2012年5月18日 (金)

そば打ちは重労働?

二ヶ月ぐらい前から、
腰痛予防のために、近くのスポーツクラブで、
週一回ぐらいのペースで水泳を始めた。
もともと、泳ぐのは好きなのだけれど、
ここのところ、もうずいぶんと泳いでいない。
およそ、7年ぶりぐらいに泳いだのだが、
さすがに身体が重く感じられる。
でも、泳いでみて、自分でも驚いたのだが、
思ったより、息が苦しくなるようなことがないのだ。
つまり、ハアハアと、息が弾むことも無い。

もっとも、あまり力を入れずに、
のんびりと泳いでいるせいもある。
せいぜい、40分かけて千メートルぐらい泳ぐ程度。
それでも、いきなり泳いだのに、
スムーズに息が続くのが不思議な気がした。

考えてみたら、毎日4回はしているそば打ちで、
毎回息を弾ませているのだ。
横にストップウォッチを置き、
作業ごとのペース配分を守りながらそばを打っている。
水回しや捏ねなどの木鉢の作業では筋力が、
伸しや切りの作業ではスピードが大切。
夏は大汗をかき、
冬だって、二回三回と続ければ汗ばんでくる。

そんなそば打ち仕事が、
水泳にも必要な私の心肺機能を、
まあ、それほど衰えぬ程度に保ってくれているのかもしれない。

そば打ちは体力勝負ともいわれる。
特に商売でやっていれば、
時間というファクターがかかるので、
なおさら、身体を動かさなければ。

じゃあ、そば打ちが、
それほど重労働かと言えば、
ん、、、、、それほどではない気がする。

なにしろ、
それほどの重労働を毎日しているのに、
少しも私の体重が減らない、、、、。
(他に原因があるのかも。)

そば打ちは、腕や、局部的な筋力を使うけれど、
全体としては、それほど消費カロリーの多い運動とは思えない。
じゃあ、体力の弱い人でもできるのかというと、
そうでもないようだ。

およそ100の力を必要としている仕事を、
100の力を持っている人がやれば、
それこそ、全力の力を出さなければならない。
だから、その仕事は重労働。

でも、100の力を必要としている仕事を、
200の力を持っている人がやれば、
なんと、〜〜鼻歌まじり〜〜〜。
同じ仕事をしているのにね。

だったら、100の力を持っている人は、
50の仕事をすればいいじゃないか、、、
というけれど、
それは「手抜き」といわれるだけ。

普通の人が見える、100と思う仕事は、
最低限こなさなければね。

ということで、
鼻歌まじりでそば打ちができるように、
さらなる体力アップに励まなければ。
で、
なぜ、私の体重は減らないのだろう?

 

Chigoyuri

 

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2012年5月14日 (月)

酒のあとの蕎麦?蕎麦の前の酒!

五月も半ばになるというのに、
長野ではここのところ、
ストーブを点けずにいられないような、寒い日が続いた。
その寒さも遠のき、
これからは初夏の爽やかな日々となるようだ。

ちょっと、俳句を紹介しよう。

酒のあと蕎麦の冷たき卯月かな

                野村 喜舟

卯月(うづき)とは陰暦の4月のこと。
ちょうど今ごろの季節を指すようだ。
この頃は、まだ、蕎麦を洗う水もまだ冷たい。
酒を飲んで、ほんのりほてった身体に、
程よく冷えた蕎麦が、気持よく喉を通るのだ、、ろう。

ここでいう酒とは、もちろん、日本酒のことだろう。
蕎麦には、やっぱり日本酒が合うようだ。

ところが、その酒が売れなくなっている。
そう、日本酒離れが叫ばれて久しい。
日本酒を蕎麦とともに飲んでいただきたいと思っている、
そば屋としては、残念な傾向だ。

若い人には、日本酒は飲みづらいものになっているようだ。
先日も、ある宴会の飲み放題で出された酒は、
あまりお勧めできないレベルのもの。
こういうのを日本酒だと思われてしまっては、
確かに敬遠されてしまうだろう。

最近はスーパーでも酒が売られていて、
日本酒もあるが、う〜ん、こういう酒ではねえ。
いや、もちろん、そういう手に入りやすい、
気楽な酒も必要。
しかし、日本酒の世界は、
もっと、奥の深いもの。
スーパーの明るい照明の下で売られている、
大手ブランドの酒だけが、日本酒ではないことも、
知っていただきたいなあ。

長野県は全国的にも、酒蔵の多い県。
皆さんがんばって、いい酒を作っている。
そのいい酒が、流通ルートの関係などで、
なかなか、普通の人の手に入りにくいのが難しいところ。

かんだたでも、地元長野の特別純米や純米吟醸酒を置かせていただいている。
日本酒なんぞと、最初から敬遠せずに、
ぜひ、蕎麦と一緒に味わっていただきたいものだ。

ところで、
最初の明治生まれの俳人、野村喜舟の句には、
気に入らないところがある。

酒のあとの蕎麦?
とんでもない!
そんな人は、酒も出さないし、蕎麦を食べさせないぞ。

えっ?
蕎麦の前の酒。
そりゃあいいねえ。
何杯でも酒も蕎麦もどうぞ。

Houka

 

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2012年5月10日 (木)

辛味は無いけれど「ワサビ切り」。

スーパーの地元野菜のコーナーに、
自然栽培のワサビの茎があった。
農家の人が直接出品しているので、
時々、こういう珍しいものが手に入ったりする。

Wasabi1

ということで、この火曜日は恒例の「十割そばの夕べ」。
皆さんご来店ありがとうございました。

で、今回の変わりそばは、このワサビの葉を使った、
「ワサビ切り」ということになった次第。

ピリリと辛く、独特の風味を持つのが、
ワサビの特色。
でも、ワサビは熱を加えると、
辛さも風味も消えてしまう。
それをあえて承知で「ワサビ切り」に挑戦。

Wasabi2

使うのは、ワサビの葉の部分だけ。
これをさっと、お湯を通し、
ミキサーでペースト状にする。

Wasabi3
これを白い更科に、混ぜて打ち込む。
この時点ででは、ワサビらしいすっとした香りがたっている。
残念ながら、辛味は無いけれど。

そうしてできたそばがこちら。

Wasabi4
写真ではうまくお伝えできないけれど、
この色が、何ともいえない。
アスパラや、ホウレンソウなどと違う、
独特の爽やかな緑色。
いま、犀川や千曲川の川縁で芽吹かんとしている、
カワラヤナギの新緑のような色。
まさに「ワサビ色」とでもいうのだろうか。

でも、
食べて見ると、
確かに、辛味も風味も無い。
食べた後に、なにか口の中に、
爽やかなものが、ほのかに残る程度。

味よりも、
この、涼しげな、
初夏らしい色を楽しむそばなのだろう。

今回の突き出しは、
まだタマネギにならない葉タマネギのぬた。
小鉢は、
里ブキと生節(なまり)の煮物。

ということで、
立夏を過ぎた季節の風味を味わっていただいた、、、
、、、かな。

Roke

 

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2012年5月 5日 (土)

GWは「がっちりWork」

あれよあれよという間にゴールデンウィークに突入。
ありがたいことに、連日大勢の方にご来店いただき、
感謝にたえません。

かんだたは、すべて手作りの料理を提供させていただいているので、
その分、仕込みに時間がかかってしまう。
連日の寝不足で、
メールやコメントへの返事ができなくてすみません。
ツィッターでつぶやく閑もありませんでした。

ということで、このブログも書いているうちに、
猛烈な睡魔が、、、、ZZZZ.......。

こんな状態なので、時間ができたらまた書きます。
せっかくなのでそば寿司でも、おつまみください。

Sobazushi4

Sobazushi5

Sobazushi6

 

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2012年4月24日 (火)

そば徳利でお出しする汁。

Sobachoko

かんだたでは、
そば汁は、そば徳利に入れてお出しし、
そば猪口は空になっている。
お客様にそば猪口に汁を注いでいただくのだ。

どうしてかというと、
そば汁のつけ加減を、
お客様に調整していただくこと。
そして、
そばを食べている間に、
どうしても汁が薄まってしまうので、
継ぎ足して、元の濃さを保っていただくため。

そば汁を盛り切りで出す店も多いが、
そばの水切りが悪いと、
汁が薄まってしまって、
そばの味がぼやけてしまうことがある。

そのため、
そば猪口には、
汁を少しずつ継ぎ足して、
最後までおいしくそばを召し上がっていただきたいから、
あえて、そば徳利で汁をお出しさせていただいている。

だから、最初は、
そば猪口の底の方に少しだけ汁を注ぎ、
食べていかれるに従い、
継ぎ足していただくのが一番。

でも見ていると、
けっこう多くの人が、最初からそば徳利を空にしてしまう。
つまり、徳利に入っている汁を、
最初からそば猪口に全部入れてしまうのだ。

当然、そば猪口には汁がたくさんあるから、
そばも、その中にどぶんと浸けて召し上がる。

お客様の食べ方をどうのこうのいうつもりは無いが、
ちょっと、もったいないかなあ、、、
と思うこともある。

もちろん、そういうところを心得ているそば好きな方も多く、
加減してそば汁を注ぎ、
ちゃんとそば湯の分まで残されている達人もおられる。

そんな、
お客様のそば汁の注ぎ方一つで、
つい、そばを食べ慣れている方かなあ、、
などと、思ってしまう。
いえいえ、もちろん、
どっぷりと汁を付けて食べるのが好きな方もいらっしゃるから、
それはそれで、
もちろん構いませんが。

でもねえ、逆にお客様から見ると、
そば汁の出し方一つで、
お店の姿勢が見えてしまうこともあるらしい。
こわ〜〜〜。
という話は、また今度。

Wasabi


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2012年4月19日 (木)

畑仕事の助っ人「こまめ」君。

やっと、長野でも桜の開花宣言。
いつまでも雪が降ったりして、
しぶとい寒さにうんざりとしていたのが、
ここ一週間ほどで、一気に春になった感じ。

さて、かんだたでは、
長野市内を流れる犀川の河川敷に、
畑を借りて、
農薬を一切使わない野菜を育てている。

ほんの一部ではあるけれど、
店で使わせてもらっている。
薬味のネギや大根、
夏のナスやキュウリ、サラダ菜などなど。
春になれば、その畑仕事が一気にスタートする。

今年は、冬が寒かったのと、
週に一度しか畑にいくことができない水曜日に、
天候の悪い日が多く、
全く、畑の下準備が終わっていない。
いつもなら、冬の間に、少しずつ耕していたのだ。
ましてや、腰痛と脚のしびれに悩ませされるようになってしまった。
下草の萌え始めた土を、どのように起こせばいいか、思い悩むことになった。

五年ほど前までは、
古い耕耘機を使って畑を起こしていた。
でも、なにしろ古い上に、
機嫌が悪い。
動いたり動かなかったり、
その上、百坪ばかりの畑では、
大きすぎて持て余し気味。

そのエンジンが、ついに動かなくなってしまったので、
以後、ひたすらスコップと鍬を使って、
自分のお腹の中の燃料で畑を耕してきた。
耕耘機は欲しいが、
農機具屋に置いてあるものは、
私の畑にには大きすぎる。

で、
調べてみたら、
最近は家庭菜園用の、
小型の耕耘機が売り出されているではないか。

地元の農機具屋に問い合わせても、
そんなオモチャは取り扱わないよ、、、みたいな感じでらちがあかない。
で、ネットで注文すれば、
次の日には、ちゃんと、オイルを入れて、
試運転済みの耕耘機が送られてくる。
便利な世の中だ。

そこで、
畑デビューとなったのが、
ホンダの耕耘機、
その名も「こまめ」。

Komame
重さは27キロで、
私の軽自動車にも積むことができる。
エンジンも軽やかに始動。

まあ、以前のものに比べれば、
明らかなパワー不足ではあるけれど、
それでもそれでも、力強く土を掻き回してくれる。
草の生えているところや、でこぼこは苦手なので、
とっとと、進んで行ったりもする。

ちょっと、動かす感覚に慣れが必要だが、
僅か十五分ほどで、そこそこの面積を耕してくれた。

Komame2
こういう機械には頼りたくない、
とは言いながら、限られた時間、
限られた体力で、
皆さんに喜んでいただく野菜の育つ手伝いをするわけだから、
上手に使わなければ。

そうして、また、
今年も、あれを育てよう、
こういうことをしてみよう、
と思いをめぐらす、
畑仕事でいちばん楽しい季節でもあるのだ。

Komame3

 

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2012年4月16日 (月)

使う器によって、味の感じ方が変わる。

ある会社員の方が、
日本からニューヨークにあるアメリカの会社に出向したそうだ。
様々な国籍の人が働くその会社の社員食堂では、
日替わりで変化に富んだメニューが出されていた。
ある日、スープボウルに入れられたのはミソスープ。
ああ、日本のみそ汁だ、懐かしい、
と、その人は、スープボウルを持ち上げて、
口につけてすすった。
そのとたんに感じた周囲の白い目。
スープボウルに直接口をつけて飲むなんて、
なんて野蛮な教育の無い人なのだと、
そう言わんばかりの視線が、その人に集まった。

アメリカでは、器を持ち上げて、
まして、それに直接口を付けるのは、
大きなマナー違反なのだ。
その人は、仕方なく、
スープボウルをテーブルに置いて、
他の人たちがしているように、
スプーンでみそ汁をすくって飲んだそうだ。
そして、少しもおいしくなかったという。

そんな話が、新聞に載っていた。
なるほどね、
みそ汁をスプーンで食べるというのは、
想像してみても、おいしく無さそうだ。

かんだたでは、
ドンブリに入れた温かいそばをお出しいている。
時々、女性のお客様などに、
レンゲが欲しいといわれることがある。
そういう時にはすぐにレンゲをご用意させていただいている。

少し重めのドンブリでもあるし、
見た目を気にする女性方には、
直接、ドンブリに口を付けることには抵抗があるのかもしれない。
そう言う時には、
遠慮なくおっしゃっていただいてかまわない。
韓国の方などは、
器を持ち上げてはいけないと躾けられているそうなので、
そう判れば、レンゲをお付けしている。

でも、
ちょっと知っておいていただきたいのが、
ドンブリでそのまま飲む汁の味と、
レンゲですくって飲む汁の味とは、
ちょっと違うということ。

いや、汁が違うわけではない。
同じ味付けの汁なのだが、
味の感じ方が、微妙に変わってくるのだ。

ドンブリで飲むときの口の形と、
レンゲで飲むときの口の形を想像していただきたい。
ドンブリで飲むときの方が、口が横に開いている。
レンゲで飲む時には、口がつぼまっている。
だから、口の中に入った汁が、
味を感じる舌に、当たる部分が違うのだ。

最近のラーメン屋さんでは、
スープをすくうためにレンゲを付ける店が多いが、
スープの味をみるために、
ドンブリから直接飲むという、ラーメン通の方もいらっしゃる。
その方が、口全体で味を感じることができるのだそうだ。

和食の世界では、
料理の華といわれる吸い物は、
比較的浅い、口の開いた器で提供されることが多い。
これは、こういう器で汁を飲むと、
口の中全体に流れるため、
微妙な風味や香りを味わえるとのこと。
一方、すり流しやみそ汁などの、
味の濃い汁の場合は、
深めの、淵の立った器を使うことが多い。
この器で吸い込むように飲むと、
舌の真ん中から広がる味が楽しめるという。

そんな、器の違いで、
感じる味も異なってくる。
きっと最初のみそ汁も、
そんな違いがあるのだろう。
料理の世界は奥深い。

そばだって、
食べ方によって、
味の感じ方が違うのだろうなあ。

ということで、
苦手の酒も、
器によって味が変わるか試してみる。

先ずは戸隠の小山智徳さんの織部で。
酒は小布施の豊賀(とよか)純米吟醸生原酒。

Toyoka

 

 

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2012年4月12日 (木)

江戸っ子のそばは、もっと白いそばだった。

あるそばの研究家の話によると、
江戸時代に、江戸の町で食べられていたそばは、
今のそばに比べ、ずっと、色の白いものではなかったか、
とのこと。

これは、そばの実の製粉歩合から推測したもの。
江戸時代も終わりごろになると、
充分に高度な製粉技術が育ったが、
それで、今の製粉歩合から比べると、
やや、少なめなのだそうだ。

つまり、そばの実の外側の部分はあまり使われずに、
実の内側の部分だけを使っていた可能性があるそうだ。

ご存知のように、
そばの実の外側部分まで挽き込んで粉にすると、
色が黒っぽくなり、そばらしい風味が強くなる。
内側の粉を使うと、
色は白くなり、淡白な味になる。

そばの香りも、
外側を挽き込んだそばは、
枯れ草のようなはっきりとしたものになるが、
内側の粉では、
春の芽吹きの草のような、
甘く柔らかいものになる。

よく、そばの香りというと、
判りやすい、枯れ草のようなもののことと、
勘違いしておられる方がいらっしゃるが、
そばには様々な香りがある。
夏草のような青臭い香りもあれば、
微妙な甘い香りもある。

何事にも洗練されたものを好んだ江戸っ子は、
淡白な味と、ごく微妙な甘い香りのそばを、
好んで食べていたのかもしれない。

そういえば、中期に江戸っ子の間で人気になった、
「道光庵」も白いそばを出していたと記録されている。

さて、
その淡白なそばを味わうために生まれたのが、
江戸汁といわれる、塩っぱい、辛い汁。
強い塩分が、そばのかすかな甘味と香りを、
ぐっと引き立てる、、のだね。
そこで、江戸っ子の見栄っ張りなところも手伝って、
汁をそばにちょっとだけ付けて食べる、
などという食べ方が広まったのかもしれない。

あくまでも、私の勝手な想像だけれど。

でも、食べるときの汁の使い方で、
そばの印象は、ぐっと変ったものになる。
しっぽだけ浸けて手繰るか、
汁にどっぷりと浸すか、
はたまた、そばだけ先に食べて、
後から汁を流し込むか。

そばによって、
店によって、
いちばん気に入った食べ方で、、
どうぞ。

 Rosa

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2012年4月 9日 (月)

そばの風味を引き立てる強い塩味。でも、、、。

そば屋にとって、
そば汁とそばとの関係は、
永遠の課題と言える。

老舗だといえども、
昔ながらの同じ製法で同じ汁ができる訳ではない。
なにしろ、素材になる、醤油、みりん、節の質が、
どんどんと変わってきているのだ。
それに合わせた工夫と調整をしていかないと、
時代にそぐわないものになる。

何よりも、そばを召し上がる、
お客様の好みも、
時代とともに大きく変化しているのだ。

だからといって、
決して、「うまい」汁を作ればいいというものではない。
そば汁は、本来そばの味を引き立てるもの。
その、そばとの相性が良くなければ、
どんなにうまい汁であっても、
場違いなものになってしまう。

いくら、昆布は利尻、
節は本枯の血抜きを使いましたといっても、
そばと、夫婦喧嘩をしているような相性の悪さでは、
召し上がっていただいているお客様が落ち着かない。
意外と、荒削りな、角のある汁が、
そばに合ったりすることもあるので、
何とも不思議な関係なのだ。

あるそば屋さんでは、
そばの香りが楽しめるから、
最初は塩で食べてみろ、、、
などと言われる。
そば猪口の底に盛った塩に、
そばのシッポをほんの少しだけ付けてそばをすすると、
あら不思議、
塩の付いたそばのシッポをすすり込んだとたん、
そばの風味が口の中に広がるのだ。

ところが、それで、二口目、
そして、三口目、、、、となると、
一口目の感激が薄れ、
口が飽きてしまうのだ。

この食べ方が流行らないのは、
ここのところなのかもしれない。
でも、一口だったら、試す価値のある食べ方。

以前作ったことのある「味噌垂れ」のときもそうだが、
この塩っぱい汁は、そばの風味をぐっと引き立てる。
でも、
何となく、後が続かないのだよね。

ということで、
強い塩分は、そばの風味を引き立てることは判るのだが、
それだけでは「おいしさ」には繋がらないようだ。

ならば、どんなそば汁を作ればいいのか、、
ということで、
まだまだ、頭の中で試行錯誤は続くのだ。

 

Baimo

 

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2012年4月 5日 (木)

意味が違う「死ぬ前に、そばに、つゆをたっぷりとつけて食べたかった。」

さて、そば汁というと、
広く知られている小話がある。

あるところに、蕎麦の食べ方の講釈をする江戸っ子がいた。
「そばは、さらさらとたぐり、そばの先に、ほんの一寸か二寸、つゆをつけてたぐり込む。そうしなければ、そばの香りが判らねえ。」
そう言って、いつも、そばをたぐっていたそうだ。

ところがこの男、病気になって、明日とも知れぬ身となった。
見舞いにいった友人が、
「なにか、言い残すことはねえか。」
と問えば、
「たった一度でいいから、そばに、つゆをたっぷりつけて食べたい。」
と答えたそうだ。

この話、明治時代の作家、南新二の作といわれる。
いろいろと尾ひれがついて、落語のまくらに使われたりしているようだ。

やっぱり、江戸っ子が、そばをかっこ良くたぐるには、
そば汁に、そばを泳がせてはいけないという、決まりみたいなものがあったのだね。

でもこの話、おそらく、今とは、
少し違う意味があるような気がしてならない。
おそらく、当時のそば汁は、かなり塩辛いものではなかったのか。
今のような、コクと甘味のある汁は少なかったのではないだろうか。

汁が塩辛いが故に、
そばをすべて浸しては、
とても、そばを食べられたものではなかったのでは?。
だから、そばを浸して食べられるようなそば汁で、
一度そばを食べてみたかった、、、、
そう江戸っ子が言った、、、、
というのが、ひねくれ者の私の勝手な解釈。

あの、くれぐれも、このことを、
他に人に語りませぬように。
白い目で見られるかもしれないのでね。

今から250年ぐらい前、江戸時代の中頃、
そばの愛好家だった日新舎友蕎子という人が書いた「蕎麦全書」。
その中に、自家製のそば汁の作り方が書かれている。

このレシピよると、次の通り。

醤油一升、上等の酒4合、水4合、以上を合わせて、
とろ火で1時間煮込む。

たったそれだけ。
本人も書いてある通り、大変に塩辛い。
これに好みに応じて、大根の絞り汁を大量に入れて、そばをたぐったという。

うううう、、
想像したでけでも、塩っぱそう。

前に書いた花魁(おいらん)の几帳(きちょう)にしても、
なんで、江戸の人たちは、
こんなに辛い汁を好んだのだろう?

実は、そこに、
そばを味わうヒントがある、、、、
と、はたまた、勝手に解釈している私なのだ。
で、
続きは、また今度。


 

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