、。

 私のそばは、そんなに固いのかな、、、。


 ええい、そばぐれえ、噛まずに食え。
 べらんめえ。

| | コメント (0)

2006年8月19日 (土)

長野は36.5℃。

Ondo お盆を過ぎてから、暑い日が続いている。
 店の旧式のクーラーは、ウーウー言っているだけで、効き目がない。
 二階の座敷の温度計を見たら31℃。おいおい、もう少し涼しくならないのかよ。

 それでも外よりは涼しいのか。今ニュースで聞いたら、今日の長野の最高気温は36.5℃だそうだ。ああ、私の体温より高いではないか。

 この暑さの中で、そばを打つのは、汗を振りまいているようだ。
 そば打ち場にはクーラーは効かない。もともと、粉じんを巻きあげるので、こういう機械は、そば打ち場に置こうものなら、すぐに目詰まりを起こしてしまうだろう。
 風が顔だけに当たる、小型の扇風機を買おうと思っているのだけれども、いつも涼しくなるまで我慢してしまうのだ。

 涼しい朝のうちにそばを打つのならいいが、追い打ちの場合は悲惨だ。先日もそばが足りなくなり、暑いさなかに追い打ちをしなければならなくなった。
 うち場は店の入り口の横にあるので、お客さまから覗かれる。後ろの扉を開けておくわけにもいかず、調理服姿で、見た目は涼しい顔をしてそばを打つ。
 こういうときは、じわっとした粘っこい汗が出る前に、そばを打ってしまうことだ。それでも終わった時には、シャツは汗でびっしょりとなっている。せめて顔から流れ落ちないだけましか。

 まだまだ続きそうな暑さ。きっと、店までやってこられるお客さまも、必死な思いで入ってこられるのだろうな。
 その、お客さまの気持ちを考えると、こっちが暑いなどと言っていられない。でも、もう少しクーラーが効かないかな。



| | コメント (0)

2006年8月18日 (金)

三分の一感覚

 ここに羊羹が一本ある。食べる人は3人。
 さて、あなたはどう切りますか。

 え〜、三つに切るのが難しいので、四つに切って、私が二切れいただくのが、いちばん平和な切り方。

 、、なんて、どこかの大国が言いそうな理屈をいってはいけない。料理人たるもの、きちんと、正確に三つに切り分ける技術を持っていなければ。

 いつも感心するけれど、慣れた板前さんは、刺身の柵を、きちんと人数に合わせて切ることができる。少なくとも、見た目には平等に。
 子供の時に鍋を持って買いにいった豆腐屋さんも、水槽の中で、きちっと、いつも同じように、豆腐を切り分けてくれる。

 包丁に慣れていない人には、ちょうど半分に切ることさえ難しい。日々、使って慣れてくると、何と言うことなしに、正確に切れるようになるのだろう。
 三分の一、五分の一などの感覚も、身についていくのかもしれない。
 料理の講習会で、よくやらされるニンジンの梅鉢づくり。正確に五角形を作り、あっという間にきれいな梅を仕上げる講師の人。こういうのも、日々の仕事の中で研ぎすまされていく感覚なのだろう。
 私のように、型で抜けばいいや、などと思っている人間には進歩がない。

Sobadofu しかし、三つに切らなければならないときもある。
 いつも作っているそば豆腐。これは、型の大きさの関係で、9個に切り分けなければいけない。
 正確な三分の一の感覚。こういうのも日々の繰り返しの中でつかんでいくものなのだろうか。
 理屈ではない。勘と経験の世界。

| | コメント (0)

2006年8月17日 (木)

たかがビール、されどビール。

Beer 埼玉から来たお客さま、店に入るなり、すぐにビールを注文された。外は30℃をこえる暑さ。先ずは喉を潤したかったのであろう。

 ビールを持っていくと、「どうして、これがここにあるの。」とかなり驚かれたご様子。そう、「手打ちそば屋 かんだた」でお出ししているビールは、ちょっと手に入りにくい、というより、一般にはあまり売られていないプレミアムビールだからだ。

 対応した係の者の話では、このビールが好きなのだけれど、売っているところがなくて、探していたところだったという。よっぽどうれしかったのか、4本立て続けに飲まれていかれた。
 こうして、ビールへのこだわりが分かっていただけるお客さまはありがたい。
 たまに、ビンを持ち帰るお客さまもいらっしゃるくらいなのだ。

 開店の時、そばの前のビールということで、何を取り扱うか迷っていたが、結局のところ、このビールに落ち着いた。それまでには、長い長い話が、、、、。

 私個人的には、「恵比寿ビール」のような、コクの深いタイプのビールが好きだ。しかし、そばを食べる時に、はたして、そのビールはあうのだろうか。
 何本ものビールを買って来て、そばとともに試してみた。普段、あまりビールを飲まない私にとって、まさにそれは試練そのものだった。でも、これ仕事のうちと割り切って、無理をしてでも毎日ビールを飲み、そばを食べてみた。
 えっ、それにしては顔がにやけていたって。
 私は緊張すると、顔がにやけるのだ。(そういうことにしておこう。)

 その結果、あまりコクや苦みのあるビールは、そばの味、とくにそばつゆの味を変えてしまう恐れのあることに気がついた。
 口にビールの味が残らないビール。そばの味を邪魔しないビール。そういうことでたどり着いたのが、このプレミアムビールなのだ。
 正直な話、このビール、あっさりし過ぎて、あまり売れないらしい。でも、地域限定のご当地ビールとしては人気があるらしい。

 その、あっさりとしたビールを注ぐグラスが、長野在住のガラス工芸作家、前田一郎さんの作ったグラスだ。ゴツゴツとした手作り感が気に入っている。
 時々、欲しいという方がいるけれど、値段を聞くと驚かれるようだ。でも、丈夫で使いやすいグラスだ。

| | コメント (0)

2006年8月15日 (火)

えっ、大阪には「たぬきうどん」はないの?

 「たぬきそば」関連で調べていたら、面白いことに気がついた。

 これは既に言いふるされていることかもしれない。
 でも、東京出身の私としては、今まで実際の経験がなかったので、知らなかったのだ。

 東京で「たぬきそば」といえば、かけそばに「天かす」がのっているもの。ところが大阪で「たぬき」といえば、かけそばの上に「油揚げ」がのっているのだそうだ。
 「油揚げ」が乗っていれば、東京では「きつねそば」になるのだが、大阪では「たぬき」というらしい。
 何でも、大阪のそば屋さんでは、ほとんどの場合「天かす」は取り放題でテーブルの上に置いてある。だから、わざわざ、「天かす」ののったそばやうどんを頼まなくともいいのだ。「かけ」を頼んで、自分で「天かす」をいれればいい。

 だから、大阪には「たぬきうどん」というメニューはないそうだ。
 特徴的な「天かす」がのった場合は、「ハイカラうどん」「ハイカラそば」と呼ぶそうだ。

 東京と大阪では、「たぬき」と「きつね」の化け方が違うようだ。

 ええっ、なんだって。
 京都で「たぬき」というと、また違うの?

 狐に鼻をつままれたみたいなので、今日はここまで。

| | コメント (0)

2006年8月12日 (土)

ヘテロスタイリー(実写編)

 昨日のそばの花には、長い雌しべを持つものと、短い雌しべを持つものがあるという話。さっそく、玄関先で咲いているそばの花で実証してみよう。

 と、虫眼鏡を持って行ったのだけれど、何分にもそばの花は小さい。いくら虫眼鏡で見ても、よくわからないのだ。
 虫眼鏡以前に、こちらの目が怪しい。じっと見つめれば見つめるほど、花の姿がぼやけてしまうのだ。
 これはもっと強力な拡大鏡が必要だ。

 カメラで撮って拡大すれば、なんとか分かるかと思ったけれど、意外と小さなものを撮るのは難しい。
P1010008 それでも、この花は、雄しべが長く、雌しべが短いのが分かる。


P1010009_1 この真ん中にある花は、雄しべの上に、雌しべが飛び出しているようにみえる。

 つまり、上の花と下の花同士であれば、実がつけることができるのだ。でも、その間数十センチ、僅か三ミリぐらいのそばの花が、いくらすてきなラブソングを歌ったところで、もう一つの花が飛んでくるわけでもない。
 こうしてみると、そばが実をつけるということは、結構大変なことなのだね。

| | コメント (0)

2006年8月11日 (金)

ヘテロスタイリー

 鉢に撒いたそばの花が咲きはじめた。長野では、そろそろ栽培用のそばを撒く季節だ。

 そばの花というのはややこしい。花は次から次へと咲いていくのだが、いっこうに実のできないときがある。
 なんでも、そばの花には、雌しべの長い花と、短い花があるのだそうだ。長い花の雌しべは、短い花の花粉を貰わないと受粉しない。同じように、雌しべの短い花は、長い花の花粉を貰わないと実ができない。
 つまり、一つの花では、受粉しないのだ。

 こういうスタイルを「ヘテロスタイリー」と呼ぶらしい。

 いくつかの植物でも見られるという。種の保存のために、自然界が考えたシステムの様だ。これがため、そばの品種改良などは、なかなか難しいようだ。

 そば畑を飛び交う小さな虫たち。彼等が花粉を運んでくれるから、この気難しいそばの花も実をつけてくれるのだ。

 人間にはいないよね。ヘテロスタイリーな人って。
 ん、それに近い性格の人は、うん、いるかもしれない。
 この時期、長野の人たちは、新潟の海へ遊びに行き、新潟の人たちが、千曲川に鮎釣りに来ている。これって、、、、。

| | コメント (0)

2006年8月10日 (木)

ダッタンそばのダッタンってなに。

 中学生ぐらいの女性のお客さまから、聞かれてしまった。
 「韃靼(ダッタン)そばって、シェイクスピアの真夏の夜の夢に出てくる台詞、『ダッタン人の矢よりも早く』のダッタン人と関係があるのですか。」

 ええっ、なんて格調の高い質問なのだ。シェイクスピアだって、真夏の夜の夢だって。
 う〜ん、答えに窮した私。

 恐るべき中学生。シェイクスピアを読むなんて。と思ったら、女の子の人気漫画「ガラスの仮面」で、この劇のことが出てくるのだって。それで「ダッタン人」という言葉を覚えていたらしい。

 調べてみると「ダッタン人」とは広くモンゴル人を指す言葉だったようだ。時に「タタール人」とも呼ばれ、トルコ系民族と混同されることがあるという。
 モンゴル人は遊牧民族だから、矢を射る技術も優れていたのだろう。エキゾチックな表現が好きだったシェイクスピアが、作品の中に取り入れたのもうなずける。

 ダッタンそばとは、そのモンゴルのあたりで栽培(あるいは自生か)されていたそばのこと。
 よし、これでシェイクスピアが来ても大丈夫だぞ。


 

| | コメント (2)

2006年8月 8日 (火)

せいろのサイズ

 せいろのことを調べていたら、長方形のせいろには、サイズが二種類ある。
 「六八せいろ」と「七五せいろ」だ。

 どちらが大きいかといえば「七五せいろ」で(七寸×五寸)、一方の「六八せいろ」は(六寸八分×四寸八分)。
 なんだ、たった二分(6ミリ)の違いじゃないか。

 それでも、そういう違いで規格になっているらしくて、オキス(すだれ)を頼む時なんぞ、このどちらかを間違えれば用はなさなくなる。
 ややっこしい、規格だ。きっと調べれば何かのいわれがあるのかもしれない。

 どこかで、古い時代のそば用のせいろを見かけたことがあったが、かなり小さいものだった。昔はもっと小盛りだったのだろうか。それとも、たまたまそうだったのか。

 近頃は、せいろを使わないのに「せいろそば」といって、出される店がある。
 先日いった東京の店もそうだった。ちょこんとしたざるの上に、そばが盛られていた。陶器の器に盛られた「せいろそば」もあるらしい。
 単なる「もり」では俗っぽくて物足りないのか。のりを載せる「ざる」との混用をさけるためか、「せいろそば」は本来の「せいる」から離れて、一人歩きをはじめたらしい。

| | コメント (0)

2006年8月 7日 (月)

食べ歩きの好きなお客さま。

 今日はなかなか面白いお客さまがお見えになった。営業時間中のカウンター越しの話なので、あまりゆっくりと話はできなかったが、良い参考になった。

 お一人目の方は、東京から仕事で見えたネクタイ姿の方。今日はこれから名古屋に向かわれるという。
 ずいぶんと、各地のそば店を食べ歩いているご様子。そのうちに外国の話になった。パリには何回も行かれているみたいで、日本食のレストランが多いと言う。特にラーメン屋が増えてきたという。
 ほお、パリにいる日本人向けのラーメン屋なのかと思ったら、フランス人の中でも、ラーメンが浸透しつつあるのだという。へ〜え。
 さすがにそば屋はまだ見当たらないらしい。
 冗談で、いつかスペインでそば屋を開くつもりだ、と言ったら、スペインより、イタリアの方が麺にこだわりがあるので、いいのではないかと言う話。

 遅い時間に見えた、もう一人の方もサラリーマンの方。仕事で日本中を旅していらっしゃるという。あちらこちらで、麺類を食べ歩くのが、楽しみとのこと。
 話を聞いてみると、各地に隠れた人気そば店があるという。特に山形地方は、そばに限らず、うどん、ラーメンの店が多く、土地の人が麺類好きなのだという。また、京都の丹波の方にも、名店がいくつかあるらしい。
 全国を歩いてみても、やはり特徴的なのは、香川のうどんだという。これだけうどんのが日常的に食べられているところはないだろう。安くて、いつでも、どこでもおいしいうどんが食べられるという。

 こうして、遠いところから、あるいは全国を回っているかたがたの話を聞くことは楽しい。私のような隠れた、目立たないところにも立ち寄っていただけるのは、それなりに好奇心旺盛なかたがたと見受けられる。ありがたい限りだ。

| | コメント (0)

2006年8月 6日 (日)

日常的な行動の落とし穴。

 埼玉県で起きたプール事故は痛ましい限りだ。
 若い頃、プール管理の仕事に携わっていた者として、心が痛む。どうして、こんな初歩的な、基本的なことが確認されずに放置されていたのだろうか。排水溝、吸水口の固定は、水質管理以上に大切なチェック項目であるべきはずだ。

 新聞によれば、請負会社の人が、針金で固定していたという。
 つまり、その人たちにとって、吸水口の危険性よりも、とりあえずフタができていればよかったのだ。
 「まあ、とりあえず針金でとめておこう。そのうち誰かがどうにかしてくれるだろう。」
 そんなことを繰り返しているうちに、それが当たり前になってしまう。何のためにフタがされているのか、等と考えなくなってしまう。
 人間の行動パターンとはそういうものかもしれない。

 お客さま相手に、商売をしている身としてもそうだ。
 何となく、日々の繰り返しに追われ、それが何のためにされているのか、気にとめなくなってしまうことはないだろうか。
 「とりあえず、こうしておこう。」というのが、いつの間にか恒久的になってはいないだろうか。

 最初はお客さまのためにと思ってはじめたことが、いつの間にか、スタッフの都合のいいようにと、変わっていないだろうか。

 商売をさせてもらっている以上、お客さまに対して責任はある。
 自分自身で、常に確認していく姿勢を忘れてはいけない、こういう事件を聞くと、そういう思いを強くする。

| | コメント (0)

2006年8月 3日 (木)

そばを茹でるとどのくらい増えるの?

 茨城にある「そば処 暁山」のご主人は、たいへん研究熱心なお方だ。
 そのブログの中で、「蕎麦を茹で上げた後の増分は?」ということで、生麺と、茹で上がったそばとの重さを比較していらっしゃる。

 う〜ん、これは面白いぞ。
 「手打ちそば屋 かんだた」では、一人前のそばを、ゆでる前の麺で120グラムにしている。さて、茹でればどのくらいの重さになるのだろう。
 ということで、早速実験。

Yudemae
 まず、こちらが茹でる前。きっちり120グラム。


     

Yudetate

 さて、こちらが茹でた後、約一分ほど、ざるの上で水切りをしてから計ってみた。166グラム。

 ということは、1.38倍の増加率。まあ、だいたいそんなものではないかなと思っていた、つまり、茹で上がりで170グラムぐらいだろうと。
 今の時期の粉だから、多少吸水が悪いのか、それともその逆か。また、新そばになってからもやってみよう。

| | コメント (1)

« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »